琥珀回廊でうたたね

琥珀回廊でうたたね

2019年02月27日
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カテゴリ: 闘病日記
父を受け入れてもらえる養療病院は4か所。
うちの周りの市を含めたら結構な数養療病院はあるのですが、父は人工呼吸器をつけ、また痰の吸入数が多いため、『介護養療病院』ではなく『医療養療病院』になってしまうそうです。
人工呼吸器の設備などがあるのが医療養療病院だそうです。

で、S病院の相談員さんが指定してくれて連絡を取った中で3か所、OKをいただきまして、次は見学に行ってきました。

そこの相談員さんに院内の案内、見学、入院後の案内、見積もりを相談するのです。

まずはうちから1番遠い隣の市のN病院に兄と2人で行ってきました。

相談員のYさんはとても親切で気さくな感じの方です。
病院の見た目は古め、でもとっても大きな3階建ての病院です。
「駐車場が無駄に広いんですよ」と言っていただけになんとあちこち合わせて100台入るそうで…。

実はここ、私のお気に入りのビュッフェのあるお店のすぐ近くでして(あるのは知らなかったんですが)、普通の道で行くとかなり遠いのですが、裏道通るとかなり早く行けることが判明しまして。
しかも私の働いてるバイト先から車で7分。

中はちょっと迷路みたいでした。
でもすれ違う看護師さんたち皆さんこんにちは~とあいさつしてくださいまして、雛飾りや壁紙、飾りなどアットホームで、
陽の開けた明るさが気に入りました。
父が入院するとなるとナースセンターの前の2人部屋。
人工呼吸器は6台。

員室で相談。
父は後期高齢者なので入院代、食事代などはどこの病院もみんな一緒で、何が違うのかというとアメニティ代。
これが病院ごとで違うんだそうです。
(アメニティは日用品、病院服、タオル、おむつなんか)

父の年金内でぎり賄えました。

それから相談員さんの話では、人間最期まで残るのは『耳』だそうで、これは亡くなってからもしばらく聞こえるとか。
だから周りが楽しそうだと穏やかな顔になるという。
父もやはり耳は聞こえてるんだそうです。

あと、病院を移る際のデメリット。


私たちは最期までお世話をさせていただきますよ、でもお父様の終の棲家になるのですから、他の病院もしっかり見学して、良い所にしてあげてくださいね。との優しい言葉をいただき、一旦家へ帰りました。
次の病院までの時間があったことと、保険を見たいと兄が言ったので。

(うちに着いたらしっかり兄のお小言頂きました。部屋片づけろよ・・雨戸閉めっぱなしってどういうことだよ・・廊下ぐらい箒で掃除しろよ…)

保険、父3か所入ってて、一か所はがん保険なのですが、これはもう今回もらえないかもな…とか、何が必要なんだ?とか、電話かけたり2人でこれも悩みました。

午後は反対の市にあるK病院。
ここは小さめの病院でした。6階建てくらいのビルみたいな。
住宅街の中で景色はよくない。
案内してくれた相談員さんはなんだかせかせかした方でした。
院内はちょっと暗く、父が入るのは4人部屋。
人工呼吸器は3台。

なんだか印象は老人施設のひどい版みたいで、ここにはいさせたくないかな…という感じ。

相談は普通の小さなイスとテーブルだけの部屋で、ここは月16万くらい。
20人くらいの患者を1人の看護師が見ること、お父様の終のターミナルになるのだから最後まで見させていただくこと、などなどいろいろお話をいただいた後、いきなり入院契約書を差し出され、
いや、あと一か所見学に行くので‥というと、早めに返事くださいね、出ないと私、次々患者入れちゃいますんで。と。
印象悪かったのですが、父の終のターミナル、という事派が響きました。

