琥珀回廊でうたたね

琥珀回廊でうたたね

2018年06月06日
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カテゴリ: 闘病日記
この前、5月20日の事です。
この日自治会のもめごとがあって、父とちょっと近所へ外出していたんですよ。
そのとき父が「胸が痛い・・」

パパは10年前から狭心症で、カテーテル手術を5.6回受けていますがそうとは思えないほどピンピンしており、
たいてい「胸が痛いから病院連れてって」と言ったら血管が狭まってて、でも「お風呂入ってから行く」という程度には動けたし、即入院になっても1泊2日で帰ってきてたんです。

その日の痛がり方は違ってて、いつものように「痛さは1から10で言うとどのくらい?」と聞くと「9」と。

今回はただ事じゃないと思い、その場所から救急病院まで車で近かったため、急いで駆け付けたところすぐに処置室に運ばれました。
そしてどうも心筋梗塞を起こしていると。
すぐ手術をするとお医者さんが言って、父の脈を診ていたのですが「あれ?脈弱いね?」とその瞬間、父が目を見開いてぶるぶるしだし、取り付けた機械がピコンピコン鳴り出し、


娘さんは外へ出ていてください!と促され、半泣きで表へ出た後しばらくして呼ばれ、
父は酸素マスクをつけ「これが心筋梗塞です」とお医者さんに言われ。

心臓が一度止まったそうです。
(父曰く「綺麗な花畑を見て、あれ?ここが天国か?」と思ったそう。嘘か真かわからんが)
その後すぐに緊急手術、CCUと呼ばれる心臓専門の集中治療室へ運ばれました。
父の通ってる病院とその連携したこの病院の助かるところは『心臓専門の病棟があること』
それのおかげて処置も早く助かったんだと思います。

もし病院から遠くにいたら、車の中で心臓が止まっていたら…と思うと今でも怖くなります。
CCUで父の顔を見て生きてくれてよかったと涙ぽろぽろ流してしまいました。

すぐ兄に連絡して入院に必要なものを買いだし、サヨちゃんも来てくれて、酸素を吸いながら「100まで生きたい…」とつぶやく父に「じゃあ禁煙しなきゃねぇ・・・」「楽しみがなくなる・・・・」とやり取り。
狭心症起こしていっつもお医者さんからタバコ辞めてと言われても、医者はみんなそういうんだ、と毎日8本は吸ってた父。


夜ボロボロ泣いて明かりを消すと不安で電気をつけたまま寝ていました。

毎日お見舞い行ってたのですが、CCUってほんっとに機械以外何もないの。
「暇すぎる…」と父はカーテンの閉められた空間の中1人で外の音を聞くか、寝るかしかないらしく、相当暇だったようで2日もすると少しボケたこと言い始めました。
(CCUにいる間お金かからないから一般病棟じゃなくてずっとCCUでいいよー、とか。金はかかるにきまってる。)

3日目にやっと一般病棟(と言っても、心臓専門の病棟で4人部屋。病棟へ入るにはインターホン押して自動ドアを開けてもらわなきゃ入れない)に移り、5日目には点滴も取れ、7日目から心臓リハビリというものを始めました。


1人暮らしを続けてたある日、私に電話がかかってきて、30日に父の事で先生からお話があるので来てくださいと。
30日午前中に自分の医者に行き、先生に「呼び出しがあって不安ですー」「退院のめどが決まったんじゃなかな?」なんて話をして、午後に父の病院に行き、父との面会中1人まず呼び出されたときにもう嫌な予感はしていました。

まず今の状況。
元気そうに見えるが心筋梗塞のダメージが残ってはいる。
リハビリは問題なし。
ステントを入れたらそこに詰まらないよう薬を塗るのでたいていそこは血管が狭まったり詰まったりしないが、20人に一人効かない人がいる。それが父。
今回血管が完全に詰まって流れなくなったとこもステントの入ったとこでした。

そんで。
どうも悪性の肺がんになっていると。

レントゲンに半年前無かった3cm台の影があると。大きくなるのが速いと。
泣きはしなかった。
あー、お母さんと同じ肺がん。
いま告知が普通なんですってね。母の時は告知するかしないか言われてする方を選んだのですが…。
悩んだすえ、すぐばれるからと父を呼んで、先生から伝えてもらいました。
父の顔色は変わらなかった。
あー、肺がんになってますか、と。

病室に戻るとき「なんで癌になったんだろう」「ガンだけはなりたくなかった」「お母さんと同じかぁ」
病室帰って「やっぱ80歳まで生きられないのかねぇ」「どうせ2.3年もいきられないんだろう」「こうなったらどうせ死ぬんだから死ぬまでタバコ吸ってやる」とやけ気味に。

母の看病から臨終まで見てるもんね。
一番泣きたいのは父だ。

その日は長く一緒にいて。帰って兄に報告したときわんわん泣きました。
泣けるだけ泣きました。
もしかしたら父まで写真の中だけの存在になる。
声も、私がばかなことを言った時ちょっと笑うしぐさも、何気ない話も、一緒にお出かけも、何も見られなくなる。
あの日のように固い母を触った、動かない母を見つめたように父も動かなくなる。
もしかして、それは近い未来。

母が早くなくなった分、父と長く2人暮らしを続けた分。
絶望は深くて。

今はまだ検査しないと分かりません。
心筋梗塞をやっちゃってるのですぐに手術とかできない。

退院は1日にして、今は紹介された病院の診察待ち。
父とまた2人で家にいます。

また後日報告します。
長々重い話を失礼いたしました。





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最終更新日  2018年08月22日 10時00分11秒
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