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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace最終話「緑梅の記憶」乾隆帝(ケンリュウテイ)弘暦(コウレキ)は慣例に従い秋の狩猟で皇室の狩り場・木蘭囲場(モクランイジョウ)に出かけた。人影もまばらとなった宮中、そこで烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は思い出の城楼に登り、ひとり感慨にふける。その日、如懿は夜になっても亭に座っていた。侍女・容珮(ヨウハイ)は夜風が冷たいので中に入るよう勧めたが、如懿はもう少しここにいるという。「あなたもお座りなさい…」「掟に反します」「掟など、どうでもいい、今までずっと忙しく立ち働いてきたでしょう?座って、私の相手を…」容珮が腰掛けると、如懿は容珮と初めて会った時のことを思い出した。あの時、無謀にも内務府の太監に詰め寄っていた容珮、あれからもう何年も経つ。「あの日のことは死んでも忘れません、私は身寄りがいません 娘娘に目をかけられ、お仕えできて、幸運でした」「幸運だったのは私の方よ…」恐縮した容珮は茶を献上すると、如懿は喉を潤して器を返した。「あなたとの出会い以外にも色々なことを覚えているわ… 叔母上に会うため初めて皇宮を訪れた日や、赤い壁と瑠璃瓦、特に赤い壁はとても高く感じたの ″墻頭馬上(ショウトウバジョウ)″を見た時、初めて弘暦に出会った、2人で抜け出し、城楼へ登ったわ 数年後、その城楼で″一緒になろう″と言われた、″私がついている、安心せよ″と… 私が側福晋として王府に輿入れした夜は、面紗をめくり、私の様子をうかがっていた 皇后に立てられる時はこう言われたわ ″ルーイー、誰もおらぬ頂きは寂し過ぎる、そばへ来てくれ″ 私は無意識にうなずいていた、一歩ずつ彼の元へと歩き、ここまで来たの」容珮はうっすら涙をうかべ、主人の気持ちは見ていて理解できたと告げた。「にゃんにゃん…皇上が恋しいのでしょう?」しかし如懿の気持ちは違った。「色々あったわ、思い出すと昨日のことのよう…でも何もなかったようにも感じるの 恋しいかしら?…いいえ」「娘娘、宮中であまりにも苦しまれたからでは?」「宮中では誰もが苦しむ、ここ何日か多くの人を思い出すの… 叔母上、阿箬(アジャク) 、琅嬅(ロウカ)、晞月(キゲツ)、緑筠(リョクイン)や玉妍(ギョクケン)、 意歓(イカン)のことはもちろん衛嬿婉(エイエンエン)でさえも… 以前、皇上に言ったわ、後宮の争いや謀(ハカリゴト)には嫌気が差すとね 寵愛や一族を守るため、多くの命が犠牲に…馬鹿げているわ 永璜(エイコウ)と永琪(エイキ)が生きていて、璟兕(ケイジ)と永璟(エイケイ)が成長していればどんなにいいか」すると2人は美しい月を眺めた。「容珮や、想像して見て…何も起きなかった後宮を… ←imagine?w 琅嬅や晞月、緑筠、玉妍、意歓が生きていれば、どうなっているかしら? ここで彼女たちも私たちと一緒にお茶を飲んでいるかしら?…きっと皇上もいるわね」如懿はいたずらっぽく笑うと、お茶を所望した。そして容珮にも飲むよう促す。2人はまるで別れの杯を交わすように一緒に茶を飲むと、如懿は新しい茶葉に替えるよう頼んだ。如懿は枯れた緑梅の植木を見た。禁足になってから面倒を見てきたが、やはり芽は出ない…。やがて容珮が茶葉を持って戻ってきた。「にゃんにゃん?」如懿は背もたれに寄りかかって寝ているようだった。しかし声をかけても返事はなく、肘掛に第12皇子・永璂への手紙が置いてある。容珮はすでに如懿の息がないと気づき、崩れ落ちるようにひざまずいた。木蘭囲場では慶嬪・陸沐萍(リクボクヘイ)が皇帝と共寝していた。すると早朝から太監・進保(シンホウ)が駆けつける。進保は慌てた様子でひざまずくと、翊坤(ヨクコン)宮の娘娘が亡くなったと報告した。知らせによると長らく労咳(ロウガイ)を患っていながら薬を飲まず、夜更けに亡くなったという。死に顔は穏やかで、容珮もすでに殉死していた。慶嬪は好い気味だとばかりに″翊坤宮の方″なら金冊(キンサク)も印璽(インジ)も受け取っていないと揶揄し、重病を秘密にしていたのは皇上への当てつけだと非難する。しかし呆然としていた弘暦が突然、激昂した。「朕と皇后のことに口出しするな!恥知らずめ!失せろっ!」逆上した弘暦は如懿を蔑んだ陸沐萍を追い出した。驚いた進保は皇帝をなだめ、葬儀はどうするか確認する。しかし弘暦は何も聞きたくないと声を荒げ、幕舎から全員を下げた。…出発前に会った時は元気だったのになぜだ、なぜ秘密に?…薬も飲まぬとは…なぜだ?翊坤宮で如懿の葬儀がしめやかに営まれた。悪事を尽くした衛嬿婉が報いを受け、これからだという時に…。妃嬪たちは涙に暮れ、その早すぎる死を悼んだ。しかし容妃(ヨウヒ)・寒香見(カンコウケン)だけは悲しいとも限らないという。「今ごろ昔の想い人と一緒にいるはず…」弘暦は翊坤宮にやって来たが、門の前から動けなかった。そこへちょうど永璂がやって来る。「額娘は…額娘は″自由になった″と仰せでしたが、本当ですか?」すると永琪は父に母の遺書を渡した。…永璂へ…わが子よ、どうか泣かないで…額娘は重い病から、やっと解放されたわ、自由になれたの…以前に話した通り、私の望みはあなたの幸せ…やりたいことをやり、額娘と同じように自由になって欲しい…己を大切に弘暦は如懿の本心を知り、永璂に遺書を返した。「額娘の遺品だ、大事に取っておけ」すると弘暦はそのまま引き返して帰ってしまう。養心殿には切り取られた肖像画と枯れた緑梅の植木があった。李玉(リギョク)は確かに如懿が労咳だったと皇帝に報告し、薬を拒んでいたので手の施しようがなかったという。「最期は安らかでした、昼間は容珮を連れて城楼へ登られたそうです その夜、外で茶を飲みながら眠るように逝ったと… そばには12阿哥への文と、この枯れた緑梅が置いてあったそうです」「…この絵は如懿が切断を?」「はい、ご自身の部分だけを切り取り、焼いたと…」弘暦は肖像画を持って宮廷画家・郎世寧(ロウセイネイ)を訪ねた。そこで如懿が切り取ってしまった肖像画を復元するよう命じる。しかし郎世寧は無理だと言った。「皇上?この絵を描いた当時をご記憶でしょうか? お二人はとても仲むつまじく、手を握り合っていました 私が手を握った姿を描きたいと申し出たら、皇后は″しきたりに反する″とおっしゃった でも皇上は″朕の気持ちには沿っている″と仰せになりました 皇上、このような言い伝えがあるでしょう?″絵の命は人より長し″と… ですが私が思うに、時として絵は最も無意味なものです 美しく忘れがたいものは目や心に記憶が残る、絵とは比較にはなりません 絵は一度、破れたらおしまいです、だからいかに良い絵でも執着するのは無駄なのです」「描きたくないのか?」「そうではありません、復元は不可能なのです 無理して描いても同じ絵にはなりません、お許しください」弘暦はひとりで城楼に登った。2人の美しい日々はもう2度と戻って来ない。弘暦は如懿の存在の大きさを改めて思い知らされ、後悔の念に苛まれた。ひとしきり泣いていた弘暦はようやく城楼から降りた。宮道で待っていた李玉は心配していたが、皇帝から勅命を伝えられる。「皇后は奇行を重ねた、よって皇后として埋葬はせず、皇貴妃の慣例に従う 皇后に関する史書の記載や絵は全て抹消し、天下にこう告げよ、″烏拉那拉氏、死去″と」皇太后は皇帝の如懿の布告に驚いて養心殿にやって来た。「ルーイーは皇后でした、皇后として葬らぬだけならまだしも、なぜ″烏拉那拉氏、死去″と? ″崩御″とするべきでは?ルーイーは廃后だと言いたいのですか?」しかし弘暦は廃后するつもりはないが、ただ如懿が自ら皇后を降りたのだと訴えた。結局、金冊と印璽を受け取らず、薬も飲まず、肖像画まで台無しにしたという。皇太后はそれでも如懿の亡骸を純恵(ジュンケイ)皇貴妃の墓に葬り、墓碑もなく、如懿に関する記述や絵も全て記録から抹消するとはやり過ぎだと諫言した。「あの者は公然と髪を切って何度も逆らい、朕の顔を潰した 横暴な振る舞いは厳しく処罰せねば、天下に示しがつきません! …皇額娘もおっしゃいました、如懿は寵愛や権勢、皇后の位に目もくれなかったと 本人が望まぬのに無理に与えるのですか?」弘暦は如懿が宮中には合わぬ者だったという。「…あいじゃー分かりました、皇帝はルーイーを自由にしたいのですね」皇太后はならばこれ以上、何も言わないと告げ、席を立った。しかし皇帝の机の上にある設計図に気づき、思わず警告する。「懸命に消し去ろうとするのは向き合えないからでは? 忘れようとするほど記憶に刻まれるものです」弘暦の設計した図面には″梅塢(バイウ)″とあった。それから9年後、弘暦はもっぱら養心殿の梅塢にこもってばかりだった。李玉は心配して散歩でもどうかと勧めたが、そこへ進保がやって来る。「皇上、慈寧(ジネイ)宮から使いが来ました、皇太后がお呼びです」すると弘暦はようやく重い腰を上げた。殿内に飾られた梅は美しい花を咲かせていたが、如懿が残した枯れた緑梅はやはり芽が出ない…。衛嬿婉の息子である第15皇子・永琰(エイエン)が妻を娶って親王に封じられた。弘暦はこの数年の活躍を見る限り永琰が皇太子に一番ふわさしいと話す。衛嬿婉の娘である第7公主と第9公主もすでに嫁いでいた。すると皇太后は皇貴妃だけが錯乱した老婆のごとく生きていると失笑する。「永琰が立派に育ったのに、あんな母親がいては体裁が悪い…片をつけてはいかがですか?」こうして生き永らえていた衛嬿婉は皇帝から鶴頂紅(カクチョウコウ/ヒ素)を賜る。乾隆40年、皇貴妃衛氏は逝去、炩懿(レイイ)の諡号を与えられた。弘暦は第15皇子・永琰を皇太子とする密建書をしたため、小箱に入れた。「…皇阿瑪が太子を選んだ時も、こんな心境だったのか?安堵と不安が交錯しておる」すると李玉は先帝が千古稀(マレ)な名君だったからこそ、皇帝を選んだのだと告げる。そんな皇帝は出藍の誉れ、慈悲深い君主と語り継がれるだろう。しかし弘暦はふと虚しさに襲われた。確かにこの生涯、夫婦の恩情と妃嬪からの敬慕、父母の恩や子女にも恵まれたが、その半分を失っている。「…もはや朕は一介の寡夫に過ぎぬ」嘉慶(カケイ)4年、太上皇となった弘暦はすでに髪も真っ白になっていた。今でも机の上には如懿の残した緑梅がある。弘暦は久しぶりに小さな化粧箱を出すと、如懿が刺繍した紅荔(ホンリー)と青桜(チンイン)の手巾が現れた。その下には如懿が断髪した時の髪の毛が入っている。弘暦は真っ白な辮髪から少しだけ髪を切り、如懿の髪と一緒にして再び蓋を閉じた。しばらくしてまだ若い宦官がお茶を運んできた。宦官は机にお盆を置いたが、その時、枯れ木の緑梅に新芽を見つける「太上皇…太上皇!緑梅が芽吹きました!」しかし弘暦は2度と目を覚ますことはなかった。「太上皇…太上皇!」西暦1799年、清高宗乾隆帝崩御、享年89歳だった。乾隆帝の死後、清の時代に烏拉那拉氏の女子が再び妃として入宮することはなかったという。終劇全87話、約11ヶ月に渡りご紹介してまいりましたが、ついに最終話を迎えましたジョウシュンの圧倒的な演技力、バッドエンドだと分かっていても見届けられたのは主演の2人のおかげかもしれません確かに″ドロドロの後宮ものは苦手〜″と言う方には無理(断言w)でもその奥にある世界観に入れる人には忘れられない作品の1つになると思います
2020.04.05
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第86話「暴かれた真実」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)がようやく最後の経幡(キョウバン)を完成させた頃、炩皇貴妃(レイコウキヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)は養心殿にいた。太監・王蟾(オウセン)に見張りをさせ、ゆっくり皇帝の寝所へ入って行く嬿婉…。その時、寝台の側で付き添っていた江侍医が急に視界に入り、思わず息をのむ。「(はっ!びっくりした)江侍医だったの…皇上のご容体は?」「(ハァ~)なす術がございません」そこで嬿婉は今夜はもう休むよう命じ、江与彬(コウヨヒン)はそこで下がることにした。衛嬿婉は何度か皇帝に声をかけ、目を覚まさないことを確認した。そして密建書を入れる小箱に第15皇子・永琰(エイエン)の名を書いた紙を入れようとしたが、突然、目を覚ました皇帝に見つかってしまう。衛嬿婉と王蟾はその場で取り押さえられた。しかし嬿婉は皇帝の病が重いと知って、国事が滞らないようにしただけだと取り繕う。そこへ愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が現れ、嬿婉が我が子を皇太子にするため、永琪(エイキ)を亡き者にしたと告発した。実は永琪の格格(ゲゲ)だった胡蕓角(コウンカク)は嬿婉の駒、この駒を操って永琪を死に至らしめたという。しかも永琪の死に乗じて如懿を讒言で陥れるよう命じていたのだ。寝耳に水だった乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は愕然とし、確固たる証拠はあるかと尋ねる。嬿婉も全くの言いがかりだと否定したが、予想外の証人が現れた。「私が生きていて驚きましたか?」それは毒殺したと思っていた春嬋(シュンセン)だった。春嬋は口封じのため皇貴妃に殺されそうになったと訴えた。これまで拷問を受けても口を割らぬ覚悟で仕えて来たが、ここで自分の罪を認めると同時に皇貴妃の罪業を白状するという。実は胡蕓角は産婆の田氏の娘・田蕓児(デンウンジ)だった。衛嬿婉は田氏の死後、田蕓児を数年にわたり養って手なずけ、その後、書記官の娘に仕立てて永琪に仕えさせ、死に至らしめたという。これも如懿を陥れるためで、田蕓児に如懿が母の敵だと誤解させて復讐するようそそのかしていた。弘暦はようやく永琪と永璟(エイケイ)を殺したのが衛嬿婉だったと知り、沸々と怒りがこみ上げる。しかし嬿婉は春嬋の妄言に過ぎないと必死に否定した。そこで海蘭はもうひとり証人を呼ぶことにする。すると服役中の辺地から姿を消した衛嬿婉の弟・左禄(サロク)が現れた。衛左禄は母が呪術を使ったのは事実だが、第13皇子の命を奪っていないと話し、母は姉の罪を被ったと証言する。「何を言い出すの?!姉の私を陥れるために帰京したの?!」「だって愉妃を陥れるため、扎斉(ジャチ)に銀票を渡したじゃないか? 事が露見すると罪を母上に押し付けた、母上は産婆の田氏など知らないのに…」「皇上!今の証言は全て真実です! 皇貴妃は13阿哥以前にも10阿哥、5公主、6公主を手にかけました! ですが5公主と6公主については計算外で、標的は12阿哥でした」春嬋はあの時、淑嘉(シュクカ)皇貴妃の飼い犬を王蟾が盗んでしつけたと証言、王蟾も罪を認め、ただ自分の立場では拒めなかったと訴えた。海蘭はついに衛嬿婉に死罪をと嘆願した。焦った嬿婉は潔白を訴えたが、逆上した皇帝に引っ叩かれてしまう。「黙れ!よくも朕の子供を?!」「皇上!私は潔白です!当時は私に子がおらず、殺す理由がありません!」すると春嬋が動機は皇后の座ではなく、嫉妬だと指摘した。実は衛嬿婉は凌雲徹(リョウウンテツ)が如懿に好意を抱いていると知って如懿を逆恨みし、何度も陥れようとしたという。凌雲徹の妻・茂倩(モセイ)と豫(ヨ)妃が私通を告発したのも、他ならぬ衛嬿婉の仕業だった。さらに胡蕓角に最期の告発を命じて如懿を廃后に導いたのは、自分が皇后になるためだったという。そこで海蘭は凌雲徹から死の直前に預かった指輪を皇帝に渡した。「衛嬿婉との愛の証しだと…凌雲徹は悔やんでいました ″衛嬿婉との旧情が皇后娘娘の名誉を傷つけてしまった″と…」嬿婉は凌雲徹との旧情なら皇帝も知っていると言ったが、春嬋はならば凌雲徹に媚薬を嗅がせて誘惑したことも話したかと迫る。「目的は何だ?」「懐妊するためでした、凌雲徹の抵抗に遭ってあきらめましたが…」弘暦は思わず嬿婉に指輪を投げつけ、激高した。「恥を知れ!皇族の血を汚す気か!」衛嬿婉は窮地に追い込まれたが、ふと自分は陥れられたのだと気づいた。春嬋や弟は今までどこに隠れていたのか。恐らく王蟾は自分を陥れるため、わざとそそのかしたのだろう。「皇上!私が箱を開けた途端に皇上が目覚め、その直後に愉妃が入って来ました! 偶然にしてはあまりに出来すぎています! それに拝見したところ、皇上は危篤というほどではありません」考えてみると妙なことばかりだった。病床の皇帝のそばにいたのは江侍医だけ、江侍医だけが皇帝の病を把握しているなど不自然すぎる。「愉妃、翊坤宮の娘娘と結託して仕組んだわね?! 春嬋、お前は安華殿で拘禁された時、私を陥れるよう命じられたんでしょう?!」嬿婉は皇帝の足にすがりつき、すべて如懿が自分を恨んで仕組んだ罠だと訴えた。皇帝が危篤だと思わせ、自分に罪を犯させたに違いない。「まったく次から次へと弁の立つことだ…」そこへ皇太后がやって来た。皇太后は自分も衛嬿婉に尋問したいことがあると言った。それは永璂(エイキ)殺害の件だという。皇太后は永璂の偏食が過ぎるため、尚書房での食事を調べていた。その結果、御膳房の食事には毒茸が含まれていると分かったという。皇太后はその茸を皇帝に見せると、確かに毒性は弱いが、長期間の摂取で内臓が弱まり、いずれ死に至ると説明した。すると春嬋が第15皇子を世継ぎにするため、栄親王の死後から皇貴妃の命で第12皇子の食事に混ぜていたと証言する。しかしその後、皇太后が第12皇子を養育することになり、計画は中止になっていた。皇太后は衛嬿婉に罠を仕掛けたのが如懿だったと認めた。しかしこの罠は避けることもできたはず、罠に落ちたのはそもそも衛嬿婉の心根が卑しいからだと一蹴する。弘暦は皇太后が翊坤宮に行ったと知り、目を丸くした。すると皇太后は如懿から伝言と″ある物″を預かってきたという。それはこれまで衛嬿婉の策略により亡くなった皇子らの経幡だった。「衛嬿婉よ、どれほど多くの者を葬ってきたのか覚えておるか?忘れたであろう? ルーイーは全て覚えておるぞ?無辜(ムコ)の命を弔うべく、如懿は経幡を作ったのだ その目でしかと見るがよい!」弘暦も海蘭も順番に並んだ経幡の名前を目の当たりにし、胸が締めつけられる思いだった。如懿は衛嬿婉の処遇は皇帝に任せるが、その前に衛嬿婉には経幡1枚1枚に叩首(コウシュ)して謝罪させて欲しいと嘆願したという。嬿婉はこの期に及んでも無実だと訴え続けた。しかし皇帝の命で侍衛たちに引きずられ、無理やり叩頭させられてしまう。その頃、如懿は翊坤宮の仏殿で手を合わせていた。すると容珮(ヨウハイ)が駆けつけ、ようやく罪人が犯した罪の報いを受けたと報告する。如懿はついに敵を討ち、肩の荷が下りた。「…だけど亡くなった者たちは生き返らない」皇太后は使命を果たし、愉妃を連れて経幡を届けに安華殿へ出かけた。すると弘暦は皆を下げ、毓瑚(イクコ)に牽機(ケンキ)薬を持って来るよう命じる。衛嬿婉は罪を認めて命乞いし、後宮で悪事を犯すのは自分だけではないと叫んだ。「清廉な者がいるとお思いですか?!」しかし必死な訴えも虚しく、皇帝が毓瑚に薬を飲ませろと命じてしまう。侍衛たちは皇貴妃を拘束、さらに進保(シンホウ)が無理やり口をこじ開けた。「皇貴妃、牽機薬は飲むと身体を折り曲げるほどに苦しみます 皇上はあまり賜ることのない毒です」衛嬿婉は毒を飲まされ、開き直った。「皇上の恩情で私は女官から妃になりました…皇上に育てられたも同然 私を罰すれば皇上に見る目がなかったと認めることになりますね ←まさかの任命責任w …この数年、皇上のお心は決して得られませんでした、フッフッ、でも構いません 皇上は男として夫として私の心を得られずじまいですから!ウウウ…イテテテ…」「朕には皆が心から服従する!」←ええーっここで?w「服従していても心はどうでしょう?ゼエゼエ…私はともかく誠心誠意、仕える妃はいるかしら? そうだ、1人いたわ、翊坤宮のにゃんにゃんが…でも断髪して禁足を命じられたけど!」さすがに激怒した弘暦は急に席を立ち、衛嬿婉に歩み寄った。嬿婉は怯えていたが、すでに毒を飲まされ身、早く殺せと挑発する。「薄氷を踏む思いで暮らして来たけど、それも終りね~」「楽に死ねると思うな、覚悟せよ」すると弘暦は侍衛につまみ出せと命じた。「養心殿が汚れる!」翌朝、如懿が枯れた緑梅の鉢に水をやっていると、翊坤宮の扉が開いた。海蘭たち妃嬪は早速、皇后への挨拶にやって来たが、容珮は全てが終わって休んでいると断る。そこで海蘭が代表して面会しようと思ったが、容珮に止められた。「私とも会わないと?」その時、寝殿から如懿の咳き込む音が聞こえた。李玉(リギョク)は円明園から呼び戻され、早速、大役を任された。晴れ晴れしい気持ちで翊坤宮を訪ねた李玉、しかし如懿は誰とも会わないと門前払いされてしまう。結局、皇后の金冊(キンサク)と印璽(インジ)は再び養心殿に戻った。弘暦は頭を抱えたが、そこへ皇太后が現れる。すると皇太后は安華殿で如懿と会った時のことを話して聞かせた。皇太后は衛嬿婉が懐妊中の舒(ジョ)妃に毒を盛ったことは知っていたが、如懿から聞くまでこれほど多くの皇子や公主を死に至らしめたとは知らなかったという。しかもここへ来て皇后の座まで狙っていたとは…。如懿は衛嬿婉が巧妙に事を進めていたため、今となっては立証が難しい件もあると説明した。そこで危険を伴うが、弘暦が万が一の時に衛嬿婉がどう動くのか確かめたいと言ったという。「皇帝にはこの件を伏せていました、でもそれは真実を暴くためだったのです 今や悪行は明らかとなり報いを受けました、如懿の苦心が無にならずに済んだ… 無念の死を遂げた者たちも成仏できるでしょう」弘暦は皇太后の話を聞きながら、うなだれた。「経幡を安華殿に供えながら、あいじゃーは如懿に敬服しました 朝廷や後宮では権勢や寵愛を巡り、争いが繰り広げられています 如懿は寵愛、権勢、皇后の位、一切、目もくれませんでした ただ皇帝への情を貫き、善には善の、悪には悪の報いをと願った …あいじゃーは思うのです 権勢のために躍起になっていた私と良心を忘れなかった如懿、どちらが幸福なのだろうかと」一方、永寿(エイジュ)宮に捨て置かれた衛嬿婉はようやく目を覚ました。「私、まだ生きてるの?」 そばにはなぜか春嬋と王蟾がいる。「皇上が死なせぬと仰せになり、毓瑚姑姑に解毒薬を与えるよう命じました」「そうね、永琰の母である私を皇上が殺すわけないわ…」嬿婉は安堵したが、急に自分を裏切った2人に激高する。しかし王蟾に腕をつかまれ、春嬋に再び毒を飲まされた。「皇上からのご褒美です、毎日、飲んでください」「皇上の下賜品ですから残さずに…」禁足が解かれた如懿は中庭で枯れた緑梅の世話をしていた。そこへついに弘暦が現れる。如懿は背を向けていたが、その足音で弘暦だと分かった。「ルーイーや、そなたは翊坤宮から出ず、誰とも会わぬそうだな だからこうして会いに来た、体の具合は?」「おかげさまで」すると弘暦は慣例に従い木蘭へ秋の狩猟へ行くと伝え、少し照れ臭そうに如懿を誘った。しかし如懿は長旅に耐えられそうもないという。弘暦は仕方なく自分の代わりに後宮の留守を守って欲しいと頼んだが、次の言葉が出るまで時間がかかった。「…ルーイーや、そなたには度々、苦労をかけた、だが過ぎたことは水に流せ、忘れろ」「私の記憶も薄れています」「ならば良い…朕が木蘭から戻ったら金冊と印璽を受け取って欲しい、待ってるぞ」如懿は返事をする代わりにある言葉を送った。「皇上、″蘭因絮果(ランインジョカ)″という言葉をご存知? 昔は悲しい言葉だと思っていたけれど、今はよく分かります、咲き誇る花もいずれ散るのだと… 木蘭への道中、どうかお気をつけて」「…ああ」如懿は弘暦の背中が見えなくなるまで、名残惜しそうに見ていた。弘暦は養心殿に戻り、″蘭因絮果″と書いたまま考え込んでいた。そこへ李玉が茶を献上し、どういう意味なのか尋ねる。「男女の情が美しいのは最初だけ、やがて尽きる…」容珮は主人に頼まれ、郎世寧(ロウセイネイ)から弘暦と如懿の肖像画をもらって来た。如懿はまだ幸せだった頃の2人の笑顔を見ていたが、決心がついてハサミを手にする。するといきなり自分の絵だけを切り取り、燃やした。つづく( ತ _ತ)ちょっと何?この後半の総集編wそれにしてもこの長い長い嬿婉のターン!これが最大の苦行だったのね(笑後半のあいじゃーの話から如懿と弘暦の再会、何とも切ない、と言うか虚しい気持ちになりました来週は最終回!
2020.03.30
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第85話「口封じ」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は永琪(エイキ)の百日忌で安華殿へ出かける許可をもらった。そこでこれを機に皇太后と接触、無念の思いを伝える。実は皇太后を呼び出すために渡した密書の言葉、″心毒(心を殺す毒)″とは叔母の臨終の言葉だった。「宮中の毒は″身体でなく心を殺す″と… 私にも分からぬゆえ何もできず、叔母と同じ窮地に落ちました」如懿は自分の無能さを嘆き、我が子を守れなかったと後悔する。まさか永琪まで逝ってしまい、残ったのは第12皇子・永璂(エイキ)だけ…。しかし如懿は禁足となり、金冊(キンサク)と印璽(インジ)も没収され、もはや息子を守る術がなかった。そこで皇太后に永琪を守って欲しいと懇願する。「守る?どう言う意味だ?」実はその頃、如懿の侍女・容珮(ヨウハイ)と愉妃(ユヒ)の侍女・葉心(ヨウシン)は、回廊を歩いていた皇貴妃の侍女·春嬋(シュンセン)をいきなり連行していた。如懿は皇太后を見送ると、最後に丁重に平伏した。果たして如懿は皇太后に何を頼んだのか…。一方、永寿(エイジュ)宮では太監・王蟾(オウセン)が容珮と葉心が春嬋を連れ去ったと報告していた。衛嬿婉(エイエンエン)は信じられなかったが目撃者がいると知り、秘密裏に捜索するよう命じる。その頃、春嬋は安華殿の柱に縛りつけられ、如懿のもとで詰問されていた。容珮は皇貴妃の秘密を知る瀾翠(ランスイ)、進忠(シンチュウ)、胡蕓角(コウンカク)が亡くなり、次に消させるのは春嬋だと脅す。しかし春嬋は何を聞かれても口を割らず、そのまま夜まで拘束されることになった。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は偶然、安華殿帰りの如懿が門を曲がる姿を見かけた。思わず輿を止めて如懿の背中を見ていたが、如懿が振り返ることはない。実は容珮が皇帝がいると気づいて声をかけたが、如懿は無視して歩いて行った。その夜、葉心に解放された春嬋がようやく永寿宮に帰って来た。春嬋は正直に安華殿で拘束されていたと話し、数々の件が皇貴妃の仕業ではないかと如懿の前で詰問されたという。「私は何も話していません!話せば命に関わりますから!」嬿婉は春嬋を信じていると言って休ませたが、疑心は拭えなかった。一方、如懿は夜が更けてもなお経幡(キョウバン)を作り続けていた。容珮は休むよう勧めるが、如懿が手を休める様子はない。「今日、翊坤(ヨクコン)宮に戻る途中、後ろに皇上がいらっしゃいました」「……」「それなのに振り向こうともなさらない」「…会えばつらいだけよ」主人の胸の内を知った容珮はそれ以上、何も言えなくなり、黙って経幡作りを手伝った。翌日、春嬋は皇太后が第12皇子の養育をすることになったと報告した。衛嬿婉は皇太后が何か勘づいて第12皇子を慈寧(ジネイ)宮に引き取ったのではないかと不安に駆られるが、春嬋はただ哀れんだだけだと安心させる。ただこれから食事は慈寧宮の厨房になるため、御膳房の料理が皇子に出せなくなった。「苦労して仕掛けたのに、こんな形で頓挫とは…努力が水の泡ね」嬿婉は落胆したが、春嬋は皇太后が高齢のため、しばらくの辛抱だとなだめた。皇太后は慈寧宮の食事が合わない永璂を心配し、今日は養心殿で皇帝と3人で食卓を囲んだ。しかし尚書房と同じ御膳房が作った養心殿の食事でも合わないという。そこで皇太后は永璂の好物を作らせようと、侍女・福珈(フクカ)に尚書房の料理人を調べてくるよう命じた。衛嬿婉は皇太后が料理人を調べていると知って焦った。春嬋の話では第12皇子が尚書房で食べた料理にこだわり、皇太后が何やら怪しんだという。「あれは大量に食べると幻覚を見て、少量なら徐々に内臓を蝕む食材のはず… なぜ12阿哥がこだわるの?」「とりこになると無性に食べたくなるのやも…」「愚か者!私を陥れるつもり?!」主人を怒らせた春嬋は調べても茸が原因と分からないはずだとなだめたが、嬿婉は春嬋が安華殿で何か話したせいだと疑った。慌てた春嬋は指を立て、天に誓って何も話さなかったと訴える。そこへちょうど王蟾が第15皇子が戻る時間だと知らせにやって来た。冷静になった衛嬿婉はそれ以上、追求はしなかったが、御膳房の例の料理人を見張るよう命じる。「しばらくしたら追い出して始末して」衛嬿婉は永琰(エイエン)と寝宮へ戻る道すがら、何を学んだのか聞いていた。すると永琰は皇帝の命で師傅から″孝経(コウキョウ)″を教わったと話し、皇家の子は子である前に臣下だと告げる。しかし嬿婉は確かに皇帝は正しいが、常に父の命令に従う必要はないと言った。「私たち母子は血が繋がっている、まずは額娘を大切にね この先、何があっても額娘を守るのよ?」皇貴妃を見張っていた小徳子(ショウトクシ)は早速、不用意な発言を和敬(ワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)に報告した。どうやら穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)の懸念は本当だったらしい@84話。そこですぐ皇帝に報告し、皇貴妃のそばにいては永琰に悪い影響がでると危惧した。驚いた弘暦は永琪が逝去した今、皇太子候補が永璂か永琰しかおらず、事態を重く見る。実は永璂は年が上だが性格が屈折し、今さら皇太后が養育しても性格が直るとは思えなかった。一方、賢い子だが永琰はまだ幼く、このまま母親が誤って導けば取り返しがつかなくなる。そこで皇帝は永寿宮にいる永璘(エイリン)は穎妃に、第9公主・璟妘(ケイウン)は恪嬪(カクヒン)・拝爾果斯(バイルガス)氏に、永琰は寿康(ジュコウ)宮で太妃たちに養育させると決めた。すると弘暦は政務の疲れか、立ちくらみを起こしてしまう。永寿宮に突然、皇帝の侍女・毓瑚(イクコ)が現れた。すると衛嬿婉はいきなり手元で育てていた我が子を連れ去られ、自分の発言が原因だったと知る。なぜ烏拉那拉氏の子供は皇太后に守られ、自分は子供と引き離されてしまうのか…。これが如懿の策略だと思い込んだ嬿婉は、禁足となった身でもまだ自分の邪魔をすると泣き叫んだ。春嬋は髪を切って金冊も没収された人間では何もできないとなぐさめたが、その瞬間、嬿婉に引っ叩かれてしまう。「お前ね!やはり私を裏切ったのよ!」逆上した嬿婉は春嬋の首をつかんで締め上げたが、春嬋は涙ながらに信じて欲しいと訴えた。嬿婉は結局、手を離したが、急に過呼吸になって倒れてしまう。衛嬿婉は薬を飲んで眠ったものの、数時間で目が覚めた。春嬋は主人の髪をすいていたが、嬿婉は急に春嬋の手を握りしめ、昨夜のことを謝る。「あなたを叩いたのなんて初めてね…唇が青ざめているわ、紅を差してあげる」嬿婉は春嬋の唇に赤い口紅を塗ってやると、春嬋は主人の誤解が解けたのだと安堵の涙を流した。「そうだ、長いこと母の墓参りをしていない、私の代わりに墓の掃除をして来てくれる?」春嬋がガニ股で宮中を出る姿を珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が見ていた。そこで葉心に江与彬(コウヨヒン)に後をつけさせるよう命じる。すると春嬋は墓地へ向かう山道で急に具合が悪くなり、立てなくなった。その時、皇貴妃が塗ってくれた紅に毒が入っていたことに気づく。「容珮は正しかった…私も消される…」その時、江与彬が現れ、春嬋に薬を飲ませて連れて帰った。海蘭は偶然を装って王蟾の前に現れた。「知らせがあるの、春嬋が死んだわ…」「まさか!″遺体を見るまで訃報は信じるな″と言います、何かの間違いでは?」「ふっ…下手人は王公公の身近にいるわ 春嬋がどうして死ぬことになったのか、私より詳しいはずよ? 皇貴妃に仕えた者は皆、同じ道をたどる 瀾翠も春嬋も死んだ、そして進忠も…今や残ったのは王公公だけ だからこれは忠告よ、命を大切にね(ニッコリ)」王蟾は恐れおののき、その場でへたり込んでしまう。その夜、毓瑚は体調がすぐれない皇帝のため、進保(シンホウ)と一緒に人参汁を差し入れに来た。すると皇帝は机にうつぶしたまま意識がない。驚いた進保は咄嗟に侍医を呼ぶよう叫んだが、毓瑚が慌てて止めた。「お黙りっ!騒がずに、まずは江侍医を…」衛嬿婉は皇帝が倒れたと聞いてすぐ養心殿に駆けつけた。江侍医の話では永純(エイジュン)親王の逝去の時と同じ発作だが、今回の病状は深刻で気血が頭に集中し危険だという。そこで嬿婉はその夜、養心殿で皇帝に付き添うことにした。翌朝、衛嬿婉はひとまず永寿宮に戻ることにした。するとちょうど侍医たちが集まって治療方針の相談をしている。嬿婉は主治医の方(ホウ)侍医に目配せし、養心殿の外で待つことにした。方侍医は皇帝が決して楽観できない状況だと報告した。皇帝の病は脳の内部で生じているため、なす術ないという。衛嬿婉は怪しまれぬよう方侍医をすぐ下げ、突然の状況に頭を悩ませた。すると王蟾が先帝もまさに働き盛りで突然、崩御したと心配する。「こうなった以上、万一に備えるべきでは?事が起きてからでは遅すぎます 先帝の崩御の時、景仁(ケイジン)宮の娘娘は廃后ではなく、母后皇太后の尊号でもめたのです 景仁宮にお子がいたら、今の皇太后の座もどうなっていたか… でも翊坤宮の娘娘には12阿哥がいます、しかも15阿哥より年上です、手を打つ必要があります」「そうね、分かったわ…」今日の王蟾は饒舌で、まるで切れ者のようだった。江与彬が皇帝の寝所へ戻ると、進保が煎じ薬を持っていた。進保はただ手伝いたいだけだったが、江与彬は慌てて取り戻し、皇帝の薬に間違いは許されないと注意する。「もし何かあれば斬首では済まぬかも…お手伝い願えるなら炭の補充を頼みます」そこで進保はすぐ取りに向かったが、その間に江与彬は隠し持っていた薬を加えておいた。如懿の薬の量は次第に増えていた。診察に来た江与彬は時間通りに薬を欠かさず飲むよう念を押し、皇帝なら自分が常に側にいると安心させる。皇貴妃も予想通り方侍医から皇帝の病状を聞き出していたが、実は方侍医にだけ嘘の見立てを教えていた。「皇上の件、自信はあるの?」「私の医術はご存知のはず、全て私の監視下です、間違いは起きません」「お願いね…」衛嬿婉が養心殿に戻ると、ちょうど皇太后が見舞いに来ていた。するとちょうど皇太后と毓瑚が皇太子の話をしている。「かくも深刻な状況なら皇太子を決めねば帝位争いが起きる…」「太后がおわすのに争いなど…」「永琪が逝去した後、皇太子はどうなったのか… ″扁額の裏″と″養心殿の箱の中″に誰の名を納めたのか分からぬ…」立ち聞きしていた嬿婉は先日、毓瑚が片付けていた箱のことだと分かった。すると毓瑚が嫡子で最年長の第12皇子が慈寧宮にいると安心させている。皇太后は密建書に書かれた名前が永琰でないよう願い、あるいは白紙ならその方が良いと言った。その夜、如懿はついに全ての経幡を完成させた。最後の経幡の名前は″胡蕓角″…。一方、衛嬿婉は今夜の付き添いである婉嬪・陳婉茵(チンエンイン)と交代すると伝え、誰もいない皇帝の寝殿に入った。すると寝台の側で付き添っていた江侍医が急に視界に入り、嬿婉は驚いて息をのむ。つづく(๑ŏ _ ŏ)↷そうだった…確かに辛い山は越えたけど、その先は嬿婉祭りだった…_(┐「ε:)_
2020.03.29
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第84話「残された時間」如懿(ニョイ)が実子のように目をかけてきた第5皇子・永琪(エイキ)が亡くなった。宮中が悲しみに包まれる中、今度は烏拉那拉(ウラナラ)氏の生母・承恩(ショウオン)公夫人の訃報が届く。如懿は涙ひとつこぼさなかったが、寝宮の祭壇で一晩中、ひざまずいていた。朝方、このままでは体が持たないと侍女・容珮(ヨウハイ)は水を勧めたが、如懿は全く反応しない。仕方なく容珮は粥を作ることにして下がると、如懿はこらえ切れず咳き込んだ。同じ頃、養心殿でも愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が嘆願を続けていた。すると進保(シンホウ)が現れ、皇帝の伝言を伝える。「翊坤宮の娘娘のためなら帰るようにと…」しかし海蘭は決して諦めなかった。容珮が粥を作って戻ってみると、激しく咳き込んでいた如懿がようやく立ち上がると言った。すると箪笥から生地を取り出し、何やら作り始める。一方、養心殿では朝議のため寝殿を出た乾隆帝(ケンリュウテイ)弘暦(コウレキ)がまだひざまずいている海蘭に呆れていた。「皇上、亡くなった承恩公夫人が後事(コウジ)を託せるのは姐姐のみです 翊坤宮に立ち入ることをどうかお許しください…」海蘭は平伏して懇願したが、弘暦は黙ってその横を通り過ぎようとする。しかし弘暦は急に立ち止まった。「会ったら、すぐ円明園へ…」「臣妾(チェンチィェ)、感謝、申し上げます」海蘭はようやく如懿と面会が叶い、永琪の葬儀の準備でこの後すぐ円明園へ発つと報告した。第12皇子・永璂(エイキ)なら擷芳殿(ケツホウデン)に移り、容(ヨウ)妃・寒香見(カンコウケン)も世話してくれているという。例の胡蕓角(コウンカク)だが、王府にいる全ての人間に尋ねてみたところ、どこか妙だと言った。胡蕓角は王府に来てから一度も帰省するどころか、外部の誰とも親交がなかったという。たまに後宮の自分を訪ねる以外、ずっと屋敷にいたようで、黒幕の影すらなかった。ただ延禧(エンキ)宮へ来ても挨拶程度ですぐ帰ってしまうのに、なぜか王府へ戻るのはいつも遅かったという。御花園でも散策していたのか、それとも他に用があったのか…。その時、如懿が急にひどく咳き込んだ。海蘭は驚いたが、如懿は心配させまいと大きく深呼吸して息を整える。「大丈夫よ、で胡蕓角と永琪の仲は?」「とても良かったわ、でも1つだけ腹の立つことが…永琪は福晋といる時はお湯で沐浴していた でも胡蕓角と一緒の時はわがままを言って水で沐浴していたの いつも薄着して、時には冷たい物を食べていたとか… 永琪の持病は冷えがたたり悪化したのよ、胡蕓角が死なせたも同然だわっ!」すると海蘭が胡蕓角の遺品の中から見つけた処方箋を渡した。数年前に書かれたようで、署名もなく、不可解に思って持って来たという。如懿も確かに妙だと怪しみ、円明園へ発つ前に侍医・江与彬(コウヨヒン)に調べてもらうよう指示した。また胡蕓角の遺品は捨てず、他に手がかりがないか改めて調べるよう助言する。「それから胡蕓角の件とは別に頼みたいことがあるの…ゥッ…ゴホゴホ!」「姐姐の頼みなら何でも聞くわ…ずっとこんな咳を?」しかし主人の手前、容珮は何とも答えられず、ただ目で訴えるしかなかった。翊坤宮を後にした海蘭は密かに江侍医に接触、処方箋を渡した。また如懿の頼みは寒香見に任せることにする。そこで寒香見は礼拝堂にいる寒(カン)部の者に父への伝言を託し、使いに出すことにした。「辺地にいるこの人物を探し出したいの…」海蘭は永琪の嫡福晋・西林覚羅(シリンギョロ)氏から胡氏の遺品を全て受け取った。そこで円明園に異動になった太監・李玉(リギョク)に遺品の調査を頼み、紫禁城との連絡係を任せる。その頃、弘暦は寒香見と一緒にいた。すると皇帝付き侍女・毓瑚(イクコ)が円明園に発った愉妃からの伝言を伝える。「翊坤宮の娘娘は傷心から病を患っているため、侍医を遣わして欲しいと…」弘暦は思わず何の病だと確認したが、寒香見が診断を下すのは侍医だと釘を刺した。「皇上、まさか診察も許さないのですか?」「…診察くらい構わぬ」「では万全を期して信頼できる侍医を遣わしてくださいませ」そこですかさず毓瑚が江侍医に頼もうと提案し、弘暦は仕方なく認めた。寒香見の機転で江与彬が翊坤宮にやって来た。そこで胡蕓角の遺品の調査について報告する。処方箋は筆跡を調べたところ包(ホウ)侍医だと分かった。しかし本人に探りを入れても、身に覚えがないとしらばくれているという。包侍医と言えば炩皇貴妃(レイコウキヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)の主治医、如懿は胡蕓角が衛嬿婉とつながっていたと知った。またこの処方を見る限り珍しい血液の病で、発症すれば根治は難しく、若くして亡くなるという。処方薬はかなり高額になるが、あくまで延命治療に過ぎなかった。「衛嬿婉は処方を与えることで胡蕓角を利用したのね…」さらに江与彬は遺品の中にもうひとつ妙な物があったと伝えた。それは空になった入れ物で、一見すると使い終わった白粉のようだったが、調べてみると無味無臭の毒物だったという。確かにこの毒を傷口につけると少量でも死に至るが、栄親王の臨終の時に中毒反応は出ていなかった。しかし如懿は胡蕓角が何の理由もなく永琪のそばに毒物を置くとは思えない。「つぶさに思い出してみると、胡蕓角は永琪の病が悪化するようなことばかりさせていた…」「この毒は宮中でしか入手できません」「宮中?」如懿は江与彬の言葉でようやく合点がいった。胡蕓角が延禧宮に長居していないにも関わらず王府に戻るのが遅かったのは、衛嬿婉と会っていたからだろう。「敵は私だけじゃなく永琪も狙っていた…次の標的は永琪やも…ゥッ!」如懿は動揺したせいか激しく咳き込んだ。驚いた江与彬は慌てて脈診したが、もはや手遅れだと分かる。如懿はあの冷静な江与彬が珍しく動揺している姿で全てを察し、余命を教えて欲しいと頼んだ。「労咳(結核)を発症しています…恐らく3ヶ月か4ヶ月かと…」あまりの衝撃に容珮は力が抜け、その場にへたり込んだ。「十分よ…江与彬、私にはやるべきことがある、力になってくれるなら言うことを聞いて」「もちろん…ウッ…お支えいたします、薬を飲めば活力は保てるでしょう」「はお、私の症状は誰にも明かさないでね…悲しみが高じて具合が悪いとだけ」「…はい」すると江与彬と容珮はこらえきれず、しばし涙に暮れた。衛嬿婉は第17皇子・永璘(エイリン)を産んだ。弘暦は永寿(エイジュ)宮での養育を認め、毎日のように顔を見に来てくれる。何とか我が子を皇太子にしたい嬿婉は、折を見て第15皇子・永琰(エイエン)を連れて養心殿を訪ねていたが、皇帝のそばには永璂がいた。そこで嬿婉は皇帝や乳母がどれだけ手をかけても子供は母親の元へ戻るものだと揺さぶりをかける。しかし弘暦は目を細め、永璂を自分のそばで育てると教えた。面白くない嬿婉は標的を永璂に変え、聞こえよがしに如懿の話をしてみる。「皇上、もうすぐ栄親王の百日忌です、嫡母である翊坤宮の娘娘に仕切らせては?」墨絵を書いていた永璂は母を持ち出され、思わず筆を止める。「嫡母だと?永琪を死なせた疑いがあるのだぞ?」「はい、でも愉妃は生母とは言え、翊坤宮の娘娘をかばい皇上を怒らせました もしお怒りが収まったのなら、愉妃に仕切らせますか?」弘暦は生母の愉妃は参列するだけでいいと告げ、結局、皇貴妃に任せることにした。衛嬿婉は未だ翊坤宮の娘娘が廃后にならないのは第12皇子のためだと確信した。そこで寝宮へ戻ると、侍女・春嬋(シュンセン)に引き続き永璂の食事に気を配れと指示する。春嬋は御膳房にちゃんと頼んであると安心させたが、そこへ太監・王蟾(オウセン)が慌ててやって来た。実はいつもの方法で皇貴妃の弟・左禄(サロク)に銀子を送ったが、先月から受け取っていないという。「聞けば辺地にはもういないとか…」すると驚いた嬿婉は面倒が起きる前に探し出せと命じた。如懿は江与彬の薬のおかげで病状が落ち着いてきたが、やはり永璂のことが気がかりだった。そこで江与彬に自分の代わりに永璂を守ってやって欲しいと頼む。江与彬は拝命すると、容妃が誰にも知られぬよう第12皇子の面倒を見ていると教えた。また穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)たち蒙古出身の妃たちは皇貴妃と仲が悪く、鳴りを潜めているという。「衛嬿婉は飛ぶ鳥を落とす勢い、7公主の養母・穎妃が目障りなはず 愉妃に伝えて、穎妃と7公主に注意を払うように…」とにかく狡猾な衛嬿婉のこと、警戒を怠るわけにはいかない。すると如懿は永琪の百日忌には安華殿で祈りを捧げたいと話し、容珮に養心殿の許可をもらうよう頼んだ。如懿の懸念は的中した。衛嬿婉は皇帝に第7公主・璟妧(ケイゲン)だけが離れて暮らしているため、このままでは兄弟の情を知らぬまま成長してしまうと訴える。そこで絆を深めるために一度、永寿宮で預かりたいと懇願した。弘暦は難色を示したものの、嬿婉にせがまれ折れてしまう。「分かった分かった、ただし璟妧が嫌がったら諦めよ」王蟾たちは穎妃が留守の間に第7公主を無理やり抱きかかえ、連れ去った。衛嬿婉は娘との再会を心待ちにして門の前まで迎えに出たが、璟妧の悲痛な叫び声が聞こえて来る。「私の母は穎妃よ!帰らせて!皇貴妃は皇額娘を陥れた悪人よ!」「…この子ったら、何てことを言うの?」嬿婉は娘の暴言に動揺した。「間違ったことは言ってない!」「お黙り!」養母に似て正義感が強い璟妧は思わず皇貴妃に楯突き、生意気だと頰をつねられてしまう。そこへ知らせを聞いた巴林湄若が慌てて駆けつけた。衛嬿婉は穎妃にしがみついて泣きじゃくる璟妧も姿に愕然となった。「…璟妧は私の娘よ!私の悪口を吹き込むなんて!」「璟妧はあなたの本性を見抜いているわ、この子だけじゃない 妃嬪の皆も汚い手でのし上がった人など大嫌いよ!」「そうよ!悪いことばかりしているから14弟と16弟は幼くして亡くなった…グスン」「実の母に向かって何てことを!」激高した嬿婉は高位の立場を利用し、不敬な穎妃を杖刑(ジョウケイ)に処すと命じた。しかしさすがに皇帝の妃に罰を与えるなど恐れ多く、太監や侍女たちは一斉にひざまずいて嘆願する。「娘娘、お鎮まりください」そこへ偶然、皇太后がやって来た。皇太后は永琪に祈りを捧げた帰り道で、とんだ騒ぎに出くわした。巴林湄若は確かに礼儀を欠いたと認めて許しを請うと、璟妧は皇貴妃が自分の頰をつねったせいだとかばう。そこで皇太后は生みの母である皇貴妃に少しは優しくしてやれないかと諭した。しかし璟妧は自分の母は穎妃だけだと断言する。皇太后はならば引き続き穎妃が育てるよう認めたが、慌てた衛嬿婉は璟妧の気性が激し過ぎるため、やはり自分がしつけたいと訴えた。憤慨した巴林湄若は璟妧は良い子だと言い返し、気性が激しいなら皇帝に気に入られるはずがないと反論する。すると嬿婉は娘を取り戻したいあまり、思わぬ暴言を吐いた。「実子ではないでしょう?養母が注げる愛情など知れているわ」「そうなの?」↓思いっきり養母ですが、何か?嬿婉は皇太后が皇帝の養母だと思い出し、慌ててひざまずいて前言撤回した。「やはり″生みの親より育ての親″です!」「フ…落ち着け、勘ぐり過ぎだ」( ๑≧ꇴ≦)あいじゃーwwwすると皇太后は子供が一緒にいたいと思う者こそ親の資格があると話し、結局、璟妧の希望通り穎妃に養育を任せた。毓瑚は皇貴妃が無理やり第7公主を連れ去ろうとして騒ぎになったと報告した。あれでは穎妃の無礼も責められず、皇貴妃の言動も非難されて当然、しかも皇太后の怒りまで買うことになったという。話を聞いた弘暦は性急に衛嬿婉を昇格させてしまったことを後悔した。まさかこれほど無能なうえに、皇太后に浅はかな発言までしようとは…。そこで弘暦はやはり永琪の百日忌を愉妃に仕切らせると決めた。永琪の百日忌、巴林湄若は弟の死を心から悲しむ和敬(ワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)の姿に気づいた。法事でもない限り会う機会がないため、湄若はちょうど安華殿を出て1人になった公主に声をかける。すると例の騒ぎを知っていた璟瑟は、皇貴妃が第7公主を連れ去ろうとして非難され、蒙古の妃嬪たちのご機嫌伺いも拒否しているとは情けないことだと言った。湄若は皇帝に媚びるしか能がない人だと蔑み、皇太后を怒らせて子供の教育もできないと呆れる。「子供の教育もできないとは?」「皇后になることしか頭にない人に子供の教育ができると? 信じられぬなら、ご自分で確かめてみては?」如懿はまず早逝した第10皇子の経幡(キョウバン)を完成させた。すると容珮がそろそろ安華殿へ行く時間だと告げる。弘暦は如懿に1日だけ祈りを捧げることを許し、ただし他の妃嬪との接触を禁じていた。如懿は薬を飲んでから安華殿にやって来た。するとまだ海蘭だけが残っている。2人は言葉を交わさなかったが、並んで″和碩(ホショ)永純親王″の霊位に手を合わせた。「永琪…私たちを見守って、あなたの敵を討ち、姐姐の無実を証明してみせるわ」海蘭が誓いを立てると、横にいた如懿の頰を涙が伝う。一方、皇太后は如懿からの密書を受け取っていた。「毒心(心を殺す毒)」皇太后が安華殿にやって来た。するとすでに片付けも済んだ殿内で如懿がひとり経をあげている。如懿と会うのは杭州(コウシュウ)以来だろうか。「ウラナラ氏は2人の皇后を輩出したが、2人とも夫の心をつなぎ止められなかったな」「…フッ、ウラナラ氏の娘は皇后に向かないようです」「そなたを嫡福晋にすると聞いた時、あいじゃーは言った ″不和が生じた時は後悔するかもしれぬ″と…」「先見の明がおありです」「当時はそうだったとしても、今は先のことが分からぬ… ″心を殺す毒″とはどういう意味だ?」つづく‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› やったーっ!谷底に突き落とされましたが、来週はようやく安心して見られそうですねいよいよ残り3話!