そうなんだ。
前のN病院でも言われたけど、父にとってそこは最期の場所になるんだ。
父の人生の終着点なんだ。
そこからもうどこにもいかない。

病院で迎えさせてしまう最後に涙が出ましたが、だから良い所、過ごしやすく、安心できる場所を選びたい。

今日はこの2件。兄的にも今のところはN病院かな‥とのことです。
この日は帰りに丸亀製麺でうどんを食べて2人で父のところによって、父の顔を見ながら今日の事を話しながら、そのあと帰路につきました。
兄と2人で食べに行ったの初めてかも。新鮮。
昔はこれでも少し普通ではない状態で育ったので、お互い仲が悪くはないのですが話し方があまり分からず普通の兄妹とは違う感じで大きくなってしまったため、
頻繁に話し始めたのが大人になってからという感じでした。兄という概念がちょっと薄かったんです。

次の日は伯母姉妹と兄の4人で見学。
兄とK病院の帰りに外見だけ見てきたS病院は兄に教えてもらったスマホのGoogleナビで家から車で7分で着きました。
ここなら伯母姉妹も自転車で通える!と言ってました。

林の中にあるとても大きな病院です。
静か。とっても静か。

案内してくださった相談員さんは事務的でしたが、すれ違う看護師さんや掃除の方皆さんこんにちは、と丁寧なあいさつをくださいます。
院内はとてもきれいで静かな空気が流れていました。陽がっふわっと当たる感じ。
2人部屋を見たとき、木の穏やかな壁の広めの病室に「あ、ここにお父さん居てもらいたいな…」と思いました。
父が入るのはナースセンター前の病室。父は重篤度が高いのでどこもそうみたいです。
4人部屋も静かな陽が当たっていて良い感じでした。

相談員さんと相談。
寝たきりの方の部屋にも歌唱隊が来て歌を聞かせたり、体が固くならないようマッサージをすること、
月一回髪の毛を切るため2500円くらいのお金がかかること、
父にかかりきりにはなれないけど、18人に一人の看護師さんがつくこと、呼吸器は16台?くらい。

リハビリには本当に長けたとこなんです。リハビリセンターがあったり、談話室があったり、患者さん同士で交流会があったり…。
でも父にはそれは出来ないこと。

そして驚くべきはアメニティ代、10万円強。呼吸器の部品代、加算加算でなんと入院費諸々込み月22万。
それで収まるかは不明です。まだまだかかりそう。
前金は20万。N病院ですら5万だったのに。
病院への移動は民間救急車を使うので8万。
その他おこずかい(そのお金から必要なものを買う)が必要で‥‥
良いなと思った2人部屋も、4人部屋も差額ベットで2人部屋で月5万かかるのかなぁ。
無料のベットは4人部屋。空きが出たら入れるそうで・・・・。

病院を出て兄が一言「N病院だな…」
お金さえこんなにかからなければほんとにS病院はいいとこだったんです。
伯母姉妹も気に入ってたし、何より頻繁に通うであろう私と伯母姉妹の家から近い。

でも父がここにいるイメージがとても湧いていたんです。
陽のふわっとあたる部屋に横になる父。
陽の光を感じるなら、その目でもわかるであろうし、居心地もとてもいいかもしれない。

決めるのはなぜか私に託されてしまいました。
まずよく通うのが私だから、兄はN病院にしたのは少しでもお父さんにお金を私に残した方がいいから。
私はお父さんのお金を使い切ってもいいからここでもいいのでは・・という事と、兄の考えを聞くと、兄的にはN病院、S病院どちらも感じ的に良かったのでどっちでもいいとのことで…。

父の年金はすべて病院代に使うほかに、父の貯金から父の保険代、光熱費、国の保険などに月10万くらい吹っ飛んでいくので、よく考えて決めな、と。

伯母姉妹の家に帰りによって、夕飯をごちそうになりました。
叔母は私の話は参考にするな、決めるのはむむとようちゃん(兄)なんだからね、と言いつつ、今日の病院は周りはさみしいけど感じはとても良かった。
何より近くだからあそこにいると思ったらさみしくない、と。
自転車で通えるし、頻繁に行ける。

伯母たちは今入院してる病院にも頻繁に通ってくれています。
慕っていた実の兄ですから、会いたいでしょう。

N病院のアットホームな感じは気に入ってます。病室が殺風景でなければ。
S病院の手厚い看護、空気は気に入っています。病院代が高額でなければ。

父にとってはどっちがこれから最後まで気持ちよく過ごせるんだろう‥‥





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最終更新日  2019年03月04日 05時20分02秒
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