『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第5話「兄弟みたいに思ってる」
「ナルト、敵もめんどーなことは起こしたくねぇはずだから、むやみに襲ったりはしねーだろーが……そいつが爆弾のことを話しそうになったら攻撃をしかけてくる可能性は高くなる。気をつけろ。それからなるべく外に出るな。家の中の方が安全だ」
「わかったってばよ、シカマル」
ナルトは、子供を連れて家に帰った。
「お前、名前は?」
「夢之助です」
カップラーメンが散らばる部屋を冷めた目で眺めながら、子供はボソリと答える。
「ユメノスケ? 変な名前だなぁ」
ナルトの言葉を夢之助は特に気にも止めず、ああ、と小さく納得する。
「なんだってばよ」
「一日目は一番狙われやすいのに、どうしてこんな弱そうなお兄ちゃんなのかなって思ってたんだけど……独り暮らしで都合がつけやすかったんだね」
「おまっ、弱そうだとぉ!?」
「それに単純だし冷静さに欠けるし」
「じゃあお前はどんだけ強いってんだよ! 術の一つでもやってみろってばよ!」
ナルトは夢之助の襟首をつかむ。
「できないよ。ボクは忍じゃないから、そーいうことは何もできない」
表情を変えない夢之助をナルトはしばらく見つめ、そして襟首から手を離す。そうだった――この子は小さな国の、ただ独りの生き残り……。仲間を一瞬にして失った、まだ幼い子供。
「お前の言うとおり、独り暮らしだから誰もいなくてつまんねーだろうけど、一晩だから我慢してくれってばよ」
ナルトは気を取り直して言う。
「なんで?」
「えっ?」
「親なんて、いてもいなくてもいいんじゃない? いや、いないほうがいいよ」
ナルトは目を見開く。
「……お前、爆弾で父ちゃんや母ちゃんがいなくなっちまったんじゃないのか? さみしく……ないのか……?」
「……どーでもいいよ」
ナルトは絶句した。初めから独りだった自分でさえ、今でも時々さみしさを覚えるというのに……。
「お兄ちゃんはさみしいの?」
夢之助の問いに、ナルトは少しだけ目を伏せ考える。そして、ニッと笑う。けれどそれは、少しだけ無理のある笑顔で――
「……親がいたことねーから、分かんねぇってばよ」
夢之助は驚く。ナルトはあわてて次の言葉をつなぐ。
「けどさっ、けどさっ、オレってばサスケのこと兄弟みたいに思ってるしーっ! あーっサスケってのは今日いた黒髪で黒目の……」
夢之助はわずかに反応する。
「……って、あーーー! オレってば何言っちゃってんだってばよ! なぁなぁ、今言ったこと、ぜぇったいサスケには内緒だかんな! ってかオレってばホントはサスケ嫌いだ! 性格正反対だし! うん! 大ッキライだってばよ!」
「好きなんだね」
ナルトはずっこけた。
「なんでそうなるんだってばよ~」
「だって分かりやすいんだもん。ナルトお兄ちゃん」
生意気な口をきく夢之助だが、ナルトはその目になにかあたたかいものを見た気がした。
「……うん。サスケは、すっげぇ大事なヤツだってばよ」
「うん……」
夢之助は優しくうなずいだ――だが……。
「でも、そーいう風に思うの、やめたほうがいいよ」
夢之助は、元の冷めた目に戻っていた。
「……なんで?」
「……いーけど、別に」
夢之助は、それきりふいと窓辺へ行ってしまった。
「……一楽のラーメン連れてってやりたいけど外は危険だから……カップラーメンで我慢してくれな」
「うん……」
空を見上げたままの小さな後ろ姿を、ナルトはしばらく見つめていた。
ナルト『明日の任務話さぁ、ネジ怖いってばよ。シカマルもゲジマユも変だし……う~ん』
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