2020.03.22
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第83話「格格の告発」正月、第五皇子の栄(エイ)親王・永琪(エイキ)は嫡福晋・西林覚羅(シリンギョロ)氏を連れて参内していた。すると慈寧(ジネイ)宮からの帰り道、門の敷居につまづいて転んでしまう。永琪は雪で滑っただけだとごまかしたが、次の門で再び転び、そのまま動けなくなった。永琪は重華(チョウカ)宮に運び込まれた。知らせを聞いた乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)と愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)がすぐ駆けつけたが、侍医・江与彬(コウヨヒン)から命の危険があると宣告されてしまう。江侍医は全力を尽くすと誓ったが、親王がこれほど悪化するまで放置していたことが悔やまれた。ともかく絶対安静のため王府に戻ることは無理だという。すると弘暦は福晋にここで看病するよう命じた。福晋は拝命すると、愉妃に親王が側仕えにしていた胡蕓角(コウンカク)を手伝わせたいと申し出る。看病の手は多い方がいいと海蘭は疑いもせず認めてしまったが…。翊坤(ヨクコン)宮では容珮(ヨウハイ)と菱枝(リョウシ)が中庭の雪かきに追われた。すると菱枝が正月が過ぎてから栄親王からの花と線香が途絶えたとこぼす。容珮は昨日、侍衛が話しているのを聞いたが、何でも親王は持病が悪化して伏せっているという。その時、2人の雑談を聞いた烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)が現れた。「永琪の話?…詳しい状況を調べて」その夜、海蘭が看病していると、ようやく永琪は意識を取り戻した。海蘭は涙を浮かべ安堵したが、なぜ今まで脚のことを黙っていたのかと嘆く。しかし永琪はすでに自分に残された時間がわずかだと分かっていた。もはや義母と母に孝を尽くすことはできないだろう。永琪はこの病の完治が難しく、ひとたび発作が起きれば命に関わると知っていた。「額娘…死は覚悟していますが…思い残すことが2つあります… それは…ウッ…息子・綿億(メンオク)と…蕓角です、世話を頼みます」「何を言うの?!額娘にはあなたしかいないのよ?ゥッ…そんな言葉は聞きたくないわ」そんな親子の悲痛なやり取りをちょうど胡蕓角こと田蕓児(デンウンジ)が聞いていた。永寿(エイジュ)宮では炩皇貴妃(レイコウキヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)が侍女・春嬋(シュンセン)と牌遊びに興じていた。「栄親王の最期は近い?」「はい」「蕓角も重華宮に?」「はい、皇貴妃のご命令は伝えました、栄親王が死んだ時が見ものですね…」やがて暖かな日差しが紫禁城に積もった雪を溶かした。そんなある日、固く閉じられた翊坤宮の門が開き、司庫(シコ)房に移動した太監・三宝(サンポウ)が海蘭の侍女・葉心(ヨウシン)を連れて現れる。「ゥッ…娘娘、栄親王が危篤です…」三宝の話では愉妃が皇帝に懇願し、如懿も最期の面会を許されたという。永琪危篤の知らせを受け、弘暦が血相を変えて駆けつけた。海蘭は悲しみに暮れ、もはやどうしたら良いのか分からない。「皇上…永琪が…」弘暦が急いで枕元に駆け寄ると、永琪はすでに虫の息だった。「皇阿瑪…不幸をお許しください…皇阿瑪…これも自業自得です 私は侍医の診察を避けていました…ゴホゴホ…そのため手遅れとなったのです… 皇阿瑪…私が間違っていました…皇阿瑪… 養生しながら昔を思い出していました…皇額娘と一緒に暮らした日々を… もはや私は皇額娘に会うことも叶わぬようです…ゥッ…私から最期のお願いがございます… 皇額娘をお許しください…どうか皇額娘を恨まぬよう…」すると永琪は最後に大きく息を吸い込み、母を呼んだ。「額娘…もう額娘をお守りできません……皇額娘のこと…も…」それが永琪の最期の言葉となった。永琪は持病の腐骨疽(フコツソ)が悪化し、息を引き取った。田蕓児は愛する人の死を悼みながらも、母の復讐を果たすため覚悟を決める。すると殿内がまだ悲しみに包まれる中、田蕓児はいきなり皇帝に栄親王の病が悪化したのはある人物のせいだと告発した。「私は王爺の格格(ゲゲ)・胡蕓角と申します、王爺は江侍医の診察を避けていました 愉妃娘娘が独断で凌雲徹(リョウウンテツ)を処刑し、皇后娘娘の怒りを買ったからです!」胡蕓角の思わぬ告白に海蘭は唖然とし、でたらめを言うなと激怒した。しかし永琪は心から愛する胡蕓角にだけ、何もかも話していたらしい。「ならば凌雲徹が死んでから皇后娘娘と何度お会いになりましたか? 南巡前に一度きりではありませんか?親孝行な王爺は心を痛めていました」さらに凌雲徹が皇帝の命じた無縁墓地ではなく吉祥の地に埋葬されたと知っていた胡蕓角は、これを皇后の命令だとした。永琪は皇后から強く求められ止むを得ず聞き入れたが、皇帝の下命に背いた罪悪感に苛まれて夜も眠れず、病が悪化したという。「皇后娘娘は私情で王爺を死に追いやったのです! 皇上!王爺は″皇后の最愛の人は凌雲徹、このような嫡母は清の恥だ″とおっしゃったのです!」海蘭は我慢ならず、胡蕓角をいきなり引っ叩いた。「この毒婦!永琪の死を利用して皇后を陥れるとは… 永琪の心根は私も皇后娘娘もよく知っている!皇上、妄言に惑わされぬよう!」「皇上!王爺に仕えてきたのは私、嘘は申しません!死を覚悟の上で申し上げました…」こうして母の敵を討った胡蕓角は隠し持っていた毒を飲み干し、愛する永琪の後を追った。その時、最悪のころ合いで如懿が現れる。するとなぜか永琪の寝台のそばで、見ず知らずの娘が死んでいた。弘暦は永琪を失った悲しみからか、田蕓児の讒言を真に受けた。「永琪は死んだ…そなたのせいだ」すると弘暦は胡蕓角を側福晋として葬るよう命じる。如懿は事態が飲み込めずにいたが、恐る恐る永琪の様子を見ようとした。しかし側へ行きたくても弘暦が邪魔をする。「欺いたのか?その娘が全て話した」「皇上、誤解なさぬよう、胡蕓角は愛妾でしたが、告発は一方的なものでした」海蘭は必死に釈明したが、皇帝の疑心は晴れない。「ルーイー、杭州(コウシュウ)で凌雲徹との私通は事実無根だと申していたな?だがどうだ? 凌雲徹の処刑は愉妃の独断だ、そなたは永琪に頼んで凌雲徹を吉相墓に埋葬させた 結果、永琪を死に至らせたのだ… 分かった…そなたは自ら断髪し、皇后を降りた、よかろう」弘暦は進保(シンホウ)を呼び、烏拉那拉氏から皇后の金冊(キンサク)と印璽(インジ)を没収しろと命じた。「金輪際、会わぬ」如懿は弘暦の暴言など今はどうでもよかった。とにかく早く永琪の顔を見ようと寝台に歩み寄り、そっと手を伸ばす。「触るな!」弘暦の怒号が響いたが、如懿はそれでも無視して永琪の顔に触れようとした。しかし弘暦は如懿の腕をつかんで阻止してしまう。仕方なく如懿は永琪の顔をしばし見つめ、皇帝の手を振り払って帰って行った。…乾隆31年、皇五子栄親王永琪が逝去、″純(ジュン)″の諡号を与えられた。進保が翊坤宮へ皇后の金冊と印璽を引き取りに来た。そこで如懿は禁足のため、進保にひとつだけ頼みごとをする。「栄親王の格格・胡蕓角の正体を探るよう海蘭に伝えてちょうだい」弘暦は永琪を失った衝撃で倒れたが、どうしても片付けたいことがあった。そこで進保に起こしてもらうと、ろうそくを持ってくるよう頼む。すると弘暦は箱から永琪を皇太子とする密建書を取り出し、燃やした。やがて薬湯を持って来た侍女・毓瑚(イクコ)は、没収した皇后の金冊と印璽を内務府に送るかどうか聞いてみる。しかし弘暦は養心殿に置いておくと決めた。その時、進保が皇貴妃が来たことを知らせる。弘暦は密建用の箱があることを思い出し、毓瑚にすぐ片付けるよう命じた。後継者選びは振り出しに戻った。皇帝の見舞いに来た衛嬿婉は偶然、毓瑚が箱を持って下がる姿を目にし、それとなく奥の部屋の様子を探りながら報告を始める。「愉妃と栄親王の福晋たちが遺体に付き添い、礼部と内務府が葬儀の準備を進めています」すると弘暦は毓瑚を呼び、愉妃に円明園で永琪を供養させるよう命じた。皇帝は永琪の死から立ち直れない様子だったが、衛嬿婉の次の目標は皇太子の母となることだった。その前にまず母親に娘の境遇を教えてやった方が良いだろう。嬿婉はちょうど如懿の母親が病身だと聞いていた。「王蟾(オウセン)?機転の利く太監を使いにやって」海蘭は永琪の棺の前を片時も離れず、涙に暮れていた。「永琪…なぜ私を置いて逝ってしまったの?綿億と姐姐がいなければ額娘はあなたの後を追っていたわ 気付いてやれなくてごめんなさい…あなたに仕えていた胡蕓角を疑うこともしなかった でも安心して、必ずやあなたと皇額娘のために真相を暴いてみせる…だからゆっくり眠って…」毓瑚は皇帝に調査の結果を報告した。確かに凌雲徹は吉相墓に埋葬されており、栄親王の指示だったという。弘暦は怒り心頭だったが、そこへ皇太后が現れた。すると如懿から取り上げた金冊と印璽があることに気づく。「皇帝や、永琪の死はあいじゃも悲しくてたまりません ですが胡蕓角の証言をくれぐれも鵜呑みになさらぬよう…何か裏があるやも」そこで皇太后はあの場にいた毓瑚に率直な意見を聞くことにした。毓瑚も確かに引っかかる点があるという。「胡蕓角は栄親王に殉じましたが、証言の際は冷静で取り乱していませんでした 滔々(トウトウ)と語った内容は全て如懿娘娘に関することです、その点が私も釈然とせぬままです また栄親王が皇后を恥じていたと言う証言も不可解です 栄親王はご臨終の前、″皇額娘をお許しください″と皇上に請われていました 母子の絆があればこその訴えでしょう…」皇太后は自分たちが知っている永琪と胡蕓角が話した永琪はまるで別人だと言った。まるで凌雲徹の名前を出せば皇帝が動揺すると承知の上での所業にも見える。「皇帝、これは綿密に仕組まれた計略に思えませんか」「分かりました…もう一度、調べ直してみます」皇太后は弘暦の答えに安堵したが、第12皇子・永琪(エイキ)のことが心配だった。すると弘暦は海蘭の悲しみが深すぎて永璂の面倒が見られないとし、擷芳殿(ケツホウデン)に置いて養心殿で勉学を続けさせるという。皇太后は安堵し、永琪を失った悲しみを乗り越えて他の皇子たちを導かねばならないと助言した。毓瑚は早速、胡蕓角の出自を調べることにした。しかし胡蕓角が栄親王に仕えてすぐ、胡家は火災で一族が絶えたと分かる。「一族が絶え、訪ねる者もいない?妙ね…」一方、衛嬿婉の策略により如懿の母・承恩(ショウオン)公夫人は娘が皇后の金冊と印璽を取り上げられ、廃后になるかもしれないと知った。するとあまりの衝撃で夫人は取り乱し、如懿を廃后しないで欲しいと叫んで卒倒してしまう。衛嬿婉が安華殿で手を合わせていると、春嬋が駆けつけた。娘の窮地を知った如懿の母は悲しみのあまり、そのまま帰らぬ人になったという。「死んだの?良かったわ… ウラナラ氏もすぐ母親の元へ送ってあげる(ふっ」その頃、毓瑚は皇帝に胡蕓角について報告していた。しかし胡蕓角の家族は失火で死亡、胡蕓角自身も金銭授受の形跡はないという。弘暦は永琪の病にも胡蕓角が関係していそうだと疑ったが、もはや真相は藪の中だった。ただ分からないのは胡蕓角がなぜ何の因縁もない如懿を告発したのかということだ。「皇上、もうひとつお知らせがあります、承恩公夫人がお亡くなりに… 娘娘には?」「…知らせるがいい」如懿は寝殿にある祭壇で永琪と生母を思い、ひたすら手を合わせていた。すると容珮は皇貴妃が使いを出し、わざわざ如懿が金冊と印璽を没収されたことを生家に伝えたと憤慨する。しかし如懿はひと粒の涙も流さず、黙って祈っていた。容珮は皇帝が夫人を手厚く葬ってくれたことが唯一の救いだという。その頃、海蘭は養心殿で嘆願していた。皇帝の命で円明園に行かねばならないが、その前に何としても如懿に会わねばならない。こうして如懿と海蘭は別々の場所ではあったが、奇しくも一緒にひざまずくことになった。つづくジタバタヾ(:3ノシヾ)ノシ ジタバタ↑視聴中ずっとこんな感じw
2020.03.22
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第82話「愛と復讐」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)と決別、帰京を命じられ禁足となった。愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は翊坤(ヨクコン)宮の前で帰りを待っていたが、如懿は顔も見せず寝殿に入ってしまう。しかしすぐに侍女・容珮(ヨウハイ)だけが現れた。「ご伝言です、12阿哥を不安がらせぬよう世話をして欲しいと それから5阿哥の脚の持病ですが、小さな病とあなどらず、江(コウ)侍医に診てもらうようにと…」「…分かったわ」「それから、これをお渡しせよと…」容珮が差し出したのは第10話で海蘭が如懿に贈ったお揃いの手作りの香り袋だった。「他には何と?」すると容珮は涙を浮かべて何か言いたそうだったが、結局、黙って下がってしまう。こうして翊坤宮は海蘭の目の前で閉門、頑丈な錠で固く閉められた。如懿は弘暦が自分を廃后するだろうと覚悟し、海蘭を突き放した。しかし海蘭は如懿が自分を巻き添えにしないよう、手作りの香り袋を返したと分かっている。もちろん容珮も皇后があえて愉妃に冷たくした理由を知っていた。「愉妃娘娘もお分かりかと…」「もちろんよ」容珮は長旅で疲れている皇后に休むよう促したが、如懿はもう少しここで座っていたいと言った。翌朝、第5皇子・永琪(エイキ)は延禧(エンキ)宮に母を訪ねた。海蘭は勅命を受けた内務府が翊坤宮の装飾を撤去したと憤慨し、皇后と懇意の太監・李玉(リギョク)まで円明(エンメイ)園に追い払われたと教える。永琪もこの様子では皇帝が本気で廃后するつもりではないかと心配した。ともかく海蘭は凌雲徹(リョウウンテツ)の一件以来ふさぎ込んでいる永璂(エイキ)には伏せると決めたが、話を聞いていた永琪が現れる。「父上は母上をお捨てになるのですか…」「私がいる限りそんなことはさせないわ…泣かないで」永琪は弟を慰め、公務に戻ることにした。すると道すがらまた足に激痛が走る。心配した太監・小磊子(ショウライシ)は江与彬(コウヨヒン)に診てもらおうと進言したが、永琪は皇后側の人間と接触するのはまずいとためらった。皇帝一行が南巡から帰京した。皇貴妃に昇格した衛嬿婉は皇后が禁足となり、今や事実上の後宮の主人となる。永寿(エイジュ)宮には妃嬪たちがご機嫌とりに集まり、にぎやかだった。しかしそんな嬿婉を和敬(ワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)は冷ややかな目で見ている。「父上に取り入るのがうまいだけよ…見下す者も大勢いるわ」衛嬿婉はこの機に乗じ、如懿の側仕えをさらに減らすことにした。すると命を受けた皇貴妃の太監・王蟾(オウセン)が翊坤宮に現れ、いきなり太監・三宝(サンポウ)と侍女・蕓枝(ウンシ)を連れて行こうとする。容珮は2人も異動になっては困ると訴えたが、王蟾は今の翊坤宮なら侍女が2人もいれば十分だと言った。「それに皇后の周りには不届きな太監が多い、凌雲徹もその1人だった、追い払う方が良い」この言葉に容珮は激高し、ちょうど落ちていた庭のほうきを手にして襲いかかった。「勅命により翊坤宮で凌雲徹の名は禁句よ!皇上に逆らえば皇貴妃とてお前を守りきれないわ!」しかし三宝と蕓枝は逆らえば皇后に迷惑がかかると止め、黙って従った。永琪は公務の報告が終わると、ひざまずいて皇帝に皇后の窮状を訴えた。すると弘暦は三宝が司庫(シコ)房に追いやられたことも知らず、後宮のことは皇貴妃に任せてあると冷たい。永琪は他のことはともかく、永璂のために皇后に寛大な処置を嘆願した。皇后は養母であり、弟の涙を見るのは忍びないという。「いつも悲しみに耐え、幼い心を痛める姿が不憫です」永璂が泣いていると聞いた弘暦はさすがに心配になったが、永琪には自分の職務を果たし、後宮のことに構うなと釘を刺した。如懿が亭で写経していると、急に門が開く音がした。すると海蘭が差し入れを届けにやって来る。「じぇじぇ…」「どうやって中に入れたの?」「永璂と永琪、容嬪(ヨウヒン)の口添えで皇上のお許しを頂けました」そこで海蘭は永璂が会いたがっていると伝えた。しかし如懿は今の自分の姿を見れば永琪が悲しむと考え、連れて来ないよう頼む。海蘭は自分が世話をするので安心するよう伝え、最近では皇太后も目をかけてくれると教えた。ただ永琪の持病については、本人に尋ねても心配し過ぎだと嫌な顔をされてしまうという。思えば永琪ももう妻も子供もいる大人、如懿は仕方がないと漏らし、くれぐれも身体には気をつけて欲しいと願った。容珮は海蘭の目配せに気づいて下がることにした。すると海蘭は如懿に歩み寄り、自分を遠ざけたいことなら分かっていると告げる。しかしそれでも如懿のことが心配でたまらないと訴えた。「巻き添えなんて怖くない、怖いのは姐姐との心の溝よ…」「凌雲徹の件であなたは…」如懿はそこで思わず言葉を飲み込んだ。「(ハァ~)長い付き合いよ?溝などできるはずがない、よしましょう? その話はもう2度と口にしないこと、ただ私はこんな状況よ? やはり距離を置く方がいいわ、今日、会えたのだから、もう来てはだめよ?」「じぇじぇ…」海蘭が如懿と手を握り会えたのは何年振りだろうか。ようやく如懿とのわだかまりが解けた海蘭は、安堵の涙を流した。一方、永琪の格格(ゲゲ)・胡蕓角(コウンカク)こと田蕓児(デンウンジ)は永寿宮に皇貴妃を訪ねた。永琪は持病が悪化し、侍医も安静にしていれば治る見込みが3割だと言ったという。「3割だなんてかなり深刻よ、5阿哥の病はあなたのお手柄ね、もうすぐお母さんの敵が討てるわ」確かに母の敵は討たねばならなかったが、実は蕓児は永琪を本当に愛し始めていた。「5阿哥はとても優しくしてくださいます どんな女子でもあの真心に包まれたらこの上ない幸せでしょう でもそのご恩に応える術がない…」「分かるわ…」衛嬿婉はかつて自分を大切にしてくれる男と出会い、互いに愛し合い、添い遂げたいと願ったことを思い出した。しかしそんな夢は滅多に叶わないという。蕓児の余命はあとわずか、命あるうちに母の恨みを晴らさねばならないが、そのためには愛する人の命を奪わなくてはならなかった。嬿婉はそれが宮中だと言い聞かせ、愛を捨てて苦しみに耐えてこそ望みが叶うと教える。「愛を選ぶなら望みなど捨て、何もしない方がいいわ」そこで嬿婉は机に薬を置いた。これを永琪の脚の傷にかければ、毒が身体を回って数日もしないうちに死ぬという。蕓児は薬入れを眺めながら、永琪との幸せは来世でしか叶わないのだと自分に言い聞かせるしかない。「永琪の苦しみが早く終われば、来世での再会も早まるでしょう 今生での縁がきっと来世でも続くわ〜」嬿婉はそう言って蕓児の手に薬入をのせた。その夜、如懿は久しぶりに先帝皇后だった叔母の夢を見た。『皇后の冠はどうしたの?私の言葉を忘れたのね…惨めなウラナラ氏は私だけでいいと言ったはず』すると若かりし頃の如懿が現れ、叔母に宮中で喜びを感じた日があったか尋ねていた。しかし叔母は喜びなど宮中では重要なことではないという。『大切なのは…』『喜びもない生き方をせよと仰せに?皇上も私ももうお互いを想っていません、別れるべきでは?』『だがそなたはウラナラ氏の女子だ、死んでも皇后の座を守らねば、一族の栄華が絶えてしまう』『一族の栄華?…ウラナラ氏の女子は代々、その言葉に縛られて来ました 叔母上?私は叔母上のように縛られたくありません もう2度とウラナラ氏の女子を後宮に入れたくない』驚いた叔母は失望した様子だったが、如懿はそこで目を覚ました。皇后が禁足となって半年が過ぎた。大臣たちも苦慮していたが、廃后にすべきと進言すれば処罰され、禁足を解くべきと進言しても降格処分にされ、もはや静観するしかない。「皇帝はなぜ分からぬのだ、禁足など解けばよいものを…」苛立つ皇太后に侍女・福珈(フクカ)は、皇帝が皇后からの謝罪を待っているのだと言った。一方、寝付けない如懿は就寝の時間になっても、寝所で思い出の鉢植えを見ていた。しかし容珮はなぜ主人が枯れた緑梅を見ているのか分からない。実はこの緑梅の植木は延禧宮にいた第9話の頃、弘暦が贈ってくれたものだった。当時は緑の花が満開で美しかったが、南方の梅で気候が合わなかったのか、間もなく枯れてしまったという。すると如懿は急に激しく咳き込み始めた。今日も第5皇子から仏様に供える花と香が届いた。永琪は必ず3日おきに翊坤宮に届けてくれるが、容珮は今の皇后が求めるものとは違うと漏らす。すると早速、香を焚いた如懿は永琪からかと聞いた。「はい…娘娘?5阿哥が花と香を贈って来るのは孝行心だと思います ですが届く品は花と香だけ、娘娘に反省を促していると皇上に思わせるのが目的なのでしょう」容珮は歯がゆかった。本当に孝養を尽くしたいなら、皇帝に皇后の様子を伝えるべきではないのか。「お黙りっ、永琪は地道に努力して、やっと皇上の信頼を得たの 私のために巻き添えにはできない」「…私が浅はかでした」容珮は謝罪して花を取りに戻ったが、皇后の咳は酷くなっていた。皇子の中で最も優秀な永琪は栄(エイ)親王に昇格した。弘暦は第五皇子・永琪を皇太子とする密建書をしたため、所定の場所に隠しておく。実は先帝は皇太子を立てず、弘暦を宝(ホウ)親王に封じていた。誰もが永琪を後継者と信じて疑わなかったが…。そんな中、衛嬿婉は幸運にも40歳を過ぎて再び懐妊した。すると侍女・春嬋(シュンセン)は、このまま永琪が即位すれば如懿が母后皇太后になってしまうと焦る。しかし嬿婉は永琪の称号を忘れたのかと言った。「栄親王、順治(ジュンチ)帝の孝献(コウケン)皇后が産んだ第4皇子の称号と同じね 順治帝は皇太子に立てるつもりで、まず栄親王に封じたの…」「思い出しました(ニヤリ)その皇子は栄親王になって間もなく、夭折(ヨウセツ)を…」永琪は衛嬿婉の策略により、持病の脚が悪化していた。その夜、胡蕓角は永琪が眠っているうちに皇貴妃からもらった薬を塗ろうと企んだが、脚の痛みで永琪が目を覚ましてしまう。すると永琪は熱を出していた。蕓角は福晋を呼ぶと言ったが、永琪は蕓角にそばにいて欲しいと訴える。そこで蕓角はひとまず永琪に水を飲ませ、眠るまで手を握っていた。やがて永琪が眠りにつくと、蕓各は身支度をしてこっそり外へ出た。結局、薬を塗ることはできず、蕓角は薬の中身を捨ててしまったが…。つづく(  ̄꒳ ̄)永琪よ…賢いのになぜw
2020.03.16
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第81話「決別」杭州(コウシュウ)の行宮、碧梧閣(ヘキゴカク)。烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は炩貴妃(レイキヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)を呼びつけ、皇帝を惑わせたとして左配役失格と断罪した。そこへ養心殿の太監・進保(シンホウ)が慌てて駆けつける。実は皇帝が昼寝の後に西湖へ向かったというのだ。目的はまた例の水玲瓏(スイレイロウ)だったが、他にも芸妓6人が一緒だったため、見過ごせず報告に来たという。激怒した如懿は直ちに衛嬿婉を絞殺すると決意、進保にも皇帝の名誉回復のため炩貴妃を処刑する旨を伝えるよう命じた。驚いた嬿婉は咄嗟に助けを呼んだが、皇后の太監・三宝(サンポウ)と侍女・容珮(ヨウハイ)に腕をつかまれ拘束されてしまう。「私に濡れ衣を着せて処刑する気っ?!」「濡れ衣?本宮と凌雲徹(リョウウンテツ)を罠にはめ、永璂(エイキ)は心を病んだ こたびは国政をかく乱させたわ、どこが濡れ衣なの?!」しかし進保がまずは妓楼の者たちを追い払って欲しいと進言し、嬿婉は首の皮一枚つながった。「…衛嬿婉、いいこと?名誉を取り戻すのは簡単ではないのよ?!」西湖にようやく皇帝を諌めることのできる人物が現れた。岸で見張りを任されていた重臣・富察(フチャ)傅恒(フコウ)は安堵し、皇后が舟に乗るのを見逃す。湖上の舟では進忠(シンチュウ)が立ちはだかったが、皇后を止めることはできなかった。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は水玲瓏をはべらせ、芸妓の舞を楽しんでいた。そこへ突然、如懿と容珮が入って来る。水玲瓏と芸妓たちは唖然となったが、目の前の高貴な女が皇后だと知って恐れおののいた。如懿に醜態を見られた弘暦は誤解だと訴え、地方の風俗を理解しようと民間の歌を聴いていただけだと取り繕う。すると如懿は容珮に芸妓たちを岸へ送り、不届きな進忠を三宝と2人で処罰しろと命じた。弘暦はあからさまに不快感を示し、李玉(リギョク)に菓子を届けさせたのも無駄だったと呆れた。しかし如懿は弘暦の名誉を守るために来たと訴える。水玲瓏に龍紋の衣を着ることを許し、今や城下では庶民が水玲瓏の真似をして手の甲に水仙を描いているのだ。その上、皇帝が湖上でお楽しみだと、聞くに堪えない噂が広まっている。「ご自身の名誉が汚されても構わないのですか?」「ふん、朕は数十年、国事に専念して来た、ひと時の息抜きも許されぬのか?!」「今の盛世は不断の努力の成果です、南巡は康熙(コウキ)帝に倣い、国情を視察するためのはず 快楽のために名声を台なしに?」そこで如懿は御前にひざまずき、御身と名誉を大事にして欲しいと諫言した。弘暦は苛立ちを隠せず、自分も天子として如懿に命ずると凄む。「朕に楯突くなぁっ!(イライラ)そなたも徳の高い孝賢(コウケン)皇后や従順な炩貴妃を見習え!」さすがに孝賢皇后を持ち出されては何も言えない如懿、しかし少なくとも進忠を利用して皇帝を淫楽に引き入れた炩貴妃が従順だとは納得できなかった。「私は劣ると?」「そうだぁ!炩貴妃は朕を喜ばせるが、そなたはどうだ?興を削ぐのみだっ!」管理人は顔を真っ赤にしてわめき散らす弘暦を見ながら、気持ちが冷めていくのを感じた。꒰⌯͒*ತ _ತ)じーっ ((((꒪ꈊ꒪″)<なぜ睨む?!꒰⌯͒*ತ _ತ)<あの頃の皇上はもういません、私たちはお互いに幻滅しています一方、容珮と三宝は芸妓たちを連れて岸へ戻っていた。いくら皇帝に仕えたとは言え芸妓では入内できず、出家させるしかない。芸妓たちは泣いて拒んだが、容珮は本来なら死罪になるところ、皇后の恩情だと言った。↓可愛いは正義!進忠はどさくさに紛れてその場を離れようとしたが三宝が捕らえ、君主を惑わせた罪で処刑すると告げる。しかしそこへ衛嬿婉が和敬(ワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)を連れてやって来た。嬿婉は慌てて進忠を放せと命じたが、皇后の命に逆らうのかと拒否する容珮と一触即発になる。すると璟瑟が騒ぐなと一喝、ひとまず進忠を監禁しておけと命じた。公主の指示では嬿婉も拒否できず、仕方なく太監・王蟾(オウセン)に連行するよう頼んで船に乗り込む。2人はここで皇后を一気に追い落とそうと企んだが、湖上の舟では思わぬ事態が待っていた。弘暦は襟を正すどころか自分の非を認めず、如懿に責任を押し付けた。この数年、如懿はずっと不機嫌で自分に背き続けて来たと非難し、今も冷たいチベスナの目で自分を睨んでいるという。すると弘暦はこの期に及んで如懿が冷淡になった原因は凌雲徹だと揶揄した。「…皇上、私は皇上だけに心を捧げて来ました(ふぅ~)ただ皇上は当時のホンリーではない ″美しい思い出さえあれば、いかなる困難も乗り越えられる″…そう思った時もありました でも今、分かったのです、皇上の疑念とお互いへの不満は、固い絆も壊してしまうと…」「そなたとて変わった…昔の青桜(セイオウ)ではない あの頃の青桜は朕と分かり合い、朕を理解し、おもんばかってくれた 今のそなたは昔の面影すらない、もはや別人に思える…」「ええ、確かにチンインはもういません…皇上の皇后となり、精根尽きたのですっ」憤慨した弘暦は恩着せがましく誰のおかげで皇后になれたのかと迫り、多少のことは大目に見ろと開き直った。如懿は后位を望んだ覚えはないと言い返し、非の打ち所のない孝賢皇后さえ不満を募らせる皇帝に怯えていたと教える。そもそも孝賢皇后の死後に深い哀悼の意を示したのは真心からではなく、情に厚い皇帝と印象づけるためではないか。「今でも皇上は妃嬪たちを不安にさせています!夢中だった容嬪(ヨウヒン)ですら大切にしていません! 皇上は鏡に映るご自身に満足しているだけでは?」「ふぁんすー!」弘暦は思わず立ち上がり、如懿に迫り来る。「朕は長年、孤高を貫き、政務に心血を注いできた!そんな朕を誰がいたわってくれた? 妃嬪は下心を持ち、朕を欺いてばかりだ!」「後宮の争いや謀には私も嫌気がします…でもその原因は皇上にあるのですよ? 陛下も妃嬪を欺いたではありませんか?」如懿は純粋な舒妃(ジョヒ)に避妊薬を飲ませて追い詰めたことや、純恵皇貴妃(ジュンケイコウキヒ)と永璋(エイショウ)を顧みず見殺しにしたことを持ち出した。「それに私は長年、連れ添っていますが皇上をだましたことはありません なのに凌雲徹との私通を疑われ続けたのです、皇上は凌雲徹をいたぶり私を苦しめた 私を信頼するとおっしゃったのに…全ての発端は皇上の疑念です ←正論キター(*゚▽゚*)ー! もう釈明するのも疲れました…パトラッシュ」「蒸し返すのか?そなたと凌雲徹の逢瀬を目撃したのは永璂だぞぉ! ←先に蒸し返したくせにw 朕は奴も殺さず、そなたも廃さなかった!」「ご自分の対面を守るためでしょう? ←イタタタタ~( ๑≧ꇴ≦) どう言い繕おうと皇上は誰よりも頑固で!薄情!身勝手で!疑い深い!」←畳み掛けたぁ!「ふぁんすー!再び」弘暦は激情に駆られ、ついに如懿に手を挙げた。平手打ちされた如懿はあまりの勢いに倒れ込んだ。「おのれ、臣下の分ざいで皇帝を侮辱するとは(ワナワナ)廃后されたいかあーっ!」「必要ありません、皇后の座にはうんざりしました、自ら降ります」如懿はかんざしを外した。するとまとめ髪がほどけ、長い黒髪がバッサリ落ちる…。「何をする!」激しく動揺する弘暦、その目の前で如懿は机にあった果物用の小刀を手にし、髪を切ってしまう。小刀が床に転がった。すると如懿は小さな髪の毛束を持ってゆっくり立ち上がる。「私たちは髪を結い夫婦になりました… 髪を切って終わらせましょう、過去のチンインとホンリーのために…」「ルーイー…正気か?」しかし如懿は髪の毛をその場に捨て、呆然とする弘暦を残して出て行ってしまう。その時、ちょうど岸から嬿婉と璟瑟がやって来た。2人はすれ違った皇后の様子を見てただ事ではないと分かる。慌てて客室に入ってみると、これまで見たことがないほど憔悴した皇帝の姿があった。しかも信じられないことに皇后が禁忌を犯し、髪を切り落としたという。弘暦は進保に皇后を帰京させ、翊坤宮での禁足を命じた。また嬿婉をその場で皇貴妃に昇格させ、後宮の管理を任せる。念願の地位まで上り詰め、密かに心躍らせる嬿婉、一方、璟瑟は放心状態の父の姿に不安が募った。知らせを聞いた穎妃(エイヒ)・巴林(バリン)湄若(ビジャク)と容嬪(ヨウヒン)・寒香見(カンコウケン)は皇后の馬車に駆けつけた。如懿は窓から顔を見せたが、累が及ぶため自分に関わらないよう告げる。すると寒香見は早馬で愉(ユ)妃と第5皇子に知らせておいたとだけ伝えた。皇太后は皇帝が急に皇后を病気と偽って帰京させたことから、様々な憶測を呼ぶと危惧した。怒りが収まらない弘暦は、如懿がまた何かしたら今度こそ廃后にしてやると息巻く。しかし皇帝が芸妓たちと遊んでいることなど皇太后はすでに知っていた。ばつが悪い弘暦は如懿が残酷にも若い芸妓たちを尼寺に送ったと非難したが、皇太后は自分なら打ち首にして見せしめに城壁に吊るしていると憤慨する。 ←あいじゃーwww( ๑≧ꇴ≦)すると弘暦は母に怒られた子供のようにしょげ返った。皇太后はかつて順治帝(ジュンチテイ)が董鄂(ドンゴ)氏を寵愛して博爾済吉特(ボルジギト)皇后を廃し、人々から非難されたことを思い出させた。実は清の開国以来、これが唯一の廃后となる。「悪いのは皇后、朕ではありません!皇后が朕に反抗的なのです!」弘暦は如懿が髪を切ったことを思い出し、怒りがこみ上げた。確かに満洲人が髪を切るのは国葬の時と夫を亡くした時だけ、しかし皇太后は如懿をそこまで追い詰めたのは皇帝だと指摘する。「今は皇帝の醜聞が流れている、こんな時に皇后を廃せば民はどう思うでしょう?」「(だって…)芸妓の件は進忠にそそのかされたのです(ボソッ) ←人のせいキター(*゚▽゚*)ー! 朕も軽率だったと認めます…進忠の処罰は皇貴妃に命じました」すると皇太后はならば如懿は無罪だとかばった。思えばかつて皇太后は誰より如懿の立后を反対していた。弘暦は今になってなぜ皇太后が如懿の肩を持つのか分からない。しかし皇太后は如懿の立后に反対したのも、廃后に反対するのも、結局は皇帝のためだと言った。「十数年も連れ添った正妻への情まで捨てるのですか?」「そうではありません、皇后の言動が問題なのです、国母にふさわしくない…」すると皇太后は皇帝と皇后がどちらも譲歩しないのは、互いに気にかけている証拠だと指摘した。「ウラナラ氏の次は誰を皇后に立てると?まさか皇貴妃を?!」弘暦は思わず頭を抱えてしまう。「孝賢皇后を越える皇后や妻は存在しないのです、言いなりになる者なら後宮にたくさんいます あいじゃー、心配でたまりません… 皇帝は如懿を廃したあと、如懿のことが頭から離れなくなるでしょう その時に後悔しても遅いのですよ?(チラッ」その頃、監禁された進忠はおとなしく炩貴妃が来るのを待っていた。するとようやく衛嬿婉が現れ、皇后はすでに帰京し、実は嬿婉が皇貴妃に昇格して後宮の管理を任されたと知る。「一晩中、監禁されて空腹でしょう?菓子でも食べて~」しかし警戒心の強い進忠は断り、それよりもう少しで頂点だと喜んだ。王蟾は仕方なく岡持ちを置くと、袖口から紐を出してそっと後ろから進忠に近づく…。「?!うっ…」いきなり首を絞められた進忠は嬿婉に裏切られたと気づいた。「誤解しないでね、皇上の命令に従っているだけなの(ニコッ」進忠はもがき苦しみながら、春嬋と王蟾もいずれ同じように殺されると言い残して絶命する。こうして芸妓の一件は全て進忠の仕業として葬られることになった。如懿が後宮に戻ったのは夜だった。連絡を受けた珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は翊坤宮の前で待っていたが、如懿の命で輿は素通りして中庭に入ってしまう。驚いた海蘭は如懿を追いかけようとしたが、侍女・毓瑚(イクコ)は皇后が禁足だと制した。一方、如懿は真っ暗な寝殿にはいった。しかしすでに内務府が装飾品を引き上げ、閑散としている。「明かりを…」つづく(  ̄꒳ ̄)うーん…これは…頑固者同士めw如懿は妻ではなく臣下と言われたことで夫婦関係が終わったことを悟ったのでしょうか
2020.03.15
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第80話「舟上の誘惑」愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が凌雲徹(リョウウンテツ)を処刑、皇后が潔白を証明するため命を下したと偽装し、噂を断った。凌雲徹の死を知った炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)は愕然となったが、さらなる訃報が届く。寿康(ジュコウ)宮で養育されていた第14皇子・永璐(エイロ)と第16皇子・永㻇(エイセン) が風邪をこじらせ、侍医が間に合わずに2人とも亡くなった。凌雲徹の一件以来、烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)はすっかり元気がなくなった。その日は雨だったが、如懿は亭に出て黙って座っている。侍女・容珮(ヨウハイ) は愉妃が来たと知らせたが、如懿は小さく首を横に振った。「娘娘…ここは水気が、中へ入りましょう」「…最近、凌雲徹の夢を見るの 侍衛の衣を身にまとい、城下を歩いてる、黙々と私を守りながら… でも私が振り向くと、消えてしまう…」如懿は自分のせいで凌雲徹が成仏できないのではと心配した。そこで容珮は凌雲徹の亡骸は吉祥の地へ埋葬させ、江与彬(コウヨヒン)と惢心(ズイシン)夫婦が定期的に参拝していると安心させる。しかし如懿の罪悪感が消えることはなかった。「凌雲徹への借りは返せなくなったわ…」一方、海蘭は如懿から召されるのを待っていた。すると太監・三宝(サンポウ)が現れ、皇后は寒さと疲れで休んだと伝える。海蘭は仕方なく、降りしきる雨の中を引き返して行った。そして2年が経った。 Σ( ̄。 ̄ノ)ノ えっ!乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は1年以上も後宮を訪れず、宝月(ホウゲツ)楼にも足を運んでいない。しかし皇帝に唯一、意見できる皇后が冷遇されているため、妃嬪たちは誰も文句が言い出せなかった。皇太后や太監・李玉(リギョク)はそんな皇帝を心配していたが、正月明けに南巡へ出発すれば気分も変わるだろうと期待する。一方、海蘭は第12皇子・永璂(エイキ)を連れて翊坤(ヨクコン)宮を訪ねていた。永璂は久しぶりに母の暗香(アンコウ)汁を食すと、父の南巡に母も同行して欲しいと頼む。未だ両親が疎遠になった原因が自分だと責任を感じている永璂、しかし如懿は永璂のせいではないと言い聞かせた。海蘭も宮中の管理は自分が引き受けるので皇帝に同行するよう勧めたが、如懿は気が重い。しかし両親に仲良くして欲しいと願う永璂のため、仕方なく同行すると約束した。ようやく永璂が子供らしい笑顔を見せて喜ぶと、容珮は菓子があると言って第12皇子を連れ出すことにする。如懿と2人きりになった海蘭は、凌雲徹のことでまだ怒っているかと聞いた。「だから面会も拒否を?」「…永璂が落ち込んでいて世話が焼けるでしょう?私の留守中、宮中の管理も大変だわ そろそろ寝宮へ戻って休みなさい」如懿は一度も海蘭の目を見ることはなかった。乾隆30年2月、乾隆帝一行は緑あふれる抗州(コウシュウ)の運河に到着した。船を降りた弘暦は如懿と並んで桟橋を歩きながら、初めて来た時とまるで同じだと言う。「…そうですね、皇上」皇后を帯同し体面は保たれた弘暦だったが、やはりどこかぎこちなかった。行宮に落ち着いた如懿は容嬪(ヨウヒン)・寒香見(カンコウケン)と庭を散策した。寒香見は確かに良い場所だが、″孤山″という名前は聞こえが悪いと漏らす。そこで容珮は西湖の伝説@白娘子に″孤山は孤立ならず 断橋は断たれず″(参照:断桥不断肝肠断 孤山不孤君心孤)とあると言った。その言葉を聞いた如懿は思わず自分の心境を吐露してしまう。「″我 断腸の思い 君心は孤独なり″…」「娘娘、縁起の悪いことはおっしゃらぬよう…」容珮に諫言された如懿は気を取り直して昔話を聞かせた。実は皇后になったばかりの頃、弘暦と平民の夫婦を装って街を散策したという@49話。「思い返せば遠い昔のことのようだわ…」「若い頃の想い人は皇上だったのでしょう?」「ん…」「今は違うのですか?」「人は変わるわ、どちらかの情が深まれば、どちらかの情は薄れて行く…」如懿はそれ以上、何も言わなかった。寒香見がようやく現れ、弘暦は半日も待ちわびていたと言った。しかし皇后の憂う様子に心を痛めていた寒香見は辛辣な言葉をぶつける。「皇后と梅の花を見ていました、ご存知では?」「…皇后はどんな様子だ?」「気になるならご本人に直接お尋ねください、回りくどいことを…」すると寒香見は皇帝と皇后が平民の夫婦を装って城下を散策したと聞いたが、その頃の情は消えたのかと聞いた。「皇后から聞いたのか?…皇后が悪いのだ」←子供かw「凌雲徹の件でしょうか?まだお疑いに?凌雲徹は皇后の名誉を汚した罪ですでに処刑されました 皇后にご立腹なら、なぜ心配するふりを?」「容嬪…寵愛を笠に着るでない!」弘暦は思わず声を荒げると、寒香見は愛想を尽かして帰ることにした。「…皇上は大勢の妃を抱え、どこへ行っても女子と歌舞で歓待されます 私への不満は誰かが慰めてくれましょう」地元の官僚は選りすぐりの娘たちを皇帝に献上した。しかし弘暦は1人も気に入らず追い返してしまう。「宮中に長くいる女子は規則に縛られ融通が利かなくなる、南巡に連れてきた妃嬪とて同じだ…」皇帝の思わぬ発言に李玉は戸惑ったが、進忠(シンチュウ)にとっては好機だった。進忠は早速、炩貴妃(キヒ)に皇帝へ何か別の楽しみを提供するよう進言した。そこで衛嬿婉は一時の快楽のこと、身分の卑しい娘をあてがおうと決める。万が一、入内(ジュダイ)しても自分の地位が脅かされることはないだろう。「賢明です、皇上が誰を寵愛しようと長続きはしません(ニヤリ)」嬿婉から手配を任された進忠はその夜、皇帝を西湖へ連れ出した。翌朝、進忠は炩貴妃を訪ね、皇帝のために芸妓・水玲瓏(スイレイロウ)を仕えさせたが大好評だったと報告した。「美しいの?」「ぅ~ん、美しいというより粋です…でも炩貴妃には劣りますよ? 天女の炩貴妃に妖婦などかないません、所詮は妓楼出身の芸妓ですから…(ウフッ)」そこで嬿婉は水玲瓏だけでなく、他にも呼ぶよう命じた。しかし民謡で夫婦の情を聞かされた弘暦は全く面白くない。手配した進忠はふてくされて寝転んでいる皇帝の元へ歩み寄り、中止したほうがいいか尋ねた。「妃嬪の寝所をお訪ねになっては?」「皇后とは気まずいし、容嬪は冷淡…他は媚びるしかない能がない、誰にも会わぬ」「では今宵も水玲瓏を?」その名前を聞いた弘暦は急に目を輝かせ、すぐ出かけることにした。すると進忠は水玲瓏は炩貴妃の計らいだと念を押し、皇后には決して漏らさないと安心させる。しかし街では輿で出かける水玲瓏の姿が目撃され、次第に皇帝の不名誉な噂が広まって行った。その日、弘暦は皇太后や后妃らと一緒に京劇を鑑賞した。しかしうっかりうたた寝してしまい、如懿に気づかれてしまう。やがて皇太后が隣の皇帝に感想を聞いたことから、ついに弘暦が寝ていることがばれた。嬿婉は咄嗟に皇帝が深夜まで風土記を読んでいたとかばい、寝所へ送って行くことにする。皇太后もならば仕方がないと許したが、如懿はひそかに容珮に合図した。容珮は回廊で待ち伏せし、皇帝と炩貴妃の話を立ち聞きした。詳細までは分からなかったが、どうやら炩貴妃が毎夜、皇帝を喜ばせるために何かを手配しているようだが…。一方、孝賢(コウケン)皇后の弟で重臣の富察(フチャ)傅恒(フコウ)も皇帝を心配して李玉に相談していた。皇帝に随行して岸で見張りを任されているが、毎晩、女子たちが湖上の舟へと運ばれているという。しかし李玉も噂を小耳に挟んでいるだけで、詳しいことは知らなかった。何ぶん皇帝は夜になると進忠だけを仕えさせ、朝まで戻って来ない。ともかく李玉は他言しないよう頼んだが、傅恒は焦っていた。「もはや街中の噂だ、皇上の名声が危ういぞ?」「(ハッ)大変だ…今日は皇后娘娘がお忍びで街へ行っています…噂を聞くやも」その頃、如懿は容珮と三宝、わずかな護衛を連れ、お忍びで街にいた。すると娘たちがこぞって手の甲に花の絵を描いていることに気づく。実は水玲瓏が手の甲に花の絵を描いていたことから流行したが、如懿には知る由もない。やがて如懿は偶然にも以前、来た時に食べた餅菓子の露店を見つけた。思わず味見をしてみたが、当時と同じ味はしない…。それは餅菓子の味が変わったからではなく、自分が味わえなくなったからだ。如懿はふと寂しさを感じながら餅菓子を買うよう頼み、再び散策を始める。すると民たちで賑わう講談師の話が聞こえ来た。弘暦と2人で訪れた時は乾隆帝を称賛し、皇帝と皇后は良き手本だと説いていた講談師、しかしなぜか今は皇帝が失笑を買っている。驚いた如懿はすぐ三宝にどういうことか調べるよう命じた。如懿は行宮に戻ると、李玉を呼んだ。まさか視察のための南巡で民に嘲笑される事態になっていたとは…。しかし官吏たちも保身のため皇帝を諫めることができなくなっていた。皇帝の怒りを買えば斬首される可能性もある。確かにここ数年で多くの部族を征服し、弘暦はすっかりその威光に酔っていた。李玉の話では湖上では進忠だけが仕えるため、皇帝が岸に上がるまでは近づくことができないという。すると容珮は進忠が炩貴妃と懇意だと話し、裏で糸を引いているのが炩貴妃だと推察した。「なるほど…」如懿はどうりで観劇の時、炩貴妃が弘暦を庇って皇太后に言い訳したはずだと納得する。恐らく炩貴妃はこの件を知るだけでなく、手配したのだろう。まさか皇帝の歓心を買うために名声を汚すとは…。如懿は惑わされた弘暦にも問題があると憤り、最近の堕落ぶりは眼に余ると嘆いた。弘暦は毎晩のように芸妓と享楽にふけり、睡眠不足ですっかり体調が悪くなった。そのせいで后妃との朝食会に遅れてしまう。すでに揃っていた妃嬪たちは皇帝と久しぶりに会えると楽しみにしていた。慶(ケイ)嬪・陸沐萍(リクボクヘイ)は思わず、こんな機会でもなければ顔すら見られないと愚痴る。すると如懿はその原因となった衛嬿婉を睨みつけた。「皇后娘娘?なぜ睨むのです?私は何も知りません」「炩貴妃、慣れると嘘も流暢だこと」そこへようやく皇帝が現れた。皇帝は目が充血し、隈まで作り、あきらかに疲れて見えた。率直な寒香見は寝不足で食欲があるのかと指摘したが、弘暦は問題ないと無理して食べ始める。しかし如懿はまったく箸をつけず、ついに口火を切った。「行宮は西湖に近く、水音と楽器の音が騒がしいので安眠の邪魔でしょう 私が炩貴妃と一緒に調べ、騒音を立てる者を一律、処罰します」焦った衛嬿婉が口を挟もうとしたが、如懿は無視して寒香見に宮中の踊り子たちに指導してやって欲しいと頼んだ。すると舞踏が得意な寒香見も嫌みを言う。「宮中の踊り子は芸妓ほど魅力がありません、指導は無駄でしょう…」弘暦はすでにばれていると知り、顔色が一変した。「…久しぶりに西湖を遊覧して疲れたゆえ、舟の上で歌舞を鑑賞したのだ 皇后は気にしなくてよい」「そんな見事な歌舞なら私たちも拝見したいわ、皇上のお許しがいただければ…」憤慨した弘暦は機会があればそうすると告げ、食欲が失せたと言い放ち帰ってしまう。如懿も我慢の限界に来ていた。「炩貴妃、碧梧閣(ヘキゴカク)に招待するわ、あとでいらっしゃい」李玉が重箱を携えて碧梧閣にやって来た。皇帝からの差し入れは江南名物の菓子だったが、机に並んだのは歯にへばりつくような餅や蒸し餃子ばかりだ。「ふん、粘りあるもので口を塞ぐとは…黙れってことね?」李玉は苦笑いしてごまかすしかなかったが、その時、三宝が炩貴妃の来訪を知らせた。衛嬿婉は片膝をついて拝礼したが、怒り心頭の如懿は起立を認めなかった。「凌雲徹が女官のあなたを助けようとしたのは、その野望を見抜いていたからね」「…何のお話でしょうか、どんなご用件で?」「皇上が寵愛する芸妓はあなたが手配したの?」すると嬿婉は開き直り、夫を喜ばせるのが妻の務めだと言い放った。如懿は妓楼の娘などもっての外だと咎め、芸妓で皇帝を惑わし、名誉を傷つけ、朝廷の綱紀まで乱したと非難する。しかし嬿婉は皇帝の疲れを癒すため、適切な者を仕えさせるのが左配役の責任であり、皇帝の憂いも取り除けない皇后は口を出すなと言い返した。そこで如懿は黙って立ち上がり、皇后の権限をもって命を下す。「炩貴妃、あなたは不埒者を呼び入れ、後宮を乱した、左配役失格よ 皇上は色事に溺れ、お身体と名誉を損ねたわ 三宝、罰が決まるまで炩貴妃を監禁して」驚いた嬿婉は思わず許可なく立ち上がり、激高してしまう。「私は皇上に封じられた貴妃よっ!」「私は皇上に封じられた皇后ですっ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ!いつの間にか炩妃が貴妃になってたーっ💦嬿婉、一段と化粧が濃くなったからブラック度up?さて残りわずかとなりました~来週はいよいよ…お楽しみに~♪
2020.03.09
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※残酷なシーンが含まれています如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第79話「残された指輪」炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)の謀略は成功した。御花園から逃げて来た第12皇子・永璂(エイキ)は乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)と鉢合わせし、泣きながら烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)と凌雲徹(リョウウンテツ)が抱き合っていたと報告する。驚愕のあまり立ちすくむ弘暦、すると嬿婉は進忠(シンチュウ)の目配せに気づき、動揺している永璂を永寿(エイジュ)宮で休ませると言った。証拠を消すために永璂にすぐ薬を飲ませなければならない。皇帝の許可が降りると、進忠はただちに永璂をおぶって走り出し、嬿婉もすぐ後を追った。永寿宮にはすでに薬湯が準備されていた。衛嬿婉は気が気でなかったが、鎮静薬を飲めば目覚めた時に毒はきれいに消えるという。すると進忠は、永璂に毒茸を食べさせた側仕えの宦官・小栗子(ショウリツシ)も始末したと報告した。永璂を養育している愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は慌てて翊坤(ヨクコン)宮へ駆けつけた。事情を聞いた如懿は激しく動揺し、永璂はどこなのか確認する。すると海蘭は進忠に連れられて延禧(エンキ)宮に戻り、今は休んでいると安心させた。しかし侍医・江与彬(コウヨヒン)の脈診では異常がなく、食事も調べてみたが問題はなかったという。如懿は直感的に罠にはめられたと分かった。まさか永璂の口から母を貶めるような言葉を言わせるとは何と狡猾なのか。すると海蘭は皇帝がすでに凌雲徹を慎刑司(シンケイシ)へ収監し、拷問を命じたと伝えた。「姐姐、皇上が処刑を命じる前に手を打つのよ、そうすれば潔白を証明できる」「何を言っているの?私たちは潔白よ」「分かっているけど皇上は疑っている、凌雲徹だけでなく姐姐にも危険が及ぶわ」「その件はあと、今は永璂のことが先よ」そこで如懿は太監・三宝(サンポウ)に永璂の側仕えたちはどうなったか聞いた。実は皇帝の命で皆すでに職を解かれたという。「何としてでも連れ戻すのよっ!」衛嬿婉は養心殿へ戻った皇帝を訪ねた。第12皇子なら夕方まで眠り、その後、延禧宮へ送ったという。ただ動揺が大きかったせいか永璂は何も覚えていないと報告し、お茶を献じた。「皇后失格だ…」弘暦は嬿婉から受け取った茶碗を思い切り床に投げて割ってしまう。ガシャーン!永璂が目を覚ました。海蘭と第5皇子・永琪(エイキ)は本当に皇后と凌雲徹の姿を見たのか確認したが、本人は証言したことすら覚えていない。「私が額娘の名誉を傷つけたのですか?何てことを…」永璂は自分が母を貶めたと知って泣き出してしまう。ともかく海蘭は永璂に責任はないとなだめて休ませると、永琪に皇帝の様子を聞いた。永琪は皇帝が凌雲徹をつらい拷問に付すはずだと話し、死に至ることは想像に難くないという。何より心配なのは、皇帝が廃后を言い出しかねない事態だということだった。そんな中、太妃たちが育てている衛嬿婉の皇子が風邪を引いた。第14皇子・永璐(エイロ)と第16皇子・永㻇(エイセン) は病弱なため、片方が風邪を引けばすぐ移ってしまう。皇帝は見舞いを許してくれたが、永寿宮に連れ帰ることはできなかった。皇后の意向で皇子たちが寿康(ジュコウ)宮に預けられたと逆恨みしていた嬿婉は、なぜ未だ皇帝がこの決定を撤回してくれないのか分からない。ともかく太監・王蟾(オウセン)に皇子の看病を任せて戻ることにしたが、凌雲徹のことも気がかりだった。「春嬋(シュンセン)?進忠は何か言ってた?」「″皇上は凌雲徹を死罪にするだろう″と…」その頃、進忠は皇帝に讒言していた。皇后が凌雲徹の潔白を証明しようと躍起になり、第12皇子のことなどお構い無しだと…。三宝と李玉(リギョク)は第12皇子の側仕えを探していたが、給仕をした小栗子は首を吊って死んでいた。如懿は口封じに殺されたのだと確信し、やはり食事が原因だと気づく。そこで当日の品書きを改めてみると、ふと″椎茸と肉の炒め物″に目が留まった。茸と言えば昔、南方にいた頃、毒茸を食べて死んだ人がいたという。「中には幻覚を起こす茸もある…これが原因かも?!」如懿は侍女・容珮(ヨウハイ)に御膳房を調べるよう命じ、また江侍医に椎茸と似ている毒茸がないか探してもらうよう指示した。容珮たちが早速、出かけて行くと、海蘭は如懿に諫言した。皇帝が疑っている以上、凌雲徹を救おうと必死になれば皇帝の怒りは増すだろう。その結果、凌雲徹だけでなく如懿までも危うい立場になる。「皇上の誤解を解くため、姐姐から凌雲徹に死を…」「…凌雲徹を亡き者にすれば解決なの?潔白を示せても罪悪感に耐えられない 永璂も自責の念にかられて深い心の傷を残すことになる」如懿は海蘭がまた勝手に動くことを懸念し、軽はずみなことはするなと釘を刺した。仕方なく海蘭は分かったと返事をしたが…。その夜、衛嬿婉は外套で顔を隠し、慎刑司の令牌を使って密かに凌雲徹の牢を訪ねた。嬿婉は拷問を受ける凌雲徹のため薬を持参し、さらに凌雲徹の好物を持って来たという。しかし凌雲徹はかつての好物が今も好きとは限らないと言った。「女官の身なりで、こんな夜中にご馳走を携えて…最期の見送りに?」「はっきり言うのね…でもあなたは大きな過ちを犯した、死は当然よ あなたは私を守るため宮中に入った、今では死を待つ身…お別れね」「炩妃娘娘…昔のことは忘れてください」「?!まだ私を恨んでいるの?」「娘娘を恨んでなどいません…なら私をこんな目に遭わせたのはあなたなのか?」「雲徹哥哥、私をそんな女だと思っているの?!」「かつての嬿婉の姿は胸に焼き付いています、今もずっと…ただ、あの頃の嬿婉はもういない」嬿婉はいたたまれなくなり、ここで引き上げることにした。すると凌雲徹は、あの頃の嬿婉がいなくなった今、贈り物を返して欲しいと頼む。「時は流れても物は変わらぬ…変わらぬことの尊きことよ… あの指輪を返してください、冥土の土産にします」それは第21話で凌雲徹が贈った紅玉の指輪、裏には雲徹の雲と嬿婉のつばめが彫ってあった。今までどうしても手放せなかった思い出の指輪…。しかし嬿婉はついに自ら外し、過去の自分と一緒に置いて出て行った。衛嬿婉は春嬋に支えられ、涙に暗れながら寝宮へ戻った。その姿をちょうど海蘭と三宝が見かける。どうやら炩妃も慎刑司へ行ったのだろう。「愉妃娘娘、いいでんすか?皇后娘娘は反対なさっています」「…三宝、これは姐姐のためなの」こうして2人も慎刑司へやって来た。門衛の話ではやはり先ほど永寿宮の侍女が来たという。「よく聞きなさい、本宮は皇后娘娘の命令で来たのよ」「はい、どうぞ中へ」海蘭の姿を見た凌雲徹はなぜか安堵した様子だった。「愉妃娘娘、やっとお越しに…」凌雲徹は傷だらけの身体で拝礼しようとしたが、海蘭はそのままでいいと告げる。「炩妃がここに来たようね?このような場所にわざわざ来るとは、情がある証拠だわ」「はい…私と炩妃の旧情が皇后娘娘の名誉を傷つけたのです」「その件で来たの…」皇后は永璂が心を痛めないよう、凌雲徹の無実を証明すべく必死に調べているという。その意味するところは凌雲徹にもすぐ理解できた。皇帝なら皇后が自分の命を救うために奔走していると誤解し、結果、皇后への怒りを募らせるだけだろう。全てを終わらせるには自分が死なねばならない。ただし自害すれば罪を認めたとみなされるだけ…。つまり皇后の疑いを晴らす唯一の方法は、皇后から死を賜るしかなかった。「愉妃娘娘…おかげで私の願いが叶います」「本宮こそ、あなたのおかげで願いが叶うわ…」その頃、如懿は翊坤宮で李玉の報告を聞いていた。「小栗子は貧家の出で特別な交友関係はありません、不審な点は見つかりませんでした 江侍医も茸を調べていますが、なにぶん種類が多く、特定は難しいかと…」「引き続き調べて」容珮はさすがにこれ以上の調査は皇帝の怒りを買うと心配したが、如懿は頑なに調べさせろと命じた。海蘭はこれを機にずっと気になっていたことを聞いた。「本当のところ、あなたは姐姐をどう思っているの?」「(ァハッ)愉妃娘娘、信じてくださらぬと思いますが、私は男女の情を越えてお慕いしていました きっと誰も信じぬでしょう、でも皇后娘娘がお分かりなら、それでいいのです たとえ遠くからでも、お姿を拝見できればいい…笑顔を見られたら十分でした 私の命で守れるなら、喜んで捧げましょう」「…以前の私なら信じなかったけど、今はその言葉を信じられるわ」「感謝します、娘娘」「思い残すことがあれば、代わりに私がやり遂げるわ」すると凌雲徹は衛嬿婉から返してもらった指輪を差し出した。それはかつて嬿婉に贈った愛の証しだという。指輪を受け取った海蘭は、確かに炩妃がはめているのを見たことがあった。その時はなぜこんな安物を付けているのか不思議だったが、ようやくその理由を知る。「多くの件に嬿婉は関わっています、その指輪がいつか役に立つでしょう」「なぜ姐姐が不貞を疑われた時、証言しなかったの?」「ァァ…炩妃との関係を証言しても、皇后娘娘の噂を打ち消すことはできません それに…炩妃とて心根は悪くない、これも母親や弟、出自のせいでしょう」凌雲徹は哀れな境遇の嬿婉をかばったが、海蘭はそんな理由は認めないと一蹴した。家が貧しいからと言って何をしても許されるわけではない、これは品性の問題なのだ。最後に海蘭は凌雲徹に如懿への伝言を聞くと言った。「ありのまま伝えるわ」「皇后娘娘には″息災で″とだけ…」海蘭は皇后への忠誠を最期まで貫く凌雲徹の姿に敬服しながら、心を鬼にした。「凌雲徹よ、そなたは″窒息の刑″を賜る…心して受けよ」「…この日を待ちわびていました、凌雲徹が皇后娘娘と愉妃娘娘に御礼申し上げます」そこで海蘭は三宝を呼び、涙をこらえて凌雲徹を連行するよう命じた。三宝は平伏していた凌雲徹を立たせたが、やはり決心がつがず、考え直すよう進言する。「凌…いえ、小凌子(ショウリョウシ)は潔白です」すると凌雲徹は三宝の手を握りしめて感謝した。「三宝…事態を覆すことは、もはやできぬのだ…行こう…」三宝は号泣しながら凌雲徹の身体を拘束した。「凌大人(ダーレン)…すみません…うっ…命日には線香を捧げてお祈りします…うっ…」「…いい匂いだ、梅の花が咲いたのか?」「…そうです、門の近くで…うっ…蝋梅が咲いていました」「残念だ…雪の積もる頃、皇后にゃんにゃんに…梅の花を贈ることができぬのか 来年、供養に来てくれるなら、梅の花を供えてくれ」「はい…うっ…」そして慎刑司に凌雲徹の断末魔が響き渡った。三宝は牢に残っていた愉妃の元へ戻り、凌雲徹が天に召されたと報告した。「では永琪から皇上に報告させて…もう疲れたわ、皇后娘娘への報告は明日にする」翌朝、永琪は養心殿の父を訪ね、義母が凌雲徹を処刑したと報告した。弘暦はいささか意外だったが、窒息の刑と聞くとなかなか厳しい刑だと漏らす。「それでも生ぬるいが…屍は?」「規則に従い、太監は火葬します」永琪は確かに皇后の名誉が凌雲徹に傷つけられたが、御花園の件は永璂も覚えておらず、真偽不明だと訴える。すると弘暦は体の弱い永璂を自責の念で苦しませたくないと話し、皇后の面目のためにも翊坤宮に行かせないよう命じた。永琪は拝命し、最後に皇帝と皇后に一心同体であることを望み、仲違いしないよう懇願する。しかし弘暦は皇后が歩み寄らないと吐露した。「まあよい、自分で片をつけたことは評価する、火葬せずに無縁墓地に葬れ」全てが終わると、海蘭は翊坤宮を訪ねた。如懿はまだ化粧台の前に座っていたが、海蘭はそこでひざまずき報告する。「私の独断です、凌雲徹の遺体は無縁墓地に葬られた 一件落着したわ、これで皇上の怒りも静まる 勝手な真似をしたけど、全ては姐姐のため、間違ったことはしていないわ 怒っているなら叩いてもいい、罵ってもいい、でも私は正しいはずよ? 凌雲徹もよく分かっていた、素直に死を受け入れたわ… 自分のせいで姐姐の名誉を汚したくない、姐姐が幸せになるのなら自分の命を喜んで捧げると…」海蘭の手の中には凌雲徹から預かった炩妃の指輪があった。これは凌雲徹が愛の証しとして衛嬿婉に贈ったもので、雲の間を舞うツバメが彫ってあるという。「凌雲徹が″いつか役に立つかもしれぬ″と…」すると如懿がようやく重い口を開いた。「永璂の食べた椎茸が原因だと突き止めたの、もう少しで凌雲徹の潔白を示せたのに…」「凌雲徹に尋ねたわ、姐姐をどう思っているのかと…彼はこう答えた 男女の情を越え、お慕いしている…姐姐もお分かりだと…」如懿は心の友の言葉を聞いてうっすら笑みを浮かべた。ふと目線を上げると、窓から凌雲徹が笑うように木漏れ日が差し込んでいる。「私は何度も辛い目に遭った…あなたと凌雲徹が心の支えだったわ… あなたは長年の友、そして凌雲徹とはお互い助け合ってきた、私の心を深く知る知己と言えるわね ハイラン…いくら私のためであっても、許せないの…下がって」海蘭の頬を涙が伝った。しかし決して許しを請うことはない。すると海蘭は口頭し、黙って出て行った。窓から差し込む日差しはまだ揺れていた。「凌雲徹?」如懿は思わずそう呼びかけたが、返事はない…。 つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)凌雲徹の愛にただ涙…そう言えば凌雲徹が宦官となって初めて如懿と対面した場面ですが、実は如懿にもセリフがあったそうですでも話し合って如懿は目線だけの演技にしようと決まったとか
2020.03.08
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第78話「御花園の幻」皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)と凌雲徹(リョウウンテツ)の醜聞はまだ幼い第12皇子・永璂(エイキ)の心にも暗い影を落としていた。そんな弟を心配し、第五皇子の貝勒(ベイレ)・永琪(エイキ)は久しぶりに尚書房へ永璂を迎えに行ってやる。「以前なら凌侍衛が迎えに来たのに…」永璂はため息をつき、5兄に母と凌雲徹が恋仲だと言う噂があると嘆く。しかし永琪は噂など信じるなとなだめ、皇后を信じていると言った。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)が足繁く翊坤(ヨクコン)宮に通うようになり、風見鶏の内務府総管太監・秦立(シンリツ)はわざわざ俸禄を直接、届けに来た。翊坤宮の太監・三宝(サンポウ)は総管の見送りに出たが、そこへちょうど使いに出ていた凌雲徹が戻って来る。秦立は侍衛から宦官になった小凌子(ショウリョウシ)に興味津々、思わず呼び止めてからかい出した。そこで三宝は早く花を届けるよう指示して逃がそうとしたが、運悪く養心殿の太監・進忠(シンチュウ)がやって来る。「秦公公(ゴンゴン)、何のお話を?」「いや~小凌子が翊坤宮に勤めて誇らしげだと話していただけだ」「あぁ~翊坤宮ですからね~想い人のそばで働くの楽しいでしょう~w」「小凌子、愚か者ゆえおっしゃる意味が分かりません」「大した意味はない…ふっ では皇上に代わって命じる、皇后娘娘によくお仕えしてご満足させるように…」秦立と進忠は思わず失笑したが、凌雲徹も黙っていなかった。「…皇上のご命令なら皇后娘娘の面前にて改めてお伝えください あなたも宮中の掟はよくご存知のはず もし進忠公公の私的なご意向なら、皇上をかたる偽の命令となり、重罪に当たります」進忠は思いがけず凌雲徹にやり込められた。凌雲徹は容珮(ヨウハイ)に頼んで寝殿内の仕事は避けていた。皇后との距離を保つことで守ってくれていることは如懿も容珮も承知している。しかしこれで終わるのだろうか。今や弘暦の考えが読めなくなり、如懿は不安に駆られていた。一方、炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)は、初めての懐妊でもないのに激しいつわりに苦しんでいた。「凌雲徹が皇后のそばにいる…そう思うと吐き気が…」嬿婉はせめて翊坤宮から凌雲徹を追い出せれば楽になると吐露する。すると侍女・春嬋(シュンセン)は主人がまだ凌雲徹に未練があるのかと驚いた。「ハア~…忘れられない人はいるものよ…」そんなある日、弘暦は如懿と芝居を見ることにした。演目は″墻頭馬上(ショウトウバジョウ)″だったが、2人の席の後ろには凌雲徹が控えている。寝殿に戻った如懿は疲れ果て、横になった。容珮は主人の身体をあんましながら、わざわざ思い出の芝居を選ぶとは皇后と小凌子への当てつけだと呆れる。かつて愛し合う2人はこの芝居を仲睦まじく見たものだった。如懿は弘暦の仕打ちに打ちひしがれ、思わず涙が溢れてしまう。今や2人は床を共にしても、ただ黙って朝が来るのを待つだけだった。翊坤宮で朝餉を済ませた弘暦は、ふいに翊坤宮に手癖の悪い者がいると言った。「凌雲徹が朕の宝を盗んだ…進忠?小凌子を清掃係に配置換えを、最低位の清掃太監に」すると進忠は拝命し、直ちに出て行く。如懿が黙っているのを不審に思った弘暦はどうしたのかと聞いた。「許しを請うか?」「請えば許してくださると?…皇上はこの芝居に飽きて凌雲徹を退場させるのですね?」「楽しんでいたとでも?」「(プイッ)」「そなたが気詰まりのようゆえ、これは朕の厚意だ」「(そりゃどうも)ご厚意に感謝します」如懿の冷ややかな目は、無言の剣のように弘暦に突き刺さった。弘暦は居たたまれなくなり足早に帰ってしまう。すると激情に駆られた如懿は思わず箸をつかんで机に投げつけ、皿の割れる音が殿内に響いた。内務府が翊坤宮の奴婢を減らした。容珮はこれが皇帝の意向だと気づいて主人に報告したが、如懿は好きにさせろという。そこへ愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)がやって来た。実は永琪夫婦が菓子を持って訪ねて来たのでお福分けだと勧めたが、食欲がない如懿は後でいいと断ってしまう。海蘭は配置換えになった凌雲徹のことが気がかりなのだと分かった。すると如懿は皇上の疑念が晴れない限り、この件に終わりはないと落胆する。凌雲徹を苦しめるのが弘暦の鬱憤ばらしなら、如懿には何の手立てもなかった。「1年ほど過ぎたら、都から遠い離宮にでも行かせたい… 皇上から距離を置けば、少なくとも命の危険はないはず」「…実現できるといいわね」海蘭はそう答えるほかなかった。凌雲徹は食事もさせてもらえず、雨の中で掃除を続けていた。ふと視線を感じて顔を上げると、容珮を見つける。容珮はそれとなく凌雲徹に合図し、人目のつかない場所で手作りの枕を渡した。「感謝します、毎日、雨続きなのでお風邪など召しませぬよう、皇后娘娘にお伝えください」「必ず伝えます、その枕の中身は皇后娘娘が手ずから選った抗白菊よ あなたの苦しみを知って心を痛めてる」「私は単に体が辛いだけですが、皇后娘娘はお心に苦痛を… 私が去って皇上はお優しくなりましたか?」「表面的には…」「すべて私の罪です…」「皇后娘娘は違う考えよ…」その夜、容珮が作ってくれた枕に頭を乗せながら、凌雲徹は皇后への思いを募らせた。御花園の掃除中、偶然、散策する皇后を見かければ、ふと目で追ってしまう。しかしその姿を貝勒に見咎められ、もはや陰ながら見守ることも許されないと落胆した。夏が過ぎ、あっという間に冬がやって来た。如懿は慈寧(ジネイ)宮で皇太后と写経に没頭していたが、そこへ侍女・福珈(フクカ)がやって来る。炩妃が無事に第16皇子を産み、皇帝が永㻇(エイセン)と名付けたという。皇太后は多産の炩妃に褒美を出すことにしたが、今回は掟に従って寿康(ジュコウ)宮の太妃(タイヒ)に育てさせるよう命じた。「さもなくば炩妃が図に乗る…」皇太后はさすがに如懿が不憫だった。しかし古来より皇后は苦しみと背中合わせ、むしろ早死にした孝賢(コウケン)皇后は幸せかもしれない。如懿は確かにその通りだと同意し、しみじみ早死にと長寿ではどちらが幸せか分からないと言った。如懿は炩妃の皇子が無事に誕生し、間もなく臘八(ロウハチ)のため、臘八粥を奴婢に施したいと提案した。すると皇太后は粥の施しに群がるのは最下層の奴婢たちだと気づき、皆に行き渡るよう食材を惜しまぬよう助言する。こうして如懿の恩情はかろうじて凌雲徹の元へ届けられた。皇太后の決定で永㻇を手放した衛嬿婉は悲しみに暮れた。皇后が寵愛を失い、自分の子供は手元におけると思っていただけに落胆も大きい。侍女・春嬋(シュンセン)は冷遇されても皇后は皇后だと言った。すると嬿婉は如懿の差し金だと深読みする。「もう皇后は何もできないと思ってた…まさか太后をそそのかす力が残っていたなんて…」格格(ゲゲ)・胡蕓角(コウンカク)は炩妃の計画通り、永琪の心をしっかりつかんでいた。しかし永琪は最近、持病の足の痛みが度々ぶり返している。「江(コウ)侍医に診てもらいましょう」「心配ない、大丈夫だ」「…蕓角が今日あるのも貝勒のおかげです…それなのに申し訳ありません」「蕓角?何を言ってるんだ?そなたはよく仕えてくれる だがずっと子ができぬ、それが残念だ…もし子ができればこの上なく幸せだ」「そうですね(ゥッ…)お子を授かれたらどんなに良いか」永琪は急に泣き出した胡蕓角を心配した。確かに時々、体調が悪いように見える。胡蕓角は咄嗟に月の障りだと笑って水風呂の準備に向かったが、何も知らずに自分を愛してくれる永琪を思うと忍びなかった。皇帝は重用する永琪を栄(エイ)郡王に封じた。しかしすでに第5皇子には田蕓児(デンウンジ)を送り込んでいることから、進忠は次に嫡子の第12皇子を狙うよう炩妃に進言する。「母と子は一蓮托生、皇后が倒れれば12阿哥も終わる…」「…実の子が母親を陥れたら最高ね、私の恨みも晴らせるわ」すると進忠は凌雲徹を殺すべきだと言った。いつか皇帝と皇后がまたよりを戻せば、皇后の逆襲が始まって今までの苦労が水の泡になる。皇帝と皇后の間に溝を作った凌雲徹をもう一度、利用し、2人を完全に決裂させるのだ。「…難しいわ」「嫌なら忘れてください」進忠はまだ炩妃が凌雲徹に未練があると疑った。「嫌とは言ってない…誤解しないで、死なせるなら私たちに有利な死に方でと…」「そういうことです♪」急死した叔母の葬儀に出かけていた春嬋が帰って来た。叔母は南粤(ナンエツ)で採れる野生の茸(キノコ)を食べた後、朦朧として誤って池に落ちて死んだという。実はその茸が毒茸で、どうやら食べ過ぎると幻覚症状が現れると分かった。しかし茸を売った本人は毒茸だと知らなかったと責任逃れ、春嬋は茸と一緒に牢に入ればいいのにと悔しさをにじませる。すると衛嬿婉はふと思いつき、ならばその毒茸を証拠品として手に入れるよう指示した。第12皇子付きの太監・小栗子(ショウリツシ)は食事の給仕をしていた。すると永璂は今ごろ母が御花園で花を観ているはずだと思い出し、予定を変えて母と一緒に花を観たいという。小栗子は母思いの皇子に感心し、思わず凌雲徹の悪口を言った。「あいつのせいで12阿哥は皇后娘娘とお会いになれません… 噂を聞くたび耐えられなくなります 皇后と小凌子が抱き合っていたとか…」「でたらめを言うと許さぬぞ!」小栗子は口が滑ったと謝罪し、咄嗟に料理を進めた。「この茸料理は特に作らせたものです、南方から取り寄せた珍しい食材です」「うん、美味だ、もっとくれ」永璂は好みの味付けも相まって、その茸を食べ続けてしまい…。一方、掃除係の凌雲徹は急に御花園の落ち葉の掃除を言いつけられた。「特に梅の木の下はきれいにしろ、そろそろ花の季節だからな」「はい」如懿は容珮と2人で御花園にやって来た。以前は必ず誰かが皇后に梅の花を届けに来たものだが、去年の冬から如懿は自ら御花園に赴き、梅の花を手折っている。如懿は梅の花を選別していたが、その時、掃き掃除をしている凌雲徹の姿を見つけた。「…凌雲徹?凌雲徹?」凌雲徹は驚いて振り返ると、梅の木の下に如懿が立っていた。「皇后娘娘、ご機嫌麗しゅうございます」「ちーらい…元気だった?」「お気遣いに感謝を…はぉ、元気です あの日、お別れの挨拶もできず翊坤宮を離れました…お元気そうなお姿を拝見し安心しました」「凌雲徹、ずっと謝りたかったの、私のせいであなたを苦しめてしまった」「滅相もない、苦しくなどありません、私の願いはひとつ、皇后娘娘が平穏な日々を送られること」「あなたも平穏な日々を…」「はい」すると凌雲徹はかつてそうしていたように、皇后に梅の花を手折らせて欲しいと申し出た。恐らくこれが愛しい人に梅の花を贈れる最後の機会になるだろう。如懿は喜んで待っていると、凌雲徹が梅の枝を折って持って来た。しかしちょうどその様子を母を探していた永璂が目撃する。小栗子は炩妃の指示で第12皇子に毒茸を食べさせていた。すでに幻覚症状が現れていた永璂は母と凌雲徹が抱き合っていると誤解、慌ててその場を立ち去ってしまう。容珮は凌雲徹が差し出した梅の枝を受け取ると、主人の元へ戻った。するとそこで凌雲徹は下がることにする。「体を大切にね」「はい…」2人は常に一定の距離を保ち、決して近づくことなく別れた。凌雲徹の後ろ姿にはかつての精悍だった侍衛の面影はなく、背中は丸くなっている。その哀れな姿を目の当たりにした如懿は無性に悲しくなり、涙をこらえられなかった。その頃、衛嬿婉は第12皇子の養育に必要な品があれば手配したいと口実をつけ、皇帝と一緒に延禧(エンキ)宮へ向かっていた。すると急に永璂が一目散に逃げてくる。弘暦は永璂を呼び止め、宮中を走り回るなと叱ったが、永璂の様子がおかしかった。そこへわざとらしく小栗子が現れ、皇帝と炩妃に拝礼する。「12阿哥が御花園に入ると急に叫び声が聞こえて…皇后娘娘と小凌子が抱き合っていると…」弘暦は驚愕し、永璂に何を見たのか問いただした。混乱した永璂は激しく動揺し、頭を抱える。「あり得ない…(フルフル)…本当に額娘と小凌子が…そんなの嘘だ!」永璂は小栗子に抱きついて号泣してしまう。つづく。゚(∩ω∩`)゚。凌雲徹の愛が…ってか、嫡子のお付きがこれって…如懿も海蘭も何してたのかと…
2020.03.02
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第77話「沈黙の夕餉」第5皇子の貝勒(ベイレ)・永琪(エイキ)は趙九宵(チョウキュウショウ)から皇后の危機を知らされながら、母に伝えず握りつぶしていた。永琪は母に謝罪したが、実の姉も同然の皇后を救えなかった愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)の怒りはおさまらない。「なんと薄情な子なの…」厳しく叱責された永琪だったが、これも巻き添えを避けるためだったと釈明した。今回の件は皇帝と皇后の名誉に関わること、母が弁護したところで聞き入れられないどころか、かえって火に油を注ぐ結果になる。しかも趙九宵は凌雲徹(リョウウンテツ)の盟友、もし趙九宵の求めに応じれば凌雲徹と親しい証拠だと誤解されただろう。確かに永琪の話は理路整然としていた。「…立ちなさい」「申し訳ありませんでした…」海蘭は永琪を許したが、皇后を助けられなかったことが悔しくてたまらないと涙をにじませた。永琪は屋敷に戻っても、母の落胆に責任を感じていた。格格(ゲゲ)・胡蕓角(コウンカク)はいつものように茶を献上したが、貝勒はいらないという。すると胡蕓角は賢明な判断だったと慰め、皇后の養子として疑われる行動は慎むべきだと進言した。一方、養心殿では侍女・毓瑚(イクコ)が自分の推薦した凌雲徹をかばっていた。「凌雲徹は信用に足る男だと私が保証します」しかし乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は時と共に人は変わって行くものだと漏らし、独りになりたいと言った。どうしても拭えない凌雲徹の如懿への想い…。そこで太監・進忠(シンチュウ)を呼んだ。「1つ頼みたい…」侍女·春嬋(シュンセン)が慌てて永寿(エイジュ)宮へ戻ってきた。皇帝が進忠のみに凌雲徹の処罰を命じたという。「ただ進忠に尋ねてもとぼけるでしょうが…」「(チッ)いまいましい」「今だけのご辛抱です」春嬋は苛立つ炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)をなだめ、役目を終えたら侍女・瀾翠(ランスイ)を故郷に帰そうと進言する。しかし嬿婉はその件なら太監・王蟾(オウセン)に頼んであると言った。慎形司(シンケイシ)の牢に捨て置かれた豫(ヨ)妃・博爾済吉特(ボルジギト)は必死に命乞いしていた。すると瀾翠が現れ、豫妃はてっきり自分を助けに来たと勘違いする。しかし瀾翠は豫妃の隣の牢に入れられた。「なぜあなたまで?」「役目を全うできず、炩妃娘娘から罰を…」「どう言うこと?説明して!」春嬋は瀾翠の姿が見えなくなり、心配になって王蟾に聞いた。「瀾翠は故郷に帰したの?」「その…瀾翠は……流行病で死んだ…」王蟾の話では炩妃から禍根を残さぬよう始末しろと命じられたという。春嬋は驚愕した。まさか共に長らく忠実に仕えてきた瀾翠を疑うとは…。進忠と知り合ってから冷酷になって行く炩妃、2人は自分たちに瀾翠と同じ末路が待っているのではないかと不安に駆られた。その夜、春嬋は御花園の築山で紙銭を燃やし、こっそり瀾翠を弔った。すると急に男たちの争う声が聞こえ、慌てて火を消して立ち去る。しかし築山を出た所で、思いがけず進忠たちに襲われる侍衛を目撃した。侍衛は後ろから棒で殴られ、どこかへ連れ去られてしまうが…。凌雲徹が姿を消した。烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は李玉(リギョク)に消息を尋ねたが、いまだ不明だという。それよりあの一件以来、皇后が2ヶ月も皇帝と会っていないため、李玉はまず自分自身を守って欲しいと進言した。「そうね、もう春になるものね…」衛嬿婉も凌雲徹の行方を探していたが、無責任な噂話ばかりだった。自分から進忠に聞けば、また未練があると誤解されるため何も言えず、嬿婉は悶々とする。すると春嬋が実は先日、進忠が何者かを捕らえるのを見たと教えた。ただそれが凌雲徹かは定かでないという。そんなある日、突如、翊坤(ヨクコン)宮に皇帝から贈り物が届いた。「真珠の首飾りを12本、白磁の壺を2対、瑪瑙の如意を1対、同心結び1対、 対をなすめでたき品ばかりです、お納めを…」すると進忠はさも意味ありげに、もう1つ贈り物があると言って誰かを呼んだ。如懿はその贈り物を見て驚愕する。実は皇帝が翊坤宮に下賜した贈り物とは、宦官となった凌雲徹だった。小凌子(ショウリョウシ)と名付けられた凌雲徹は片膝を立てて皇后に拝礼、しかし進忠から足を蹴られてしまう。「いつまで御前侍衛のつもりだ?!両足でひざまずかんか!」叱られた凌雲徹は両膝をつき、改めて皇后に拝礼した。「凌雲徹が皇后娘娘にご挨拶申し上げます」進忠は皇后に行き届かぬ場合は厳しくしつけて欲しいと進言し、太監ごとき殺しても構わないという。その意味を悟った侍女・容珮(ヨウハイ)は聞き捨てならないと声を荒げた。「あなたも太監でしょう?」「フッ、ごもっとも…あ、皇后娘娘? 皇上は長らく皇后とお会いでないため、今夜は翊坤宮で夕食を召し上がりたいとのことです」如懿はあまりの衝撃に声を出すこともできず、咄嗟に容珮が拝命した。進忠が帰ると、容珮もひとまず下がった。如懿は目の前にひざまずいている凌雲徹にどんな言葉をかけたらいいのか分からない。「凌雲徹…」まさか弘暦がここまで非道なことをするとは…。「…娘娘、同情は無用です、これで皇上の怒りが収まり娘娘がご無事なら、私は本望です 私ごときにお心を砕かれぬよう、私のことはただの柱だと思ってください、置物でもいい 気にかける必要はありません、そうすれば皇上もご満足です、ただ1つお願いが… 私のために何もなさらないでください…これ以上、娘娘を巻き込みたくありません」凌雲徹の言葉を聞いた如懿はついに堪えられなくなり、胸を押さえて泣き出した。゚(∩ω∩`)゚。凌雲徹の消息を知った春嬋は血相を変えて永寿宮に戻った。報告を聞いた衛嬿婉は呆然…。覚悟はしていたが、まさか厳罰ではなく、こんな屈辱を受けることになるとは…。「主儿、凌雲徹はもはや男ではなくなりました」「生き恥をさらすなら…せめて…死なせた方がましよ…」しかしこれは進忠の暴挙ではなく皇帝の命令だという。弘暦は翊坤宮から戻った進忠に皇后の様子を聞いた。進忠は顔を伏せていたので表情まで分からなかったとしながらも、戸惑っていはいるはずだという。「いずれ分かるはずです、皇上の寛大なお裁きで命を救われたんだと… 本来なら厳罰を受けるべき大罪を犯したのですから」「…?お前は凌雲徹が憎いのか?」「(ァ…)皇上を裏切る不忠の者を憎んでいるのです」弘暦はなぜ進忠が凌雲徹に辛辣なのか分からなかったが、ともかく翊坤宮へ行くことにした。日が暮れる頃、弘暦が翊坤宮に現れた。弘暦は回廊で控えている凌雲徹に気づき、見せつけるように如懿の手を握りしめて殿内へ入る。すると急に振り返って如懿の両肩に手を置き、王冕(オウベン)の梅花図を手に入れたので如意館に行こうと誘った。如懿は反射的に弘暦の手から離れ、距離を取ってしまう。「風邪気味なので次の機会に…」「そうか?小凌子に介抱してもらえ、小凌子の仕事ぶりはどうだ?」「皇上より下賜された者、何の不満もございません」「満足なのだな?」「……」そこへ進忠が夕餉が届いたと報告した。弘暦は皇后の好物ばかり作らせたと言ったが、机に並べられた料理を見た如懿の顔は凍りついた。すると弘暦は給仕しようとした容珮と進忠を下げてしまう。中庭に出た容珮は太監・三宝(サンポウ)に思わず、夕餉が皇后の苦手な物ばかりだとぼやいた。如懿は当然、箸が進まなかった。すると弘暦は給仕が必要なのかと言って小凌子を中へ呼ぶ。「小凌子、この料理は全て皇后の好物だ、そなたが皿によそってやれ」容珮の話を聞いていた凌雲徹は皇后のため、料理の中でも一番小さな一切れを選び、皿に盛った。如懿は弘暦になかば強制されて口に入れたものの、なかなか飲み込めない。「皇后?好物ばかりであろう?給仕のせいで食欲が失せたのか?」驚いた凌雲徹はその場にひざまずき、自分のせいで皇后が気分を害したようなので処罰して欲しいと訴えた。そこで弘暦は外で反省しろと命じて追い出してしまう。「皇后、宦官ごときに腹を立てるな、そうだ、今夜はここに泊まることにする」「…はい」「嬉しくないのか?」「喜びに堪えません…ギギギ」その夜、床に入った如懿は弘暦に背を向け、寝たふりをした。「こちらを向け…こちらを向かんか?!」すると弘暦は無理やり如懿を押さえつけ、夜伽を強要してしまう。「なぜ朕を怒らせる!」「皇上は1年3ヶ月と24日ぶりにお越しでした…目的はこれですか?」「嬉しくないのか?」「皇帝はどうです?」深く傷ついた如懿は布団に包まるように背を向けると、そっと悔し涙を流す。仕方なく弘暦も如懿に背を向けて横になり、2人は気まずいまま朝を迎えた。弘暦は朝の身支度を如懿には一切、手伝わせず帰って行った。皇帝を見送った容珮は急いで殿内へ駆けつけると、主人はひとり呆然と椅子に座っている。「娘娘?それで…昨夜は眠れましたか?」しかし如懿は何も言わなかった。衛嬿婉は凌雲徹の様子を見るため翊坤宮を訪ねた。中庭ではちょうど凌雲徹が植木の手入れをしている。恐る恐る近づく嬿婉、すると自分に気づいた凌雲徹が手を止め、宦官らしく拝礼した。「太監の振る舞いが板についているわね…」侍女・菱枝(リョウシ)は炩妃が正殿で待っていると皇后へ知らせた。憔悴していた如懿だったが、衛嬿婉と聞いて鋭い目つきに変わり、急ぎ駆けつける。「慣例の挨拶は無用よ」「…差配役として来ました、新しい太監が入ったと伺い、様子を見に参ったのです」「ごくろーさまっ」すると嬿婉は凌雲徹の悲劇は皇后のせいだと責めた。憤慨した如懿はそもそも豫妃をそそのかして自分と凌雲徹のことを讒言(ザンゲン)させておきながら、どの口が言うのかと言い放つ。しかし嬿婉は皇后がいなければ凌雲徹が自分を裏切ることはなかったと言った。「皇上の逆鱗に触れることもなかったはずよ、あんな姿では生き恥です…」「衛嬿婉、幼なじみの情があるなら凌雲徹を利用して本宮を陥れようとしないことね!…帰って!」如懿は珍しく感情的になり席を立った。衛嬿婉は帰り際、門を掃除している凌雲徹と再び会った。「…こんな姿で平気なのっ?!」「これは炩妃娘娘が望んだ結果では?ご安心ください、どこにいてもしっかり力を果たします」嬿婉は凌雲徹からも咎められるような言葉を浴びせられ、苛立って出て行った。第12皇子・永璂(エイキ)は回廊を歩いてきた凌雲徹を呼び止めた。「ひざまずけ」すると永琪はいきなり凌雲徹を引っ叩き、なぜ太監になったのかと嘆いた。かつては自分の送り迎えをして梅の花を摘んでくれた、あの善良な御前侍衛はもういない。「母上と恋仲だという噂は聞いた、ならばなぜ翊坤宮にいるのだ?」「それが…皇上の命令なのです」「どうしてだ…どうして皆が私の望まぬ方向へ変わって行く? そなたは太監に、父上は母上を顧みぬ、いつも母上は悲しげだ… なぜだ、なぜ皆が変わってしまったのだ…うっ…」凌雲徹は何も答えられず、ただ第12皇子を抱きしめて思い切り泣かせてやるしかなかった。凌雲徹の一件は後宮と距離を置く容嬪(ヨウヒン)・寒香見(カンコウケン)の耳にも届いていた。以前は自分だけが不幸だと思っていたが、どうやら宮中では誰もが不幸らしい。そこで皇后に恩がある寒香見は養心殿へ赴き、率直に皇帝の過ちを指摘した。「皇后を疑うことも、凌侍衛の処罰も間違っています、凌侍衛を皇后に仕えさせるなど論外です」しかし弘暦は皇后が潔白を証明するために凌雲徹を処刑し、自分で噂を断つべきだという。国母である以上、疑惑は払拭すべきなのだ。寒香見は皇帝の怒りの原因が嫉妬だと見抜き、皇后に甘えているだけだと呆れる。「皇上のおそばで成り行きを見て参りました、皇上が皇后と争うのは情があるからです 皇后を想うからこそ気になるのです」弘暦は痛い所を突かれ、苛立ちを隠せなかった。確かにどこかで如懿なら何をしても自分を受け入れ、許してくれると思っていたのだろう。「皇后娘娘は″愛を誓い合った人がいた″と仰せでした、そのお相手とは皇上ですね? それほど情が深いのに、なぜ皇后をお疑いに?」「はぁ~…昔のルーイーは誠実だった だが今やルーイーはあの卑しい男に心移りしているっ」←視聴者もじゃ💢「皇上は皇后を信じられぬと?」「朕は誰も信じられぬ、周りのものは皆、変わってしまった!」←イヤイヤ~お前がなw「かつての真心は失われたので? …凌雲徹を翊坤宮に送った本当の目的は?一体、何をご覧になりたいのです? ご自身ですらお分かりにならぬのでは?」←香見が鋭い!つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと~夕飯が猿脳って…好き嫌いの問題じゃないわwww
2020.03.01
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第76話「雲の刺繍」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は珍しく散策している容嬪(ヨウヒン)・寒香見(カンコウケン)と出くわした。丁重に拝礼する容嬪を見た侍女・容珮(ヨウハイ)は作法も覚えたのだと感心したが、容嬪は作法ではなく、皇后に対する敬意だと強調する。「どうせ一生、閉じ込められるなら、どんな檻なのか見ておこうと思いまして…」後宮の衣に身を包んでも、誰を想うかは自分の自由だと相変わらずの寒香見、しかし真心で接してくれる皇后への信頼は厚く、いつか必ず恩返ししたいと義理堅かった。すると慈寧(ジネイ)宮から帰ってきた第12皇子・永璂(エイキ)が母を見つけて走って来る。お付きの李玉(リギョク)は皇太后が刺客の件を心配していたので訪ねたと報告すると、容嬪はそこで下がることにした。凌雲徹(リョウウンテツ)は皇后と第12皇子を守った功で皇帝が重用し、常に自分のそばに置いていた。それが建前と分からない永璂は、父が凌雲徹に自分の世話をさせてくれないと不満を漏らす。李玉は誤解がないよう皇子に凌雲徹は皇帝に仕えていると話し、2人を守ることはあくまで皇帝の意向であると説明した。「つまり皇上のおかげでお二人は無事だったのですよ」凌雲徹に懐いている永璂は寂しそうにうつむくと、如懿は衣を縫ったので容珮に着せてもらうよう促した。息子を帰した如懿は李玉にこっそり凌雲徹の様子を聞いた。李玉は手柄とは言え目立ちすぎたと本音を漏らし、皇帝は内心、快く思っていないと教える。如懿はため息をつき、ともかく凌雲徹に慎重に振る舞うよう伝言を託した。宮中では皇后と凌侍衛の道ならぬ関係がまことしやかに囁かれていた。愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は如懿に報告し、悪意ある者の仕業だと憤慨する。そこで凌侍衛と炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)の噂を流して皇后との噂を打ち消そうと提案したが、如懿に断られてしまう。「そんな手を使ったら悪意がある者と同類よ…忘れて」しかし如懿が見過ごしても海蘭はどうしても我慢ならなかった。皇太后は皇族たちを招いて京劇を鑑賞した。皇帝と皇后は皇太后をはさんで座っていたが、一言も口を聞こうとしない。ちょうど演目は白蛇伝、そこで皇太后は物語を引用して如懿に助言した。「男とは愚かなものだ、許仙(キョセン)には信念がない、だが疑念を抱くと頑なになる 白娘子(ハクジョウシ)は蛇の化身だが、自分の夫に頭を下げて懇願する… 自分を信じて夫婦仲良く暮らそうとな」するとすかさず乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)が嫌味を言った。「白娘子は情が深い、己を曲げても夫に尽くす」しかし如懿も黙っていない。「白娘子は夫のために薬草を盗み、子供も産みました、幸い許仙は情のある夫でした もし薄情で非を認めぬ夫なら、白娘子の献身は報われません」皇太后は2人の頑固さに頭を抱え、侍女・福珈(フクカ)に次の演目は何かと聞いた。「次は皇上と皇后がお好きな″墻頭馬上(ショウトウバジョウ)″です」「良い演目ではないか!2人も楽しみであろう?」しかし弘暦は居たたまれず席を立ち、蒙古の王が参内すると断って帰ってしまう。如懿も思い出の演目を見る気分ではなく、安華(アンカ)殿で読経すると伝えて下がった。結局、皇太后の気遣いも徒労に終わったが、このまま放ってはおくこともできない。「老いたせいか永璂が不憫でならない、それに皇帝と皇后の不仲は波風を立てたい者に隙を与える」今や皇太后の耳にも宮中でのあらぬ噂が届いていた。蒙古の王公たちの挨拶があり、弘暦はホルチン部に免じて豫(ヨ)妃・博爾済吉特(ボルジギト)厄音珠(エインジュ)の禁足を解いた。一方、宮中では新たに炩妃と凌雲徹の醜聞が広まり、皇帝の知るところとなる。そこで弘暦は侍女・毓瑚(イクコ)から詳しい話を聞いた。毓瑚は確かに凌侍衛が炩妃と同郷の幼なじみで互いに行き来があり、女官の頃は凌雲徹を頼ることもあったが、その後は疎遠だと報告する。すると弘暦はならば皇后と凌雲徹の方が今も行き来があると怪しんだ。しかし皇帝から冷宮の皇后を守るよう命じられ、凌雲徹を選んだのは毓瑚だ。「ご心配は無用かと…取るに足らない噂話です」「火のない所に煙は立たぬ、朕はこの目で見た、凌雲徹は命がけで皇后を救った」「それは勇敢で忠実な自衛ですから…」「本当にそれだけだろうか?」毓瑚は皇帝の思わぬ言葉に困惑したが、弘暦はともかく先に炩妃を問いただすことにした。( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)꒪ͧ⌓꒪ͧ)…←毓瑚と管理人皇后と凌雲徹の醜聞を広めた衛嬿婉だったが、その結果、自分の首を絞めることになった。一体、誰が自分と凌雲徹の過去を触れ回っているのか。そこに突然、養心殿の太監・進忠(シンチュウ)が現れた。実は噂を知った皇帝が凌雲徹との関係を炩妃に詰問するという。進忠は疑惑を払拭するためには凌雲徹との関係を淡々と説明し、処罰について聞かれた時は凌雲徹に厳罰を求めるよう助言した。しかし嬿婉はそれだけでは自分も巻き添えだと動揺する。そこで進忠は凌雲徹の妻にも噂を聞かせようと提案した。「2人は夫婦仲が悪い、噂を知れば思わぬ証言が飛び出すやも…」すると嬿婉は皇后を恨む豫妃を再び利用しようと思いつく。「今度こそ役に立ってくれそうね」嬿婉は進忠にまず豫妃の寝殿に立ち寄り、その足で養心殿に行く伝えた。容珮は偶然、愉妃の侍女・葉心(ヨウシン)が女官に袖の下を渡しているところを見かけた。「…この調子でさらに広めて」容珮はすぐ主人に報告、如懿は炩妃と凌雲徹の噂を流すよう指示したのが海蘭だと知る。そこで如懿はすぐ海蘭を呼んで忠告したが、海蘭は最初に噂を流したのは明らかに炩妃だと訴え、同じ罠に落としてやると息巻いた。「何も言わないで、自分を守ることを考えないと宮中で生きて行けないのよ?」しかし如懿は恩人である凌雲徹を自分のために陥れることなどできないと言い聞かせた。衛嬿婉は皇帝に凌雲徹との過去を全て告白した。弘暦は炩妃の話が毓瑚の報告と同じだったことから納得し、最後に噂の元になった凌雲徹への処罰を聞く。「…噂を消すために処刑を」その答えに満足したのか、弘暦は正直に話した炩妃を褒めて立たせた。すると豫妃が茂倩(モセイ)を同行し、養心殿に現れる。豫妃は皇后と凌雲徹が私通していると告発し、証拠もあると訴えた。如懿は火鉢をそばに置き、扉を開けて中庭に降る雪を眺めていた。「雪の降る日は静かね…」「皇上と皇后も静かです、何の会話もありません…」容珮の指摘に如懿はふと虚しくなった。「話が尽きない頃もあったわ、でも今や口を開けば互いを傷つけるだけ…話さぬ方がいい」しかし突然、李玉が慌ただしく現れ、そうもいかなくなった。「皇后娘娘!皇上がお呼びです! 皇上が噂の件を炩妃に審問中、皇后と凌侍衛が私通したと豫妃と茂倩が直訴を」休憩中だった凌雲徹は知らせを聞いて養心殿に駆けつけた。真っ先に妻の無礼を謝罪する凌雲徹だったが、茂倩は自分たちの不仲は夫の想い人が自分ではなく皇后だからだと訴える。その証拠に夫が寝言で″ルーイー(如懿)″と呼んだと証言し、しかもその日付まで記していた。弘暦はその日が何の日か気づき、動揺を隠せない。しかしそこへ話を聞いていた如懿が入室し、弘暦は咄嗟に作り笑顔を見せた。「凌雲徹が寝言を言った日が特別なのだ、聞いたか?」「はい、20年4月20日は璟兕(ケイジ)が亡くなった日 20年12月22日は永璟(エイケイ)が亡くなった翌日、 25年9月13日はお分かりでしょう?容嬪が不妊となり皇上が私を叱責した日です」弘暦はまるで凌雲徹が如懿と共に悲しんでいるかのようだと牽制した。すると如懿はその寝言が果たして本当に自分の名なのかと怪しむ。「凌侍衛は皇上に忠実な御前侍衛、その3日は皇上もお悲しみになった 寝言の真意は″如意(ルーイー)″なのでは? 皇上の将来が意の如くなるよう祈った言葉を、茂倩はわざと曲解しているのです」その頃、凌雲徹の窮状を知った盟友の趙九宵(チョウキュウショウ)はちょうど参内していた貝勒(ベイレ)を頼った。第5皇子・永琪(エイキ)は事情を知り、すぐ母の愉妃へ伝えると約束したが…。如懿は茂倩になぜ皇帝への祈りを自分の名だと言い張るのか追求した。すると茂倩は残念ながら動かぬ証拠があると不敵な笑みを浮かべ、凌雲徹の書斎の箱を運び入れる。実はどうしても何が入っているのか気になって鍵をこじ開けたという。凌雲徹が妻の暴挙に呆然とする中、茂倩は箱から履物を取り出した。「ご覧ください、この″如意雲紋″は皇后娘娘の名と夫の名を暗に秘めた文様です」豫妃は勝利を確信、皇后に履物に見覚えがあるのか尋ねた。すると如懿は堂々ともちろん知っていると告げる。「皇上、冷宮の火災から私と惢心(ズイシン)を救ったのが凌侍衛です、皇上もご存知のはず これは感謝の印として惢心が手作りした靴です」如懿は自分が刺繍した如意文様なら皇帝の衣を見れば分かると話し、何なら双方の刺繍を比べれてはどうかと提案した。早速、毓瑚が皇帝の命を受け確認に行くと、すぐ結論が出る。「皇上、針目を見比べましたが、靴の刺繍は皇后の手ではありません」驚いた豫妃は惢心が皇后の命令で刺したはずだと反論したが、如懿は感謝の印に言いがかりをつけるのかと語尾を強めた。弘暦は度重なる豫妃の悪事にへき易し、慎形司(シンケイシ)の牢に死ぬまで捨て置けと命じた。また凌雲徹には離縁を許し、二度と騒ぎを起こさないよう茂倩を農村に送ると決める。何とも居心地が悪い如懿は解決したところで足早に帰ろうとしたが、弘暦が引き止めた。「皇后…待ちなさい、そなたに話がある」꒰⌯͒*ತ _ತ)チッ…実は弘暦はまだ完全に疑惑を払拭できたわけではなかった。木蘭で凌雲徹が如懿を守ったが、あの時の目は主人を見る目ではなかっという。思えば冷宮の火災でも凌雲徹は捨て身で如懿を助けていた。「その時から奴は…あるまじき想いを?」「皇上?冷宮で私を守らせたのは皇上の命令では? 木蘭で刺客から私を守ったのは御前侍衛として当然の責務です その程度のことで妻や臣下を疑うなんて…」しかし如懿が凌雲徹をかばえばかばうほど、弘暦はますます疑心暗鬼になった。永璟の死後から容嬪の入内、如懿は自分を理解しようとせず、遠ざけようとしたのは凌雲徹が原因ではないかと疑う。如懿は弘暦の妄言に深く失望し、これまでの不満が爆発した。「永璟の死後、欽天監(キンテンカン)の言葉を信じ、私を遠ざけたのは皇上では? ←そうだそうだ! 永璟を失い悲しみに暮れた日、皇上は何と仰せに?永璟の死は私のせいだと仰った 皇上は欽天監のたわ言は信じるのに、私のことは信じないっ しかも疎遠になったのは凌雲徹のせいだと?」←バーカ!w「永璟の死は朕とて深く悲しんだ…だがそなたは朕を慰めたことがあるか?!」←( ゚д゚)え? 欽天監の言葉は皇室が代々重んじてきた、信じて何が悪い!」←開き直った~!「悪くありません!皇帝のなさることは全てが正しい、もう何も申しません、失礼します!」「ルーイー!ルーイー!」弘暦は必死に呼び止めたが、如懿は無視して出て行った。( ๑≧ꇴ≦)<誰か〜!ちゃぶ台〜!如懿はしんしんと降り続く雪の中、黙々と歩いていた。しかしどんなに降り積もっても、弘暦との溝が埋まるとは思えない…。つづく( ๑≧ꇴ≦)豫妃~www引きずられて門から出るまでが演技です!さて来週は…予告を見る限り… (Ŏ艸Ŏ)
2020.02.24
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第75話「勇敢な侍衛」秋の狩猟が皇室の狩り場・木蘭囲場(モクランイジョウ)で始まった。その夜は蒙古の王公も顔を揃え、盛大な宴が開かれる。しかしまだ子供の第12皇子・永璂(エイキ)は眠くなり、母に挨拶して先に天幕へ帰ることにした。養母の愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は永璂を送り届けるつもりだったが、なぜか隣に座っていた炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)に引き止められてしまう。烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は永璂を天幕まで送ることにした。2人が退席するのを見たホルチン部の寨桑根敦(ジャイサンゲンドゥン)は、娘の豫(ヨ)妃・博爾済吉特(ボルジギト)厄音珠(エインジュ)に目配せする。侍女・春嬋(シュンセン)は豫妃が席を離れたことに気づき、それとなく主人に豫妃が動いたと報告した。すると衛嬿婉は豫妃が自分の提案を聞き入れたと分かってほくそ笑む。一方、勉強漬けの毎日から解放された永璂は久しぶりに子供らしい笑顔に戻った。母の手を離し、無邪気に走り始める永璂…。如懿はそんな息子に目を細め、まだ遊びたい盛りの子供に大人のような苦労をさせて申し訳なく思う。とその時、突如、刺客が現れ、永璂を捕まえた。「額娘~!」「永璂!」「12阿哥!」「誰か来てーっ!」刺客は永璂の喉元に短剣を突きつけ、近づけば殺すと脅した。驚いた如懿はともかく容珮(ヨウハイ)や三宝(サンポウ)たちが動かないよう止め、自分を人質にして殺せばいいと訴える。しかし刺客は寵愛を失った皇后など価値はないと拒否した。それにしても一体、刺客はなぜ自分たちが皇后と嫡子だと分かったのか。「何者かの指示で動いているのね?嫡子を殺せば一族皆殺しよ?」刺客は思わず怯んだ。物陰から様子を見ていた豫妃は皇子を殺さない刺客に苛立ち、偶然を装って駆けつける。「不届きもの!皇子を襲えば侍衛が駆けつけるわ!(その前に殺せ)」豫妃は刺客をあおったが、そこへ知らせを受けた皇帝が侍衛たちを率いて現れ、妃嬪たちも到着した。弘暦は時間稼ぎのため刺客に目的を聞いた。すると刺客は寒(カン)部の男だと告げ、子供の頃から憧れていた公主を助けると叫ぶ。しかし穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)は寒部で見ない顔だと指摘、寒香見(カンコウケン)も面識がないと困惑した。そこで弘暦は子供を解放すれば命を救ってやると交渉したが、投降を恐れた豫妃がまた急に叫び出す。「こんな大罪を犯せばどのみち刑死よ!迷いは捨てなさい!」その時、機会をうかがっていた凌雲徹(リョウウンテツ)が矢じりを放ち、刺客の短剣を持つ手に見事に命中させた。永璂はその隙に逃げ出したが勢い余って転倒、驚いた如懿が飛び出し駆けつける。ところが刺客はすぐさま隠し持っていた別の剣を手にし、後ろから襲いかかった。「娘娘!危ない!」咄嗟に凌雲徹は如懿の盾となり、刺客に背中を刺されてしまう。そこへ第5皇子・永琪(エイキ)が現れ刺客を撃退、捕獲した。転んだ如懿は必死に永璂の姿を探した。海蘭は永璂の無事を知らせようとしたが、如懿の醜態に言葉を失う。それは弘暦も同じだった。実は背中をひと突きされた衝撃で凌雲徹が皇后を押し倒す形で倒れてしまい、未だ立ち上がることができない。そんな2人の姿を見た豫妃と炩妃はあからさまに顔をしかめた。「皇后にのしかかって…」「はしたないっ!」如懿はようやく凌雲徹が刺されたのだと気づき、海蘭たちが急いで如懿を立たせてやる。動揺した弘暦だったが平静を装い、皇后と第12皇子を守った凌雲徹に黄馬褂(コウバカイ)を下賜、すぐ傷の手当てをするよう命じた。結局、生け捕りになった刺客は黒幕が暴かれることを恐れ、その場で自害してしまう。衛嬿婉は天幕に戻ると怒り狂った。豫妃がくだらぬ策を弄したおかげで、凌雲徹が命を投げ出してまで皇后を助ける姿を見せつけられてしまう。しかし春嬋から今夜はこれ以上、波風を立てるべきではないと諌められた。如懿は自分の天幕で永璂を休ませた。侍医・江与彬(コウヨヒン)は恐怖からひきつけを発症したと説明、鎮静作用のある薬を処方すると告げる。そこで容珮は薬を受け取るため、江侍医と天幕を出た。すると如懿は思わず駄目な母親だと涙する。海蘭は悪意のある誰かの仕業だと怪しみ、自分を責めないよう慰めた。それより皇帝は刺客より凌侍衛のことを気にしているようだと懸念する。「さっき危険を顧みず姐姐を守ったことに私も驚いたわ…」「苦労を共にした仲だからよ…」如懿は海蘭の言いたいことが分かったが、要らぬ心配だと強調した。「私の夫は皇上だし、頼れるのは皇上だけ 私の栄光も没落も皇上に委ねられている…心配しないで」弘暦は寝所に入っても如懿と凌雲徹の姿が頭から離れなかった。すると共寝していた巴林湄若が眠れないのかと声をかける。弘暦は思わず心が晴れないとこぼしたが、湄若は刺客のことだと勘違いした。確かに以前にも狩場に刺客が現れたので警備は厳重、外からの侵入は不可能だろう。しかし刺客ごときで忠実な臣下である蒙古を疑えば友好関係に亀裂が入る、湄若は遠回しに故郷を擁護した。結局、弘暦は目が冴えてしまい、永璂の様子を見に行くことにする。「小心者ゆえ怯えているだろう…」一方、如懿はふと豫妃の言葉を思い出し、黒幕ではないかと疑った。あの時、豫妃は刺客に″どのみち死刑だ、迷いは捨てろ″と言ったが、子供を早く殺せという暗示だったのでは…。恐らくホルチン部が直接、関わったのではなく、自分を恨んでいる豫妃が自分から唯一の子を奪えと刺客に命じたのかもしれない。そこへ急に皇帝がやって来た。如懿はもう夜更けだと困惑したが、弘暦は永璂が心配だと話し、海蘭に休むよう命じる。すると薬湯の準備をしていた容珮も下がることにした。如懿は手持ち無沙汰で薬湯を器に移した。すると弘暦が今のところ目をかけているのは永琪と嫡子の永璂だけだと切り出す。如懿は確かに永琪は文武両道で気配りもできると褒め、逸材だと認めた。「その通り、だが永琪は嫡子ではない だからこそ永璂に大きな期待をかけている、永琪の半分でも才能があればいいと…」その話をちょうど弟の見舞いに来た永琪が天幕の外で聞いていた。如懿は弘暦が期待をかけ過ぎだと諌めた。永璂が弘暦の願いを叶えられずとも朝廷の補佐として貢献できれば十分だという。しかし補佐と聞いた弘暦は落胆し、確かに永璂には天分が足りないと指摘した。すかさず如懿は天分なら誰にもあると言い返し、まるで優秀な子だけが愛新覚羅(アイシンギョロ)家の子孫で、劣っていれば烏拉那拉家の者だと言いたげだと呆れてしまう。その時、ようやく永璂が目を覚ました。2人は話を中断し、ともかく永璂に薬を飲ませることにする。一方、外で立ち聞きしていた永琪はそこで帰って行った。永璂が薬を飲み終えると、弘暦は誤解のないよう言い直した。「永璂は朕の子で嫡子だ、軽視はせぬ、今宵の件にも胸を痛めている」ただ人質になった永璂が軟弱な姿を衆目にさらしたのも事実、期待を裏切られ、面目がつぶれたと愚痴る。しかし如懿はまだ9歳の子供だと訴え、自分の面子と子供の安全、どちらが大事なのかと非難した。「皇上のお考えは時々、理解できません」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン「なぜ理解できぬ?朕にとって大事なのは1人の子供ではなく清の継承者だ! 嫡子の能力が劣れば憂慮して当然であろう ←これは正論 朕は常に皇帝の立場から物事を考えている ←かどうかは疑問w 世継ぎを疎かにできるものか!」驚いた永璂は自分が悪かったと謝罪して喧嘩をとめようとしたが、如懿は我が子の姿に心が痛み、その場でひざまづいた。「皇上、皇上は皇帝ですが父親でもあります 刺客を防げなかったのは侍衛の過ち、永璂は無実です! 父親なら永璂を叱るより慰めるべきでしょう? 本人の前で失望したなどと言うべきではありません!」←もう止まらないw「そなたも子の前で父親をなじるでない!朕という父親と夫に不満があるのでは?! …答えよ!そなたにとって朕は理想の夫か?他に意中の者でも?」如懿はさすがに我慢できず立ち上がった。「皇上しかいません!皇上は皇子を比較できても、私は夫を比較できませんから ←ごもっとも 皇上は私のことを妻と見ていないのですか?」「そなたは朕が立てた皇后だ!天下の女子の手本である」「その通り、でも皇后は後宮の肩書きでしかない、朝廷の臣下も同然です!」「臣下と承知なのだな?では教えてやる、そなたは朕に従うしかないのだ!」そう言うと弘暦は怒って帰って行った。永璂は両親の言い争いに呆然となり、怯えて泣き出してしまう。すると如懿は息子を抱きしめ、ずっとそばにいると安心させてやるしかなかった。翌朝、永琪が調査を始めた途端、寨桑根敦は″配下が他部族に買収され、ホルチン部は陥れられた″と白状した。報告を聞いた弘暦はさすが狡猾な寨桑根敦だと呆れ、己の身と娘を守るため予防線を張ったのだと気づく。豫妃が木蘭囲場に来た直後に刺客が現れたところを見ると、皇后と第12皇子の動向を漏らしたのは豫妃の可能性が高かった。しかし永琪はホルチン部や和敬公主に配慮すべきだと進言する。弘暦は永琪の冷静な判断に感心し、常に優先すべきは国事であり、後宮のことは内密に進めるものだと教えた。恐らく寨桑根敦の第1の目的は永璂を殺して皇后を絶望させること、第2にこの混乱に乗じて娘に寵愛を争わせることだったのだろう。失敗しても刺客に全責任を負わせれば我が身は安全だ。すると弘暦は侍女・毓瑚(イクコ)を呼び、豫妃が病なので帰京させるよう命じる。しかし蒙古の王公らが新年に参内する予定のため、しかるべき処置はその後にすると決めた。皇帝一行が紫禁城に戻った。海蘭は監禁された豫妃が頰を打たれたあと写経しているだけと知り、あまりに処分が軽いと憤慨する。しかし如懿はそれより永璂の苦しみを思うと心が痛んだ。海蘭は刺客に襲われたことも一因だが、何より両親の喧嘩が衝撃だったようだと告げる。「…でもきっとすぐ立ち直るわ」「あなたに預けて正解ね、両親の不仲を見せ続けるのは酷だもの…」海蘭は如懿から歩み寄るよう助言し、このままでは如懿と永璂が傷つくと心配した。「それしきのこと分かってる…でも皇上はもうあの頃の皇上ではない 会っても何も変わらないわ」衛嬿婉は凌雲徹が第12皇子を延禧(エンキ)宮へ送り届ける途中で待ち伏せし、呼びつけた。「凌大人(ダーレン)、12阿哥の調子はどう?」「…特に問題はありません、送迎の途中なので用がなければ失礼します」「待って、皇后とは距離を置いたほうがいいわ、不吉な方よ、夫や子供を害する相があ…」「炩妃娘娘、発言にご注意を、今のは皇后娘娘への侮辱です」「説教?」「滅相もない、失礼いたします」嬿婉は凌雲徹の態度に言葉を失った。「…(フゥ~)もう私と彼は何の関係もない、勝手にすればいい」そこで春嬋に太監の進忠(シンチュウ)を呼んでくれと頼んだ。容珮は主人に羹を差し入れ、何を読んでいるのか尋ねた。すると如懿は詩経(シキョウ)のある物語だと教える。「若い頃に好き合った者が不仲になるのは今も昔も同じなのね… 心の通わぬ人とは添い遂げられない」「…しかし仲が悪くても添い遂げる人は大勢います(汗」「我慢して添い遂げて何の意味があるの?」皇帝と皇后の夫婦の溝はさらに深まっているようだった。ある日、凌雲徹がいつも通り第12皇子を送り届けると、愉妃に呼び止められた。海蘭は最近、皇后に会ったか確認したが、凌雲徹が否定したので胸をなでおろす。「それでいい、お互いに安全よ…皇后の幸せを願うなら近付かないで」「ご忠告に感謝します」その夜、凌雲徹は自宅に戻ると、書斎に引きこもって愉妃の言葉を思い返していた。すると妻・茂倩(モセイ)が現れ、皇后と皇子を救ったにしては褒美が少ないと文句を言い出す。嫌気が差した凌雲徹は黙って書斎を出ると、外出することにした。憤慨した茂倩は皇帝の縁談では離縁することもできないと罵声を浴びせたが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)豫妃~踊りそうで踊らないのねw馬車で追い返されるところもお見事でした(笑そう言えば和敬公主はちゃっかりバッファロー仕様に戻って夫と一緒って…
2020.02.23
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第74話「剣と琴」後宮の差配を任された炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)は皆に付け届けを渡して人脈作りに余念がなかった。そのおかげで第15皇子の満1ヶ月の祝いには取り巻きが駆けつけ、ご機嫌とりに精を出す。今や嬿婉の権勢は容嬪(ヨウヒン)以上だが、皇帝が今も変わらず第12皇子を気にかけていると知って面白くなかった。その頃、永璂(エイキ)は養心殿で蘭亭序(ランテイジョ)を暗唱していた。しかし途中で言葉に詰まり、父から第5皇子・永琪(エイキ)は同じ8歳の時に3回読んだだけで暗唱できたと比較されてしまう。さらに永琪ならその年に矢を的に9連続で当てていたと言われ、永璂は5回が精一杯だと萎縮した。すると父は見栄を張らず正直に答えたと褒めてくれる。「嘘をついてもあとで恥をかくだけですから…ショボーン」「そなたの心がけは見上げたものだ(ヨシヨシ)嘘をつかぬことは最大の美徳である」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン時にペットの死が人の死より悲しいのはペットが嘘をつかないからだ…って名言があったわ(꒦ິ⌑꒦ີ)ダー…え?どうでもいい情報?w御前侍衛・凌雲徹(リョウウンテツ)は第12皇子を無事に翊坤(ヨクコン)宮へ送り届け、下がった。永璂は母に父と食事を済ませたと報告し、夕餉に出た乳菓子を土産に持って来たという。「母上の好物でしょう?」如懿は喜び、早速、食べた。すると永璂は父から5兄のことを聞かれたと教え、自分は5兄より劣るかと聞く。如懿は永璂には永璂の良さがあると話し、嫡子なので皇帝の期待が大きいだけだと安心させた。「品行方正でいれば一生、平穏無事に過ごせるはずよ だから永琪の方が優れていると父上が仰せでも気にしないこと、比べる意味はないの」永璂は父も母も5兄が好きなのだと分かった。確かに永琪も如懿が養育したので当然ではあったが、そう言えば永琪から贈り物は届いても訪問は途絶えている。如懿はこれも宮中を生き抜く術であり、むしろ永琪を巻き込まずに済むと理解を示していた。一方、胡蕓角(コウンカク)は炩妃と呼応し、貝勒(ベイレ)にいくら養母でも寵愛を失った皇后とは距離を置くべきだと進言した。慎ましい蕓角の思いがけない苦言に永琪は驚いたが、自分の難しい立場を理解するよう頼む。その時、急に足が痛み永琪は顔を歪めたが、大したことはないと言った。衛嬿婉は皇后に追い討ちをかけるため、孝賢(コウケン)皇后を利用しようと思いついた。そこで和敬(コリンワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)を訪ね、現皇后が孝賢皇后の足元にも及ばぬと知らしめるべきだと進言する。計画を聞いた璟瑟は飛びつき、目立たぬ者を選んで早速、動くよう指示した。長春(チョウシュン)宮は孝賢皇后が住んでいた当時のままになっていた。衛嬿婉は婉嬪・陳婉茵(チンエンイン)を呼び出し、ある大役を任せる。「もうすぐ孝賢皇后の命日ね、皇上は孝賢皇后の死をしのび、多数の詩をお詠みなの だけど詩集にまとめてお供えするに至っていない…あなたにお願いできないかしら?」「私が皇上の詩を?せっかくだけど無学な私には荷が重すぎる…ごめんなさい」陳婉茵は上位の妃を押しのけてでしゃばることはできず、帰ることにした。すると嬿婉は皇帝のためなのに断るのかと引き留める。「あなたは長らく寵愛を得ていない、一方的に想いを募らせているだけ 役目を果たせばきっと皇上の寵愛を得られるはずよ?」嬿婉は孝賢皇后を偲ぶ詩を写し、詩集を2冊つくるだけのことだと安心させた。これはあくまで皇帝の孝賢皇后に対する情愛と妃嬪の孝賢皇后への敬愛の証し、皇帝の心も慰められるという。「他の者に頼んでもいいのよ? 長らく仕えていながら報われぬあなたにとって皇上のお心を得る絶好の機会だと思っただけ」結局、陳婉茵は引き受け、寝る間も惜しんで皇帝の詩を編纂した。侍女・順心(ジュンシン)は完成したら一人娘の和敬公主に渡すよう進言し、陳婉茵も了承する。こうして陳婉茵が作った詩集は璟瑟の手で皇帝の元へ渡り、1冊は孝賢皇后の供物となった。詩集を見た弘暦は感激し、璟瑟の提案で後宮だけでなく皇族にまで配布すると決まる。そんな事とはつゆ知らず、皇帝のお渡りが叶った陳婉茵はすっかり舞い上がっていた。愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が翊坤宮にやって来た。寝宮にこもりきりの如懿と言えば永璂によもぎの枕を作るため、傷んだ枝が混じっていないか1本1本、確かめている。「まさに母の慈愛ね」海蘭は感心しながら、実は後宮で新しい動きがあったと教えた。これまでずっと寵愛が薄かった陳婉茵だったが、この数日、夜伽を務めているという。陳婉茵の想いが報われたのは良かったが、ただこの寵愛にはある理由があった。そこで海蘭は例の詩集を渡し、これを編纂したのが陳婉茵だと教える。「だけど…婉嬪の筆跡じゃないわ?」「婉嬪が写した正本は長春宮と養心殿にあるの その詩集は皇上が永琪と和敬公主に命じて同じ物を複数作らせた 後宮の妃嬪だけでなく皇族にも配っているわ」これにより宮中では孝賢皇后を称える声が高まり、現皇后は遠く及ばないとささやかれていた。すると詩集を見ていた如懿はある一節に目を留める。「″新たな琴も古い剣には及ばぬ″…皇上がこう詠んでいる以上、仕方がないわね」しかし海蘭が気がかりなのは陳婉茵がこの詩集を和敬公主に届けたことだった。あの気位の高い和敬公主が側室と親しくするとは思えない。陳婉茵が純粋な気持ちで詩集をまとめたにしても、皇后の評判を落とすと分かっていながら和敬公主に届けるだろうか。「何者かに利用されたのかも?」「炩妃では?」侍女・容珮(ヨウハイ)は数日前、長春宮から炩妃と婉嬪が出て来たと思い出した。確かに衛嬿婉ならやりそうなことだ。衛嬿婉が和敬公主の息子を助けて以来、2人は親密、恐らく衛嬿婉が婉嬪と和敬公主の間を取り持つ役割をしたのだろう。容珮は愉妃の推察通りなら警戒すべきだと主人に訴えたが、海蘭は大切なのは皇帝の考えだと言った。「姐姐、炩妃と取り巻きたちは寵愛が薄れた隙を突いている 姐姐?皇上ときちんと仲直りしなくては…姐姐?」 永琪は疲れのせいか持病である足の腐骨疽(フコツソ)が悪化していた。そこで今度、侍医・江与彬(コウヨヒン)に診てもらうことにしたが、胡蕓角が反対する。「江侍医は皇后娘娘の腹心です、孝賢皇后を偲ぶ詩集が私にまで配られました そのせいで皇后娘娘の評判は良くありません」しかし永琪は義母が公然と面目を潰されたと憤慨し、放ってはおけないとかばった。そこで胡蕓角は皇后には嫡子がいると持ち出し、離間させようと企む。「貝勒は皇上の信頼も厚く、太子位に近いと言えます、皇后娘娘も焦っているはず」永琪は呆れて席を立ったが、胡蕓角は最後に自分の将来を一番に考えるべきだと釘を刺した。そんなある日、永璂を尚書房まで送った如懿は運悪く弘暦と鉢合わせになった。呼び止められた如懿は挨拶はしたが、目も合わさない。「永璂を送りに?」「( ತ _ತ)…」「師傅が変わったと聞いて様子を見に来たのだ」「(そりゃどーも)お気遣いに感謝します」 「息子を気にかけるのは当然だ、幼い頃の永琪と比べて永璂は見劣りするのでな」「( ತ _ತ)…至りませんで、臣妾(チェンチィェ)失礼いたします」憤慨した如懿は拝礼してさっさと帰ろうとしたが、弘暦が引き留めた。「誤解するな、久々に会ったのだ、ゆっくり話そう」「皇上を不愉快にさせるだけなのでいない方が良いでしょう?」「…容嬪の件は悪かった、子を産めぬと知り冷静さを欠いた ルーイーや、もう半年も経つのだ、なぜ養心殿に来ぬ? ←( ゚д゚)え?お前が来いや~w 意地を張るのはよせ、皇后なのだから冷静にならぬか! ←なぜか逆ギレw 孝賢皇后はもっと分別があった…」←NGワードktkr「″新たな琴も古い剣には及ばぬ″…私は孝賢皇后には到底、及びません」「ルーイーや、そなたと孝賢皇后を比べたのではない ←じゃ何だよ? 詩集については婉嬪がまとめてくれたから、供養のために皆に配ったのだ」←人のせい「(ハイハイハイ…)孝賢皇后は皇上の最初の正室でした、皇上の追慕もとぉ~然です 孝賢皇后は早世しても報われましたね~あの世でさぞお喜びでしょう~」「皇后、口を慎め」←お 前 が 「反省のため謹慎しま〜す」如懿は我慢ならず、さっさと歩き出した。頑な如懿の態度に腹を立てた弘暦は思わず謹慎するなら子供は邪魔だろうと、永璂を愉妃に預けると言ってしまう。如懿は驚いて立ち止まり振り返ると、弘暦が暴言を吐いた。「そなたは母親失格だ!愉妃は永琪の母だけに永璂を優秀に育てるはずだ!」すると如懿は怒りに震えながらきびすを返し、足早にその場を去った。帰りの道すがら容珮は本当に第12皇子を愉妃のもとへ送るのか聞いた。如懿は仕方がないとあきらめ、海蘭が養育するなら安心だという。「…孝賢皇后という剣が皇上と娘娘の仲を裂きました」「私は剣など気にしないけど、皇上がその剣で私を傷つけている…」すると突然、陳婉茵が一行を止め、その場にひざまずいた。「皇后娘娘…申し訳ありません、私はただ皇上のために尽くしたかっただけでした 私の存在を皇上に知って欲しかったのです、こんな結果になるとは思いませんでした」「あなたの純粋な心を利用されたとしたら残念に思う」「炩妃は私を哀れに思い、声をかけたのでしょう… 私は皇上に気づいて欲しかった、そして私を見て欲しかったのです…本当に申し訳ありません」「分かってるわ、あなたは優しい心の持ち主だもの…望みが叶うと信じてるわ、立ちなさい」陳婉茵は寛大な皇后の言葉に感謝し、いつか必ず償うと誓って見送った。豫(ヨ)妃・博爾済吉特(ボルジギト)氏が禁足の罰を受けて2年が経っていた。今年も8月に秋の狩猟が行われるが、今回は蒙古の王公も参加する。当然、姻戚であるホルチン部も来ることから、豫妃が不在では体面が悪かった。こうして豫妃はようやく寝宮から出られる日を迎える。「炩妃が頼んだからこそ、皇上は禁足を解いたのですよ、しかも木蘭への同行もお許しに…」侍女・春嬋(シュンセン)が恩着せがましく教えると、衛嬿婉も今回の狩猟では豫妃の寝所を皇帝の近くにすると喜ばせた。豫妃は炩妃に心から感謝したが、自分を陥れた皇后への恨みを募らせる。「相手には嫡子がいるのよ?あなたの後ろ盾は遠く離れた父親だけでしょう?」「そうだけど、娘の窮状を知ったら父は黙っていないわ」嬿婉はそれとなく豫妃をけしかけたが…。秋の狩猟が皇室の狩り場・木蘭囲場で始まった。弘暦はあからさまに皇后を冷遇し、自分が仕留めた熊の肝は皇太后に、毛皮を炩妃に下賜する。つづく( ๑≧ꇴ≦)ここに来てまさかの豫妃〜ぶははは〜またあの謎の踊りが見られるのか?それともただの捨て駒か?(  ̄꒳ ̄)まあ〜婉嬪は悪くないかな?仕方ないもんねそれに弘暦はどうしようもないけど、今回は如懿もやり過ぎだな後宮で生き抜くには如懿が折れないとね~←ちょっと冷静になってるwww
2020.02.17
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第73話「届かぬ想い」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は寒香見(カンコウケン)のために豪華な寝殿を建て、后妃たちを呼んでお披露目した。さらに清に迎え入れた寒(カン)部の老人や病人たちを招き、わざわざ寒香見に厚遇されていると報告させる。そこへ満を持して寒部の装束を着た弘暦が現れた。「そなたが清の衣を着たり、朕の妃になるのが嫌なら、朕が寒部の男になろう」弘暦は寒香見を容貴人(ヨウキジン)に封じて宝月(ホウゲツ)楼を与えると表明し、寒部の民たちから喝采を浴びる。満足げな皇帝の姿に妃嬪たちは困惑したが、炩嬪(レイヒン)・衛嬿婉(エイエンエン)だけは表向き容貴人を歓迎して従順な妃を装った。しらけた妃嬪たちは早々に引き揚げ、寒香見も寝室へ引っ込んだ。(←実はしらけたのは管理人wそこで皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は弘暦に着替えるよう進言したが、李玉(リギョク)が龍袍を準備しても弘暦はこのままでいいと拒む。すると如懿は満蒙が婚姻で関係を密にしても蒙古の衣を着る天子はいないと諌め、その姿に蒙古諸部が失望すると嘆いた。しかし弘暦は自分が愉快なら皇后も嬉しいはずだと笑顔を見せる。呆気にとられた如懿は思わず、本来なら自分も喜ぶべきだと前置きしてから率直な気持ちを伝えた。「皇后としては受け入れますが、妻としてはこの夫の行為を喜ぶことなどできません 香見が不憫です」「何を申すか?後宮の主人なら容貴人を大切にせよ、先は長い、いつか容貴人にも朕の心が通じる」「″悲しむは息(ソク)夫人のみならず″…皇上、その心情をお察しください」「ルーイー、朕とて分かっているのだ… 香見を入内させたのは寒部と和睦し、辺境を平定するため、娶ったら冷遇するつもりだった だが香見をひと目見た時、思わぬ感情が湧いたのだ…ルーイーや、朕は魂を奪われた 心は得られずともそばに置きたい!香見が喜ぶことを何でもしてやりたいのだ!」↓コワイコワイコワイコワイコワイ…弘暦は如懿なら自分の気持ちを分かってくれると思ったが、如懿は弘暦の一方的な想いは洛神(ラクシン)を思う曹植(ソウショク)と同じだと指摘した。所詮、弘暦が曹植の衣を着ても洛神に心は届かないという。「長年、連れ添えば心が通じると思っていました… でも香見に対する皇上の執心ぶりは理解できません 皇上…今の皇上には何を言っても無駄です、失礼いたします」「ルーイー?ルーイー!」( ๑≧ꇴ≦)ウルセー如懿は弘暦が止めても振り返らなかった。如懿が宝月楼を出る頃には雨になった。すると回廊でばったり宮廷画家・郎世寧(ロウセイネイ)と出くわす。何でも本来なら正室の皇后だけに許される皇帝との肖像画を弘暦が容貴人と所望しているというのだ。「おぅ…」深く失望した如懿はその場から一刻も早く立ち去りたかった。李玉はそんな皇后を心配し、御前侍衛・陵雲徹(リョウウンテツ)に見送りを頼む。←雲徹だけが頼りよ♡上の空で寝宮へ向かう如懿…。その足にはもはや宮道の門をまたぐ気力もなかったが、何とか顔を上げ、決して乱れた姿をさらすことはなかった。寒香見は寒部の民を事実上、人質に取られ、我が身を犠牲にするしかなかった。ついに夜伽に応じた寒香見、その美しい瞳から涙がこぼれ落ちる。「案ずるな、朕はそなたとそなたの一族を大切にする…」弘暦は涙をぬぐおうとしたが、寒香見は顔を背けた。(っ'-')╮ =͟͟͞͞🔪 シュッ! ( ˘ω˘)<恐れるな〜その頃、鍾粋(ショウスイ)宮では婉嬪・陳婉茵(チンエンイン)が皇帝の絵を描き終えていた。「満面の笑顔を初めて見たわ…容貴人のおかげね」陳婉茵は笑顔の皇帝を描けたことに満足しながらも、どこか拭えない寂しさがあった。今日は妃嬪の集まる議事、すると名実ともに後宮の妃となった寒香見が清の衣で翊坤(ヨクコン)宮にやって来た。妃嬪たちは騒然となったが、誰も近づこうとしない。そこへ侍女・容珮(ヨウハイ)が現れ、妃嬪たちを殿内へ案内した。如懿は寒香見を歓迎し、分からないことは愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)に聞くよう告げる。すると寒香見が皇后と2人で話したいことがあると頼んだ。寒香見は唯一、親身になってくれた皇后にだけは心を開いた。しかしなぜ夫を惑わせた女を受け入れ、生かしてくれたのだろうか。すると如懿は妻である以外に皇后としての責任があると言った。「皇后娘娘がお若い頃、愛を誓ったのは皇上ですね?」「もちろんよ」「皇后娘娘のお相手は今もご健在です、生きていればいつでも会える… でも私は寒企(カンキ)と死別しました、再会すら叶いません」「二度と会えない相手ならあなたの心の中で永遠に変わることはないわ でも私の相手は…よしましょう、あなたの話を…」「皇后娘娘、こうなった以上、教えていただきたいことがあります」寒香見は夜伽をしても懐妊しない方法が知りたいと頼んだ。皇帝が朝議以外は宝月楼に入り浸りとなり、議事では妃嬪たちから不満が漏れた。しかし如懿は皇帝が1人の妃だけを寵愛してはならないという掟はないと一蹴する。そこで海蘭が間に入り、皇太后が何か言うまで待とうとその場を収めた。議事が散会すると、珍しく陳婉茵はそのまま残った。実は純恵(ジュンケイ)皇貴妃が逝去して鍾粋宮で話し相手もなく、寂しいという。そんな婉茵に優しく寄り添う如懿と海蘭、すると婉茵が今年の正月、急に皇帝が自分の札を選んでくれことがあったと思い出した。「でも私は緊張して口も利けず、どうすべきかも分からなくて… よく数えたら6年4ヶ月と3日ぶりのお召しだったのです」海蘭は当たり前のように″後宮の女はいつか忘れ去られるものだ″と言ったが、如懿は秋風が立つ頃にそんな話は悲しいという。すると海蘭は機転を利かせ、笑い話に変えた。「″若きまま恩寵 途絶え 座して夜明けを待つ″、それが運命 まさか老いさらばえて歯が抜けても皇上を待つつもり?夜伽したいの?」如懿は思わず失笑し、婉茵も夢だけでいいと笑顔を見せた。宝月楼に皇帝と容貴人の肖像画が届いた。しかし寒香見は一瞥もせず、棚にしまって二度と出すなと命じる。一方、如懿は皇太后に呼ばれて慈寧(ジネイ)宮にいた。皇太后は寒氏が夜伽を務めたと知って苛立ちを隠せず、もし子ができれば後宮の勢力図が覆ると懸念する。そこで如懿に不妊の薬を託し、寒香見に飲ませるよう命じた。如懿は皇帝に恨まれると訴えたが、皇太后は命まで奪うつもりはなく、ただ寒氏を世継ぎ争いから遠ざけたいという。「寒氏に生きろと説得したであろう?皇帝は皇后としての責務をそなたに強いた あいじゃも同じようにそなたに強いる、そなたは後宮の主人だ、後宮の平穏を保つ責任がある この件はあいじゃの意向ではあるが、そなたが薬湯を持って行き、飲むのを見届けよ」如懿は弘暦と皇太后の板挟みになった。しかしどちらにも逆らえず、追い詰められた如懿は寒香見本人に任せることにする。そこで宝月楼を訪ね、寒香見が望んだ薬を持って来たと差し出した。「皇太后の命を受けて持って来たの、飲まなくても構わない」「頂戴します、私の願いが叶うのなら…」「よく考えて、飲んでしまったら後悔しても遅いのよ?」「後悔などしません…子供は愛する人と共に育むべきもの 寵愛を争うための道具なら産みたくありません」すると寒香見は迷うことなく薬湯を飲んでしまう。その潔さにむしろ悲しみを覚える如懿、ともかく侍女・哈麗(ハリ)に侍医・江与彬(コウヨヒン)を呼ぶよう命じた。「容貴人が苦しむ恐れがあるわ」知らせを聞いた弘暦が宝月楼に駆けつけた。太監・進忠(シンチュウ)は炩嬪のお産が始まったと知らせたが、弘暦は産婆に任せろと冷たい。皇帝が2階に上がってくると江侍医はすぐ参上し、容貴人の身体は無事だが、今後は懐妊が不可能だと伝えた。「…誰の仕業だ?申せっ!」怒り心頭の弘暦が思わず声を荒げ、その場に緊張が走る。如懿は誰かが巻き添えになることを恐れ、仕方なく自分だと認めた。「皇上…私です」すると弘暦はいきなり如懿の頰を引っ叩いてしまう。その時、皇太后が現れた。「皇帝!皇帝が皇后に手を上げるとは何事ですか?!正気の沙汰とは思えません」↓(꒦ິ⌑꒦ີ)あいじゃ〜待ってたよ〜皇太后は寒氏を入内させて皇帝の望みなら叶ったはずだと諌めた。「だが寒氏の心には別の想い人がいる、皇帝や、愛が相手を傷つけることもあるのです」そもそも皇帝の過ぎたる寵愛がこの結果を招いたのだ。しかし弘暦は過度な寵愛とは思わないと反論する。そこで皇太后は寒氏自身もあの薬を望んだと教え、責めるなら自分を責めろと叱った。居たたまれなくなった如懿は皇太后にその場を任せ、先に下がると告げる。皇太后は如懿に辛い思いをさせてしまったと慰め、帰るよう促した。寒香見が目を覚ました。弘暦は子が産めなくても大切にすると言ったが、寒香見は自分が薬を望んだと告げる。「後宮には来たくなかった、ご寵愛も望みません… この悲しい定めに耐えきれないのです、私の子供にも荷が重すぎる… お仕えしなくてはならないなら、余計な重圧はないほうがいい…」すると弘暦は寒香見の気持ちも、皇太后の意向もよく分かったと肩を落とした。しかしそこに思わぬ朗報が届く。炩嬪が第15皇子を出産したというのだ。そこで弘暦は容貴人を嬪に、また衛嬿婉を妃に昇格して第15皇子を手元で育てることを認めた。「それから…皇后に不手際があった、後宮の差配は炩妃に任せる」季節は巡りまた冬がやって来た。皇帝の足は宝月楼から遠のいたが、寒香見はこれで静かに過ごせると安堵する。しかし皇后に迷惑をかけてしまったことが心に引っかかっていた。衛嬿婉はようやく我が子を手元で育てることが許され、第15皇子・永琰(エイエン)は満1ヶ月を迎えた。順風満帆の衛嬿婉、しかし皇帝が嫡子の第12皇子・永璂(エイキ)と一緒だと知ると複雑な心境になる。一方、翊坤宮には海蘭と穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)が訪ねていた。2人の話では復位した差配役の炩妃は人脈作りに余念がなく、皆に付け届けしているという。面白くない海蘭は腕輪が届いたが返したと話し、調子に乗ると足を踏み外すと揶揄した。↑巴林ちゃんが嬿婉からもらった抹額(マツガク)捨てようかと思ったけど、弘暦のバカが使えって言ったんだって〜( ゚д゚)、ペッつづく(´・ω・`)もうあらすじが全然、進まない!弘暦がクズすぎてwいや〜ホントこの回はク…いえ何でもないです(´゚艸゚)
2020.02.16
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第72話「皇后の責任」寒香見(カンコウケン)の追放を訴え翊坤(ヨクコン)宮で嘆願を続けていた妃嬪たち。皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)はともかく皇帝に寒香見を偏愛しないよう忠告したと話し、ただし寒香見を追い出すのは不可能だと言った。納得いかない妃嬪たちだったが、慶貴人(ケイキジン)・陸沐萍(リクボクヘイ)は分をわきまえるなら嬪に復位できると聞くや否や、寝殿に戻って反省するという。そこで如懿は皆も戻るよう命じると、鍾粋(ショウスイ)宮へ向かった。如懿は床に伏せった純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)を見舞った。「皇上は永璋(エイショウ)をお許しになったわ、あなたを皇貴妃に封じると約束を… 冊封式は4月18日で皇貴妃の衣装の準備中よ」しかし蘇緑筠は皇帝が自分の命が長くないと知って昇格するのだと悟る。そこで皇后と2人だけで話したいと頼んだ。蘇緑筠は自分が息子の人生を台無しにした罪深い母親だと嘆いた。永璋を皇太子にしようとしたせいで、かえって永璋が疎まれることに…。野心など抱くべきではなかったと後悔し、あれから毎日、読経して菩薩の許しを請い続けた来た。しかしそれでもこうして罰が下ったのだ。「…私が死んだら全ての罪を償える 皇上も永璋を許してくれるはず、それなら喜んで死ぬわ…ゴホゴホ…」「何とでも言って、吐き出せばいい、余計なことは考えず、養生するのよ」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は確かに寒香見の性格では後宮になじめず、妃嬪たちもすんなり受け入れないことが分かった。そこで内務府総監太監・秦立(シンリツ)を呼び、計画通り高台に普請を始めるよう命じた。皇帝の偏愛で宮中が揺れる中、和敬(ワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)は父の肩を持った。しかしそもそも皇后に母のような手腕があれば、こんな騒ぎにはなっていないという。「でもさすがに父上が教育した炩嬪(レイヒン)は騒動に加わらず、分を守っています」するとその夜、もう何日も夜伽の札を下げていた弘暦が懐妊中にも関わらず炩嬪の札を選んだ。病にふせっていた蘇緑筠はその日、急に窓際まで連れて行って欲しいと訴えた。「擷芳殿(ケツホウデン)の方角を見てみたいの…永璋の姿が見えるかもしれない…」侍女・可心(カシン)は主人を窓まで案内したが、そこから擷芳殿が見えるはずもない。「見えなくても見なくては…息子はかけがえのない存在よ…」 今の私には擷芳殿を訪れる気力すら残っていない…永璋…額娘…あなたを守ってやれな…」蘇緑筠はそこでついに倒れ、最期まで息子の身を案じながらこの世を去った。如懿は蘇緑筠のために皇貴妃の衣装を届けに来たが、すでに蘇緑筠が旅立ったと知る。「…あとで着せてあげて」乾隆25年、純恵(ジュンケイ)皇貴妃が逝去、その3ヶ月後に皇三子・永璋も母を追うように逝去し、循(ジュン)郡王に追贈された。宮中で不幸が続いた。弘暦は秋の狩りも中止し、永璋を追贈したが後の祭りだと嘆く。←誰のせいだよ💢しかし相変わらず寒香見に執着し、未だ寒企(カンキ)にこだわる寒香見に手を焼いていた。すると太監・進忠(シンチュウ)は若い頃に出会ったからではないかと進言する。「僭越ながら寒氏は偉大な男を知らぬゆえ、寒企を想い続けるのです」そこへ寒氏のためにあつらえた新しい衣が届いた。「すばらしい、寒氏がお召しになれば際立つでしょう」進忠に煽られた弘暦は酔っているにもかかわらず、衣を届けに承乾(ショウケン)宮へ行くと言い出した。寒香見はその夜も時計の針を逆回しにして時が経つのを待っていた。そこへ皇帝が現れる。寒香見は時計のガラス窓を閉めたが、弘暦は時計の変化には気がつかなかった。「香見?朕が贈った西洋時計を見ているのか?よかった いいか?そなたが気に入った物は何でも贈ってやる、今宵も贈り物を持って来たぞ」弘暦は内務府に作らせた衣を持って来たと教え、早速、着てみろと強要する。しかし寒香見は喪中だからと拒否した。憤慨した弘暦は寒企の亡骸なら回収して寒部で手厚く葬らせたと訴え、白装束で喪に服すことも許して来たと声を荒げてしまう。すると寒香見はこれからもずっと自分は寒企の寡婦だと反発、構わないでくれと拒絶した。「2度と会いたくないわ」「香見、朕の想いが分からぬのか?大切にするから添い遂げてくれ…」痺れを切らした弘暦は酔った勢いでついに寒香見に無理強いしようとする。その時だった。寒香見が突然、自ら顔を傷つけてしまう。李玉は事前に殿内をくまなく調べ、鋭利な物は全て回収したと皇帝に説明した。すると御前侍衛・凌雲徹(リョウウンテツ)が西洋時計を持って皇帝の元へやって来る。「調べたところ、寒氏が使った凶器は時計の針でした」今回の騒ぎは李玉の落ち度ではなく、自分が下賜した贈り物だったとは…。そこへ治療を終えた侍医・江与彬(コウヨヒン)が現れ、顔の傷は浅手のため大事はないという。「ただ傷跡は残るかもしれません…」実は寒香見はまだ興奮気味で治療を拒否していた。江侍医は侍女に薬と軟膏を預け、処置を任せることにしたという。そこで弘暦は失態を隠すため今夜の件は他言無用とし、寒香見の不注意による怪我とした。李玉が翊坤宮に現れ、助けを求めた。如懿は後宮の主人として今頃になって承乾宮の大事を知らされ憤然となる。しかし皇太后にも知らせておらず、李玉はとにかく養心殿に来て欲しいと訴えた。弘暦は酒に酔って寒香見に絡んだと如懿に正直に白状した。寒香見は頑なに弘暦を拒否し、食事も薬も口にしないという。万策尽きた弘暦はついに如懿に助けを求めたが、その目は冷ややかだった。←ってか管理人の目がwすると如懿はこれほど弱気な弘暦を見たのは初めてだと漏らす。「朕も悩んだ、万人の上に立つ帝王が安易に動揺すれば混乱を生んでしまう だからずっと己を律して来た、だがこたびは理性が働かぬのだ ひと目で心を奪われてしまった」「皇上、正気ですか?」←いやいやバカですか?w「ルーイーや、そなたとは幼い頃から心が通じ合う仲だ、だが香見への想いはこらえきれない 何としても手に入れたいのだ、悔いを残さぬためにもな」如懿はむしろ寒香見を追い詰めていると指摘、さすがにもう諦めてはどうかと助言した。しかし弘暦は一度きりのわがままを聞いてくれと食い下がり、準備中の贈り物が完成すれば寒香見が見直してくると訴える。子供よのうな弘暦の姿に困惑する如懿、何より人の考えを変えることなど無理だと言った。すると弘暦は急に立ち上がり、権力まで持ち出して強制する。「ルーイーや、そなたは朕の正妻で皇后であろう?策を考え、皇后の責任を果たせ」( ゚д゚)はい?そこまで言われれば如懿も黙って従うしかなかった。「…皇上、皇后として皇上には逆らえません、皇后がすべきことはきちんとやります」翌日、如懿は愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)を呼び、虚しい胸の内を吐露した。海蘭は皇帝が″皇后の責任″とまで言ったと聞き、完全に理性を失ったようだと呆れてしまう。「感情より国事を重んじる方だと思ってた…ひど過ぎる」「…今までの私と皇上は何だったのかと、あんな皇上を見ると戸惑ってしまう」しかしどんなに気が進まなくても、如懿は皇后として皇帝を喜ばせなければならなかった。如懿は差し入れを持って寒香見を見舞った。寒香見は皇后の姿を一瞥もしなかったが、如懿が寒企のことを尋ねると重い口を開く。「あなたたちには分からない、幼い頃から助け合い、愛を誓い合った人よ…」「それなら分かるわ、私も若い頃、同じ経験が…」如懿の言葉を聞いた寒香見は驚き、ようやく皇后の顔を見た。「でもあなたが亡くなったら、寒企の良さを知る人がいなくなってしまうわね」その頃、弘暦は安華(アンカ)殿で手を合わせていた。「天よ、朕は斎戒を続けています、1つは清(シン)の繁栄のため、もう1つはわがままを叶えるため 香見に対する想いはあきらめきれません、お願いです、香見と添い遂げさせてください…」オリャ!≡(:D)┿━
2020.02.10
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第71話「偏愛の波紋」寒(カン)部公主・寒香見(カンコウケン)は相変わらず心を閉ざし、皇帝が訪ねても鼻であしらった。第5皇子・永琪(エイキ)は寒香見に執心するあまり上の空の父を心配し、妙策を上奏する。「寒氏は許嫁の死を悼めど父親の期待には背けないはずです ″皇上に逆らわず安心して後宮で暮らせ″と寒提(カンテイ)に文を書かせては?」誰もが予想だにしない事態になった。乾隆帝(ケンリュウテイ)弘暦(コウレキ)がここまで寒香見に熱をあげるとは…。皇太后でも手に負えず、さすがに皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)も困惑してしまう。そんな皇后に愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は、皇帝ならどんな娘も選び放題、そこへ懐かない野生馬が現れ、征服欲をかき立てられたのだろうと分析した。妃嬪たちは寒部公主を陰で罵倒しながら、皇帝の前では善人を装っていた。その最たる例は炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)だろう。嬿婉はわざわざ養心殿へ出向き、寒氏が宮中の生活に慣れないのではと心配してみせた。「寒部の料理人を招いて故郷の料理を作らせたり、寒部の侍女を仕えさせてはいかがですか?」弘暦はそこまで思いつかなかったと感心し、炩妃は気が利くと褒めた。寒香見に父から文が届いた。…お前が入内し、情勢も民の暮らしも安定した…寒部は格別の恩恵を被る…安心して皇帝に仕えなさい、家族の心配はいらぬこの文は寒香見を悲しませたが、思いがけず故郷の侍女・古麗(グリ)と哈麗(ハリ)が現れた。2人は寂しがっている公主を心配した皇帝が呼び寄せたという。すると侍女・喜珀(キハク)が皇帝は寒部の料理人も招いたと話し、これから毎日、故郷の料理が食べられると教えた。(  ̄꒳ ̄)ハリとグリって…w永琪は母を訪ねた。海蘭は寒提に文を書かせて寒氏をなだめるよう皇帝に提案したのが永琪だと知り、一切、干渉しないよう釘を刺しておく。「2度としません、でも父上は一体どうしたのでしょうか」「寒氏に心を奪われてしまったのね…魔物に出会ったかのよう」すると海蘭は話題を変え、格格(ゲゲ)として娶った胡(コ)氏がしとやかで優しい娘だと福晋(フクシン)から聞いたと伝えた。珍しく照れている息子の様子を見た海蘭は、心の通じ合う者がそばにいるなら安心だという。「今度、連れてらっしゃい」母は寒氏を魔物だと言ったが、今の永琪には父の気持ちが良く分かった。福晋のことを尊敬していたものの、男女の情を知ったのは胡蕓角(コウンカク)と出会ったおかげだ。永琪は母が胡蕓角に会いたがっていたと伝えた。田蕓児(デンウンジ)はいよいよ母の敵の1人である愉妃と対面できると思うと緊張を隠せない。「母は優しい、何を恐れることが?」「(フルフル)今の私があるのは貝勒(ベイレ)のおかげ、感謝しかありません」弘暦は寒香見が侍女をそばに多くと決め、故郷の料理も食べたと聞いた。寒提の文も読んでいるはず、そこで弘暦は承乾(ショウケン)宮を訪ね、寒企(カンキ)の亡骸を回収して寒部で手厚く葬らせたと教える。しかし寒香見はやはり冷たかった。「帰って、ここにいる限り私の心は晴れないわ…」すると弘暦は確かに後宮では息が詰まるはずだと気づき、寒香見のために別の住まいを用意することにした。またも寒香見にすげなくされた弘暦…。太監・進忠(シンチュウ)から炩妃の懐妊を聞いても我関せず、生返事だけでさっさと行ってしまう。衛嬿婉は世継ぎにさえ興味を持たなくなった皇帝に呆れていた。しかし進忠は皇帝が寒氏に夢中のため他の妃嬪が身ごもれないと安心させる。だとしても今後、最も寵愛されるのは寒氏、嬿婉はふてくされていたが、進忠は放っておけばいいと言った。「寒氏への寵愛など一時のもの、そのうち皇太后や皇族が見かね、寒氏は始末されるやも…」一方、純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)は肺を患い、咳が悪化していた。第3皇子・永璋(エイショウ)は一度も母を見舞わない父に腹を立て、寒香見にかまけているからだと嘆く。蘇緑筠は息子に短気な性格を直せと戒め、寒氏の件に口を挟むなと忠告したが…。祖母への挨拶を済ませた永璋が慈寧宮をあとにすると、ちょうど皇帝と鉢合わせになった。しかし母が数ヶ月前から咳が止まらないことも父が知らず、永璋は深く傷つく。そこで翌日、養心殿で父に拝謁した機会に、思い切って父に苦言を呈した。「父上、巷では寒氏が妖婦だと囁かれています、皇帝を惑わし、国を揺るがしかねないと…」弘暦はでたらめだと否定したが、永璋は王侯や貴族も同じ噂をしていると伝える。「父上は寒氏に夢中で政務が手につかず、清(シン)は潰れると…」「黙れ!」弘暦は思わず永璋を平手打ちした。しかし頑固な永璋は父のため忠告していると口答えし、今度は足蹴りされてしまう。「うせろっ!」それでも引き下がろうとしない永璋、見兼ねた李玉(リギョク)が第3皇子を引っ張り出そうとしたが、永璋は父の名誉を汚されたくないだけだと最後まで訴え続けた。すると父からついに親不孝者とは縁を切るとまで言われてしまう。李玉は第3皇子を何とか外へ連れ出したものの、永璋は父に見限られたと絶望、急に喀血して気を失った。永璋は擷芳殿(ケツホウデン)に運ばれた。侍医・江与彬(コウヨヒン)は第3皇子が憤怒と恐れにより心に衝撃を受け、五臓六腑の気血が乱れていると診断する。「擷芳殿から動かしてはなりません」蘇緑韵は病を押して付き添うことにした。すると永璋がうわごとのように父に見限られ、おしまいだと嘆いている。蘇緑筠は息子を励ましながら、これも全て自分の責任だと思いつめた。その夜、弘暦は頭を抱え、押し黙っていた。お茶を献上した進忠は、第3皇子なら純貴妃と侍医が見守っているので心配無用だと声をかける。すると弘暦は親不孝者など放っておけと突き放した。そこで進忠は孝賢(コウケン)皇后の葬儀以来、慎ましく過ごしていた第3皇子が急にどうしたのだろうかと誘導する。「誰かにそそのかされたのやもしれんな…」「しかし3阿哥はもう大人です、むやにみに人の言いなりにはならぬかと?」「(ハッ)純貴妃か?」その日は激しい雨になった。翊坤(ヨクコン)宮では如懿たちが第3皇子の軽率な行動に呆れていたが、何より蘇緑筠の身体が心配だ。そこへ李玉(リギョク)が慌ててやって来た。実は純貴妃が雨の中で第3皇子のために嘆願し、皇帝が激怒しているという。驚いた如懿は婉嬪・陳婉茵(チンエンイン)に鍾粋(ショウスイ)宮で待機するよう命じ、海蘭と一緒に養心殿へ駆けつけた。しかし如懿たちが止めても蘇緑筠は言うことを聞かず、皇帝の怒りが収まるまでひざまつくという。「ふぅぁんしゃん!」如懿はいても立ってもいられず、思わず弘暦を呼んだ。弘暦は如懿の声を聞いて外に出て来た。蘇緑筠への仕打ちに困惑する如懿、しかしようやく蘇緑筠は自分が冷遇されて来た理由を知る。弘暦は純貴妃にかんざしを投げた。「これは何だ?!淑嘉(シュクカ)皇貴妃と結託し、素練(ソレン)を殺したのでは?」驚いた如懿は淑嘉皇貴妃の罠で純貴妃は陥れられた可能性があるとかばったが、弘暦は純貴妃がかつて后位を狙っていたことを持ち出し、余罪があるかもしれないという。蘇緑筠は皇帝の誤解に呆然となり、ついに激しく血を吐いて倒れた。慌てた如懿はその場にひざまずき、純貴妃に治療を受けさせて欲しいと嘆願する。「もうよい、連れて行け!」「早く寝殿へ」如懿は養心殿に残り、弘暦に茶を入れながら思わずぼやいた。「純貴妃は子供のために嘆願しただけなのに、厳し過ぎます」しかし弘暦は純貴妃がそそのかさねば永璋が寒氏を侮辱するはずないと決めつける。如懿は弘暦が寒氏のために父子の情と純貴妃の心を傷つけたのだと苦言を呈して茶を出したが、弘暦は口に合わないと言った。「何の茶だ?」「いつもの雨前龍井(ウゼンロンジン)ですよ?」弘暦はバツが悪そうな顔をすると、李玉に沙棗花(サソウカ)茶を持って来いと命じた。鍾粋宮には騒ぎを聞いた妃嬪たちが駆けつけていた。すると意識のない純貴妃が輿に乗って運ばれてくる。その痛ましい姿を見た妃嬪たちは衝撃を受け、明日は我が身と恐ろしくなった。如懿は弘暦がまた″洛神賦(ラクシンフ)図″を見ていると気づいた。軽やかに飛び立つ洛神に心を奪われた曹植(ソウショク)、しかし想いは届かなかった。如懿は望んでも得られなければ無意味だとそれとなく諌める。しかし弘暦は当人にしか分からないと言った。そこで如懿にも沙棗花を飲んでみろと勧める。如懿は仕方なく味見はしたが、寒氏の好きなお茶なので美味に感じるのだと言った。「皇上、私には理解できません、なぜ寒氏にこだわるのです?」「そなたは朕がのぼせ上がっていると思っているのだろう?教えてくれ 朕はどうかしているのか?」(」゚ロ゚)」<どうかしてるーーーっ!「皇上、こちらが聞いているのです」「(ハァ〜)野蛮な部族を征服できても、女子1人の心を征服できないとは〜」恍惚として話す弘暦に如懿は言葉を失った。↓チベスナすると侍女・容珮(ヨウハイ)が現れ、穎(エイ)妃から話があると伝える。如懿はひとまず要件を聞きに行ってみたが、何でも翊坤宮で慶貴人・陸沐萍(リクボクヘイ)たちがひざまずいているという。「寒氏を追放し、純貴妃母子の屈辱を晴らしたいと… 皇后娘娘のお力で純貴妃の汚名をすすぎ、事態の収拾を図ってください」そこへ話を聞いていた弘暦が現れ、勝手にひざまずかせておけと言い放った。しかし血気盛んな巴林(バリン)湄若(ビジャク)がこのまま黙って引き下がるはずもない。「皇上、この機会にはっきり申し上げます 妃嬪たちが抗議するのは分不相応ですが、純貴妃母子のため立ち上がりました 寒氏にご執心の皇上が原因です」弘暦は不届きだと叱りつけたが、湄若はその場にひざまずいた。↓チベスナ2「君主を欺くのは罪ですので正直に申し上げたのです、どうぞ処罰してください 皇上が色恋に溺れていては蒙古の諸部が困惑します! ″天子と仰いできた方は本当に英明なのか″と…」「無礼者!」「私は悲しいのです!( ๑≧ꇴ≦)管理人もです! 純貴妃と3阿哥を始め、皆や視聴者のことを思うと悲しい…陛下も哀れです」「大概にせよ!さっさと戻れ!」如懿が目配せすると、湄若は仕方なく戻っていった。寒香見も妃嬪たちが自分の追放を求めてひざまずいていると聞いた。しかし故郷に帰りたい寒香見は追い出されるなら願ったり叶ったりだという。相変わらず着替えもせず、許嫁を悼む日々…。寒香見は皇帝が下賜した時計の針を逆回ししながら、何やら考えていた。如懿は妃嬪たちの様子を見に行くことにしたが、弘暦が止めた。「いくらひざまずこうと朕は寒氏を手放さぬ」「(ヤレヤレ…)でしたら今後は寒氏が標的にされぬよう配慮してください 寵愛を得ても後宮でのけものにされます 先ほどの穎妃は不遜でしたが、切実な願いです 感情任せに蒙古の人々を悲しませてはいけません」蒙古のことを思い出した弘暦は確かに冷静さを欠いたと認めた。そこで純貴妃を皇貴妃に昇格し、永璋の無礼も水に流すという。また慶貴人については分をわきまえるなら嬪に復位させると決めた。如懿は皆に代わって感謝すると、寒氏についてはこれ以上、何も言わないと告げる。「ただ今後のためにも、軽挙はお控えください」如懿が翊坤宮に戻ると、妃嬪たちが雨の中ひざまずいていた。そこで皇帝が純貴妃を皇貴妃に昇格させたと報告したが、慶貴人は寒氏を追放しなければ純貴妃の慰めにもならないと訴える。しかし如懿は妃嬪たちが純貴妃のためと言いながら、実は自分のために寒氏を追い出したいと分かっていた。そもそも養心殿ではなく翊坤宮でひざまずくのは、皇帝の怒りを買って一族に累が及ぶのを避けたいからだろう。つづくლ(⁰д⁰ლ)<よくぞ言ってくれたよ!穎妃!
2020.02.10
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第70話「異郷の公主」豫嬪(ヨヒン)・博爾済吉特(ボルジギト)氏は皇帝から寵愛を受け、早々に妃に封じられることになった。その軽薄さから同郷の妃嬪たちに嫌われていたがお構いなし、本人はすっかり舞い上がっている。いよいよ冊封の儀の当日、侍女・朶顔(タガン)は主人が所望していた薬が届いたと連絡を受け、早速、受け取りに向かったが…。その頃、乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は翊坤(ヨクコン)宮で皇后と朝餉を取っていた。すると烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)が侍女たちを下げ、第5皇子・永琪(エイキ)から報告があると伝える。そこですでに待機していた永琪を呼んだ。実は養心殿を訪ねた際に怪しい振る舞いの太監に気づいて調べてみたところ、機密事項などを探って外部に漏洩していたという。「豫嬪の手の者でした…他にも密かに薬を取り寄せていました、いかがわしい薬です 江侍医から説明させます」永琪と入れ替わり江与彬(コウヨヒン)が薬を持ってやって来た。豫嬪が取り寄せたのは男女の秘め事で用いる媚薬だったという。毒性はないが非常に強い薬効があり、中毒性が高く身体を害してしまう薬だった。「服用前の発見で何よりでした…」如懿は江与彬を下げると、波風を立てぬよう自分が豫嬪から聞き取りをすると申し出る。しかし面目を傷つけられた弘暦は自ら決着をつけに行くと決めた。弘暦はホルチン部の博爾済吉特氏を表向き妃に昇格させた。しかしそのまま生涯禁足を命じ、敬事(ケイジ)房にも豫妃の夜伽札を捨てるよう指示する。「朕の豫妃ではなく、紫禁城の豫妃として生きよ!」翊坤宮をあとにした永琪は江侍医のおかげで父がことなきを得たと喜んだ。すると江与彬も貝勒(ベイレ)に封じられた第5皇子に祝辞を述べる。永琪は笑顔を見せながら石段を上ろうとしたが、急に右足に激痛が走った。江与彬は足の持病を思い出し、腐骨疽(フコツソ)には冷えと疲労が禁物だと助言する。しかし永琪は不機嫌になって大騒ぎすることではないと叱った。「このことは父上の耳に入れるな」年の瀬も近くなる頃、出産を強行した炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)の動悸も包(ホウ)侍医の薬のおかげで治っていた。新しい手駒も薬で延命できる間に第五皇子の侍女にして籠絡してもらわねばならない。すると侍女・春嬋(シュンセン)が田蕓児(デンウンジ)を胡蕓角(コウンカク)と名を変えてすでに貝勒府に送り込んだと報告した。「ならば活躍を期待して待つとしましょう」雪の舞う夜、永琪が屋敷に帰ると、中庭で見覚えのない娘が雪だるまを作っていた。「新しく入った侍女か?」「胡蕓角と申します」そこで永琪は自ら雪だるまに鼻や目を入れて完成させる。物怖じせず無邪気な蕓角、これまで見たことのない面白い娘に政務一辺倒だった永琪は心が和んだ。季節は啓蟄、如懿と愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は時の流れの早さを実感していた。永琪も自邸を持ち、結婚して1年、しかし海蘭は永琪が福晋にあまり構わないと心配する。「気に入ってないのかしら?」「…格格(ゲゲ)を増やしてみたら?」如懿は永琪なら男女の情に溺れる質ではないはずだという。どちらにしても側女は福晋に及ばず、海蘭は如懿の意見に従って本人の好きに選ばせると決めた。田蕓児は永琪の心を手に入れることに成功した。永琪は胡蕓角を側仕えにすると、そのうち格格として迎え、いずれは側福晋にするという。抜かりない蕓角は福晋たちを尊重することも忘れず、気に入られていた。寒部から和睦の証しとして玉の仏像が届いた。さらに絶世の美女と評判の寒堤(カンテイ)の娘の肖像画も送られて来たという。名は寒香見(カンコウケン)、美しいだけではなく、民の評判もすこぶる高いらしい。そこで弘暦は将軍・兆恵(ジョーホイ)に娘の移送を命じることにした。春分、宮中に色々な花が咲き乱れる中、異郷の花々は珍しい。妃嬪たちの話題はもっぱら寒部が献上した美女のことだったが、いよいよ宴に寒香見が到着した。異郷の美しい衣をまとった寒香見はゆっくりと歩いて御前で拝跪すると、弘暦は面紗(メンシャ)を取れと命じる。その噂に違わぬ美しさ、弘暦は一瞬で寒香見に心を奪われた。移送を担当した兆恵は公主が清への敬意を表し、舞を披露したいと申し出ていると奏上したが、すっかり魅了された弘暦は放心している。すると李玉(リギョク)が咄嗟に声をかけ、弘暦はふと我に返った。寒香見は御前で舞を披露した。しかしやがて隠し持っていた小刀を抜き、皇帝に襲い掛かろうとする。御前侍衛が飛び出してすぐ寒香見を拘束、事なきを得たが、弘暦は手荒な真似はするなと言った。「香見公主、舞に夢中なあまり朕に近づきすぎたようだな だがなぜ自らを傷つけようとした?」「寒企(カンキ)ごめんなさい、この世では無理でもあなたと一緒に…」寒香見は侍衛の佩刀を奪って自害しようとしたが取り押さえられた。実は寒香見には許嫁がいた。しかし寒企は清へ向かう寒香見の馬車を追いかけ、寒香見の目の前で雪崩に巻き込まれてしまう。「お前が私を無理やり連れて来なければ寒企が命を落とすこともなかった!」皇帝への敵意をむき出しにする寒香見、しかし如懿は公主が和睦の証しであり、許嫁を追って自害すれば父親が窮地に追い込まれると諭した。すると弘暦は寒香見の心情に免じて罪を不問に付すと告げ、皇太后を唖然とさせる。寒香見の存在が後宮の安寧を脅かすと懸念した皇太后は、城下に投宿先を用意するよう命じ、皇帝から爵位をもらって故郷へ帰るよう勧めた。しかし寒香見を手放したくない弘暦は後宮で過ごさせると強行、しかも后妃でなければ入れない承乾(ショウケン)宮を使わせるという。さすがに皇太后も如懿も苦言を呈したが、弘暦は耳を貸さず、自分を恨んでいる寒香見を承乾宮の主人と決めた。如懿は海蘭と一緒に翊坤宮に戻った。予想外の出来事に驚いたという海蘭、皇帝は一体、どうしてしまったのか。「皇上はまるで寒香見に魂を奪われたかのよう…理知的な皇上があんなに夢中になるなんて…」如懿は戸惑いを隠せなかったが、海蘭は一時の気の迷いだとなだめた。入内した以上は仕方がない、皇帝の機嫌を損ねぬよう発言は慎重にしなくては…。しかし如懿はあの様子では耳を貸さないとぼやいた。慈寧(ジネイ)宮に戻った皇太后も驚いていた。皇帝はまるで寒香見に骨抜きにされよう、まさに一目惚れだろう。しかし寒香見が妃になるなど到底、容認できなかった。「傾国の美女であるな…ウム」寒香見は承乾宮に入った。次々と運び込まれる宝物、すると寒香見の側仕えとなった喜珀(キハク)が主人に挨拶し、皇帝からの下賜品だと告げる。しかし寒香見はいらないと憤慨し、全員さがれと命じた。紫禁城は雨になった。第3皇子・永璋(エイショウ)はこの2ヶ月、咳が続く母のため、鍾粋(ショウスイ)宮に薬を差し入れる。純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)は年のせいだと安心させたが、永璋は憂いに沈む心が原因だと分かっていた。「永璋?額娘は過ちを犯してしまった あなたを太子にしようとしたせいで、あなたまで皇上に疎まれるはめに…」「もう過ぎたことです」「でも分からないの、それ以外に額娘が何をしたのか… 何年、経つかしら?皇上から冷たく突き放されたままよ? 自分なりに努力して来たのに…何を間違ったの?なぜ皇上は冷淡なの?」永璋は父が人間不信なだけで母は悪くないとなぐさめた。母は妃嬪の中で最年長であり、何より3人の子を産んでいる貴妃なのだ。「憂うことは何もありません」蘇緑筠は息子の優しさに笑顔を見せ、心配ないと永璋を帰した。皇太后は皇帝を呼び、寒香見を是が非でも宮中に留め置くのかと迫った。すると弘暦は色恋ではなく、民の尊敬を集める寒香見を妃嬪に迎えることで清の寛大さを示せると最もらしい理由をつける。加えて婚族となれば関係がより強固なものになると言うのだ。皇太后は仕方なくあまり入れ込まぬよう釘を刺し、冊封は控えめにするよう助言する。「″過ぎたるは及ばざるが如し″です」( ๑≧ꇴ≦)あいじゃーパジャマでもさすが!w弘暦が承乾宮の様子を見にやって来た。しかし寒香見は弘暦に見向きもせず、背を向けたまま窓の外を見ている。喜珀はお茶を献上し、初日は泣いていたが、今は見ての通り遠くをただ眺めていると話した。下賜品には目もくれず、食事も口にしないという。「今日のところはこれで戻る」弘暦が声をかけたが、寒香見の耳には何も聞こえていないかのようだった。つづくついに香妃が来た〜‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››あ、そうそう、侍女の春嬋って嬿婉が女官だった頃の友だちだったのね?←遅っw
2020.02.02
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第69話「大局と忍耐」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は永寿(エイジュ)宮で自ら衛嬿婉(エイエンエン)を審問した。頑として潔白を訴え続ける嬿婉、いよいよ皇帝もあきらめるかと思った矢先に穎妃(エイヒ)・巴林(バリン)湄若(ビジャク)が現れる。「慶佑(ケイユウ)が″たまたま″1人でいる時に″たまたま″衛答応が居合わせて救ったと? 何でまたあの時分にあの場所にいたのかしら?」嬿婉は口ごもったが、咄嗟に侍女・春嬋(シュンセン)が第7公主の姿を見たくて儲秀(チョシュウ)宮に近い御花園で待ち続けていたと訴えた。すると湄若は赤子なら昼寝の時間だと指摘、そもそも秋風が強い時に外出などしないと呆れる。「もう秋なのね…(ホロリ」嬿婉は哀れな母親を演じ、我が子恋しさで風が強いことも気づかなかったと涙した。「璟妧(ケイゲン)を返せとは申しません、でもそれならもう1人お子を産ませてください」しかし弘暦はまだ結論がでないのか黙っている。湄若はこのまま皇帝が情に流されることを危惧し、衛答応(トウオウ)には養生が先だと割って入った。結局、弘暦は沙汰を下さぬまま、穎妃と一緒に儲秀宮へ食事に行ってしまう。釈放された衛嬿婉は固倫和敬(コリンワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)と接触した。そこで確かに第13皇子の件は母に罪があるが、それも自分のためを思ったからだと説明する。実は皇后から何度も虐待され、母は激情に駆られて皇后のお腹の子に仕返ししたと言うのだ。すでに母は亡くなったが、皇后は次に自分の死を願っているという。「実は…私は女官の頃、孝賢(コウケン)皇后に仕えていました、それで目の敵に…」璟瑟は嬿婉の口車に乗せられ、母の敵である烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)への当てつけに衛答応の復活に手を貸すことにした。↑同じだと思うホルチン部の王と娘婿から弘暦に親書が届いた。弘暦は如懿を養心殿へ呼び、親書に世子・慶佑を救った衛答応への感謝の言葉もあったと教える。つまりホンルチン部との良好な関係のために衛答応への追及を断念しろと言うのだ。自ら衛答応を審問した結果、関与したという証拠もなく、子がいなかった衛嬿婉が嫡子を狙う動機がないという。「つまり大局のために耐えろと?」これまでも我慢を強いられて来た如懿は唖然とした。衛嬿婉の企みによって親の顔さえ見ずに逝った永璟(エイケイ)、あれほど大切に育てながら非業の死を遂げた璟兕(ケイジ)、哀れな我が子を思うとやり切れない。しかし弘暦は父である前に一国の君主であり、如懿も国母だと迫った。するとあの気丈な如懿が目に涙を浮かべ、悔しさをにじませる。「承知しています、ではお尋ねします、皇上は心の底から衛嬿婉の仕業ではないと?」「…衛答応は女官の頃から朕に仕えてきた、朕が妃として育てあげたのだ 朕が毒婦を育てるとでも?」その言葉を聞いた如懿は弘暦にもはや何も言うことはなかった。「分かりました」衛嬿婉は璟瑟とホルチン部という新たな後ろ盾を得て寵愛を取り戻し、ついに懐妊した。公表したのは安定期に入ってからという用心深さ、報告を聞いた如懿は不満が募るが、今は耐えるしかない。しかし子供たちの件をあきらめるつもりなどなく、いつか必ず真相を解明するつもりだった。やがて衛嬿婉は第14皇子を出産、弘暦は永璐(エイロ)と名付け、衛答応を貴人に復位させる。復位は嬿婉が子を産んだ功を認めたものだが、弘暦は如懿に忍耐を強いた後ろめたさもあり、あからさまに嬿婉を厚遇することはなかった。今や天下は定まり、玉(ギョク)氏も清に忠実だった。蒙古の各部ともさらに緊密な関係となり、残るは寒部だけとなる。しかしジュンガルの敗北で恐れをなしたのか、寒部から和睦の意を表すと言って来た。果たして和睦の意を何で表してくれるのだろうか。そんな折、皇太后から新たな妃嬪候補の名簿に目を通すよう催促が来た。念願叶って皇子を産んだ衛嬿婉は続けて第9公主・璟妘(ケイウン) が生まれ、嬪に復位した。しかし皇帝が永璐と璟妘を寿康(ジュコウ)宮の太妃らに預け、面会もできない。嬿婉は子供を取り返すまで安心できないとぼやいた。すると春嬋は出産が続いた主人の身体を心配する。第7公主の出産で身体を損ねていた嬿婉は焦るあまり懐妊・出産を繰り返していた。この日は翊坤(ヨクコン)宮の議事、新たな妃たちも後宮での暮らしに慣れて来た頃だ。瑞貴人(スイキジン)・索綽倫(ソチョロン)氏、白常在(ハクジョウザイ)、陸(リク)常在、中でもホルチン部から嫁いだ豫(ヨ)嬪・博爾済吉特(ボルジギト)厄音珠(エインジュ)は位が一番高く、皇帝からも寵愛されている。しかし蒙古の妃たちは分別のない豫妃を避けていた。それにしても皇帝はすでに30歳の豫嬪をなぜこれほど寵愛するのか。その日、夜番の李玉(リギョク)は皇帝がまた豫嬪を召したと知って驚いた。寝所からは皇帝と豫嬪の戯れる声が聞こえ、その軽薄さに李玉は思わず耳栓を入れてしまう。如懿は愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)と御花園を散策していた。そろそろ年頃になった第5皇子・永琪(エイキ)の縁談が気になる海蘭、するとふと如懿の履物に目が留まる。「姐姐、今日は新しい履物ね?」「おととい届いたの、気に入ったなら同じ形の物を贈るわ」その夜、如懿は養心殿を訪ね、永琪の福晋について考えがあるか聞いてみた。すると弘暦はすでに㓵爾泰(オルタイ)の孫娘・西林覚羅(シリンギョロ)氏に決めてあるという。㓵爾泰は先帝の功臣で賢良祠(ケンリョウシ)に祭られていたが、甥の㓵昌(オチャン)が罪を犯して名を削除されていた。しかし孫に罪はなく、永琪が娶れば皇室の寛容さを示し、さらに㓵爾泰一族に対する慰めと励ましにもなるという。一方、衛嬿婉は新たな駒を手に入れた。田(デン)氏の娘・蕓児(ウンジ)は衛嬪が恩人と信じて女官として入宮し、皇后こそ母と弟の敵だと吹き込まれる。「あなたのお母様は濡れ衣を着せられたの 皇后娘娘の13阿哥の早世は皇后の高齢出産と体調不良が原因だった だから難産になり、産まれる前に死んでしまったの、お母様に責任はないわ 皇后は5公主の出産でも危険な状態だった、でもお母様の尽力で事なきを得たの 言わばお母様は皇后の命の恩人と言える、でも皇后は恩を仇で返したわ 子を亡くした悲しみからお母様を死に追いやったの、それだけじゃない 愉妃の甥に命じてあなたの弟まで殺した…」話を聞いた蕓児は皇后への恨みを募らせ、病で長生きできない運命だが、せめてその前に母と弟の敵を討ちたいと願った。そこで嬿婉は皇后の養子で愉妃の息子である第5皇子を懐柔するよう指示する。「5阿哥は最も優秀な皇上の息子、つまり皇后か愉妃を皇太后にできる可能性が高いの 私たちは皇后と愉妃に手出しできない、でも5阿哥になら近づける…」豫嬪は夜伽の翌朝になると決まって皇帝が眠っている隙に奏状を盗み見していた。寝宮に戻るとすぐその内容をしたため、侍女・朶顔(タガン)に託す。朶顔は仲間の宦官に密書を渡して王へ届けるよう命じ、例の薬を急ぐよう頼んだ。「毎夜、召されるとは限らない、お前は掃除の係よ、積極的に情報を集めて」その夜、養心殿に呼ばれた永琪は寒部の調査の件で父に褒められた。しかしその帰り、気になる清掃係に気づき、見かけない顔だと怪しむ。そこで永琪は自分の太監・小磊子(ショウライシ)に素性を調べるよう命じた。永琪は福晋を迎えたものの、忙しさにかまけて一緒に過ごす時間がなかった。海蘭は心配したが、如懿はまだ先は長いと笑う。すると偶然、涼亭で茶を飲む豫嬪の姿を見つけた。「ホルチン部出身の后妃は最低でも妃の位よ?なのに嬪の位だなんて悔しいわ」朶顔は皇帝がすぐ妃の位にすると約束していると安心させたが、豫嬪は妃でも不満らしい。「今の皇后は冷遇されている、皇上が愛想を尽かせば皇后の座は私のものよ 博爾済吉特氏こそ清の皇后にふさわしいわ~」「皇太極(ホンタイジ)の孝端(コウタン)皇后と孝荘(コウソウ)皇后、順治(ジュンチ)帝の孝恵(コウケイ)皇后も 博爾済吉特氏です、それに皇上の娘・和敬公主もホルチン部に輿入れを… 今の皇后は継皇后、ずっと皇后でいられるとは限りません」海蘭は憤慨し、そもそも豫嬪が妃になるなど聞いていないと呆れた。しかし如懿はもちろん皇帝の寝物語だという。侍女・容珮(ヨウハイ)は処罰すべきだと進言したが、如懿は鞭で野心は消せないと言った。その夜、弘暦は如懿と夕餉を共にしながら、予想通り豫嬪を妃に昇格させたいと言った。如懿はホルチン部との絆は大切だと同意し、位にふさわしい盛大な冊封式を執り行うと告げる。すると弘暦は同時に永琪を貝勒(ベイレ)に封じる儀式も合わせて行うと決めた。つづく( ತ _ತ)ますます気持ちが離れて行っちゃうわ〜ったく弘暦ったら
2020.01.27
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第68話「新たな後ろ盾」炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)は皇子を産めば全て好転すると信じて出産に臨んだが、一昼夜、苦しみぬいた末に生まれたのは第7公主だった。嬿婉は落胆し、自分が切り捨てた母と同じように公主など産んでも役に立たないと漏らす。一方、太監・進忠(シンチュウ)は炩妃の吉報を皇帝に伝えていた。しかし乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は娘に会いに行くことを拒み、さらに第6公主を失ってから元気がない穎(エイ)妃に第7公主を養育させると決める。巴林(バリン)湄若(ビジャク)は率直に炩妃が嫌いだと話し、同じ妃位の子を養育するのは宮中の掟に反すると言った。そこで弘暦は衛嬿婉の称号を剥奪、答応に降格する。烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)も養育の件に異論はなかったが、お産が済んだなら炩妃を引き続き調べたいと訴えた。弘暦は調査を認め、衛答応の処置はその後に下すという。その夜は激しい雨となった。産後の肥立ちも悪い中、衛嬿婉は助けを求めて慈寧(ジネイ)宮の門を叩く。しかし侍女・福珈(フクカ)が現れ、皇太后がかつて衛嬿婉を許したことを後悔していると教えた。「見捨てないで…以前のご恩は忘れていません、太后に尽くしたいの!」「母親に13阿哥を殺めさせたのが皇太后のためだとでも? そんな忠誠心を捧げられては迷惑です!二度と来ないでください!」嬿婉は他に頼る人などいないと食い下がったが、福珈に門前払いされてしまう。嬿婉はとぼとぼと歩き出したが、うっかり足を取られて転んだ。傘を差していた侍女・春嬋(シュンセン)は慌てて手を貸したが、主人に振り払われてしまう。「あっちへ行って!もう死にたい!」雨の中で泣き崩れる嬿婉、その時、ちょうど巡回中だった凌雲徹(リョウウンテツ)が通りかかった。嬿婉は恥も外聞もなく凌雲徹に泣きつき、助けて欲しいと訴える。しかし凌雲徹は炩妃こそ幾人もの命を奪ったと呆れ、今や陛下の妃嬪と侍衛という関係に過ぎないと突き放した。「分かったわ…だったらあなたも皇后を慕ってはダメよ!」悔しさのあまり暴言を浴びせる嬿婉、すると凌雲徹は嬿婉に手も貸さずにさっさと行ってしまう。儲秀(チョシュウ)宮は第7公主・璟妧(ケイゲン)を囲んで賑やかだった。湄若は公主の小さな靴に刺繍をしながら、自分は養育を任されただけだと漏らす。しかし恭常在(キョウジョウザイ)・林(リン)氏は産みの親より育ての親だと励ました。禧(キ)常在・西林覚羅(シリンギョロ)氏は衛答応が面会に来るのか心配したが、湄若は全て断ったという。「あの人の品格は周知のとおり、私の子として育てる公主に悪影響を与えて欲しくない」すると恪嬪(カクヒン)・拝爾果斯(バイルガス)氏は皇帝が穎妃を養母にしたのは蒙古を重視しているからだと言った。だからこそ皇帝も愛娘をホルチン部へ嫁がせたのだろう。如懿は内務府の支出管理を純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)に頼むことにした。そこで内務府総管太監・秦立(シンリツ)が帳簿を鍾粋(ショウスイ)宮に届ける。すると蘇緑筠は第7公主に気を配るよう指示し、思わず衛答応を蔑んだ。「永寿(エイジュ)宮にいる生みの親は放っておけばいい 皇子を殺め、実母すら死に追いやるなんて、人でなしよ …今の話を皇后娘娘に伝える必要はないわ」そう言えばもうすぐ蒙古へ嫁いだ固倫和敬(コリンワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)が子供を連れて戻ってくる。そこで蘇緑筠は内務府に周到に準備して迎えるよう命じた。弘暦は数年ぶりに愛娘と再会した。璟瑟を帰京させたのは娘婿・巴勒珠爾(バルジュル)が阿睦爾撒納(アムルサナ)の反乱を察知できずに起きた不祥事が原因で本来なら死罪、しかし娘を寡婦にするのは忍びない。璟瑟は父の心遣いに感謝したが、実はすでに夫婦関係は破綻していた。当初は幸せだった璟瑟、しかし出産で死にかけて子供を産めない身体になり、それから夫は妾を娶って自分を顧みなくなったいう。そこで璟瑟はこのまま都の屋敷に住み、ホルチン部へは戻らないことになった。如懿は妃嬪たちを集め、和敬公主を紹介した。すると璟瑟はいきなり第3皇子の母である純貴妃に妃嬪の役割は皇子を正しく教え導き、国の支柱に育てることだと説教し、皇后にはやたらと浪費が目につくと嫌味を言う。「今の清は繁栄しているわ、皇上が即位した頃とは状況が違うの」「そうですか…″去る者は日々に疎し″では?」皇后を諌める公主の姿に殿内は水を打ったように静かになった。璟瑟が翊坤宮を出ると侍女・崔(サイ)氏は胸がすく思いだった。「さすが嫡公主ですね、皇后をねじ伏せました」すると璟瑟は如懿への恨みを募らせた。「あの者は遠方に嫁ぐよう私に強要した その結果、母は健康を損ね、事故で亡くなってしまったわ(←関係ない 私も婚姻が破綻し、頼れる母を失った(←もっと関係ない あの者だけが幸せなんて絶対に許さない…」←まさに逆恨みw一方、如懿は弘暦の了解を得て衛嬿婉の周辺を徹底的に洗い出した。太監・三宝(サンポウ)の調査では太監・王蟾(オウセン)が火葬場で富貴児(フキジ)@62話によく似た犬を抱いていたことが分かったという。愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)も侍女・葉心(ヨウシン)に調べさせた所、衛嬿婉と田(デン)氏の密会を目撃した産婆もいると教えた。何でも王蟾を通じ永寿宮に呼ばれたとか。すると如懿は決断した。「王蟾を慎刑司で拷問して」進忠は王蟾を慎刑司に連行する三宝を見かけ、遠回しに口止めした。「一言でも間違えれば誰も救ってやれぬぞ」皇后の包囲網はすぐそこまで迫っている。その頃、鬱々と過ごしていた嬿婉は人目のない遊廊の片隅で時間を潰してた。するとあちこち探し回っていた進忠が慌ててやって来る。「王蟾が慎刑司に連行されました、皇后が13阿哥の件を調べています」嬿婉は王蟾の次に自分が追求されると気づき、立ちくらみを起こした。その時、小さな男の子が現れ、嬿婉の前に鞠を落として走って行ってしまう。進忠は和敬公主の息子だと気づくと、お付きの者たちが世子を探す声が聞こえた。世子は回廊の脇にある池のほとりで遊び始めている…。「進忠…思いついたわ」嬿婉は世子が落とした鞠を拾い、池の中にそっと転がり落とした。鞠に気づいた世子は手を伸ばして拾おうとしているうちに池に落下してしまう。嬿婉は世子を救うため池に飛び込むと、侍女・春嬋(シュンセン)が助けを呼んだ。「誰か!子供が池に落ちたわ!」すると世子のお付きや侍衛が駆けつけ無事に2人を池から救出する。これで和敬公主は恩に報いてくれるはず…。寒さに震えながら期待する嬿婉だったが、無情にも現れたのは三宝だった。「ずぶ濡れですがどうしました?着替える時間はありません、慎刑司へどうぞ」一方、進忠は皇帝に世子・慶佑(ケイユウ)が池に落ちたと報告していた。弘暦は目を離した乳母に激怒するが、進忠は危ないところを衛答応が救ったと告げる。思わぬ名前を聞いて弘暦と如懿は顔を見合わせたが、ともかく慶佑の元に急ぎ駆けつけた。璟瑟は恩人の衛答応が慎刑司に連行されたと知った。そこで父に衛答応に礼を伝えたいが、なぜ慎刑司にいるのか尋ねる。弘暦は衛答応の母親が第13皇子を殺め、手下が公主2人の死に関与していると話した。「衛答応も疑われている…」璟瑟はすぐ衛答応が皇后の敵だと気づき、罪があれば罰するべきだが、息子を救ってくれたのも事実だとかばう。邪魔が入るのを恐れた如懿は衛答応の疑いが晴れてからお礼を言っても遅くはないと言った。璟瑟はあからさまに反目はしなかったが、チクリと嫌味を言う。「父上、慎刑司の者をきっちり監視してください、慶佑の恩人が濡れ衣を着せられぬように…」↓( ತ _ತ)oO(璟瑟コイツッ…の図衛嬿婉は逆さ吊りにされた王蟾の前で尋問を受けた。田氏を呼ぶよう王蟾に命じたことがあるか聞かれた嬿婉は、舒(ジョ)妃の出産前と皇后が懐妊した時に呼んだと認める。「舒妃と皇后娘娘のお産について詳しく聞きたかったの、将来、私が子供を産む時のために…」すると暗がりから三宝が現れた。三宝は舒妃の出産前の話は聞いていないと王蟾に迫り、どうやら拷問が足りなかったらしいと脅す。拷問の恐ろしさに王蟾は泣き出し、衛答応が田氏を永寿宮に呼んだのは皇后が懐妊した時だと証言したが、舒妃の出産前に呼んだことは覚えていないと訴えた。そこで三宝は供述に食い違いがある時は衛答応を拷問するよう皇帝から命じられていると伝える。こうしてついに嬿婉は貼り付けにされ、水攻めが始まった。璟瑟は養心殿に父を訪ね、母ならむやみに妃嬪を慎刑司に送ることなど認めなかったと暗に如懿を非難した。噂によれば義母は衛答応が行宮で寵愛され不満だったとか。璟瑟は結局、如懿が嫉妬から死産を口実に敵を排除しようとしているに過ぎないと訴えた。しかしかえって父から公主が後宮の争いに口出しするなと叱られてしまう。弘暦は自分が天象を信じたばかりに如懿を苦しめたとかばい、子を殺めたのが衛答応の母親なら疑われても当然だと言った。すると璟瑟は天象の話も聞いたが、あながち戯れ言とは思えないと揺さぶる。かつて欽天監は母の死を予言し、舒妃の子のこともしかり、衛答応が首謀者だと言うのは義母の思い込みだろう。「実母を犠牲にする娘がこの世にいるでしょうか? 父上?衛答応を慎刑司から解放し、話を聞いてみるべきです」こうして衛嬿婉は新たな後ろ盾を手に入れた。進忠は急いで慎刑司へ駆けつけ、皇帝の命として拷問を受けている衛嬿婉を解放した。そこで進忠は罪を認めたらおしまいだと話し、頑として潔白を訴えるよう助言する。一方、如懿のもとにも衛嬿婉が釈放されたと報告が来た。衛答応の拷問は中止され、皇帝が直接、永寿宮で審問するという。「娘娘もおいでに?」「…穎妃に行かせて」弘暦は孫の慶佑を助けてくれた衛答応に感謝した。慶佑は璟瑟のたった1人の息子でホルチン部の唯一の嫡子だという。すると衛嬿婉は母の罪を認め、自分が皇后への不満を漏らしたり、色々な罰を受けたと話したことが原因だろうと言った。すでに母は処刑され自分も罰を受け、他に何をすれば信じてもらえるのかと訴える。そこで弘暦はなぜ田氏と密会したのか聞いた。嬿婉は初めての懐妊だったので田氏から話を聞きたかっただけだと嘘をつき、母と結託して悪事を企てるとは思いも寄らなかったという。しかし富貴児を王蟾に調教させたのは嬿婉のはずだ。あの時、璟兕(ケイジ)は永璂(エイキ)の衣を着ていて襲われた。本来の狙いは永璂だったのだろう。すると慌てた嬿婉は指を立て、涙ながらに誓いを立てた。「皇上!誓って私は無実です!考えてもみてください 皇子の母でもない私が嫡子を殺めて何の得があるのです?」嬿婉は無知な女官だった自分を育てのは皇帝だとすがりつき、信じて欲しいと懇願した。弘暦は情にほだされたのか、進忠に明確な証言がなければ王蟾を釈放するよう命じた。拝命した進忠は急いで出て行くと、入れ替わるように穎妃が公主を連れて現れる。「慶佑が″たまたま″1人でいる時に″たまたま″衛答応が居合わせて救ったと? それはまたすごい偶然ですね…でも何でまたあの時分にあの場所にいたのかしら?」つづく( ๑≧ꇴ≦)出たあああ~!璟瑟wwwあのバッファローみたいなツノで如懿が刺されるんじゃないかと思った(笑でもあっさり宮中衣装に戻ったのねそれにしても嬿婉と璟瑟のタッグってどんだけ罰ゲームなの〜(꒦ິ⌑꒦ີ)あらすじも3行にまとめたかったけどダメでした(←当たり前
2020.01.20
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第67話「非情な選択」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)が安華(アンカ)殿で祈祷していると凌雲徹(リョウウンテツ)がやって来た。愉妃(ユヒ)の甥・珂里葉特(ケリエテ)扎斉(ジャチ)が衛(エイ)府に出入りしており、炩(レイ)妃の弟・左禄(サロク)と酒を飲んでいたという。しかし目にしたのは一度きり、そこで凌雲徹は2人の間柄を徹底的に調べると言った。すると如懿はここまでで十分だと労い、あとは他の者に頼むことにする。侍女・容珮(ヨウハイ)はなぜ引き続き凌雲徹に頼まないのか分からなかったが、如懿は幼馴染の凌雲徹に罪を暴かせるのは酷だと気遣っていた。「李玉(リギョク)と江与彬(コウヨヒン)を呼んで」一方、永寿(エイジュ)宮では娘の懐妊で増長する衛氏が嬿婉が皇后になると言い出した。何でも占い師は嬿婉が皇后の相だと言ったとか、運はあるがただ宿命がないだけだという。しかし皇后はその逆で宿命はあるが運がないらしい。「皇后は天に見放されたと占い師が言ってたよ、引きずり落とせばいいじゃないか」さすがの嬿婉も恐ろしくなり、侍女・瀾翠(ランスイ)に目配せして外へ連れ出すよう合図した。この調子で母の皇后に対する罵詈雑言を誰かに聞かれでもしたら自分の命が危ない。嬿婉は頼りになるどころか自分を金蔓としか思っていない母にへき易した。その夜、衛氏の侍女・桃児(トウジ)は夫人が呪詛を唱えているのを目撃した。驚いた桃児は翌朝、養心殿の太監・李玉に報告する。李玉は正直に話した桃児を助けると約束し、詳しく様子を尋ねることにした。扎斉は拷問に耐えられず死亡した。李玉はすぐ皇帝に報告したが、結局、供述を変えないまま亡くなってしまったという。一方の珂里葉特海蘭(ハイラン)は関与を否認したままだった。愉妃には不利な状況だが、如懿が愉妃の無実を信じて疑っていないことから乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は頭が痛い。すると李玉はもう1つ報告があると上奏した。「あろうことか宮中と城下で呪術が広まっております」衛嬿婉が散歩から戻ると母がいなかった。瀾翠の話では皇后がお産経験のある妃と茶会をするので衛夫人も招かれたという。しかし衛氏を迎えに来たのがまさか皇帝の侍女・毓瑚(イクコ)だとは知らず、嬿婉は大して気にも留めなかった。翊坤(ヨクコン)宮に到着した衛氏はやはり皇后の住まいだけあって永寿宮と全然、格が違うと大はしゃぎだった。すると正殿には皇后だけでなく皇帝の姿もある。そして両側には純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)と穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)も同席していた。そこでまず如懿が口火を切る。「衛夫人の屋敷は都の城東でしたね?同じ城東に住むケリエテ氏と行き来はあるのかしら?」衛氏は愉妃の実家とは無縁だと断言したが…。その頃、凌雲徹は衛左禄を慎刑司に連行していた。一方、太監・進保(シンホ)は皇帝の命令で衛夫人が滞在している永寿宮の偏殿の捜索に向かう。寝耳に水だった嬿婉は憤慨して詔勅を要求したが、進保は翊坤宮の皇帝に確認して欲しいと言った。「翊坤宮?皇后の差し金なの?」どちらにせよ何も見つかるはずがない、嬿婉は黙って見守っていた。衛氏の前に呪詛の人形が運ばれた。これは皇后が懐妊中に施された呪術で、人を害し、子を傷つけ、子孫断絶が目的だという。衛氏は初めて見た人形だとしらばくれたが、如懿は罠を仕掛けていた。すると湄若がこの4つの人形は捜索した結果、衛府の四隅に埋められていたと鎌をかける。驚いた衛氏は思わず、人形は埋めずに自分の部屋に置いていたと口を滑らせた。回廊に控えていた太監・進忠(シンチュウ)は事の重大さに気づき、すぐ炩妃へ知らせることにする。しかし翊坤宮の太監・三宝(サンポウ)に止められた。「皇上はここを動かぬようにと…命令には従いましょうか」進忠は咄嗟に皇帝に菓子でも出そうと思ったと取り繕い、あきらめるしかなかった。衛氏は嘘がバレても自分は潔白だとの一点張りだった。すると今度は蘇緑筠が扎斉の証言として″衛府で愉妃を陥れる謀議をした、その時、衛夫人が針まみれの人形を作り、屋敷の隅に埋めていた″と鎌をかける。「ジャチときたら!うちで飲み食いしておきながら、私に濡れ衣を着せるなんてあんまりだ!」衛氏は愉妃の実家とは無縁と言ったことも忘れ、あっさり馬脚をあらわした。それでもやはり自分は呪術や謀略に一切、関わっていないと訴える。そこでさらに蘇緑筠が畳み掛けた。「愉妃に代わりジャチは産婆の田(デン)氏に命じ、13阿哥を死産に… ジャチはあなたも共犯だと証言したわ」「皇子を呪うなど大罪、皇上!ここに誓います!皇后、皇子、愉妃を呪ったことはありません!」しかし衛府から呪術の証拠が見つかったのは事実、蘇緑筠と湄若は炩妃も無関係ではないと推察した。一方、永寿宮の偏殿を捜索していた進保も呪術の人形を発見した。何も知らなかった衛嬿婉は困惑するが、実は衛府でも皇后を呪う人形が見つかったと知る。焦った衛嬿婉はともかく急ぎ皇帝のもとへ行かなくてはならないと輿に乗った。衛氏は頑なに自分の罪を認めなかった。しかし息子の衛左禄が尋問されていると聞くや否や顔色が一変する。そこへ凌雲徹が衛左禄の供述書を持ってやって来た。ただ衛左禄は学がなく読み書きができないため、書きなぐった字が何なのかさっぱり分からない。すると凌雲徹は衛左禄が恐怖のあまり何もかも白状したと報告した。「呪術は女子のすることであり左禄は知らぬと… 一方で愉妃への不満や田俊(デンシュン)殺害についてはジャチから聞かされていたと認めました 裏付けも取れており事実かと思います」衛夫人は炩妃から銀票を受け取ると左禄を通じて扎斉に渡し、銀票は両替商に預けさせていた。さらに出どころを聞かれたら愉妃からだと答えるよう扎斉に命じていたという。海蘭が甥に銀票を渡すのに炩妃を介す必要はなく、蘇緑筠は明らかに愉妃を陥れるため炩妃と謀ったのだと指摘した。「違います!」「でも左禄は認めているわ、偽証なら拷問しなくては…」いよいよ追い詰められる衛夫人、そこへ進保が永寿宮偏殿から見つかった呪いの人形を持って来た。衛嬿婉の輿がようやく翊坤宮に到着した。門衛は出入り禁止だと止めたが、進忠が皇帝が呼んだと嘘をついて中に引き入れる。進忠は左禄が愉妃を陥れたと認めたと伝え、衛夫人が全て白状するのも時間の問題だと言った。「ご自身の身を第一に、邪魔者は切り捨てれば良いのです …早く中に入ってご自身の潔白を主張し、子を盾に同情を買うのです!生き残ってください!」衛嬿婉は大きなお腹を突き出し、涙ながらに母の元へ駆け寄った。衛氏は娘に泣きつきそうになったが、嬿婉からまだ幼い弟のためにも罪を全て話すよう迫られる。娘に切り捨てられたと知った衛氏は呆然、しかし息子を何としても助けなければならなかった。「皇上!お調べの通りで間違いありません…ですが左禄と炩妃娘娘は無関係です 左禄は母である私の命令に従っただけなんです…」衛氏は自分の娘が皇妃たちと寵愛を競えるほど賢くないと嘆き、心配のあまり皇后を呪ったと認めた。浅はかな母親と哀れな娘…。如懿は目の前で繰り広げられる茶番になかば呆れていたが、弘暦は後宮を混乱させた大罪で衛夫人に死を賜った。すると嬿婉がその場で突然、破水してしまう。弘暦は仕方なく炩妃の尋問を出産後に延期、如懿は慎刑司の海蘭を迎えに行くことにした。衛嬿婉が輿に乗って永寿宮へ戻る道すがら、刑場へ連行される母と出くわした。そこで進忠は哀れな母娘に最期の別れをさせてやることにする。すると嬿婉は母の手を取り、守れなかったことを謝罪した。「…自分のために母親まで切り捨てるとはね…やっぱり娘は頼りにならない」「私も自分だけで精一杯なの…」←( ๑≧ꇴ≦)ちょw嬿婉は弟の面倒を見ると約束して安心させたが、衛氏は無念の思いを伝えた。「私たちが愚かだったんだ…やっと分かったよ、あの女を倒せば良かった 死産くらいでは皇后の座は揺るがない、あの女を必ず仕留めなさい 皇后の座を奪い、苦しめてやるんだよ」そこへ進忠が駆け寄り、ここまでだと言って衛夫人を引き離した。海蘭は無事に解放された。皇后が迎えに来ていると聞いた海蘭はやはり自分を信じてくれていたと安堵する。如懿は海蘭と歩きながら、攻撃は最大の防御だと言った。「永寿宮での呪術は事実だから鎌をかけてみたの まさかこれほど大胆な謀略を巡らせていたとはね…恐れいったわ」「でも13阿哥の命と炩妃の母親の命では釣り合いが取れないわね…」しかし如懿は炩妃の関与も疑っていると話し、永璟(エイケイ)のためにも引き続き調べると言った。衛嬿婉は母の死罪で動揺したのか難産だった。心配で仕方がない進忠は回廊で手を合わせながら炩妃と子供の無事を祈っている。一方、延禧(エンキ)宮に戻った海蘭は久しぶりに第5皇子・永琪(エイキ)と過ごしていた。永琪の話では衛夫人の遺体は自宅に戻され、左禄は罪を許されるまで辺地の防衛に行かされるという。すると海蘭はすっかり暗くなったことに気づき、炩妃の様子を聞いた。侍女・葉心(ヨウシン)は初産なので難産だろうと伝えたが…。衛嬿婉の悲鳴が響き渡る永寿宮に葉心がやって来た。進忠は慌てて取り込み中だと止めたが、葉心は女の自分は入れるという。すると葉心は殿内に入り、取り込み中の寝所に向かって叫んだ。「炩妃娘娘~!ご報告に参りました~!母君がお亡くなりになりました~! 弟の左禄殿は罰として辺地の防衛だとか、ほんと~にお気の毒ですこと~! 母君を弔う方もおらず、無人の屋敷にご遺体だけなんて~! 弟君も辺地で無事だといいですが~炩妃娘娘?聞こえていますか?」「うるさいっ!」侍女・春嬋(シュンセン)は帳から顔を出して激怒すると、葉心はそこで帰ることにした。「出産のご無事をお祈りしておりま~す!」夜が明けるとついに永寿宮から元気な赤子の泣き声が聞こえた。「生まれた!生まれたぞ!私たちの希望の星が!」一晩中、待っていた進忠は外へ出て来た産婆を捕まえ性別を尋ねたが、公主だったと知る。しかし炩妃と公主が健やかならそれでいい。ただ衛嬿婉は出産時の出血がひどく、身体を損ねていた。この先2年は懐妊が難しく、無理に懐妊しても子供は健やかに育たないという。つづく(  ̄꒳ ̄)ちょっと進忠の立ち位置が…一体、どうしたいのかw
2020.01.19
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第66話「深い溝」皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は第13皇子を亡くし、失意の底にいた。そんな時、御前自衛・凌雲徹(リョウウンテツ)が第12皇子・永璂(エイキ)を送り届けるため翊坤宮に現れる。如懿はその機に凌雲徹を引き止め、辛い胸の内を明かした。「田(デン)氏は死んだけど、ずっと不安でたまらないの…もし時間があればこの件を調べて欲しい 難しいとは思う、証人は死んでしまったし、下手をすればあなたの出世を妨げるかも…」「娘娘、ご心配なく、娘娘のために全力を尽くします」凌雲徹の力強い言葉を聞いた如懿はこらえきれず、しゃくり上げて泣いてしまう。「凌雲徹…ありがとう… もしこの件の真相がはっきりすれば…永璟も黄泉の国で安らかに眠れると思うの…」凌雲徹はこれまで皇后の幸せを陰ながら見守って来たが、愛しい人の悲嘆に暮れる姿は見るに忍びなかった。「…冷宮で出会った頃はお互いどん底でしたね、支え合うことしかできませんでした」すると如懿は昔を懐かしみ、かすかに口角を上げる。「私にできることならどんなことでも、命をかけて力を尽くします、ご心配なく」「この宮中で頼れる人は少ない…頼み事ができるのはあなたとハイランだけよ…ありがとう」「遠慮は無用です」如懿の信頼は凌雲徹にとって何よりも代えがたいものだった。そこへ皇太后の使いがやって来る。何でも皇太后が皇后と第12皇子を呼んでいるというのだ。皇太后は永璂のため菓子を用意して待っていた。「好きなものをお食べ、永璂、何でも選びなさい」(๑ •·̫•)<多謝皇瑪嬤~ぺこりすると皇太后は永璂に侍女·福珈(フクカ)と遊んでくるよう促し、沈んでいる如懿に助言した。本来なら皇帝こそ悲しみを最も慰め合える相手のはずだが、互いを避けていては苦しみを深めるだけだという。しかも如懿は妃嬪の集まりを月3回に減らしていた。今や賑わうのは永寿宮で、皇后の翊坤宮は寂しい限りだ。しかし如懿は今は静かに過ごす方が心が休まるという。皇太后は同じ母として如懿の悲しみに寄り添いながら、皇帝が健在ならば次が生まれると励まし、如懿から歩み寄るよう諭した。「皇帝に会いに行きなさい」凌雲徹は屋敷に戻っても書斎でひとりで寝ていた。すると夫のうなされる声に気づき、茂倩(モセイ)が様子を見に来る。「どうか悲しまないで…お願いです…泣かないで…お願いです…悲しまないで…」永寿宮の侍女・瀾翠(ランスイ)は凌雲徹の旧友・趙九宵(チョウキュウショウ)からまた新しい情報を手に入れた。実は凌雲徹が最近、良く城外へ出かけるが、どうやら皇后の使いだという。その頃、凌雲徹は自害した産婆・田氏の息子・田俊(デンシュン)の居場所を突き止めていた。田俊は母からもらった500両もの銀票を持って身を隠していたが、とても産婆が稼げる金額ではないと恐ろしくなったという。「お袋が言ってました、愉妃(ユヒ)の手伝いをしたと、それに身の危険を感じるとも…」「愉妃だと?!」炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)は凌雲徹が田俊を探し当てたと知っても気にしなかった。実は田氏にはあらかじめ息子の前で″愉妃を手伝った″と言うよう命じてある。しかも愉妃と仲の悪い甥・扎斉(ジャチ)を利用し、田氏には扎斉の銀票を渡していた。「皇后の調べが進めば面白くなるわね…」そこで嬿婉は侍女・春嬋(シュンセン)に″扎斉の出番だ″と母に連絡するよう命じた。凌雲徹は翊坤宮を訪ね、人払いしてから田氏の周辺を調べたと報告した。実は息子の田俊が多額の銀票を所持していたが、出所は珂里葉特(ケリエテ)扎斉という者だという。「この扎斉は…愉妃の甥御です」如懿は何かの間違いだと目を丸くした。しかし田俊の証言によれば、愉妃の命令で田氏は第13皇子を殺めたのだという。如懿も容珮も到底、信じられず、何より動機がないと否定した。すると凌雲徹は扎斉が常々、周囲の者に″皇后に嫡子がいては第5皇子が皇太子になれない″と言っていたと伝える。「これが事実なら、愉妃には動機があると言えます」その頃、延禧(エンキ)宮が突然、侍衛たちに包囲されていた。報告を受けた海蘭は何事かと門を開けると、養心殿の太監・進忠(シンチュウ)が立っている。「愉妃娘娘に皇上の命にてお尋ねしたことが… 皇后娘娘のお産の時に第13皇子を殺すよう指図しましたね? ご存知でしょうが産婆・田氏の一人息子・田俊が死にました、下手人は愉妃の甥御の扎斉です」延禧宮の騒ぎはすぐ翊坤宮にも届いた。海蘭が皇帝の命で慎刑司に連行されたというが、凌雲徹はまだ誰にも話していないと釈明し、戸惑う。「やはり怪しいわ…」如懿は太監・三宝(サンポウ)にすぐ調べるよう命じた。進忠は愉妃を慎刑司に連行、そこで貼り付けにされた扎斉と会わせた。傷だらけの扎斉は叔母の姿に気づき、拷問に耐えきれず叔母の指示だと白状してしまったという。「俺は無関係だと証言してくれ…でないと殺されちまう…」すると扎斉は叔母が田氏に赤子を殺させたと改めて訴えた。「この恥知らずめ!お前とは縁を切る!自分の罪は自分で償うのね!」呆れた海蘭は甥を見限り、進忠に自分を拷問にかければいいと挑発した。進忠は不敵な笑みを浮かべ、皇帝の妃である海蘭をあろうことか罪人用の牢へ案内する。「証人も証拠もあります、あとは自供だけ…いずれは囚人です 牢に慣れておくのもよろしいかと(ニヤリ」「…慎刑司に来たのは濡れ衣を晴らすため、何を吐けというのかしら?(フッ」何らやましいことがない海蘭は堂々と牢に入った。弘暦が数ヶ月ぶりに翊坤(ヨクコン)宮にやって来た。はしゃいで知らせに来た侍女とは対照的に、如懿は眉をぴくりとも動かさず、拝跪して出迎える。弘暦は如懿が痩せたようだと言ったが、如懿は以前と変わらないとそっけなかった。すると弘暦は机の上に経幡(キョウバン)があることに気づき、話題を変える。「丁寧な作りだな」「永璟(エイケイ)の冥福のためです、手は抜けません」第13皇子の名前が出ると、弘暦は再び悲しみに襲われ黙り込んでしまう。容珮は侍女たちを連れて下がったが、如懿と弘暦は互いに一言も話さなかった。容珮がお茶と菓子を献上し、皇帝と皇后の沈黙を破った。何とか2人の溝を埋める手助けをしたい容珮は、皇帝には梅の花を使う暗香(アンコウ)汁を出す。これは如懿が得意とする逸品、弘暦は豊かな香りを楽しみ、ずっと如懿の暗香汁を飲みたかったと言った。皇帝の言葉を聞いた容珮は安心して下がると、弘暦はようやく本心を明かす。「永璟の早世後、そなたを案じていた、だが一歩が踏み出せなかった 永璟は田氏に殺されたと思っていたが、まさか田氏の背後に愉妃の指図があったとは…」弘暦は如懿が凌雲徹に密かに調べさせていると知っていた。凌雲徹が田俊を見つけたため、発覚を恐れた愉妃が甥に殺せと命じたのだろう。しかし如懿はどうしても腑に落ちないと訴えた。弘暦も確かに分をわきまえている愉妃にどんな動機があるのか理解できなかったという。愉妃は寵愛はもとより栄華や地位、褒美も求めようとはしなかったからだ。ただし第5皇子・永琪(エイキ)の立場を守るためだとしたら…。如懿は弘暦の推察に半ば呆れた。長い付き合いのある海蘭なら自分の子供を殺す機会など幾度もあったはず、何より嫡子への妬みなら永璂を殺すだろう。「私は愉妃と支え合って生きて来ました、愉妃が黒幕だなど信じません」「ルーイーや、朕も若い頃は周囲の者を信じていた だが父に冷遇され、母は利己的、兄弟が争い、妹は疎遠に… 朕の妃嬪や子供たちさえ腹黒い考えを持ち、暗殺さえ企む …信用など水に映った月に過ぎぬ」弘暦の苦労を知っている如懿は理解を示したが、扎斉の証言など意味がないことを強調した。「孝行者なら叔母をかばうはず、でもすぐに″黒幕は叔母だ″と… この手の輩は金で釣れば簡単に偽証します、皇上、冤罪にならぬよう徹底的に真相の解明を…」如懿が拝跪して嘆願すると、弘暦は如懿を立たせてやった。「案ずるな、永璟のため真相を突き止める…夕餉の時間だ、今宵は翊坤宮で膳を共にしよう」「…皇上、6公主を失い穎(エイ)妃がお子を欲しがっています、皇上には穎妃のお相手を」「…さすがは後宮の主だ、頭が下がる」弘暦が帰ると如懿はただ黙ったまま座っていた。容珮は皇帝が折れてくれたのに皇后が追い返しては皇帝の体面にも傷がつくと困惑する。2人の間の溝は第13皇子の早世が原因だと察するが、皇帝の足が遠のいたのも皇子の死を悲しむゆえだろう。すると如懿がようやく重い口を開いた。「永璟の死でやっと悟った…皇上は親子の情や夫婦の絆よりも、漠然とした星のお告げを信じている」この一件は如懿の心に簡単には消せないわだかまりを残すことになった。収監された海蘭は食事を拒否していた。食事係の宦官は第5皇子が何度も面会に来ていたと教え、とても心配しているという。「自白を拒めば更に苦しい思いをすることになりますよ?」すると海蘭は宦官に皇后に合わせて欲しいと頼んだ。その日、翊坤宮では妃嬪の集まりがあった。誰もが愉妃をかばう中、衛嬿婉だけは人の悪意をどう防げば良いのだろうと非難する。すかさず巴林(バリン)湄若(ビジャク)は愉妃を有罪と決めつけているみたいだと指摘した。慌てた嬿婉はふとそう思っただけだと取り繕う。そこへ容珮が駆けつけ、愉妃が皇后との面会を求めていると報告した。しかし如懿はあえて愉妃には皇子殺しの疑いがあると公言する。「全て慎刑司に任せてある、私には何もできない」すると如懿は初産の炩妃に声をかけた。「母君が来たので安心でしょう?江寧(コウネイ)の絹織物を贈りましょう 母君に衣を新調して差し上げて」「皇后娘娘、感謝いたします、先日も母のために献上品の阿膠(アキョウ)を頂きました」妃嬪たちは皇后の厚遇に思わず顔をしかめた。位もない炩妃の母親が宮中でかっ歩しているのは周知の事実、後宮の誰もが快く思っていなかった。衛氏は娘の出世のおかげでこの世の春を満喫していた。今や都で嬿婉が準備してくれた広い屋敷に息子と2人で住み、侍女までいる。永寿宮に来れば娘が持っている装飾品を手に入れ、見たこともない香水を振りまいた。嬿婉は母親の浮かれた言動に眉をひそめたが、衛氏は母親を馬鹿にしているのかと憤慨する。「この幸運を手にできたのも私のおかげじゃないか?! 私に孝行するんだね、弟の出世も頼んだよ?」裏工作を母に任せた手前、嬿婉はあまり強くも出られなかった。つづく§ ̄꒳ ̄)b<信用など水に映った月に過ぎぬ〜って誰が上手いこと言えとwもう皇帝にわだかまりまくりです(笑それにしても嬿婉ママ、いかにも何かやってくれそうで期待(^ꇴ^)
2020.01.13
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第65話「悲しみの雪」皇后が産気づいたのはちょうど陽が傾いた頃だった。知らせを聞いた婉嬪(エンヒン)・陳婉茵(チンエンイン)はどうにも落ち着かず、鍾粋(ショウスイ)宮を訪ねて純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)と一緒に経を読むことにする。その頃、翊坤(ヨクコン)宮では烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)の苦しそうなうめき声が聞こえていた。侍医・江与彬(コウヨヒン)の言った通り予定より2ヶ月も早く、逆子のために難産が予想される。偏殿で待機していた乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)と愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は気が気でないが、必ず無事に生まれると太鼓判を押す欽天監を信じて待った。「公主なら固倫(コリン)の称号を授けよう 皇子なら名前は…″永璟(エイケイ)″だ、″玉の輝き″の意だ」弘暦は早速、名前を決めると、欽天監もこれ以上の名前は他にないと絶賛した。明け方になってもまだ子供は生まれなかった。永寿(エイジュ)宮では炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)が侍女・春嬋(シュンセン)に事が済んだら産婆の田(デン)氏に約束通り包(ホウ)侍医の処方を渡すよう命じておく。娘を溺愛する田氏は病が治ると信じているようだが、遺伝による難病では完治するはずがなかった。実は包侍医の処方はあくまで苦痛を緩和するだけに過ぎない。春嬋は田氏に処方が無用だとバレるのではと心配したが、嬿婉は気にしていなかった。「…皇后のお産で失敗して無事でいられると思う?」陽が高くなる頃、如懿は苦しみ抜いた末に皇子を出産、そのまま気を失った。江与彬は偏殿で待つ皇帝の元へ産婆を連れて駆けつけたが、田氏の思わぬ報告に弘暦は立ちくらみを起こす。皇后は確かに皇子を産んだが、実は生まれた時にすでに息がなかった。「皇后娘娘はご高齢で身体の機能も衰えています、お腹の子も胎位が異常だったうえ、 早産という不運が重なったためです」弘暦は天意を受けた子のはずだと激高し、欽天監をいきなり蹴り飛ばした。恐れおののいた田氏は、民間では母親の運が強すぎると死産になるという言い伝えがあると訴える。その話を聞いた欽天監は自らの保身のため、どさくさに紛れて便乗した。「皇上!皇后娘娘は戊戌(ボジュツ)の年、2月10日、酉3刻の生まれ、強運の持ち主です 紫微星と合わされば吉祥の子が誕生します、ですが皇后娘娘の強運が紫微星をはねのけたのです つまり夫の運を妨げ、子を害する不吉な相なのです!」激怒した海蘭はひざまずき、妄言を吐いた欽天監と田氏に裁きをと嘆願する。驚いた欽天監は生母が克死させたのだと責任逃れ、第5公主が幼くして亡くなったのも皇后の命運が影響していたと畳み掛けた。しかし結局、産婆たち全員が罷免となり、皇后を侮辱した欽天監も職を解かれ追放されてしまう。皇子への期待が高かっただけに弘暦の失望は大きかった。如懿の様子を見には来たものの、第13皇子の亡骸とは対面せず、如懿が目を覚ますのを待たずに帰ってしまう。…乾隆20年、皇13子・永璟逝去、悼瑞(トウスイ)皇子に追贈され端慧(タンケイ)皇太子の陵墓に埋葬…如懿はなかなか目を覚まさなかった。海蘭は如懿が再び子を失ったと知った時の悲しみを思うと胸が痛い。外はまた雪が降り出した。「寒さは人を苦しめるわ…」そこへ皇后を心配した蘇緑筠と穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)が駆けつけた。如懿が目を覚ますと海蘭たちの心配そうな顔が見えた。「?赤ん坊は?会いたいわ」「姐姐…13阿哥は姐姐と縁がなく、先に逝ってしまったの…」海蘭は隠してもいずれ分かることだと覚悟し、実は難産でお産に時間がかかり子供を守れなかったと伝えた。まだ意識が戻ったばかりの如懿は何とか事情を飲み込もうとしながら、子供はどこなのか尋ねる。しかし皇子は皇帝の計らいですでに送り出されていた。「…欽天監は吉祥の子と言ってなかった?その子がなぜ?なぜ生まれてすぐ亡くなるの?」「口から出まかせです…ある時は吉祥の子と言い、ある時は皇后娘娘が克死させたと…」湄若はうっかり口を滑らせ、海蘭と蘇緑筠に止められた。咄嗟に海蘭は欽天監なら罷免されたと安心させ、皇帝が第13皇子に永璟と名付けたと教える。「…皇上は?」「皇上は朝議に行ったわ、あとでお越しになる」「永…?」如懿は名前を聞き直した。「永璟…」海蘭が改めて名前を教えると、如懿は堰を切ったように泣き出した。。゚(∩ω∩`)゚。その夜、欽天監が荷物をまとめていると、春嬋が口止め料を持って来た。指をなめては銀票の枚数を数える欽天監、すると銀票に仕込まれた毒で暗殺されてしまう。すると春嬋はお茶にも同じ毒を入れ、欽天監が自害したと偽装して出て行った。如懿は意識が戻ったものの、今度は眠れなくなった。江与彬は滋養のつく眠り薬を届けたが、如懿はどうしても納得がいかない。「江与彬?この7ヶ月あなたは毎日、私の脈を診ていたけど問題なかったでしょう?」「確かに安定していました」しかし侍医は出産には立ち会えず、離れて見守ることしかできなかったという。するとこれまで黙っていた容珮(ヨウハイ)が我慢できず本音を漏らした。「田氏はひと月かけても胎位を直せませんでした 分娩時は一晩中さすって皇后娘娘に苦痛を与えるも…結局、死産でした 娘娘、私は何か裏があると思います」「…逆子のことは田氏にしか分からない、産婆たちを尋問するよう皇上にお願いして」弘暦は如懿の希望ならと産婆の尋問を認めた。「少しは心が慰められるだろう…」乾隆帝の侍女・毓瑚(イクコ)は拝命し、実は欽天監が自害したと報告する。弘暦は自業自得だとしながらも、歴代の君主が重視してきた天象を完全に否定できなかった。「皇后娘娘にお会いにならないのですか? 皇后娘娘が皇子を克死させたと本気で信じていらっしゃると?」「信じたくはない、だが皇后は…まあいい、やめよう」産婆たちは収監され、慎刑司で尋問が始まった。一方、容珮は衰弱した主人を心配して薬湯を勧めていたが、如懿は飲もうとしない。「眠れないの…目を閉じると………お腹に永璟がいるようで…」。゚(∩ω∩`)゚。容珮は涙があふれそうになるのを必死でこらえ、何とか平静を装った。しかしやはり如懿は薬湯を拒否、ただ一点だけを見つめ、大粒の涙をこぼしている…。容珮はこんな時に皇帝がそばにいてくれたらと恨めしいが、主人には皇帝も多忙なだけで皇后を忘れたわけではないと励ますしかなかった。尋問の末、田氏は誰かの指示ではなく、個人的な恨みで皇后のお産をわざと長引かせたと白状した。すると事の顛末を聞いた弘暦がようやく翊坤宮に現れる。「悪辣な田氏は自ら命を絶った…もう忘れて養生に努めよ」しかし如懿は合点がいかず、動機は何かと聞いた。報告によれば第5公主の出産の時、産婆の褒美を半分に減らしたことへの恨みだという。当時、田氏はちょうど金に困っており、手当の減額に怒っていたらしい。如懿はそんな理由で皇子を殺めるなど到底、考えられないと憤った。すると弘暦は思わず本音が出てしまう。「田氏だけが悪いわけではない、朕は永璟の誕生を待ち望んでいた だが紫微星はそなたの命運と合わず、子も死んだ…」「皇上はつまり私が克死させたと?欽天監は正しかったとおっしゃりたいのですか?」「…もうやめよ、永璟の話題は耐えられぬ、もう忘れたい 互いに傷が癒えたらまた会おう」弘暦は如懿の目をまともに見れないまま、翊坤宮を出て行った。弘暦の態度にただ唖然となる如懿…。そんな如懿を慰めてくれたのは、まだ幼い第12皇子・永璂(エイキ) だった。「額娘~弟弟が死んで妹妹も死んでしまいましたが、額娘には私がいます」。゚(∩ω∩`)゚。その頃、田氏の亡骸が密かに城外へ運び出されていた。その様子を衛嬿婉と春嬋が楼閣からながめている。「抜かりはないわね?」「はい、そばに進忠(シンチュウ)太監がいたので余計なことは言えなかったようです」「息子や娘を盾に脅されたら逆らえないわ」「…息子は私たちと接点がありませんが、娘は包侍医の処方を持っています」そこで嬿婉は春嬋が城外へ出た折に娘を訪ねるよう命じた。宮中では皇后が娘も息子も克死させた強運の持ち主で、占い師によると天涯孤独の命運、子供の次は夫を死なせるとまことしやかに囁かれていた。翊坤宮では巴林湄若が嫌な噂ばかりだと嘆き、皇帝に舌を切ってもらおうと訴える。しかし如懿はバリン部が功績を立てて寵愛されている穎妃に関わらないよう忠告した。「感情に任せて台無しにしてはだめよ」根も葉もない噂は宮中ではありふれたことだ。如懿も割り切ってはいたが、疑いの目は鋭利な刃物より心に刺さるとこぼす。すると海蘭が容珮に第12皇子を養心殿へ連れて行かせたと教えた。「皇上も12阿哥の顔を見れば心が慰められるかも…」子はかすがい、海蘭は疎遠となった2人の関係を修復させようと思ったが…。永璂が養心殿を訪ねるとちょうど炩妃が来ていた。(๑ •·̫•)<兒臣請皇阿瑪っあ〜、炩娘娘ぁ弘暦は永璂を近くに呼び、父に会いたい時はいつでも来るよう告げる。「では母上が父上に会いたい時は?」「…母上は父上に会いたくないのだ」弘暦は永璂の言葉に胸が痛み、李玉(リギョク)と凌雲徹(リョウウンテツ)に永璂を送っていくよう命じた。「父上、御花園で母上の好きな梅の花を摘みたいのです」「では寄って行くといい、李玉、頼んだぞ」永璂は李玉と凌雲徹と手を繋いでまだ雪が残る御花園にやって来た。「母上は梅の花が大好きなんだ 毎年、冬になると父上から梅の花が届くのに今年は届かない…」李玉は咄嗟にそのうち届くと伝え、幼い皇子の不安を和らげた。「母上は何色の花が好きか知っているか?」「12阿哥、私が当ててみましょう…緑色と白です、咲いていなければ紅梅でも良い」凌雲徹の返答に永璂は感心すると、背の高い凌雲徹に抱き上げてもらい自分で梅の枝を折った。如懿は床を離れてから写経に没頭していた。この数日ですでに99巻も書き写している。そこへ元気な声で永璂が帰って来た。<額娘~っ!我回来啦~!(((๑ •·̫•)<請額娘あ~永璂は母に梅の花を贈ると活けて欲しいと頼み、容珮が着替えに連れて行った。すると如懿は凌雲徹を引き止め、話したいことがあるという。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)如懿に泣かされた~でも新年にはちょっと重過ぎるwそれにしても12阿哥が可愛過ぎる〜( ๑≧ꇴ≦)
2020.01.12
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第64話「虚しい最後」皇帝の逆鱗に触れた金玉妍(キンギョクケン)は庶子に落とされ、生涯禁足となった。すると途端に玉(ギョク)氏の王が若く美しい娘を皇帝に献上、しかも金玉妍を見限る密書を送ってくる。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は密書の内容に呆れ、烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)に渡した。どうやら玉氏の王は自分が潔白だと言いたいらしい。「変わり身が早過ぎます、肝心なのは皇上がどうなさりたいか…」「…金氏は自業自得だ、死ぬまで放置しておけ」ある夜、養心殿の太監・進忠(シンチュウ)は欽天監を訪ねた。「吉祥の子は無事に産まれますか?」「もちろんだ、吉祥なだけに必ず無事に生まれる」しかし進忠は万が一があった場合、どう言い訳するのかと聞いた。欽天監は万一など起きないと否定したが、もし起きてもいくらでも言い逃れができるという。寝宮に戻ろうとしていた炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)の前に産婆の田(デン)氏が現れた。実は娘のために処方してもらった包(ホウ)侍医の薬では半年で効果が薄れ、その度に娘が苦しんでいるという。そこで田氏は炩妃から新たな薬の処方を頼んで欲しいと訴えた。しかしこれまで親身になってくれた炩妃が今は他人に構う余裕はないと冷たい。焦った田氏はひざまずき、娘を助けて欲しいと何度も頭を下げた。すると嬿婉は思い出したように自分の悩みを解決できるのは田氏だけだと告げる。「力を貸してくれるなら私も娘さんの力になるわ」「どんなことでもします!何なりとお申し付けを…」「大したことじゃないわ、その両手を使えばできることよ」翊坤宮を訪ねた愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)と穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)は皇后の定期検診を見守っていた。「欽天監によると天意を受けた皇子だとか?」湄若の言葉に如懿は思わずため息を漏らす。「困ったものよ、皇上は欽天監を信じて疑わない…私は参考にする程度でいいと思うの」しかし舒(ジョ)妃の子供のことを言い当ててから皇帝はすっかり欽天監に傾倒していた。まさか衛嬿婉に仕組まれたこととは知らずに…。如懿は自分なら欽天監より江与彬(コウヨヒン)の話を聞くと言って茶化すと、脈診を終えた江与彬は恐らく早産になると伝えた。「子が満8ヶ月になっていれば難なく産めるでしょう」すると海蘭は永寿(エイジュ)宮がおめでただと教えた。寵愛が衰えない炩妃の懐妊は当然と言えば当然だが、海蘭はしみじみこの世は無常だと漏らす。かつて金氏に虐げられていた炩妃が寵姫となり、落ちぶれた金玉妍は自暴自棄になって薬を拒否し続け、あと数日の命だった。如懿はこれまでの数々の事件にけりを付けるため、閑散とした啓祥(ケイショウ)宮を訪ねた。ほこりだらけの寝殿には病床の金玉妍がいたが、もはやかつてのきらびやかな面影はない。金玉妍は皇后の姿に気づくと、大きなお腹で自分を笑いに来たのかと悪態をついた。「本宮、あなたに聞きたいことがあるの」「お生憎様、何も話すものですか、生涯、思い悩んで苦しめばいいわ、それが私の喜びよ」しかし如懿が玉氏の王から皇帝に届いた密書を見せると、顔色が一変する。…お知らせします…我が一族が献上した娘について衝撃の事実が判明しました…金玉妍は玉氏の血筋ではありません金玉妍は到底、信じられなかったが、確かに密書は王の筆跡だった。「こんな薄情な人にあなたは生涯を捧げてきたのね…」「…王のために力を尽くしてきたのに、その結果がこれ?捨て子ですって?お笑い種だわ」激高した金玉妍は肌身離さず持っていた王からの選別の数珠を投げ捨てた。愛しい王に見捨てられたと知った金玉妍はついにこれまでの悪行を白状した。しかし第5公主と穎妃の流産の件は無関係だと主張する。「いまだに分からない、なぜ富貴児(フキジ)が逃げ出し、5公主を襲ったのか… 当時は永璇(エイセン)のことしか頭になかった…信じないの? あなたは皇后よ?後宮の皆の敵、失脚させれば別の者がのし上がれる そのためならどんなことでもするわ」すると金玉妍は自ら罪を告白した。孝賢(コウケン)皇后は玫嬪(マイヒン)をそそのかし、溺死するよう仕向けたという。玫嬪、儀(ギ)嬪の子は周到に準備し、慧賢(ケイケン)皇貴妃に実行させていた。景陽(ケイヨウ)宮に蛇苺を仕込むよう人に命じたのも自分だという。また大皇子・永璜(エイコウ)に生母が孝賢皇后に殺されたと吹き込んだのも金玉妍だった。そして海蘭の難産も、阿箬(アジャク)を懐柔して孝賢皇后の所へ連れて行ったのも、全て自分がやったと認める。しかし舒妃と子供の件は違うと否定した。当時、自分たち母子の地位は盤石だったため、第10皇子が生まれても影響などなかったという。「今度は私の番よ…王の密書は偽物でしょう?私の自白を引き出すためにだましたのよね? …待って!行かないで!」如懿は静かに立ち上がると、そのまま何も答えずに啓祥宮をあとにした。衛嬿婉はついに念願の懐妊を果たした。そこですぐ母に知らせ、安華(アンカ)殿へお参りにやって来る。「無事に皇子を産ませてください…」するとその帰り道、愉妃に門前払いされた珂里葉特(ケリエテ)扎斉(ジャチ)の姿を目撃した。侍女・瀾翠(ランスイ)はお金の無心に来たのだと話し、与太者は放っておこうという。しかし嬿婉は扎斉に銀子を渡して帰すよう命じ、お腹の子のために愉妃に代わって徳を積んでおくと言った。皇帝が翊坤宮にやって来た。弘暦は如懿が金氏に会ったと聞き、汚らわしい所へ行くなと叱る。「そなたは吉祥の子を身ごもっている、早産の恐れもあるのだ」「はい…でも確かめておかねば気が済まなかったのです」如懿は金玉妍が関与した悪事を伝えたが、ただ舒妃母子と第5公主、第6公主の件は否認したと報告した。しかし弘暦は邪悪な金玉妍が否定しても信用できないと憤慨し、思えば孝賢皇后の侍女・素練(ソレン)も不審な死を遂げたことを思い出す。「純貴妃(ジュンキヒ)のかんざしを握っていた… 孝賢皇后の死が金氏の仕業なら、純貴妃も一連の悪事に関わっていた可能性がある」「皇上…純貴妃が金氏と共謀したなどとても考えられません 金氏の凶行に素練が巻き込まれたのなら、金氏がかんざしを使い純貴妃を陥れたのやも…」「…やめよう、思い出したくない」←言い出しっぺのくせにw弘暦は話を打ち切り、疑念が払拭できたなら過ぎたことは早く忘れるよう諭した。結婚してからというもの第4皇子・永珹(エイセイ)はふさぎ込んでいた。第5皇子・永琪(エイキ)は金氏が長くないのは本当かと母に聞いてみる。海蘭は事実だと認め、皆が第4皇子を避けているが真似はしないよう釘を刺した。「これまで以上に尊重し敬いなさい、分かった?」「肝に命じます」その夜、金玉妍は重い体を起こし、髪を梳(ス)くことにした。「何とむなしい…こんな結末なら後宮で争ったりしなかった… あらゆる策を巡らしたのに、残ったのはむなしさだけ(ふっ)」すると金玉妍は鏡に映った自分に警告しておく。「もう一度やり直せるなら、本当に来世があるなら…同じ人生は歩まないで、いいこと? 同じ轍を踏んではダメよ…」金玉妍は美しく身なりを整えてから横になり、そのまま息を引き取った。乾隆20年、金氏が逝去した。弘暦は妃嬪たちを集め、3人の皇子の母である金氏の葬儀は手厚く行うと伝える。しかも淑嘉(シュクカ)皇貴妃に追贈すると聞いた妃嬪たちは騒然となった。弘暦は玉氏の王が金氏に全ての罪を負わせ、保身に走っていることから、庶人の身分で葬儀を行えば朝廷から異論が噴出し、皇室の名誉も傷つくという。しかし追贈はあくまで表向きだとは言え、妃嬪たちには不満が残った。静まり返る殿内、すると如懿が口火を切る。「淑嘉皇貴妃は阿哥たちを気にかけていました、永珹は養子となるも永璇と永瑆(エイセイ)はまだ幼い 皆いい子なので見守ってあげたいのです」「永璇と永瑆には貝子(ベイズ)の爵位を与えるつもりだ、今後は太妃たちに養育させよう」永珹は擷芳殿(ケツホウデン)に見送りに駆けつけた。まだ小さな永瑆は母の死を理解していないようだったが、永璇は葬儀が終わると11弟と一緒に太妃たちの所へ行くと知って泣き出してしまう。永珹は幼い弟たちを抱きしめ、励ますことしかできなかった。「心配ない…今後は私が守ってやる、私を頼れ」如懿は海蘭に金玉妍が舒妃や第5公主を害したことだけは否定したと教えた。確かに富貴児は金玉妍の犬だったが、それが金玉妍の仕業だという証明にはならない。「璟兕(ケイジ)が逝ってからずっと考えていたの 犬の件は私たちの思い違いで、真犯人は別にいるのかもと… 永璇の落馬に始まり、金玉妍と穎妃と私、あなたも巻き込まれている これほどの人を罠にはめたとしたら、かなりずる賢い悪人だわ」海蘭は如懿の意見ももっともだと気付いた。よく考えれば金玉妍が第8皇子を落馬させるはずがない。しかし如懿のお産が近いことから、海蘭は今は余計なことは考えず養生に専念するようなだめた。衛嬿婉がお茶が熱いと宮女を叱りつけているところへ進忠が現れた。仕方なく嬿婉は宮女を下げたが、皇帝の渡りがなく機嫌が悪い。弘暦は皇后の子が気がかりで庶子どころではないのだ。すると進忠は燕の巣と棗(ナツメ)の羹(アツモノ)を勧めながら、皇帝が天象を信じるのはいいことだと言う。「私はすぐ戻らねば、皇后は早産の恐れがあり、皇上が心配しています」「(ピコーン!)そうなの?予定より早く生まれるなら産婆を待機させなくてはね…」嬿婉は進忠が下がると、侍女・春嬋(シュンセン)に田氏を呼ぶよう命じた。如懿はお産のため、運動がてら皇太后への挨拶をかかさなかった。その日も慈寧(ジネイ)宮を訪ねて翊坤宮へ戻ったが、ちょうど産婆たちが待っている。「またお世話になるわ、公主を産んだ時に褒美を減らしたから、今回その分も埋め合わせする」すると太監・三宝(サンポウ)がお産の際、皇帝が侍医と共に欽天監も待機させると報告した。その話を聞いた田氏はなぜか目が泳いでいたが…。田氏は皇后のお腹を触診し、胎児が逆子だと分かった。しかし如懿は江侍医の脈診では問題なかったと訝しむ。田氏は侍医ではお腹に直接、触れることができないので胎位の異常までは分からないと説明した。すると別の産婆が手技で逆子を直せるのは田氏だけだと太鼓判を押し、如懿も安心して任せることにする。「今後は毎日2回、施術に参ります」田氏から歩き過ぎると胎位が元の位置に戻ってしまうと言われ、如懿は散歩を中断した。しかし施術を受けて10日以上経っても、まだ胎位は直らない。やがて如懿は腰痛を訴え、お腹の子がよく動くようになった。そんなある日、脈診した江与彬は脈が激しいため、間もなく生まれると報告する。弘暦も如懿もまだ7ヶ月だと驚いたが、江与彬はもはや薬で抑えることも不可能だと言った。「ここ2日が山場でしょう」その時、咄嗟に田氏が口を出す。「でも、まだ胎位がゆがんだままです…少しですが、分娩の際、差し障りがあるでしょう」すると田氏は内務府でお産の準備をすると言い訳して早々に退散することにした。弘暦はならば進忠を一緒に連れて行くように命じる。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)8皇子たちが哀れ過ぎる…4皇子の中の人は上手いね金玉妍は迫真の演技なんだろうけど、正直これまで一度もピンとこなかった(ごめん)でも最後の鏡のシーンは良かったわ(涙
2020.01.03
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第63話「ついえた野心」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は長公主・恒娖(コウサク)と20年ぶりに再会した。しかし妹は臣下として皇帝に拝跪、どこかよそよそしい。そこで弘暦は恒娖が嫁入り前にくれた虫籠を見せたが、恒娖は覚えていないとそっけなかった。結局、恒娖は挨拶もそこそこに先を急いでいると断って行ってしまう。勇気を出して妹に会いに来た弘暦、しかし恐れていた通り妹は自分を許せないのだと思い知らされることになった。一方、答応(トウオウ)に降格され、啓祥(ケイショウ)宮で禁足となった金玉妍(キンギョクケン)は毎日のむち打ちで心身ともに限界に来ていた。しかし今回のジュンガルの平定で玉(ギョク)氏が大い貢献、弘暦はこの功に報いるため金玉妍を貴妃(キヒ)に戻すことにする。戦勝を祝って開かれる祝勝会に金玉妍が欠席では玉氏への面目も立たないだろう。皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は復位に不満があったが、国事は何事にも優先すると涙をのんだ。ようやく自由になった金玉妍は擷芳殿(ケツホウデン)の息子たちに再会して寝宮に戻ると、啓祥(ケイショウ)宮への出入りを許された第4皇子・永珹(エイセイ)が待っていた。こうして早速、永珹を呼び出したのは相談事が2つあるからだという。まずは縁談の件だが、皇帝から自分が選んだ娘を嫁にできる許しをもらったと教えた。そこで先帝が信頼していた弟・和怡(ワイ)親王の次女が福僧額(フセンゲ)に嫁いでもうけた娘に目を付けたという。「皇上が孝賢(コウケン)皇后を選んだのは家柄が理由よ、福僧額と姻戚を結べたら互いの利となるはず」そしてもう1つはさらに大切なことだったが、その話はすでに動き出していた。玉氏の使者は皇帝に立太子の意向について探りを入れた。孝賢皇后の皇子2人が早世したため永珹を養子にしてはどうかと提案、孝賢皇后の供養を担うためだという。そこで弘暦は孝賢皇后の実弟である傅恒(フコウ)に話を聞いたが、孝賢皇后から養子の意向など聞いたことがなく、嫡母として慈しんでいただけだろうと証言した。養子の件を聞いた永珹は困惑し、慎重にすべきだと警告した。金玉妍は自分を信じて欲しいと自信を見せたが、自らの暴言で足をすくわれることになる。それは妃嬪たちが翊坤(ヨクコン)宮に集まった時のことだった。話題が皇子たちに移ると、如懿は嘉貴妃が一番の子沢山だと前置きし、第3皇子・永璋(エイショウ)は誠実、第5皇子・永琪(エイキ)は皇帝の片腕、2人とも皇子の本分をしっかりわきまえていると牽制する。すると嘉貴妃と因縁がある炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)が嫌味を言った。「康熙帝(コウキテイ)の8阿哥と9阿哥は皇位争いの結果、先帝より皇籍をはく奪、 アキナ(犬)やサスヘ(豚)と改名させられたわ~皇子も何もあったものではありません」「永珹も8阿哥だと言いたいの?!」金玉妍は思わず食ってかかったが、如懿も苦言を呈した。「あなたの子が轍を踏まぬといいけど…」しかし金玉妍は自分の子なら大丈夫だという。「永珹は4阿哥、永璇は8阿哥、縁起も良い 太宗は8阿哥、先帝も皇帝も4阿哥です 先祖のご加護を賜り、息子たちの将来は決まっているも同然ね~」この発言に殿内は一瞬、静まり返ったが、如懿は冷静だった。「先祖のご加護は皆が等しく賜っている、嘉貴妃、言葉に気をつけなさい」体調不良だった如懿はそこで散会としたが、席を立った途端、急に立ちくらみを起こしてしまう。驚いた愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は駆け寄り、そのまま付き添うことにしたが…。如懿は懐妊2ヶ月だった。侍医・江与彬(コウヨヒン)はここ数日の暑さに耐えられなかっただけと診断、大事には至らないという。駆けつけた弘暦は喜び、早逝した璟兕(ケイジ)の生まれ変わりに違いないと感慨もひとしおだった。すると海蘭が無事で何よりだとしながらも、何かあれば嘉貴妃はどう償うつもりだったのかとこぼす。その言葉に弘暦が反応した。確かに中庭に妃嬪たちが大勢、控えていたが、嘉貴妃がまた何か問題を起こしたのだろうか。皇帝が寝殿に入ってから長い時間、出てくる気配がなかった。暑い中、外に立っていた妃嬪たちは皇后の病状を心配していたが、金玉妍だけは不満を漏らしている。「暑いのにいつまで待たせるつもり~?ふらついただけなのに大げさなのよ~」すると太監・三宝(サンポウ)が現れ、皇帝が妃嬪たちを呼んでいると伝えた。妃嬪たちが正殿に戻ると皇帝が現れ、皇后の懐妊を発表した。弘暦は慶次は重なるほど良いと言って永珹の婚姻を認め、嘉貴妃に母として良き相手がいるかと聞く。金玉妍は喜び、和怡親王の係累となる福僧額の令嬢を推挙した。「皇族の血筋であるため永珹にふさわしいかと…」「なるほど、周到に考えておるな…大望は果てぬか?4阿哥と8阿哥で縁起が良いからな」皇帝の言葉に金玉妍は青ざめた。金玉妍はすかさず失言だったと謝罪、ただ永珹に先帝と皇帝を模範にするよう言い聞かせているだけだと釈明する。すると弘暦は先日、玉氏から養子の提案があったことを持ち出した。穎妃(エイヒ)・巴林(バリン)湄若(ビジャク)は孝賢皇后の養子になれば嫡子の身分になると気づき、それを承知で玉氏が申し出たのではと勘ぐる。焦った金玉妍は二心などないと訴えたが、そもそも立太子を持ち出すことが皇帝への不敬だった。「太子の名は″正大光明″の扁額の裏に置くべきもの、皇帝の崩御後に公にされます 後継者争いを避けるためのものです」純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)に指摘され、もはや嘉貴妃は言い逃れできなくなった。ちょうどその頃、翊坤宮に皇后の見舞いで永琪がやって来た。しかし中庭まで漏れ聞こえる皇帝の怒号に驚き、思わず足を止める。「皇子の母であろうと後宮を混乱に陥れるなど言語道断っ!」追い詰められた金玉妍はこの期に及んでもまだ皇后や妃嬪たちの罠だと訴えた。すると海蘭を指差し、第5皇子が永珹を陥れ、永璇の脚を骨折させたと非難する。海蘭はこれ以上の妄言に我慢できず、思わず立ち上がって誓いを立てた。「ケリエテハイランは嘉貴妃の子を陥れていないと誓います 偽りならば甘んじて地獄に落ちましょう 嘉貴妃、全てが他人のせいだと言うなら、あなたは潔癖を誓えるの? 孝賢皇后と7阿哥の死には無関係? 皇后、5公主と6公主、私や永琪については?どうなのっ?! 慧賢(ケイケン)皇貴妃、玫(マイ)嬪、儀(ギ)嬪、阿箬(アジャク)… 誰のことも陥れていないなら、皇子の命にかけて誓いなさい!」金玉妍は恐る恐る指を立てて誓おうとしたが、口ごもっているうちに衛嬿婉に邪魔されてしまう。「皇上、嘉貴妃は誓えぬようです、後ろめたいことでもあるのかしら?」そこで海蘭は嘉貴妃をさらに追い詰めた。「こう誓いなさい… ″私が誰かを陥れたなら玉氏は滅ぶ、息子共々、無残に死ぬ″と!」玉氏を侮辱された金玉妍は激高して海蘭につかみ掛かったが、すでに弘暦は全て金玉妍の企みだったと悟った。弘暦は金玉妍を蹴り飛ばし、鬼の形相で迫った。「不届きものめ!皇子を死に至らしめるとは!永珹に皇位を継がせようなどと考えるなぁっ!!!」その声を聞いた容珮(ヨウハイ)は主人の着替えを手伝いながら、激情に駆られた皇帝を諌めてはどうかと進言した。しかし如懿は皇帝が木蘭囲場(モクランイジョウ)の件で嘉貴妃と永珹を疑っていたと教え、自分が諌めたところで皇帝の怒りは止められないという。すると弘暦は上座に戻り、李玉を呼んだ。「永珹を貝勒(ベイレ)に封じ、福僧額の娘との婚姻を認める 永珹は履(リ)親王の養子とする、朕の子とは見なさぬ!」金玉妍は考え直して欲しいと泣きすがったが、弘暦の怒りはおさまらなかった。「そなたは庶人とし、生涯、禁足とする!」正殿から引きずり出される金玉妍の虚しい叫び声が響き渡った。立ち聞きしていた永琪は驚き、慌てて翊坤宮を出て行く。一方、念のため休養を取ることにした如懿は、すでに寝支度を終えて寝台にいた。「嘉貴妃と皇子はもはやこれまでね…」金玉妍は啓祥宮へ連行され、永珹の目の前で監禁された。永珹は錠がかかった扉の前で母に呼びかけると、金玉妍は何とかしてここから出してくれと訴える。「あなたを太子にすると王爺に約束したの!」「…王爺?」すると永珹が急に怒鳴り始めた。「何がわんいぇだ!まだそんなことを!母上はいつもわんいぇのことばかり! 私は母上にとって何ですかっ?!」永珹はいよいよ母に愛想が尽き、泣きながら立ち去った。その夜、海蘭は永琪が翊坤宮で皇帝の勅命を聞いていたと知った。永珹はすでに履親王府へ移ったが、永琪は見送らなかったという。永璋が疎まれ、永珹が養子に出され、今や皇后の養子で皇帝に重用される永琪が注視される存在となった。海蘭は永琪の心にも野望が芽生え始めたと気づく。「永琪?永璜(エイコウ)、永璋、永珹がなぜ父上に疎まれたのか分かる?」「…太子位を狙ったからです」「そうよ、平穏に暮らすためにも同じ過ちを犯さないで どんな時もあなたは父上と永璂(エイキ)にとって臣下なのよ?忘れないで」しかし永璂は思わず、自分を臣下にするために育てたのかと吐露した。海蘭は息子には皇帝のために才覚を発揮して欲しいと願っていたが、ただ平穏無事に生きるためには臣下の分を守ることだと言い聞かせる。「義母上への忠誠心を貫けば、憂いなく暮らせるわ」「…教えを胸に刻みます」秋になり如懿のお腹も目立ってきた。皇太后は皇帝と皇后を連れて御花園を散策しながら、皇后の張り出したお腹を見て皇子だと期待する。そこへ欽天監(キンテンカン)が駆けつけた。欽天監は昨夜、紫微(シビ)星が吉祥の色である紫に光ったと報告、皇后が懐妊して5ヶ月のため、お腹の子は天意を受けて天下太平をもたらす吉祥の子だと伝える。皇太后と弘暦は嬉しい知らせに喜んだが、如懿だけはどこか半信半疑だった。永珹の婚礼には誰も祝いに行かず、寂しいものだった。今日は永珹と福晋が紫禁城に挨拶に来るが、皇太后は皇帝に会ってはどうかと勧める。しかし弘暦は政務があり、如懿は身重のため無理だと拒否した。皇太后は過ちを犯したとしても体面を整えねばと助言したが、弘暦の怒りはまだおさまっていない。「永珹は養子に出した以上、朕の息子ではありません、夫婦で参ったのなら母上にご挨拶させます」「私から祝いの品を永珹に贈りましょう」見かねた如懿が進言したが、皇太后は無用だと言った。「あいじゃも会わずにおこう…」すると皇太后は侍女・福珈(フクカ)を呼び、自分からの祝いとして玉の枕1対を届けるよう命じた。永珹は皇帝との謁見が叶わず、帰り道で母が監禁されている啓祥宮の前を通りかかった。しかし寝宮へ続く嘉祉(カシ)門は固く閉ざされている。福晋・伊爾根覚羅(イルゲンギョロ)氏は義母に会うのを嫌がり、そもそも永珹は義母のせいで将来を絶たれたのだと不満を漏らした。「…皇上や皇太后へのご挨拶でなければ紫禁城には来たくなかった」母への無礼な発言に憤慨する永珹だったが、母へのわだかまりが消えたわけではない。「皇上のお許しなく母とは会えぬ、会えたとしても…かける言葉も浮かばぬ、行こう」その時、啓祥宮ではすっかりやつれた金玉妍が長椅子に横たわっていた。仕えているのは宮女ひとり、しかし薬湯を差し出しても金玉妍は拒否する。「永珹は?結婚したのでしょう?なぜ福晋と挨拶に来ないの?」「啓祥宮にはどなたも入れません…」金玉妍は確かにこんな母親なら見捨てるべきだと自棄になったが、何より失望したのは自分の窮状を知っても何もしない王だった。実は玉氏の王は金玉妍を見捨て、すでに若く美しい娘を皇帝に献上していた。これまで弘暦は親王や皇族に玉氏の美女を下賜してきたが、今回は4度目の献上となる。如懿は弘暦が警戒していると分かったが、しかし玉氏の顔を立てるべきだと進言した。そこで李玉(リギョク)は中でも一番の美しさを誇る娘の肖像画を見せる。「分かった、宋(ソウ)氏を貴人に封じ、円明園にとどめおけ」つづく(^ꇴ^)皇上のもふもふジャケット、珍しいそれにしてもま~た欽天監か…もうお腹いっぱいw
2020.01.03
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第62話「赤い衣の公主」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は第8皇子・永璇(エイセン)の怪我の具合を見るため擷芳殿(ケツホウデン)にいた。永璇は母と乳母の介助で歩いてみることにしたが、脚に力が入らず、自力での歩行は難しい。包(ホウ)侍医は侍医院で総力を尽くしたものの、以前のように歩くことはこの先も困難だと宣告した。嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)は第5皇子・永琪(エイキ)の仕業だと癇癪を起こしたが、弘暦はあくまで不慮の事故だと言い聞かせる。すると金玉妍は第11皇子・永瑆(エイセイ)はまだ幼く、永璇はたった9歳で脚が不自由になり、第4皇子・永珹(エイセイ)に至っては年頃になっても縁談を断られ続けていると泣きついた。「皇上、お願いです、永珹に良き伴侶をお選びください この先、私が死んでも良き兄嫁がいれば、弟たちも安心です」弘暦は縁起でもないと叱ったが、哀れな永璇のためにも希望の相手を娶らせてやることにした。第8皇子の落馬騒ぎで嘉貴妃の愛犬・富貴児(フキジ)は行方知れずになっていた。侍女・麗心(レイシン)が探し回っていたが、息子に付き添っている金玉妍は犬のことまで気が回らない。しかし間もなく上巳(ジョウシ)節、各宮の后妃が褒美の支度をしていると聞いた金玉妍は、布地でも用意しろと投げやりに命じてしまう。嘉貴妃の失脚で慶嬪(ケイヒン)・陸沐萍(リクボクヘイ)は身の振り方に困っていた。すると炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)が嘉貴妃からもらった布地で皇后の子供に贈り物を作ってはどうかと助言する。そこで器用な陸沐萍は皇子と公主に衣を作り、皇后を喜ばせることに成功した。「美しく装うなら″男は赤、女は緑″と申します ちょうど赤と緑の布を嘉貴妃から頂いたので、12阿哥と5公主に衣を作りました」すると烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は御花園に行く時、早速、着せると言った。嬿婉は第12皇子には赤が似合うと念を押しておいたが…。如懿は永璂(エイキ)に赤い衣、璟兕(ケイジ)に緑の衣を着せることにした。しかし璟兕は赤が着たいと訴え、永璂も赤は妹の衣なので自分は緑がいいという。早いもので第12皇子は4歳、第5公主は3歳になった。2人は1つしか違わないことから身長もほぼ同じで、乳母はどちらでも着られると進言する。如懿は選り好みをする歳になったのかと目を細め、好きな色を着ても良いと認めた。金玉妍は御花園で永璇に歩く訓練をさせていた。すると築山の前でちょうど皇后が子供たちを遊ばせながら、穎嬪(エイヒン)・巴林(バリン)湄若(ビジャク)と談笑している。楽しそうな皇后たちの様子を垣間見た金玉妍は恨みを募らせ、挨拶もせず通り過ぎた。その時、突然、犬が現れたかと思うと璟兕に飛びかかり、皇后たちの悲鳴が響き渡る。身重の巴林湄若も驚いて腹痛に襲われ、御花園は大混乱となった。金玉妍は遠目から何事かと見ていたが、思いがけず自分の番犬の姿に気づき動揺を隠せない。「富貴児(フキジ)?なぜ富貴児が…?」璟兕は犬に襲われた衝撃で気を失い、寝宮に運ばれた時にはすでに虫の息だった。知らせを受けた弘暦が急いで駆けつけると、ちょうど太監・三宝(サンポウ)が公主を襲ったのは嘉貴妃の犬だったと報告する。犬はすでに死んでおり、嘉貴妃が皇帝に拝謁を求めているという。弘暦は嘉貴妃の顔をいきなり引っぱたき、飼い犬に幼子を襲わせたのかと責め立てた。金玉妍は無実を訴え、第5皇子への恨みから、あろうことか企みを持つのは皇后だと反論、火に油を注いでしまう。そこで黒幕である衛嬿婉が口火を切った。「皇上、富貴児は嘉貴妃の命令なら何でも聞くとか…」「(ヒィッ)皇上、よくお考えを、皇后娘娘のお子を害する気なら阿哥を襲わせるはず なぜ12阿哥ではなく公主を襲わせる必要が?!」「5公主は心臓がお悪い、以前、犬の鳴き声で発作を…嘉貴妃もご存知のはず」確かに嬿婉にとって公主が襲われたのは予定外だった。しかしどちらにしても金玉妍を追い込むまたとない好機であることに変わりない。すると愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)がふと気付いた。「皇上、富貴児はよく吠える犬ですが、人を襲ったことはない でも今日は公主めがけて突進してきたとか…私の推察ですが、公主の赤い衣が原因では?」「(はっ)公主の衣から確かに独特の香りがしました、嘉貴妃が常用する玉氏の香水に似ています」恪嬪(カクヒン)・拝爾果斯(バイルガス)氏はそう指摘し、犬はあの香りに刺激されて公主を襲ったのだと進言した。純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)も同意し、あの衣は慶嬪からの贈り物だと報告する。慌てた陸沐萍は嘉貴妃からもらった布だったと弁明、布に染み込んでいた香りは自分と無関係だと訴えた。「皇上、慶嬪に布を贈りましたが、使い道までは知りません!なぜ香りがついたのかも…」金玉妍は涙ながらに釈明したが、もはや庇ってくれる姉妹はいない。「でもあの犬は嘉貴妃が飼っていた…」嬿婉のだめ押しで弘暦は金玉妍の企みだったと断定し、啓祥(ケイショウ)宮にて禁足、皇子たちとの面会も禁じた。「連行だ!失せろ!金輪際、会わぬ!」金玉妍は引きずり出されて行ったが、その時、第5公主の幼い命も尽きてしまう。乾隆20年、皇五女璟兕逝去、後に固倫和宜(コリンワギ)公主に追封された。この騒ぎで巴林湄若も流産、公主だったという。その夜、海蘭は養心殿に皇帝を訪ね、気を失った如懿がまだ目を覚まさないと報告した。「皇上、これは嘉貴妃の仕業です、公主を2人も害すとは許せません! 玉氏の者でも厳罰に処すべきです!」「情けはかけぬ… 貴妃を剥奪して答応(トウオウ)に格下げする、側仕えの奴婢も1人残らず宮中から追放する さらに毎日、鞭打ちの刑を科す」すると海蘭は慶嬪も関わっているはずだと指摘した。こうして衛嬿婉に利用された陸沐萍まで貴人(キジン)に降格、安華(アンカ)殿にて禁足となり、沙汰があるまで写経を命じられてしまう。ようやく意識が戻った如懿だったが、娘を失った衝撃は計り知れなかった。「どうして璟兕なの?まだ3つよ?殺したいなら私を殺せばいい…なぜこの子なの?」如懿は娘の小さな衣やおもちゃを広げたまま、いつまでもぼんやりしていた。連勝続きだった清軍はジュンガルに到達して急にこう着状態になった。逹瓦斉(ダワチ)は徹底抗戦の構え、敵軍に迫るも恒娖(コウサク)がいるためむやみに攻撃できないという。そして5月、2人の公主が亡くなって1ヶ月が経った。宮中では年明けから悲しいことが続き、未だ戦も終わらないことから、皇太后は鬱々とした気分で過ごしている。一方、禁足の金玉妍は毎日、鞭で打たれていたが、それでも自分は無実だと訴え続けていた。「公主を殺したのは私じゃないわっ!」しかし金玉妍が処刑されないのはそれが理由ではなく、玉氏が清軍に兵糧を援助し、共にジュンガルと戦っているからだった。固倫和宜公主の三十五日忌、如懿は法要のため身支度を整えた。すると養心殿の太監・李玉(リギョク)と御前侍衛・凌雲徹(リョウウンテツ)が現れ、第5公主の法要に参列する許しをもらったという。ただし皇帝はジュンガルから急報が届き、手が離せないと伝えた。その頃、衛嬿婉は早速、養心殿に駆けつけ、悲しんでいる皇帝に寄り添いたいと申し出た。しかし不機嫌そうな皇帝に追い返されてしまう。仕方なく養心殿をあとにした衛嬿婉、すると道すがら侍女・瀾翠(ランスイ)から面白い話を聞いた。実は先日、坤寧(コンネイ)宮の侍衛・趙九宵(チョウキュウショウ)と会ったところ、凌雲徹から″第8皇子の落馬には不審な点がある″と聞いたという。ただ趙九宵も針を見つけたという話だけで、それ以外は何も知らなかった。嬿婉は進忠(シンチュウ)の話では凌雲徹が針の件を皇帝に報告していないはずだと気づき、念のため太監・王蟾(オウセン)に用心させるよう命じておく。すると侍女・春嬋(シュンセン)は凌雲徹なら主人への情があるため、何か気づいても黙っているはずだと言った。「やはり今も私を想っているのね…」「凌侍衛は宮中のお役目に勤しみ、帰宅する暇もないとか…夫婦仲は良くないようです 主儿を忘れられぬからでは?」「(うふっ)」しかしすぐにそれが大きな勘違いだったと気づくことになる…。衛嬿婉たちは偶然、公主の法要を終えた皇后たちの一行を見かけた。するとちょうど養心殿へ戻る李玉と凌雲徹が皇后に挨拶している。如懿は参列してくれたことを感謝し、早く休むよう伝えて別れた。その時、うつむいた如懿の髪から白い花飾りが落ちる。凌雲徹は思わすその小さな花を拾い上げたが、海蘭が気づいて警戒した。「法要は終わった、花は用済みよ、私にちょうだい、片付けておくわ」「…はい」凌雲徹は名残惜しそうに返したが、その表情を嬿婉だけは見逃さなかった。皇后が落とした花を拾い、切ない眼差しで見つめていた凌雲徹…。嬿婉はついに気付いた。凌雲徹が想っているのは自分ではなく宿敵である皇后だと…。第8皇子の件で自分をかばったのではない、ただ自分を疑っていないだけだ。あの日、馬場には第5皇子がいた。嬿婉はようやく凌雲徹が第5皇子の義母である皇后のために証拠を隠したと分かった。「私のためじゃない…」如懿が翊坤宮に戻ると弘暦が待っていた。実は法要に出られなかったのは忙しいだけでなく、向き合えないのだという。「ルーイー、璟兕のことを思うと胸が張り裂けそうだ…」すると弘暦は金鎖を出し、璟兕の長寿と無病息災の願いを込めて先日、内務府に作らせたところだったと教える。「だが完成を待たずに璟兕は逝った…一歩、遅かった…」如懿は弘暦の震える肩を抱くと、ようやく2人で娘を失った悲しみを分かち合った。ジュンガルから急報が届いた。バリン部の兵と清軍が玉氏の援助を得て逹瓦斉を兵糧攻め、敵兵は続々と投降しているという。さらに清軍の奇襲で逹瓦斉の部下は大混乱になり、兵も散り散りになっていた。逹瓦斉は逃亡したものの夜明け前に生け捕りになり、恒娖も無事だという。弘暦はこれで皇太后に申し訳が立つと安堵したが、話はそれで終わらなかった。「…恒娖長公主は身重なのです、それゆえ逹瓦斉も気遣いを」弘暦は妹のため逹瓦斉に恩賞を与え親王とし、家族を都へ住まわせ北には帰さないことにした。皇太后にはジュンガル平定の記念に徽号(キゴウ)を贈り、祝意を表す。しかし恒娖が逆賊の子を身ごもっていると知った皇太后は愕然となった。「なぜだ…罪の子だ…前世の因果か!」逹瓦斉たちが都へ到着、皇太后は慈寧宮で恒娖と20年振りの再会を果たした。しかし逹瓦斉は都の暮らしになじめず、昼夜問わず酒浸りになってしまう。屋敷に叔母を訪ねた永琪は心配して父に報告した。実は弘暦も逹瓦斉が酔って屋敷を荒らすと知り、皇太后の提案通り恒娖を慈寧宮に住まわすことを認めたという。「妹に対して申し訳ない思いもある…」「叔母上はすでに皇宮に?父上、会いに行かれてはどうですか?」弘暦は永琪に背中を押され、慈寧宮に向かった。すると偶然、宮門から恒娖が出てくる。弘暦は慌てて輿を降りると、恒娖はその場にひざまずいた。「兄妹の間で拝礼は無用だ」「いいえ、妹である前に臣下です、不敬は許されません」つづく(˘•ε•˘)富貴児は悪くないのにーっ!きっと嬿婉の指示で誰かが始末したのよね?めちゃくちゃ嫌いだわ(←そこかw
2019.12.23
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第61話「皇子の悲劇」今日は炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)の誕生日。皇帝は目下ジュンガル部の件で忙しいが、必ず永寿(エイジュ)宮に来てくれると信じて準備をすることにした。その夜、蒙古出身の恪嬪(カクヒン)・拝爾果斯(バイルガス)氏と穎(エイ)嬪・巴林(バリン)湄若(ビジャク)は仲良く美しい月を眺めていた。草原での日々を懐かしみながら、穎嬪はしみじみ自分が寵愛されているのも後ろ盾があるおかげだと漏らす。すると恪嬪はだからこそ同じ寵姫でも炩妃と違って堂々としていられるのだと笑った。恪嬪の言う通り、確かに炩妃は寵姫にも関わらずどこか怯えて見える。穎嬪は寵愛されても後ろ盾がなければ根なし草も同然だと同情した。「ねえ?皇上の接し方も違うと思わない?」「…皇上は私たちとは乳茶を飲み、羊肉を食べ、草原について語り合う」「ぅん、炩妃といる時は…(ふっ)…昆曲ね」「うふふふ~」穎嬪は思わず失笑すると、急にめまいに襲われた。2人の予想通り、永寿宮では衛嬿婉が昆曲を披露していた。炩妃の歌を聴く度に心が解き放たれるようだと喜ぶ乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)、しかし嬿婉は思いがけず昆曲が皇后との馴れ初めだと知る。すると弘暦は急に皇后の所へ行くと言い出した。「皇上~ん、今日は私の誕辰ですよ?もう少し一緒にいてください」「十分だろう?早く休め」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)はすでに寝床に入り、書物を読んでいた。そこへほろ酔いの弘暦がやって来る。如懿は弘暦がジュンガル部や妹・恒娖(コウサク)のことが頭から離れないと分かっていた。「ご安心ください、作戦は万全ですし、宮中の誰もが勝利を祈っています 必ずジュンガルに勝利し、恒娖長公主も無事に戻ります」弘暦は心強い言葉にようやく笑顔を見せ、如懿の手を握りしめた。「皇上、穎嬪が懐妊したという知らせを受けました、運が好転する兆しです」「そうだな…ルーイーや、ここに来ると心が落ち着く」春になり吉報が続いた。ジュンガルには連戦連勝、西北の平定も目前だろう。今や第5皇子・永琪(エイキ)が才覚を発揮、師傅(シフ)からも皇子の手本だと称賛されていた。弘暦もそんな第5皇子を重用し、頼りにしている。そこで永琪にちょうど騎射を学ぶべき年頃になった第8皇子・永璇(エイセン)の指導を任せることにした。同腹の兄である第4皇子・永珹(エイセイ)は父に疎まれて以来、うわの空で当てにならない。日頃から尚書房で弟たちの面倒を見ている永琪は快く引き受けたが…。永珹は皇帝からようやく母との面会を認められ、啓祥(ケイショウ)宮にやって来た。嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)は擷芳殿(ケツホウデン)に預けた永璇の面倒を頼んだが、永珹は弟なら心配いらないという。実は皇帝の計らいで永琪から騎射を教わっているというのだ。何も知らなかった金玉妍は余計に心配だと声を荒げたが、永珹はそれより自分の縁談だと訴える。「私は数々の縁談を断られ、立つ瀬がありません!」「仕方ないわ、私が落ちぶれなかったら玉(ギョク)氏一の令嬢を選べたのに…」ともかく金玉妍は皇帝に良縁を授けてもらえるよう頼むとなだめ、まだ挽回できると励ました。巴林湄若は身ごもって3ヶ月、安定期となり7月が出産予定だった。初めての経験のため、道すがら皇后と愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)から心構えを聞いていたが、突然、宮門から犬が現れ、激しく吠える。侍女・容珮(ヨウハイ)は咄嗟に前に出て皇后たちを守ると、そこに金玉妍が現れた。「ァィャ~富貴児(フキジ)ったら!静かにしないとぶたれるわよ!」すると金玉妍は皇后に気づいて拝礼し、早速、懐妊した穎嬪にいや味を言う。「身ごもったのなら出歩かぬ方がいい、転んだりしてお腹の子に万一があれば後悔するわ〜」しかし巴林湄若も負けてはいなかった。「嘉貴妃も皇上を煩わせぬよう、ご子息をしつけてはいかがですか?」「バリン部の戦功を笠に着ているわけ?玉氏も清に帰順して長く、バリン部より忠実よ」「なら皇上が4阿哥を疎むのは玉氏ではなく、あなた方親子が原因ですね?」U`ω´)<ワンワンワンワン!富貴児が急に吠えかかり、如懿たちはビクッとしてのけぞった。↓カメラ目線の富貴児(^ꇴ^)衛嬿婉は門を出たところでちょうど皇后と嘉貴妃たちの姿に気づいた。すると嘉貴妃が犬の鳴き声に怯える子供など産んだ意味があるのかと皇后を挑発している。激怒した容珮は思い切り嘉貴妃を平手打ち、さらに海蘭は皇帝に暴言を吐いたことを訴えると迫り、第5公主を呪った罰が下るだろうと脅かした。「(アラアラ…)嘉貴妃はすごい剣幕ね~」嬿婉が冷ややかに見ていると、侍女・春嬋(シュンセン)が寵愛を失ったものがわめいても無駄だと呆れた。「寵愛を失い、錯乱した者が猛犬を飼うなんて危険よ…」何やら悪巧みを匂わせる嬿婉…。結局、部が悪い金玉妍は逃げ帰ったが、啓祥宮へ戻っても怒りは収まらなかった。3人も皇子を産んだと言うのに穎嬪にまで蔑まれるとは!しかし永珹がだめなら永璇、永瑆(エイセイ)もいる。金玉妍は再起の機会を待ち、必ずや思い知らせてやると奮起した。その夜、炩妃の太監・王蟾(オウセン)は馬場に忍び込んだ。するとちょうど第8皇子に贈る新しい馬が入って来る。調教師は明日、皇子たちが乗馬の稽古に来るため、鞍も検査するよう命じていた。王蟾は誰もいなくなったところで第8皇子の鞍を手に取り…。翌日、永琪は8弟に馬術を指導することにした。永璇は父から贈られた馬にまたがり慎重に走らせたが、急に馬が暴れ出し、調教師も御せずに落馬してしまう。驚いた永琪は馬から飛び降りて駆けつけたが、地面に投げ出された8弟は激痛で泣き叫んでいた。翊坤(ヨクコン)宮、如懿は衣を仕立てながら海蘭と談笑していた。それにしても穎嬪は血気盛ん、高貴な出自で挫折を知らず、負けん気が強い。如懿はあの性分では災いを招くと懸念したが、海蘭が今度たしなめようと提案した。すると太監・三宝(サンポウ)が慌てた様子で入ってくる。実は乗馬の稽古中に第8皇子が落馬、重傷を負ったという。海蘭は調教師の怠慢だと呆れたが、一緒にいたのが永琪だと聞いて顔色が一変した。知らせを聞いた金玉妍は真っ青になって擷芳殿に駆けつけた。するとひざまずいている第5皇子を突き飛ばし、弟に手をかけたと責め立てる。そこへちょうど皇后と愉妃が現れた。興奮した金玉妍は2人の指示で第5皇子が故意に永璇を落馬させたと決めつけ、万一があれば許さないと怒号を響かせる。如懿は怒りを堪え、永琪の義母である自分が処断しては不公平になるため、この件を皇帝に任せると言った。「三宝?永璇に仕えていた者を慎刑司(シンケイシ)で審問し、結果を全て皇上に報告しなさい」永璇は骨折、絶対安静となった。養心殿の太監・李玉(リギョク)と御前侍衛・凌雲徹(リョウウンテツ)は皇帝からの命で早速、調査に向かう。凌雲徹は馬場を調べに向かったが、そこで第8皇子の馬が装着していた鞍から針を発見した。如懿は永璇に接骨に効く薬を差し入れにやって来た。しかし付き添っている金玉妍が容珮の差し出した薬湯を払い落としてしまう。憤慨する容珮だったが如懿は目をつぶり、海蘭も安華(アンカ)殿で永璇のために祈っていると話した。すると金玉妍は本当は呪っているのかもしれないと悪態をつく。「子を思う親心はよく分かるから多少の暴言は許す、でも他人を侮辱するのはやめて」「…見舞いは皇上だけで結構です、皇后娘娘はご遠慮ください」金玉妍は如懿たちをあからさまに犯人扱いした。帰りの道すがら容珮は言いがかりも甚だしいとぼやいたが、如懿は何より永璇がかわいそうだという。おそらく永璇の足が完治するのは難しいだろう。するとちょうど調査から戻った李玉と凌雲徹に出くわした。そこで如懿は状況を訪ねてみたが、李玉は慎刑司で拷問しても証言は取れなかったという。しかし凌雲徹が恐らく調教師が注意を怠ったのだと報告、処置は皇帝と皇后が決めるよう進言した。李玉は凌雲徹を引き止め、人目のないところで尋ねた。「調教師の罪だという証拠でも見つけたのか?結論を出すのが早過ぎるぞ?」「…実は鞍から見つかったのです」凌雲徹は証拠となる針を見せ、鞍の裏側に仕込まれていたと教える。人が乗ればこの針が馬の背に刺さり、それで馬が暴れたのだ。しかし馬の背から傷跡を見つけるのは難しく、これが周到な罠であることに間違いない。2人には誰の仕業なのか皆目見当もつかなかったが、第5皇子が疑われていることだけははっきりしていた。もし嫌疑を晴らさねば愉妃にも累が及び、皇后も火の粉をかぶることになる。李玉と凌雲徹は皇后を巻き込まないことを最優先とし、不慮の事故で収束を図ることにした。「我らは皇上の命を受け調査した、口裏を合わせておこう」「皇上は恩人です、むやみに悲しませたくありません」どちらにしても嘉貴妃は身勝手でわがまま、かばう必要もない。李玉は凌雲徹に針を返し、これで一件落着にするのが皆のためだと言った。その夜、坤寧(コンネイ)宮の侍衛・趙九宵(チョウキュウショウ)は旧友の凌雲徹に頼まれ、馬場から鞍を盗んで屋敷まで届けた。凌雲徹は宮中にあると厄介なものだと言葉を濁したが、趙九宵はこれが第8皇子の鞍で落馬事件に関係していることなどお見通しだという。「忠告しておくが、皇上に隠し事はするな?露見したらおしまいだぞ」ちょうど料理を運んできた茂倩(モセイ)だったが、2人が何やら密談していると気づいて立ち聞きした。「バカでも分かるさ、8阿哥が重傷を負えば5阿哥が疑われる 5阿哥は4阿哥と皇位を争う仲だ、以前から火種を抱えていたのさ~ 5阿哥が疑われるってことは愉妃と皇后娘娘も疑われる」「ウム…皇后娘娘は善人だ、濡れ衣で窮地に立たせたくない 噂が流れ、疑惑が生じれば皇后の名声に傷がつく」凌雲徹はどのみち証拠が何も残っていないと話し、全ては皇后を守るためだと説明した。すると趙九宵は凌雲徹がますます保身の術に長けて来たとからかい、それに比べて自分は好きな娘にも振り向いてもらえないと愚痴る。「ァィャー…瀾翠(ランスイ)のことがまだ忘れられないのか?」「思いが報われなくても構わん、遠くから彼女を眺めていられるだけで満足さ」「そうだな、彼女が幸せならそれでいい…もう二度と悲しませたくない」「…?誰のことだ?」「何でもない、まあ飲め」その時、茂倩が現れ、2人の話は終わった。凌雲徹は鞍をしまって趙九宵と外へ飲みに出かけた。そこで茂倩は留守の間に書斎に忍び込み、机の下に隠してある大きな行李を引っ張り出す。行李には錠がかかっていたが、茂倩はかんざしを差し込んで解錠することに成功した。すると中には馬用の鞍が…。さらに小物入れには針が入っていたが、それが一体、何なのか分からなかった。しかし茂倩は最後に手作りの履物を見つける。履物の内側には凌雲徹の名前と雲の刺繍が入っていたが…。弘暦は永璇の容体が気になってなかなか寝付けずにいた。結局、新しい馬が飼い慣らされていなかったため、不慮の事故だったという。すると夜伽の衛嬿婉は、第4皇子と仲が悪い第5皇子がわざと第8皇子を落馬させたのではと疑った。しかし永琪の人柄を誰よりも知っている弘暦は否定、むしろ温厚な永琪がそしり受けることになり同情している。「…ただ嘉貴妃は悪知恵に長けています、5阿哥を陥れるために8阿哥を利用したのやも…」嬿婉は金玉妍が第4皇子の再起の機会を作るため、別の子を犠牲にしたのかもしれないと吹き込んだ。↑何ともイラっとするのよねwつづく(^ꇴ^)ちょwww茂倩って何者なのよ?
2019.12.22
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第60話「誤算」第4皇子・永珹(エイセイ)を皇太子にと熱望し、親王や高官への根回しに余念が無い嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)。康熙帝(コウキテイ)の頃より官吏と皇子の往来は禁じられてきたが、乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は警告の意味を込めて今一度、布告した。両広(リョウコウ)総督が皇帝と嘉貴妃に同じ献上品を贈っていたことも分かり、辺地の長官までが永珹を重視している。しかし侍女・毓瑚(イクコ)の指摘が弘暦の目を覚まさせた。「それは…陛下が4阿哥をいたく重用しているからです」御前自衛・凌雲徹(リョウウンテツ)は久しぶりに家に帰っても心ここに在らずだった。妻・茂倩(モセイ)は毎日ひとりきり、実は夫は結婚してから数回しか帰宅していない。「仕事ばかりではなく、私のことも顧みてよ」「私に嫁いで2年経つが、いつも不満ばかりこぼしているな」「贅沢させるほど出世できないなら、せめて毎日、家に帰って! たかが侍衛ごときが私を軽んじるなんて許せないわ!」しかし凌雲徹はため息をつき、妻を無視して行ってしまう。弘暦は急に第4皇子に冷たくなった。困惑した永珹は母に泣きついたが、金玉妍はあきらめないよう元気づける。「あなたの足を引っ張る者が多いのよ、大丈夫、気にしないで」何より永珹は即位後の初の皇子、嫡子の第12皇子・永璂(エイキ)もまだ幼い。金玉妍は勝算があると踏み、息子と手を取り合って奮起したが…。皇太后は唯一、孝を尽くしてくれる第5皇子・永琪(エイキ)を高く評価した。今日も永琪は慈寧(ジネイ)宮を訪ねていたが、そこへ養心殿の太監・進忠(シンチュウ)がやって来る。「木蘭囲場(モクランイジョウ)より野生馬が献上されました」すると皇太后は永琪も馬を見て来るよう促した。弘暦は妃嬪や皇子たちと一緒に野生馬を見学した。しかし野生馬は気性が荒く、調教師も手を焼いている。穎嬪(エイヒン)・巴林(バリン)湄若(ビジャク)は人に慣れぬなら射殺(イコロ)してしまってはどうかと提案したが、永珹が懐かぬ馬を馴らすのが醍醐味だと反対、手なづけてみることにした。するとかつて木蘭で苦役についていた凌雲徹が、第4皇子は秋になると木蘭囲場に来ては馬を手なづけ、熟練の調教師でも皇子にはかなわなかったと称賛する。また第4皇子は野生馬にも精通し、凌雲徹も調教しているところを見たことがあった。「調教、乗馬、狩り、いずれも秀でておいでです」弘暦は今の今まで永珹が馬に精通していると知らなかった。野生馬を難なく手なづけ、背中に乗って見事に御している永珹…。その姿を目の当たりにした弘暦は狩り場での刺客騒ぎを思い出し、永珹に疑いの目を向ける。金玉妍はそんな皇帝の変化に気づき、その夜、なかなか寝つけなかった。「永珹を引き立てる策が裏目に出てる 野生馬を調教した件で皇上は永珹に疑念を抱き、遠ざけるかもしれない…」そこで金玉妍は玉(ギョク)氏に清に忠誠を誓うよう文を書き、自分の玉氏への影響力を皇帝に知らしめることにする。さらに玉氏に皇子を招待するよう求め、皇帝が永珹を遣わせてくれれば玉氏との関係も緊密になると期待した。「もし5阿哥が遣わされたら、道中で亡き者に…」その夜、弘暦は刺客に襲われた日の夢を見て飛び起きた。如懿はすぐ気づいてなだめると、弘暦は夢で永珹を見たという。あの日、永珹が弘暦に続いて林に入ったことは凌雲徹も証言していた。しかし永珹は声を発せず、弘暦が危機に陥ると見計らったように現れている。「朕の歓心を得るための茶番であるならば許すことはできぬ…」実は弘暦はすでに養心殿の太監・進保(シンホウ)を木蘭囲場の内偵にさし向けていた。しかし進保は第4皇子が皇帝に続いて林に入ったと複数の証言を得られたものの、結局、それ以上のことは分からなかったという。皇帝の信頼を得た凌雲徹は一等侍衛へ昇格した。すると茂倩が早々に近所の人や同僚を食事に招待してしまう。凌雲徹は自分が御前侍衛と知れ渡れば仕事に支障が出ると呆れたが、茂倩はすでに招待してしまったと訴えた。「お前と来たら…」「行くの?行かないの?!」結局、凌雲徹はすぐに着替えることにした。玉氏から皇子を招きたいと上奏文が届き、弘暦は如懿に相談することにした。永珹では玉氏との接近が懸念されるが、何事も慎重な永琪なら適任だという。しかし如懿は使者の候補がわずかなことから、玉氏も当たりを付けているはずだと怪しんだ。「確かに永珹を使者にすれば外戚の台頭を助長します ですが永琪は…嘉貴妃、玉氏の望む人選ではありません 永琪を遣わして道中で事故に遭っても、玉氏を罰することはできません…」「ルーイーや、さすがよく考えが回るな」結局、玉氏へは諴(カン)親王を遣わすことにした。弘暦は如懿の機転で嘉貴妃と玉氏の謀に勘づき、これがきっかけとなって木蘭での一件も嘉貴妃と玉氏の指示だと確信する。そこで弘暦は永珹を嘉貴妃から遠ざけるため、城外に居を移させると決めた。如懿は尚書房の永琪を訪ねた。すると永琪は昨日、父に呼ばれたと報告する。如懿はすぐジュンガルの件だと分かった。永琪が読んでいたのは西域へ嫁いだ漢代の公主が望郷の念を詠んだ詩「黄鵠歌(コウコクカ)」、叔母の恒娖(コウサク)へ想いを馳せたのだろう。「父上に進言しました、″逹瓦斉(ダワチ)が婚姻を結んでも盾突くのなら、許すべきではない、 ジュンガルに出兵し叔母上を帰郷させるべきだ″と…」「義母が以前、出しゃばらぬようにと教えたわね? これからは存分に力を発揮なさい、でも何事も慎重にね」弘暦はジュンガルが謀反心を抱いているとし、逹瓦斉(ダワチ)を討つと宣言した。バリン部親王がジュンガル部に詳しいことから指揮を命じ、2千の兵を参戦させると決める。しかし弘暦は派兵について永珹に何も命じなかった。金玉妍にとっても皇帝が諴親王を玉氏の使者に選んだのは大きな誤算、これまでの計画は白紙にするしかない。そこで永珹に後ろ盾となる福晋を選ぶことにしたが、もはや手遅れだった。皇上の勅命により永珹は城外に居を構えることになり、宮中に入ることも制限されてしまう。また第8皇子・永璇(エイセン)は即刻、擷芳殿(ケツホウデン)へ移るよう命じられ、まだ幼い第11皇子・永瑆(エイセイ)だけが啓祥(ケイショウ)宮にとどめ置くことを許された。永珹が失脚し、第3皇子・永璋(エイショウ)が日の目を見ることになった。純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)はこれも第5皇子が永璋の顔を立ててくれるおかげだと感謝する。すると愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が兄を助けるのは弟の務めだと言ってくれた。如懿は皇帝も仲の良い兄弟で喜んでいると安堵したが、ふと嘉貴妃の様子が気にかかる。実は皇帝に上の皇子2人を引き離されて以来、金玉妍は寝宮に引きこもっていた。永珹は母親に会うのにも皇帝の許しが必要となり、皇帝の警戒ぶりをうかがわせる。やがて追い詰められた金玉妍は被害妄想がひどくなった。そこで侍女・麗心(レイシン)に犬を集めるよう命じる。もはや誰も信じられず孤立無援となり、番犬を飼って身を守るというのだ。啓祥宮から聞こえる番犬の激しい鳴き声に怯え、和宜(ワギ)公主・璟兕(ケイジ)が失神した。知らせを受けた侍医・江与彬(コウヨヒン)が駆けつけ公主に鍼を打つことにしたが、鳴き声が続けば身体がもたないと警告する。そこで如懿は侍女・菱枝(リョウシ)に皇帝への報告を頼み、太監・三宝(サンポウ)に嘉貴妃の犬を追い払って来るよう命じた。養心殿に駆けつけた菱枝は第5公主が嘉貴妃の犬に驚いて発作を起こしたと知らせた。弘暦は驚いてすぐ後宮へ向かうことにしたが、その時、金玉妍の嘆願が聞こえて来る。外へ出てみると金玉妍がひざまずき、皇后に犬を取り上げられたと泣きわめいていた。「犬を使って璟兕を殺すつもりか?!万一の時は許さぬ!」「皇上、怖いのです、番犬がいなくなれば私は殺されてしまいます…」金玉妍は皇帝にすがりつき、犬を返して欲しいと訴える。弘暦は心を病んだ金玉妍に犬を一匹だけ残すことを許し、他は処分するよう命じた。幸い璟兕は大事には至らず、弘暦と如懿は胸をなでおろす。しかし江与彬から今後はより一層、注意が必要になると釘を刺された。清軍は敵領に到達した。弘暦も皇太后も恒娖の身を案じ、落ち着かない日々を送っている。逹瓦斉との再婚の際は皇太后と大臣の板ばさみとなり、辛い決断を下した弘暦…。しかしドルベト部が帰順し、バリン部が援軍となって、ようやく機を得ることができた。如懿は弘暦がジュンガル平定を成し遂げると信じ、微力ながら安華(アンカ)殿で祈祷を続けている。…敵味方を問わず、多くの兵の命が犠牲となるでしょう…国が安寧を得て、女が望まぬ結婚をせぬことを強く願います翊坤(ヨクコン)宮に妃嬪たちが集まった。しかし嘉貴妃は富貴児(フキジ)と名付けた犬から離れようとしないという。そこで如懿は妃嬪たちに戒めた。「世継ぎには才覚が重視されます、誰が産んだかではなく、どれだけ努力したか 阿哥たちには勉学に励み、国のために貢献して欲しい」すると急に純貴妃が自分の子には忠を尽くすことに専念させると言い出した。2人の皇子がいるため、再び野心があると疑われることが心配だという。「他の妃嬪たちも無用な争いを避けるべく、今ここで一緒に誓いましょう 後宮の秩序を保つべく、長幼の序、嫡庶の別を守りましょう」「純貴妃の言はもっともね、私も皇后娘娘への絶対的な忠誠心を誓います」海蘭は早速、純貴妃に追従すると、妃嬪たちは立ち上がって皇后への忠誠を誓うのだった。つづく(  ̄꒳ ̄)さて、いよいよ嘉貴妃にフラグが立ちました…そして如懿と寝ている時の弘暦の悪夢見る率の高さよ(笑そう言えば嘉貴妃の袖って不始末かしら?ちょっと興醒め〜
2019.12.17
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第59話「寵姫の復活」円明園にいる皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)のもとに養心殿の太監・李玉(リギョク)から急報が届いた。すると密書を見せてもらった純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)が思わず驚きの声を上げる。「炩妃(レイヒ)の寵愛が復活?!皇宮に戻った炩妃がなぜ木蘭囲場(モクランイジョウ)に?」愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は大胆で卑劣な手だと憤慨した。控えめな婉嬪(エンヒン)・陳婉茵(チンエンイン)さえ皇后の権限で処罰すべきだと進言する。しかし如懿はそれより蘇緑筠へ第3皇子夫妻に皇室の子孫を増やして欲しいと言った。そこで第3皇子夫妻に早く子供が授かるよう、″麒麟送子(キリンソウシ)″の瓶を贈るという。蘇緑筠は恩情に感謝したが、皇后の意図は分からなかった。その日、如懿は海蘭と碁に興じていた。海蘭は炩妃が木蘭で恪嬪(カクヒン)や穎(エイ)嬪と張り合っていると報告、心得のない弓馬を扱い、温泉では崑曲を甘い声で歌って皇帝の気を引いているという。「炩妃は這い上がるためなら手段を選ばない、炩妃のようなやり方は私たちにはとても無理ね…」如懿は呆れた口調でそう言った。それにしてもなぜ軽薄で粗野な炩妃が皇帝を虜にしたのか。海蘭が首をかしげると、如懿は時に欠点が長所にもなると話した。「妃嬪には皆、長所がある 絵に例えると私たちはすでに完成した作品、皇上は各作風を楽しむ でも炩妃は違う、炩妃は未完成の絵ね 皇上が自分好みに仕上げたの、炩妃は皇上に従順よ 鹿血酒の件でも皇上は炩妃を降格しなかった」「今や策を弄して寵姫に返り咲いた、いつか更なる騒動を引き起こすわね…」皇帝一行が紫禁城に戻った。炩妃に対する宮中の態度は一変、衛嬿婉(エイエンエン)は鼻高々で輿に揺られながら宮道を行く。やがて翊坤(ヨクコン)宮に到着すると、先手を打っていきなり殿前で自分の頰を叩き始めた。皇后に呼ばれた衛嬿婉は、舒(ジョ)妃の件で自らに罰を加えたと報告した。如懿は罰を下したのは皇太后のため、皇太后に報告するよう命じる。しかし嬿婉は皇太后が容珮(ヨウハイ)に自分を打たせたのは皇后に従えとの意だと答えた。「私は勝手に木蘭へ行き、後宮の掟に背きました それゆえ先に皇后にお詫びを、罰は甘んじて受けます」嬿婉は悪びれる様子もなく、重病ならもう皇帝に会えないと思いつめての行動だったと言いのける。「幸い皇上のご加護で病も癒えました」「だから罰を受けに来たと?では今日から半月、毎日2刻、板著(ハンチョ)の刑を 春嬋(シュンセン)?あなたは炩妃に従った罪で杖刑(ジョウケイ)30回を…」容赦ない刑罰に顔を引きつらせた嬿婉だったが、すぐ皇后を牽制した。「でも皇后娘娘、今宵は皇上のお召が…罰は明日、お受けします」「では明日、容珮を永寿(エイジュ)宮へ行かせるわ」如懿は顔色ひとつ変えずにそう言ったが、内心穏やかではなかった。その夜、衛嬿婉は皇帝に皇后から罰を受けたと告げ口した。「罰は甘んじて受けますが、毎日2刻も続けたらめまいで夜伽は無理かと…」実は板著は本来、侍女への刑罰で、立ったまま前屈し、両手でつま先をつかむ。めまいどころか中には病になる者もいた。しかし乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は罰しなければ示しがつかないと皇后の決定を尊重し、辛抱して従うよう言い聞かせる。その代わり包(ホウ)侍医に刑を受けた炩妃の手当を命じることで寵愛ぶりを示した。そんな中、ジュンガル部の逹瓦斉(ダワチ)がまた暴れ出した。清がドルベト部を移住させるなら朝見しないと言い出し、首領の車凌(チェリン)を追い出せと騒いでいるという。ジュンガルとドルベトは長い紛争の歴史があった。襲われたドルベト部は家畜や女子供まで略奪され、やむなく車凌は部族を率いて故郷を離れ、清に保護を求めている。ジュンガル部は内紛が続き逹瓦斉も好戦的、他の蒙古各部も清に帰順の意を示しているのはジュンガル部への不満の表れだろう。弘暦は逹瓦斉に構わず車凌を親王に封じると決め、第4皇子・永珹(エイセイ)に出迎えの準備を任せ、第5皇子・永琪(エイキ)には兄を手伝うよう命じた。永珹が皇帝から重用される一方、永璋は自分だけが蚊帳の外だと不満を募らせた。嫡子の永璂(エイキ)が幼いことから、このまま有能な永珹が皇太子となれば自分は冷遇される。蘇緑筠は自分の無力さを嘆くが、何の手立てもなかった。すると第6皇子・永瑢(エイヨウ)が現れ、嬉しそうに皇帝から絵を褒められたと報告する。「よその息子は皇上に重用されて、私の息子は皇上に絵を褒められるだけ…」「私の絵は下手ですか?」「違うわ、上手よ」永琪は皇帝の決定に懸念があった。逹瓦斉を無視して車凌を歓待すれば叔母である恒娖(コウサク)の立場がない。その話を聞いた永珹が皇帝に報告、永琪は皇帝の怒りを買うことになった。永琪は1刻ほど跪いて反省するよう命じられ、この件から外されてしまう。しかしこの一件は思いがけず皇太后を喜ばせた。誰もが皇帝に従い自分の娘を思いやらない中、まさか第5皇子が進言してくれるとは。「皇后と愉妃は良い子を育てた、皇上に従うだけの永珹よりよほど優れておる」李玉は殿前でひざまずいている第5皇子に外套をかけた。「秋の夜風は冷えますので…」「私の世話を焼けば巻き添えを食うぞ」「心配はご無用です、皇上は国事に対する意見より、兄弟を陰で批判する者を嫌います 皇上の前で5阿哥を批判した方がおり、その方への憂慮の方が深いご様子…」すると李玉は1刻を過ぎたので戻るよう促した。第4皇子が頭角を現し、宮中ではまことしやかに第4皇子が帝位を継ぐと噂されていた。啓祥(ケイショウ)宮に集った慶(ケイ)嬪・陸沐萍(リクボクヘイ)、禧常在(キジョウザイ)・西林覚羅(シリンギョロ)氏、恭(キョウ)常在・林(リン)氏も口を揃え、第4皇子が皇太子になれば嘉(カ)貴妃も安泰だともてはやす。しかも皇帝が皇陵参拝に第4皇子だけを同行させたことが金玉妍(キンギョクケン)に拍車をかけた。皇太子への位まであと少し、そこで金玉妍は玉(ギョク)氏から届く献上品を大臣やその家族の進物に、皇后へは両広(リョウコウ)総督から贈られた金の首飾りを献上して根回しする。皇太后はそんな動きを警戒し、あらかじめ如懿に分をわきまえぬ者がいれば後宮の主として処罰するよう助言していた。如懿の期待通り永璋の福晋が懐妊した。皇后から口添えを頼まれた李玉は早速、皇帝に7年ぶりに孫ができると報告する。「先帝が純貴妃のことを″子を産み育てる相だ″と仰せでした、まさしく皇室の子孫繁栄に貢献を」その頃、蘇緑筠は翊坤宮にいた。しかし孫の誕生を喜ぶどころか冷遇されている永璋が不憫でならない。そこへ李玉がやって来た。蘇緑筠はてっきり永璋が皇上に叱責されている報告だと思ったが、驚いたことに皇帝が今夜は鍾粋(ショウスイ)宮へお渡りだという。「何とぞお支度を…皇上は孫が増えるのも純貴妃のおかげだと仰せでした」そこで如懿はお祝いとして嘉貴妃からもらった首飾りを蘇緑筠に贈った。弘暦は鍾粋宮へ向かう途中、偶然、参内した福晋たちに出くわした。拝跪した福晋たちはまず嘉貴妃に会い、これから皇后に挨拶に行くところだという。弘暦は福晋たちには何も言わなかったが、皇后より先に嘉貴妃に会いに行ったことが引っかかった。太監・進忠(シンチュウ)は重用される皇子の母ゆえ、一目置かれたのではと進言したが…。鍾粋宮では純貴妃が皇后から贈られたという金の首飾りをかけていた。弘暦は鳳凰と牡丹は皇后に許された文様だと指摘、下賜品でも使用は控えるよう命じる。驚いた蘇緑筠はすぐ謝罪し、嘉貴妃から皇后への献上品だと教えた。すると李玉が確かに両広総督からの献上品にその首飾りがあったと報告する。「今も宝物庫に保管してあるはず、皇上は誰にも下賜していないのに、なぜ嘉貴妃が?」「…きっと対なのです、1つは皇上に献上し、もう1つは私的に嘉貴妃へ…」蘇緑筠の指摘は弘暦の疑心を深めていった。永琪が翊坤宮へ向かう途中、偶然、ほろ酔いで帰って来た4兄と出くわした。実は永珹は皇帝の唯一の弟である和親王の酒席に呼ばれて酔ってしまったという。永琪はそんな浮かれ気分の4兄を見送り、久しぶりに翊坤宮へ顔を出した。如懿は皇帝に疎まれても永琪が変わらず落ち着いていることに安堵する。すると永琪は義母の助言通り四兄が得意になっても出しゃばらず、目の敵にならないよう書物の編纂(ヘンサン)に勤しんでいると話した。そこでまだ途中ではあったが、蕉桐賸稿(ショウトウショウコウ)を見てもらうことにする。如懿は平常心を保てば必ず機会が訪れると励まし、早速、書物に目を通した。養心殿になかなか永珹が現れなかった。李玉の話では和親王の誕生祝いの酒席で酔ってしまい、休んでいるという。「昼から飲酒とはけしからん」苛立ちを隠せない弘暦だったが、李玉から叔父・諴(カン)親王の福晋がお目通りを願っていると聞いた。福晋は皇帝に謁見すると、今日は皇后に拝謁したと伝えた。実はその次に嘉貴妃を訪ねたところお礼をもらったが、過分な品のため不安になったという。福晋が皇帝に返したのは玉氏の黄玉1箱、他にも嘉貴妃は絹織物20疋(ヒキ)を贈っていた。「確かに手厚い、かなり気前が良いな…頼み事をされたのでは?」「皇上、ご明察です、嘉貴妃は″4阿哥を皇太子に″と王爺から皇上に進言して欲しいと… 私は恐ろしくなり、皇上にご報告に参った次第です」弘暦は福晋の忠誠心に対する褒美として、この品を改めて親王府に送ることにする。「で手厚い贈り物は他の者にも?」「嘉貴妃は大臣らの妻にも進物を、朝廷で4阿哥の後ろ盾になって欲しいと…」珂里葉特(ケリエテ)扎斉(ジャチ)が叔母の海蘭に会いに来た。海蘭はせびられても妃とはいえ冷遇されている身、わずかな手当てしかないと告げる。しかし扎斉は叔母が皇后と仲が良いと聞き付け、おこぼれをと食い下がった。海蘭は皇后を煩わせるなと憤慨し、博打などしなければ十分な額を渡していると言って追い返す。すると母を心配した永琪が待っていた。「厄介ですね、お金がなくなると母上にたかりに来る どうせ賭け事で すってしまうのに」「頭痛の種だけど、どの家にも厄介な親戚はいるものよ…」海蘭はこのことは皇后に言わないよう釘を刺した。扎斉は仕方なく客殿を出た。「実の叔母なのに結局これっぽっちかよ~俺の父親の恩も忘れやがって~」その悪態をつく姿を偶然、衛嬿婉が見かけた。「誰のご親戚?あの態度、まるで私の弟みたい」「愉妃の甥御だとか、賭けで負けては金の無心に…」嬿婉は侍女・春嬋(シュンセン)から良いことを聞いた。つづく( ತ _ತ)よりによって嬿婉に弱みを握られるとは…ぐぐぐ
2019.12.16
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第58話「抜け駆け」舒妃(ジョヒ)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)が自害した。皇太后は炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)が舒妃に子宝の薬の秘密を教えて死に追いやったと突き止めたが、嬿婉は否定する。そこで侍女・福珈(フクカ)が炩妃が懐妊中の舒妃に飲ませようとした薬を持って来た。皇太后からこの薬を毎日1袋ずつ飲むなら今回の件は不問に付すと脅された嬿婉はついに罪を認めて謝罪、懐妊した舒妃に嫉妬して腎臓が弱まる薬を加えさせたと白状する。しかし第10皇子を害する意図はなく、舒妃が美貌を損ねて皇上に嫌われれば良いと思っただけだと釈明した。すると皇太后は、侍医・江与彬(コウヨヒン)が都へ戻る途中で病になり足止めされたのも炩妃の仕業かと尋ねる。嬿婉は正直に宿の者を買収して江侍医の食事に下剤を盛らせたと答えた。さすがにあきれ返る皇太后…。長年、後宮にいるが、これほどの策士は初めてだ。その頃、綰春(ワンシュン)軒に皇后の侍女・容珮(ヨウハイ)が現れた。炩妃はすぐ皇后に謁見するよう声をかけたが、太監・王蟾(オウセン)の話では主人なら皇太后に召されたという。窮地に追い込まれた衛嬿婉は舒妃に代わり自分が皇太后の役に立つと申し出た。「舒妃は真実に向き合えず自害してしまいました、心が弱すぎます 役立たずはしつけても無駄なのです… 私は舒妃のように情愛の泥沼にはまったりしません、舒妃よりお役に立てます」皇太后は確かに皇宮では野心を持っても偽っても良いが、真心を捧げてはならないと戒めた。ただかくも狡猾な炩妃など怖くて使えまい。自分の手先になるのと引き換えに罪を許し、その上、守れと要求してくるとは…。その時、宮女が現れ、皇后が炩妃を呼んでいると報告した。すると嬿婉は皇后が何か嗅ぎつけたに違いないと焦り、皇太后にすがりつく。「太后!助けてください!何でも言うことを聞きます!太后~っ!」「舒妃がそなたと会ったことを知ったのだろう、よかろう 死罪は免じる、ただし罰は受けよ、皇后娘娘を納得させるためだ… 舒妃の百日忌まで皇后の侍女・容珮に毎日、頰を10回、打たせる 皇后の怒りも収まるであろう、私たちの今後の話はそれからだ」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)はまだ床から離れていなかった。そこで衛嬿婉は天地一家春(テンチイッカシュン)の前で皇后に釈明する。確かに皇后からの罰で仏堂へ言った時、舒妃と会ったが、上の空だった舒妃とは言葉を交わしていないというのだ。「誓って嘘は申しません、皇后娘娘にはご明察を…」「…″誓って″?いつも気安く使うわね」如懿は炩妃の関与を確信していたが、舒妃が亡くなった今となっては確かめようもなかった。すると容珮は皇太后が炩妃に罰を下したと報告する。第10皇子の喪中に歌に興じたこと、また舒妃の異変に気づきながら何も報告しなかったことが理由だという。皇太后が罰した以上、如懿は口を出せず、結局、容珮に炩妃を下げるよう命じた。その夜、愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が皇后の見舞いにやって来た。やはり海蘭も急に舒妃が自害したのは妙だと怪しんでいるという。如懿は舒妃が自害する前に炩妃に会っていたと教え、絶対に何か言われたはずだと疑った。もともと慎刑司(シンケイシ)で調べさせるつもりだったが、皇太后が罰を下したため手を引かざるを得なかったという。すると2人の話題は間もなく入内する巴林(バリン)氏に移った。皇帝は侍女・毓瑚(イクコ)をわざわざ迎えに行かせ、すでに穎(エイ)嬪に封じたという。確か穎嬪はバリン部の親王の娘、如懿はジュンガルの目の上のこぶであるバリン部が清にとって強い戦力だと説明した。しかし皇帝は逹瓦斉(ダワチ)に恒娖(コウサク)を嫁がせたばかり、海蘭は皇帝がなぜ敵対する部族の娘を娶ったのか分からない。如懿は均衡を保つためだと教え、皇帝もいろいろ配慮しているのだと思いやった。蒙古から巴林湄若(ビジャク)と侍女・阿宝(アホウ)が到着した。毓瑚は寝所となる同楽(ドウラク)院に案内し、湄若は満洲族の衣装に着替えると早速、庭園に散策へ向かう。すると花園で思いがけず皇帝と出くわすことになった。「皇上?!絵で見ましたが、実物の方が素敵です」弘暦は聡穎(ソウエイ)で美しい想像通りの女子だと褒め、2人で散歩に出かけることにした。「…新入りは得ね~簡単に歓心を買えるんだから」回廊でちょうど2人の様子を見ていた衛嬿婉は嫉妬に駆られたが、どちらにしてもこの顔では皇帝に会えない。嬿婉は毎日、容珮に叩かれ、頰が真っ赤になっていた。如懿は容珮から弘暦が穎嬪を寵愛していると聞いた。天真爛漫な湄若は寵愛されて当然だろう。しかし亡くなれば過去の人として忘れ去られると思うと一抹の寂しさがよぎった。容珮は舒妃のことで皇后が気落ちしていると心配し、話題を変える。そう言えば数日後に皇帝が木蘭囲場(モクランイジョウ)へ狩りに出かけることになったが、同行するかと確認した。すると如懿はまだ出産して日も浅いため、穎嬪と恪嬪(カクヒン)拝爾果斯(バイルガス)氏を仕えさせるという。容珮は念のため第4皇子と第5皇子が行けば嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)と愉妃も同行すると話したが、それでも如懿は黙ってうなずくだけだった。「僭越ですがお許しください… 12阿哥は嫡子ですがまだ幼く、皇上は目下4阿哥がお気に入りです 嘉貴妃は傍若無人なのに玉(ギョク)氏の後ろ盾があるため、4阿哥の立太子をもくろんでいます でも皇上は5阿哥もお気に入りです 庶子でも世継ぎになれるなら5阿哥の方がいい、皇后娘娘が養育なさった皇子ですから ただ率直に言って5阿哥は皇后が産んだ子ではありません、いくら優秀でも他人の子です」如懿は容珮の気がかりがよく理解できた。「容珮、永璂(エイキ)が生まれて以来、私も色々な側面から何度も考えてみたわ 永璂は嫡子だけど、まだ幼く将来のことは分からない 永琪(エイキ)が有能で責任感の強い子なら、世継ぎにするのも悪くない 永璂は将来、名高い親王になればいい」「にゃんにゃん?本気でそうお考えですか?」「あなたに嘘などつかないわ」弘暦と如懿が食事をしていると、穎嬪がやって来た。穎嬪の挨拶を受けた如懿は確かに美しく快活な娘だと好印象を持つ。その一方で衛嬿婉は今日も容珮から思い切り叩かれていた。すると罰の後に進忠(シンチュウ)が現れ、これも慎重に行動せよという皇太后の警告だとなだめる。そこで円明園ではなく、人里離れた茫漠たる原野で得意の歌を披露してはどうかと提案した。衛嬿婉は皇帝の寵愛を取り戻すため、皇太后を頼った。すると翌日、容珮は包(ホウ)侍医の診断で炩妃が肝臓を患っていると報告する。何でも炩妃は人にうつさぬよう皇宮で養生したいとか。如懿は了承し、皇帝が木蘭囲場へ出立すれば円明園には妃嬪や幼い子が残るだけ、病人には何かと不便だろうと言った。弘暦は明日の狩りに如懿を連れていけないことを残念がった。しかし海蘭は自分から如懿の補佐のため残りたいと希望し、金玉妍には同行したいとせがまれたが、騒々しいのが嫌で断ったという。結局、弘暦は2人の皇子と2人の妃嬪を連れて秋の狩猟へ出かけて行った。その頃、衛嬿婉は皇太后のおかげで無事に円明園を出た。するとやがて村人に扮して待っていた進忠が嬿婉の馬車を止める。「全て手配しました、少しの辛抱です」「成功するなら何でもやるわ」恪嬪と穎嬪は共に蒙古出身で仲が良かった。確かに元気で可愛い2人だが、風流を好む弘暦にはいささか味気ない。しかし他に同行した妃嬪はおらず、その夜は進忠に勧められた温泉に行ってみることにした。「李玉、按摩師を呼べ」「御意」弘暦が温泉に浸かっていると按摩師がやって来た。しかしあまりに下手なため、弘暦は別の者を呼べと命じて振り返る。するとそこにいたのは炩妃だった。「どういうことだ?病ゆえ皇宮に戻ったと聞いたぞ?」「どうしても皇上にお会いしたかったのです…我慢していたら一生、後悔するので… 命がけでここまで参りました」弘暦は回りくどいことをするなと呆れたが、ちょうど良い暇つぶしが見つかったのも事実だった。そこで嬿婉は新しい歌を稽古してきたと話し、早速、披露する。弘暦は確かに上達したと喜び、一緒に風呂に入ることを認めた。皇帝が温泉から出て来た。警護していた御前自衛の凌雲徹(リョウウンテツ)は拝礼しようと振り返ったが、なぜか皇帝と一緒に衛嬿婉がいる。一方、自分たちの天幕にいた恪嬪と穎嬪は皇帝と炩妃が一緒に天幕へ帰って来た様子をかいま見た。まさか2年も冷遇されていた炩妃が突然、寵愛を取り戻すという大芝居を目の当たりにすることになろうとは…。すると恪嬪が穎嬪に自分たちも頑張らないと、将来の身の置き場を失うと助言した。その頃、進忠は李玉に呼び出しをくらった。するといきなり平手打ちされ、炩妃を手引きしたと叱責されてしまう。「勝手な真似を!」「私は何も知りません…」「温泉を勧めたのはお前だ」「狩の後はいつも温泉ですぅ、按摩師を手配したのは李太監でしょう?」「内部の者の手引きなしに按摩師がすり替わるか?!」「私ではありませ~ん、凌雲徹(リョウウンテツ)か進保(シンホウ)では?」「進保は炩妃を一度もかばったことがない、お前は違うだろう?」しかし進忠は自分を買いかぶっていると訴え、皇宮の者の手引きかもしれないとごまかす。李玉は決定的な証拠がなく、結局、それ以上は追求できなかった。円明園では皇后の元に妃嬪たちが集まって談笑していた。すると太監・三宝(サンポウ)が現れ、皇后に李玉から文が届いたと伝える。容珮は文を預かり皇后へ渡すと、如懿は早速、目を通した。…木蘭にて炩妃の寵愛が復活…つづく( ๑≧ꇴ≦)容珮のビンタがwww嬿婉だけでもテンションが下がるのに、進忠が本当に…嫌っ!(笑
2019.12.08
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第57話「絶望の果てに」第10皇子が急逝した。その夜、乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は傷心の舒妃(ジョヒ)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)を見舞うため春雨舒和(シュンウジョワ)館へむかう。すると寝所から懐かしい詩が聞こえてきた。意歓が書き写していたのは、かつて弘暦が孝賢(コウケン)皇后を偲び詠んだ詩だった。「いつか私が逝っても偲んでくださるかしら…」「主儿、不吉なことを言わないでください」侍女・荷惜(カセキ)が諌めていると、ちょうどそこへ皇帝が入ってくる。それでも取り憑かれたように詩を写し続ける意歓、弘暦は見かねて筆を取り上げた。「若いゆえ、また身ごもれる」「(フルフル)私は身体が弱く懐妊しにくい…薬を飲み続けやっと授かったのです」意歓は皇帝の子を守れず、恩情に報いることもできず、自分にできるのは皇帝の詩を書き写すことだけだと涙する。弘暦はそんな舒妃をなだめ、神経が休まる薬を自分で飲ませてやることにした。やがて皇帝の腕の中で眠りに落ちた意歓…。弘暦は安らかな舒妃の寝顔を眺めながら、回復したらもう一度やり直そうと決意するのだった。鹿血酒の一件以来、冷遇されていた炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)は、暇に任せて皇帝の好きな崑曲の稽古に勤しんでいた。そんなある日、侍女・瀾翠(ランスイ)が養心殿の太監・進忠(シンチュウ)から皇帝が散策に来るというお気に入りの場所を吹き込まれ、主人を園中苑へ案内する。嬿婉は歌声で皇帝の気を引くつもりだったが、実は付近を散歩していたのは皇后だった。歌声を耳にした烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)はすぐ炩妃だと分かった。太監・三宝(サンポウ)の話では炩妃が最近、崑曲の師匠を見つけて歌を習っているという。「伝えて来て、10阿哥の喪中に歌に興じるなど不謹慎、罰として阿哥の霊前で丸一日ひざまづけと」そこで容珮(ヨウハイ)はすぐ園中苑へ向かい、炩妃に皇后からの罰を言い渡した。皇后に処罰され機嫌が悪い嬿婉、すると回廊に進忠が歌いながら現れた。そこでようやく嬿婉は進忠がわざと瀾翠に嘘を教えたのだと気づく。進忠は炩妃が凌雲徹(リョウウンテツ)が戻ってからというもの、自分を無視しているとひがんでいた。しかし嬿婉は凌雲徹など忘れたと誓い、進忠だけが頼りだと猫撫で声を出す。「今後も助けてくれるわよね?」「もちろん助けますが、私は奴婢でしかない、自力で這い上がらねば…」進忠は周りの情勢を見極めるよう進言し、第10皇子を失って皇帝から同情され、皇后とも仲が良い舒妃が立ち直れば厄介だと指摘した。「舒妃は心身共に弱っている、ひと押しで倒れます」進忠は馴れ馴れしく嬿婉の手を握りしめ、今まで張り巡らせた策を無駄にしないよう助言した。衛嬿婉は仏堂で舒妃を待ち伏せした。そこであらかじめ準備していた薬湯を差し出し、実は舒妃と同じ子宝の薬を飲んでいたと告白する。薬の匂いを嗅いだ意歓は確かに自分の薬だと気づき、なぜ炩妃が処方を知っているのか訝しんだ。すると嬿婉は子供欲しさに舒妃の薬の出し殻を調べたと白状する。「でも飲む量を増やしたのに効果はなし、姐姐、あなたは薬をやめて身ごもった… おかしいと思わない?子宝の薬なのに懐妊しなかったのよ? それで宮外の医者に処方を見せたわ、ひと目で分かったそうよ?」嬿婉は皇后から何も聞いていないのか確認した。意歓の話ではただ薬を飲み過ぎるなとしか言われていないという。「そう、なら教えてあげる、私たちが飲んでいたのは子宝の薬ではない、避妊薬なの」「…嘘よ」意歓は到底、信じられなかったが、嬿婉が処方箋を見せた。そこには都でも屈指の名医の見立てで、確かに″妊娠を回避する薬″と書いてある。激しく動揺した意歓は逃げるように仏堂から出て行くと、嬿婉は証拠となる処方箋を燃やしておいた。弘暦は信頼を寄せる第4皇子・永珹(エイセイ)を呼び、頼んだ仕事をうまく処理できたと褒めていた。その時、李玉(リギョク)が制止するのも聞かず、舒妃が入ってくる。「尋ねたいことが…」思いつめた様子の舒妃を見た弘暦は永珹と李玉を下げ、話を聞くことにした。意歓は長年、皇帝から飲まされていた子宝の薬が実は避妊薬だったと知っていた。仕方なく弘暦は、この世には追求しない方が良いこともあると言葉を濁す。しかし意歓は追及されるのが怖いのかと迫り、自分を身ごもらせたくなかったのは皇太后に推挙された者だからだと指摘した。「私の真心は皇上に全く伝わっていなかったのですか?」「…数年かけてやっと分かりかけたところだ、そこへ追及を受けている 舒妃よ、そなたと朕の縁はこれまでなのか?修復の余地はないと?」意歓は皇帝を困らせるのが嫌で皇太后の口添えを断って来た。純粋にも愛する人と添い遂げられると信じて来た意歓、結局、母子の駆け引きの駒にしか過ぎなかったとは…。すると弘暦は自分も苦渋の決断だったと声を荒げた。「朕の真心や苦しい立場を理解している者がどれだけいると思う!」「私が愚かでした…心を尽くしてお仕えしていれば応えてくれると思っていたのに… 若い娘の夢など、絵空事に過ぎないのですね」意歓は急に身体の力が抜けてへたり込んだ。「舒妃、子は失ったがそなたとはやり直すつもりだった、だが朕はもうそなたに見限られたようだ…」弘暦はそう言い残し、政務に戻ることにする。「ええ、全て私が間違っていました 寺院でお見かけした皇上にひと目惚れしたことも… ご存知ですか?先ほど私がここへ入って来た時、皇上は威風堂々としてご立派でした 初めてお会いした時とまるで同じ…私が生涯、目にした中で最も美しいお姿です」すると意歓は叩頭して別れの挨拶とした。春雨舒和館に戻った意歓は1人になりたいと頼んだ。そこで侍女たちに第10皇子の三十五日忌なので仏堂で供養するよう命じる。寝所に入った意歓は扉のかんぬきを通すと、写しておいた詩を燃やし始めた。すると皇帝の詩にも自分の過ちに気づいた一節がある。「″ようやく分かりし過ちに 心 寂しく戸惑う″… ″紅涙(コウルイ)ひそかに垂(シズ)る″… ″満眼(マンガン)の春風 百事 非なり″… ″ようやく分かりし過ち″…全ては過ちね」日が暮れる頃、荷惜たちが仏堂から戻ると春雨舒和館は火に包まれていた。如懿は春雨舒和館が火事だと報告を受け、慌てて駆けつけた。しかし火の勢いは激しく、どうやら舒妃が自ら火を放ったようで、建物は全焼だという。衝撃を受けた如懿は急に腹痛に襲われ、そのままお産が始まってしまう。弘暦は純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)と一緒に天地一家春(テンチイッカシュン)に駆けつけた。李玉の話では舒妃を火事から救えず、衝撃を受けて早産になったという。蘇緑筠は身重の皇后に衝撃を与えるとは何事かと激怒したが、その時、殿内から産声が聞こえた。如懿は女児を出産した。和嘉(ワカ)公主が生まれて以来、8年ぶりの公主となる。弘暦は美しい顔立ちの公主に目を細め、時宜を得た誕生のため″万事良い″の意で和宜(ワギ)公主、犀(サイ)のようにたくましく育つよう璟兕(ケイジ)と名付けた。産後間もない如懿だったが、弘暦の姿を見ると真っ先に心配していた舒妃の様子を尋ねる。弘暦は思わずうつむき、舒妃の葬儀は内務府に任せるとだけ伝えた。そんな中、生まれたばかりの和宜公主を診察していた江与彬(コウヨヒン)が慌てて戻って来る。実は公主に心疾患が見つかったというのだ。乳児に見られる病で乳があまり飲めず、汗をかき、顔が紫色になるという。成長しても体力がつかず、治療法も確立されていないため、注意して養育するしかない。驚いた弘暦はすぐ侍医を全員、集めるよう命じた。「何という日だ…舒妃が亡くなると同時に第5公主が生まれたが… 舒妃が災いをもたらしたのか?」←もういい加減にしろw「10阿哥も5公主も生まれつき身体が弱いだけです」如懿は舒妃に罪はないと訴え、責めないで欲しいと言った。皇后の出産が終わったが、舒妃の急逝や南方の水害、その上、誕生した第5公主が病気ということもあり、侍医と産婆の報酬は減額された。娘の薬代で銀子が必要だった田氏は落胆し、思わず涙が出てしまう。するとちょうど庭園にいた嬿婉が気落ちする田氏を見かけた。事情を聞いた嬿婉は銀子を渡し、いずれ世話になると告げる。さすがに田氏は遠慮したが、侍女・春嬋(シュンセン)から誰に親切にされたか覚えておいてくれればいいと言われた。その夜、容珮は皇帝から第5公主に安眠効果がある枕が届いたと報告した。実はその時、李玉から舒妃が皇帝と会う前、仏堂で炩妃と一緒だったと聞いたという。如懿は明日、炩妃から話を聞くと言ったが、翌日、先に炩妃を呼びつけたのは皇太后だった。皇太后は舒妃が自害したと知るとすぐ、侍女・福珈(フクカ)に調査させていた。炩妃の企みだったと知った皇太后はしばらく炩妃をひざまずかせ、やがて舒妃と第10皇子の命を奪った件で追求を始める。衛嬿婉は否定したが、皇太后は舒妃が自害する前に子宝の薬に言及したと教えた。「あの薬の真相を知るのは皇帝と斉汝(セイジョ)、そしてあいじゃも少しは知っていた だが舒妃に真相を教えたのはあいじゃでも皇帝でもない…」꒰⌯͒ ・᷄ὢ・᷅)oO(あれ?皇后も…@嬿婉同じ子宝の薬を飲んでいた炩妃が突然やめたのは、おかしいと気づいたせいだろう。舒妃は皇帝の部屋に行く前、仏堂で炩妃と会っていた。真相を教えたのは炩妃しかいない。「我が子を失い悲しみに暮れているところへ、薬の真相を明かし追い打ちをかけた…違うか?」すると皇太后は福珈にある物を炩妃に見せてやれと命じた。福珈が持って来た化粧箱には薬が何包も入っている。「その薬はそなたが懐妊中の舒妃に飲ませようとした物だ 毎日、ひと袋ずつ飲むのならば、こたびの件は不問に付す」つづく(^ꇴ^)ようやく「李玉ーっ!」で如懿の声がはっきり聞こえたw意歓って嫁いでからどれくらいなのかな?今回ばかりはあいじゃと同じだな〜愚かなことを…
2019.12.08
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第56話「君主の苦悩」皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は2人目を懐妊、7ヶ月となった。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は身重の如懿に盛夏の暑さはつらいだろうと、避暑のため円明(エンメイ)園で過ごすことにする。優雅な江南様式と剛健な北方様式が見事に調和し、典雅を極める円明園。部屋割りを任された如懿は皇太后に静かな長春仙(チョウシュンセン)館を、弘暦に九州清晏(セイアン)を準備、自分は天地一家春(テンチイッカシュン)に決める。舒妃(ジョヒ)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)には春雨舒和(シュンウジョワ)館、炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)には綰春(ワンシュン)軒、恪嬪(カクヒン)・拝爾果斯(バイルガス)氏には西の露香斎(ロコウサイ)を、そして他の妃嬪はそれぞれいつもの寝所へ入った。しかし到着して早々、諴(カン)親王府に預けられている第10皇子が病だと急報が届く。弘暦はすぐ侍医を派遣するよう命じたが、やはり欽天監(キンテンカン)の占い通り父子の相克は覆せないのかと落胆した。(←まだ言ってるw衛嬿婉は園内を散策中、偶然、円明園の劇団の練習を見かけた。侍女・春嬋(シュンセン)は皇帝が崑曲(コンキョク)好きだと思い出し、崑曲が得意な主人にこの機に学んで皇帝の前で披露してはどうかと勧める。一方、第10皇子が病だと知った意歓は、仏堂でひたすら息子の快方を祈っていた。しかし今度はジュンガル部で内乱が勃発したと報告が届く。弘暦はすぐ大臣を召集、勤政殿(キンセイデン)にこもりきりになった。皇太后はジュンガル部に嫁がせた恒娖(コウサク)を心配し、情報を探らせる。すると内乱により娘婿の多爾札(ダルジャ)が殺され、反乱を起こした逹瓦斉(ダワチ)が政権を奪ったと分かった。恒娖から朝廷に文が届き、ジュンガルへの出兵を要請してきた。一方、逹瓦斉は清への帰順を表明、その代わり恒娖を妻に迎えたいという。弘暦は恥知らずだと憤慨したが、重臣は恒娖の輿入れで丸く収まるなら、それが最善だと進言した。逹瓦斉と寒(カン)部は密接な関係、戦となれば同盟するに違いない。そうなれば戦線が拡大し、清軍は疲弊してしまう。また近年、国庫の銀子は治水に注ぎ込まれており、長期戦を維持するのは難しかった。江南では水害が頻発、被災民の救済や復興で今後も支出が増えるだろう。「皇上、やはり戦は賢明とは言い難いかと…」↓頭の痛い弘暦とのん気に崑曲を習う嬿婉円明園に第10皇子危篤の知らせが届いた。意歓は見舞いの許可をもらおうと勤政殿へ駆けつけたが、李玉(リギョク)から皇太后でも会えないと断られてしまう。すると意歓は皇太后に頼ればいいと気づき、急いで長春仙館に向かった。しかし皇太后から恒娖を連れ戻すよう皇帝を説得できたら何でも叶えてやると交換条件を突きつけられてしまう。「そなたの恋心を汲み陛下の妃にしてやった、こたびは私の親心を汲んでくれてもよかろう?」これまで皇太后に頼まれても決して皇帝に口添えしなかった意歓、しかし今回ばかりは事情が違った。その夜、意歓はようやく謁見が叶い、皇帝に息子を自分のもとで看病させて欲しいと訴える。弘暦は国事にかかりきりで手が回らないと言い聞かせたが、意歓はひざまずき、初めて嘆願した。「私は息子を案じております、太后は恒娖長公主を案じておいでです 子をそれぞれの母のもとへ…」弘暦は意歓が皇太后に頼まれて口添えに来たと分かった。意歓の悲痛な胸の内は理解できたが、弘暦はすぐ大臣との協議に戻ってしまう。翌日、如懿は皇太后のご機嫌伺いにやって来た。するとちょうど姉の身を心配した恒媞(コウテイ)の姿もある。如懿は恒娖のことなら皇帝が臣下と協議を重ねていると理解を求めたが、皇太后は居ても立っても居られなかった。「直ちにジュンガルへ出兵すべきだ!」しかし如懿は皇后であっても政事に口は挟めないとやんわりたしなめる。皇太后はならば家族の問題だとすり替え、夫を殺された哀れな娘を連れ戻し、手元に置いて共に暮らしたいと訴えた。恒媞も母の切実な願いを義姉から兄に伝えて欲しいと援護する。板挟みの如懿だったが同じ母として皇太后の気持ちが分かると同情、引き受けることにした。如懿は勤政殿にこもっている弘暦を訪ねた。弘暦は出兵できない理由を説明し、自分から皇太后にとても切り出せないと漏らす。弘暦の心がすでに決まっていると気づいた如懿は、重臣に伝える前に皇太后に伝えてこそ孝というものだと助言した。「母上を傷つけてしまう…」「誠意は伝わるはずです」そこで如懿は舒妃の願いも叶えて欲しいと頼んだ。すると弘暦は相克である以上、そばに置けば子の命が危ういと心配する。(←ホントしつこいw「皇上?天象は決して確実なものではありません、でも母子の情は確かなものです」如懿に説得された弘暦は、父として確かに天象より我が子の幸せの方が大切だと思い直し、舒妃が第10皇子を手元で育てることを認めた。愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は舒妃のため馬車を手配、皇后がすでに侍医を寝殿に待機させてあると伝えて送り出した。嬉しそうに帰って行った意歓、その一方で皇太后は弘暦から残酷な決定を聞かされることになる。弘暦は恒娖が不憫だったが、公主の婚姻は国の安寧を得るためのものだと割り切るしかなかった。「ダワチが恒娖を妻に迎えたいと申しています、恒娖はまだ若いため独り身では哀れです 勇猛果敢なダワチならば良き伴侶に…」皇太后は皇帝の出した結論を悟り、唖然となった。まさか娘を内乱の渦中に留めるばかりか、夫を殺した敵に嫁がせるとは…。「国のために妹に犠牲を強いるのですね?まさに君主の鑑!名・君・で・す!」「…非難は甘んじて受けます、ですが母上、恒娖はジュンガルに軟禁されています 今うかつに出兵すれば激高したダワチが恒娖を陵辱、あるいは命を奪う恐れもあります」「皇帝ならば清に逆らわぬよう、ダワチを手なずけるべきでしょう? とにかく、恒娖の身を守るため連れ戻してください!」しかし逹瓦斉にとって恒娖は最後の切り札、返すわけがなかった。弘暦はなだめるには婚姻しかないと説得したが、皇太后は逹瓦斉を討って連れ戻そうと譲らない。「なりません!母上!…清が勝てばダワチは恒娖を殺すでしょう 清が負ければ恒娖を人質に…莫大な賠償を要求して来ます!(ぁ…」弘暦はうっかり口を滑らせ、皇太后に本音を見破られてしまう。「(ハハーン)…恒娖が弱みとなり割譲を迫られるのを避けたい、それが本音ですね?」皇太后は恒娖を嫁がせれば清には何の損害もないから応じるのだと合点がいった。そこで弘暦はかつて孝賢(コウケン)皇后もひとり娘をホルチン部へ嫁がせたと引き合いに出したが、自分の娘を駒にされた皇太后の怒りは収まらない。「孝賢皇后は理解のある妻でしたね〜 あいじゃは2人の娘しか得られませんでした、ふがいないと思っています 皇后の子ももうすぐ生まれますね〜もしも公主ならば⤴︎辺地に嫁がせることができます 百万の兵よりも役に立・ち・ま・す・ね!」皇太后は皮肉を言って思わず席を立った。しかし弘暦は国を第一に考えて欲しいと頼み、それが皇太后の務めだと言って帰ってしまう。「従順だった弘暦とは別人ね…なんと立派な皇帝だこと!」如懿が心配して回廊で待っていると、皇太后との話を終えた弘暦が出て来た。弘暦は如懿と連れ立って長春仙館を後にしながら、幼い頃から仲が良かった妹へ思いを馳せる。しかし戦地へ向かう兵にも母親や兄弟がいるはず、恒娖を嫁がせることで戦を回避すれば多くの命を守れるのだ。弘暦は犠牲を出さずに済むなら他に選択肢はないと決断したが、皇太后は怒っているという。「孝を尽くせばいずれ収まります」如懿の励ましにも弘暦は大きなため息を漏らした。「どうかな、朕は家族の縁がなく天涯孤独の身だ…」「私がいます」翌日、庭園を散策中の如懿と海蘭。侍医によると如懿のお産は7月下旬、どうやら公主のようだ。如懿は今回ばかりは本当に身体が辛い物を欲していると笑う。しかし公主ならいずれ遠くへ嫁ぐ運命、皇族に生まれた以上は仕方がない。如懿は海蘭に弘暦が逹瓦斉を親王に封じ、結局、恒娖を嫁がせることにしたと教えた。ただ再婚は前代未聞のことゆえ、礼部と内務府が水面下で動いているらしい。そこへ太監・進保(シンホウ)が慌てた様子でやって来た。「皇后娘娘!舒妃娘娘が円明園に戻りました!」「?10阿哥は?」「…昨夜のうちに息を引き取ったそうです」同じ頃、弘暦も李玉から訃報を聞いていた。ただの風邪だと思っていたが、腎臓が弱かった第10皇子は耐えられなかったらしい。「やはり朕が命を奪ったか…」←いい加減にしてw正式な命名もできず、慈しむこともできないまま逝ってしまった息子…。弘暦は顔立ちすらも覚えていない自分を責め、1人になりたいと頼んだ。しかし李玉が下がってすぐ、外から意歓の悲痛な叫び声が聞こえて来る。李玉は皇帝が政務中だと伝えたが、意歓はそのまま殿前で泣き崩れた。すると扉が開き、弘暦が現れる。意歓は皇帝にすがりついて号泣すると、弘暦は気を落とすなと声をかけるのが精一杯だった。乾隆18年、第10皇子が逝去。如懿は悲しみにくれる舒妃に差し入れを届けにやって来た。侍女・荷惜(カセキ)の話では意歓はこうして枕を赤子のようにずっと撫でているとか…。そこで如懿は第10皇子を端慧(タンケイ)皇太子の陵墓に埋葬するよう勅命が出たと教え、郡王への追贈も決まったと話した。舒妃がいつでもお参りできるよう円明園の仏堂に位牌も安置してあるという。意歓は皇帝の配慮に感謝したが、母として何もできなかったと泣いた。「私のせいで息子は病弱な身体になってしまったのです…」「舒妃…自分を責めないで…」如懿は差し入れの棗(ナツメ)粥を自ら食べさせてやった。皇帝を一途に想い、子を産むことで皇帝の恩情に報えると思っていた意歓、まさかこんな結末になるとは思いもせず、生まれてこない方が良かったのかもしれないと落胆する。如懿は真実を明かすこともできず、ただ黙って粥を食べさせてやるしかなかった。その夜、意歓は急に起き出し、墨をすり出した。荷惜はちょうど皇后から届いた夕餉を運んできたが、意歓はいらないと断り、それよりいつも写している詩を知らないか尋ねる。あの詩をまだ写し終わっていない…。荷惜は今夜は休んで明日にするよう勧めたが、意歓は聞かなかった。弘暦は舒妃を心配して春雨舒和館へやって来た。すると寝所から舒妃の声が聞こえる。…憂いを解かんと円明園にとどまるも…絶え間なく押し寄せる悲しみよ…景色を眺めては往時をしのばんつづく(꒦ິ⌑꒦ີ)意歓…棒だけど辛さがひしひしと伝わって来る…そして来週…またお前かwな展開です
2019.12.02
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第55話「木蘭囲場の罠」皇室の狩り場・木蘭囲場(モクランイジョウ)。その日の午後、乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は3人の皇子を従え、狩りに出ることになった。秋の狩猟は皇室の伝統で、武芸を鍛錬し、藩部との連帯を深める意味もある。皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)と妃嬪たちは狩りの無事を祈り、皇帝たちが一斉に馬を駆けて行く姿を見送った。この日のため修練してきた第4皇子・永珹(エイセイ)は早速、鹿を射止め、父から褒められた。最年長である第3皇子・永璋(エイショウ)も奮起、しかし狙いを外してしまう。すると3兄が逃した鹿を第5皇子・永琪(エイキ)が見事に射止めた。その頃、馬の世話をしている凌雲徹(リョウウンテツ)は林の中で散歩させていた。すると低木に不自然に引っかかった馬のたてがみを見つける。たてがみの匂いを嗅いでみると、どうやら雌馬らしい。そのまま雌馬の匂いをつけた低木を辿って行くと、やがて倒木が道をふさいでいた。凌雲徹は辺りを見回してみると、木の上方に仕掛けられた弓矢を発見する。誰かの企みだと気づいた凌雲徹は茂みに身を隠し、しばらく様子を見ることにした。獲物を追っていた弘暦たちの前に野生の馬が現れた。馬好きの弘暦は駿馬に違いないと大興奮、永璋や富察(フチャ)傅恒(フコウ)が危険だと止めるのも聞かず、追いかけて行ってしまう。永珹は臣下たちに自分がついて行くと伝えて父の後に続くと、4兄から離れないよう母に命じられていた永琪も2人を追った。弘暦は駿馬を追って林の中へ入って行った。後をついて来た永珹は父が奥へ進む様子を確認し、途中で方向転換する。やがて弘暦は倒木に道を阻まれ、駿馬を見失った。袋小路に追い込まれた馬はその場で足踏み、まんまと仕掛けの紐を踏んでしまう。するとどこからともなく矢が放たれ、驚いた弘暦は落馬した。さらに永珹がもう1つの弓を作動、飛び出した矢が倒れていた弘暦の足をかすめて行く。その時、引き返して来た駿馬が現れ、弘暦に突進して来た。しかし茂みに潜んでいた凌雲徹が駿馬に飛び乗って制し、ちょうど駆けつけた永琪が父の前に立ちはだかって守る。そして最後は近くにいた永珹が矢を放ち、ついに駿馬は倒れた。弘暦は幸い軽い矢傷で済んだ。すぐ調査を始めた富察傅恒だったが、なかなか刺客の足取りはつかめない。ただ刺客は野生馬を使って皇帝を罠まで誘導したと分かった。実は林の中の低木に雌馬の匂いが塗りつけられていたという。恐らく2人の刺客が順番で射る手はずだったが、どちらも矢を射損じたため逃走したのだろう。しかし弘暦は凌雲徹が引いていた恪嬪(カクヒン)の馬も雌だと怪しんだ。傅恒はその件もすでに調べていたが、凌雲徹があの場にいたのは全くの偶然だったと教える。苛立ちを隠せない弘暦は思わず音を立てて杯を置くと、傅恒は慌てて調査に戻って行った。その夜、就寝したものの不安のあまり弘暦はうなされて飛び起きた。共寝していた皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)はつられて目を覚まし、悪い夢を見たのかとなだめる。弘暦は皇室の狩り場にまで刺客がいたことに衝撃を受け、信用できる者が誰もいないとぼやいた。そこで侍女・毓瑚(イクコ)を呼び、自分を助けてくれた凌雲徹を御前二等侍衛としてすぐ自分の護衛につかせるよう命じる。すると如懿は、富察傅恒が探しても刺客の行方がつかめないのも妙だと気づいた。数日前に囲場に現れた野生馬が今日は折りよく皇帝の前に現れ、その上、皇帝を林に引き寄せ、矢で狙っている。しかし毒矢でないところを見ると、殺すつもりはなかったのか、もしくは一矢で仕留める自信があったのか。「確かに妙だ、闇討ちをかけた者は近くにいるはずだ…」民心は安らかでも謀反人はいる。弘暦は猜疑心を募らせ、傅恒に再度、調べさせることにした。翌日、如懿は愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)と永琪から昨日の話を聞いた。永琪の話では自分が着いた時にはすでに父は倒れていたという。海蘭はなぜ第4皇子が偶然にも皇帝のそばにいたのかいぶかしんだ。しかし早くも富察傅恒が刺客の遺体を発見したという。海蘭と永琪は皇帝の怒りを鎮めるためのでっち上げではないかと疑ったが、如懿は永珹に疑いを向ければ嫉妬だと思われると警告した。実はこの一件で第4皇子が皇帝の信頼を得ることに成功し、本人も得意げになっている。すると海蘭は今回、馬を殺さずにただ父をかばった永琪が気まずい立場になってしまったと心配した。如懿は刺客の死体が見つかった以上、この件はひとまず棚上げになると話し、今は成り行きを見守ることにする。一方、慈寧(ジネイ)宮の皇太后の元にも皇帝が襲われて怪我を負ったと知らせが届いた。侍女・福珈(フクカ)はすでに皇太后の名で見舞いの意を伝えたと報告し、人を送って詳しく調べるか確認する。しかし皇太后は軽率に動けばかえって怪しまれると懸念し、このまま静かにしていることにした。皇帝一行が紫禁城に戻った。そこで太監・李玉(リギョク)は早速、復職した凌雲徹に祝辞を伝える。しかも三等から二等に昇進して戻ったとなれば、皇帝に重用されている証拠だ。刺客の件で宮中の警備も強化されたことから、李玉はこれから忙しくなるので凌雲徹にも世話する人が必要だと勧める。凌雲徹は皇帝に仕えることだけ考えていると遠慮したが、そんな2人の話を進忠(シンチュウ)が面白くなさそうに聞いていた。一方、凌雲徹の旧友・趙九宵(チョウキュウショウ)は使いに出ていた愛しい侍女・瀾翠(ランスイ)を見かけた。そこで急いで呼び止め、苦境の永寿(エイジュ)宮に朗報を伝える。「ご寵愛を失って苦しんだろう?でも大丈夫だ、凌雲徹が戻った 皇上を救った功臣だ、凌雲徹に皇上へのとりなしを頼めよ、またご寵愛されるぞ」瀾翠は永寿宮に戻ると、すぐ主人に事情を話した。凌雲徹は皇帝からの信頼も厚く、大勢の女官が嫁ぎたいと願っているとか。炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)は凌雲徹が無事に戻ったと知って安堵したが、また進忠に狙われてしまうと心配になった。しかし侍女・春嬋(シュンセン)は皇帝のお墨付きで復職したなら進忠も手は出せないはずだという。嬿婉は何事もないよう願い、かつて凌雲徹からもらった指輪を大事そうに撫でた。弘暦は第3皇子と富察傅恒、凌雲徹を呼び、囲場の者をどう処罰すべきか聞いた。傅恒は戒めのため関係者を全て厳罰にと進言、凌雲徹は一介の侍衛で浅学の身ゆえ、皇帝の判断に従うという。しかし永璋は囲場での労役者が多すぎるため、全員を罰したら調べる者が不足すると訴えた。すると弘暦はそもそも最年長でありながら永璋は自分を救わなかったと責め、処罰の判断も甘すぎると指摘、父の命の危機を軽んじる不孝者だと激怒する。慌てた永璋はひざまずいて謝罪したが、怒りが治らない弘暦は出て行けと怒鳴った。永璋を追い出した弘暦は、木蘭囲場の者を許せと言った永璋の関与を疑った。しかし凌雲徹は皇帝の子供である皇子の関与などあり得ないと否定する。弘暦は帝王家の父子は親子であり臣下でもあると話し、警戒は必要だと教えた。結局、富察傅恒の提案で罪あらば罰し、功ある者には褒美を与えることで話がまとまる。すると弘暦は凌雲徹が30を過ぎたとことから、縁談を下賜することにした。相手は満州鑲藍(ジョウラン)旗の出身で薩克逹(サクダ)氏の娘・茂倩(モセイ)だという。父親は役所の書記官だったが今は天涯孤独の身だった。困惑した凌雲徹は貧しい下五旗の出身ゆえ釣り合わないと辞退したが、傅恒から礼を言うよう急かされてしまう。まさか皇帝からの縁を断ることなど許されず、凌雲徹は仕方なく平伏して感謝した。凌雲徹が復職の報告で翊坤(ヨクコン)宮を訪ねると、ちょうど如懿が侍女たちと中庭に出ていた。「皇后娘娘のご期待に応えるべく、堂々と戻りました」如懿は皇帝からご縁を賜るとは名誉だと喜び、両親のいない凌雲徹のため江与彬(コウヨヒン)と惢心(ズイシン)に祝言の支度を手伝わせることにする。すると凌雲徹は乳母が抱いている第12皇子に気づき、改めて祝辞を述べた。そこへちょうど李玉が現れ、皇帝が翊坤宮で夕餉を取ると伝える。凌雲徹は皇帝が嫡子の誕生以来、足繁く翊坤宮に通っていると知り、皇后が幸せなのだと分かって安堵した。衛嬿婉は宮中を移動中、皇帝が今夜も皇后と過ごすと聞いて落胆していた。すると偶然、凌雲徹を見かける。「凌大人(ダーレン)?」「…炩妃娘娘」凌雲徹はその場で拝跪し、早々に退散しようとしたが、嬿婉が呼び止めた。嬿婉は寵愛を失った身だとこぼし、皇帝から賜った縁とは言え、その妻を愛せないだろうと指摘する。すると明らかに凌雲徹の表情が変わった。嬿婉は思わずまだ自分に未練があるのかと迫ったが、凌雲徹は皇帝を選んだはずだとあしらって行ってしまう。皇帝にも凌雲徹にも冷たくされ不満げな嬿婉…。春嬋は凌侍衛と話さないよう諌め、また進忠に見られたら大変だと言った。しかし嬿婉は凌雲徹がまだ自分のことを想っていると勘違いしてしまう。弘暦は永珹が皇子の模範だと絶賛し、貝勒(ベイレ)の爵位を与えた。翊坤宮を訪ねた純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)は納得できず、妻を娶っている永璋にも爵位が欲しかったと愚痴ってしまう。如懿は年の順ではなく狩り場で皇帝を助けた褒美だとなだめ、外では口に出さないよう釘を刺した。「永璋が永珹や皇上を恨んでいると誤解されかねないわ」「(はっ!)うっかりしてたわ…」すると永琪が尚書房から帰って来た。そこで蘇緑筠は先に帰ることにする。海蘭は息子に今日は師傅から何を習ったのか聞いた。しかし今日は4兄が皇帝の用事で不在のため、講義はなかったという。実は永珹の進度に合わせているため、先に進めないのだ。如懿は永琪が皇帝から弓や筆をもらったことを思い出し、期待されている証拠だと教えて励ました。「それから4阿哥が優遇されても出しゃばらず、兄上との対立を避けるのよ?」「義母上の教えを忘れません」その夜、弘暦は如懿と永璂(エイキ)と親子水入らずの夜を過ごした。そこで如懿は実は身ごもって2ヶ月だと教える。弘暦は喜び、次は皇子でも公主でもどちらでも嬉しいと言った。いよいよ凌府で盛大な祝言が行われた。どこか浮かない表情の凌雲徹だが、その心の内を知るものはいない。妻の茂倩は主張の激しい娘だった。「あなたは外でしっかり皇上にお仕えして、家の中のことやお金の管理は私に任せて」「…尊重はするよ」「尊重だけじゃダメ、今後は私に従って」その頃、如懿は海蘭と一緒に貧しい家から集めた端切れで上掛けを作っていた。貧しい家の子は丈夫に育つと言われ、その運を分けてもらうのだという。海蘭は第12皇子とお腹の子が無事に育って欲しいと願いをかけたが、如懿から思いがけず舒(ジョ)妃の皇子が体調を崩したらしいと聞いた。そこで海蘭は先にこの上掛けを第10皇子に送ろうと決める。「じぇじぇにはまた布を集めて作ってあげる …じぇじぇ、今日は何か特別な日だった気がするけど…」「凌雲徹が祝言を挙げる日よ」「あ、忘れてたw」凌雲徹は茂倩が眠るとこっそり寝台を出た。そして書斎に入り、机の下にある行李を引っ張り出して鍵を開ける。中には如懿が冷宮を出る時にくれた手作りの靴が入っていた。しかしその様子を茂倩に見られてしまう…。つづく( ๑≧ꇴ≦)ふぅぁんしゃん!縁談はちゃんと相手を見てからにしてくれないと…私の凌侍衛が不憫すぎるわ、色々とwww
2019.12.01
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第54話「皇子か公主か」うっすら雪化粧した紫禁城の朝、翊坤(ヨクコン)宮で新しく入宮した3人の妃のお披露目があった。炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)は上位風を吹かせ、恪貴人(カクキジン)・拝爾果斯(バイルガス)氏に上等な龍井(ロンジン)茶だと勧める。すると愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が、蒙古(モウコ)出身では南方の茶が飲み慣れないのではと気遣った。恪貴人は確かに普段は乳茶を飲んでいると答え、嬿婉は恥をかいてしまう。「気が利かなくてごめんなさい…」「恪貴人妹妹、許してやってね~炩妃は皇上しか気遣えない、他の者は眼中にないの~」嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)の含みある言葉は、新人3人への最初の洗礼となった。侍女・福珈(フクカ)は新しい妃たちに皇太后からの褒美を届けた。3人は礼儀正しく上品で、身の程をわきまえているという。皇太后は皇帝が後宮の争いに懲りて控えめな女子を選んだのだと納得し、皇后も懐妊したのでもう心配ないと言った。皇帝も自分を遠ざけてはいるが、還暦の祝いに木蘭囲場(モクランイジョウ)で仕留めた熊の毛皮で作った膝掛けを贈り体面は守ってくれている。また皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は愉妃と一緒に縫った外套を届けていた。その日、乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は咸福(カンフク)宮の中庭で雪だるまを作る恪貴人を目を細めて見守っていた。そこへ炩妃が訪ねてきたと報告が…。恪貴人は皇帝には知らせず、肉が焼けるまで殿内で待つよう勧めて門へ向かった。すると冷遇されている衛嬿婉が差し入れの雉(キジ)を口実に自分も仲間に入れて欲しいという。しかし恪貴人は鹿血酒の件を持ち出し、門前払いした。翊坤宮に承恩(ショウオン)公夫人がやって来た。しきたりでは母親の参内は妊娠8ヶ月で認められるが、弘暦が6ヶ月で許してくれたという。母は娘が寵愛されていると知って喜び、お腹が突き出ているので男の子だと期待した。しかし如懿は侍医から女の子だと言われたと教え、優秀な侍医なので間違いないという。母は落胆したが、公主を生んだ後に皇子を産むのもいいと笑った。宮中での話題はもっぱら皇后のお腹の子の性別だった。弘暦も江与彬(コウヨヒン)に性別が分かったか確認したが、江侍医は脈が強い時と弱い時があるため、何とも言えないと言葉を濁す。如懿の前では公主でも構わないと笑う弘暦、しかし如懿はもちろん弘暦の希望を重々、承知していた。衛嬿婉は永寿(エイジュ)宮に産婆の田(デン)氏を呼んだ。いきなり銀子を渡された田氏は何か頼まれるのかと身構えたが、炩妃はただ自分のことをずっと気にかけていたという。すると嬿婉はそれとなく揺さぶりをかけて様子を見た。「皇后のお産の時はあなたが呼ばれるはずね…無事に生まれると思う?」驚いた田氏はその場にひざまずき、流石に皇后には手出しできないと訴える。「ご容赦ください、相手は他でもない皇后ですよ?国母である皇后の初めてのお産です 皇上も太后も心配なさっており、過ちは許されません」「…ではしっかり仕えなさい」嬿婉は何も強制せず、田氏を下げた。侍女・春嬋(シュンセン)は仕送りにも事欠く主人がなぜ見返りも求めず銀子を渡したのかいぶかしむ。しかし嬿婉は田氏が役に立つと考え、取り込んでおきたいと言った。「必要になったら動いてもらう」惢心(ズイシン)のお産が近づいていた。皇后の脈診に来た江侍医は女の子のようだと報告したが、皇帝の望みは叶いそうだと教える。「本当に皇子なら用心しないとね…」如懿は周りの者を失望させたくないと説明した。江侍医は事情を察し、民間の言い伝えを教えることにする。するとその日から如懿は四川の料理人に頼んで辛い料理ばかりを所望した。ある日、嘉貴妃の侍女・麗心が主人の好物だという酢杏(スアンズ)のお裾分けにやって来た。しかし侍女・容珮(ヨウハイ)は皇后が酸っぱい物を嫌いになったと教える。如懿はいらないと断ったが、母の勧めでとりあえず受け取っておくことにした。金玉妍は皇后が酢杏に興味を示さず、辛い物を好んでいると聞いて安堵した。皇帝は嫡子の皇子を何より重んじるため、公主なら息子の脅威とはならない。しかし第4皇子・永珹(エイセイ)はもし公主でも嫡母が再び懐妊したらどうするのかと呆れていた。それからしばらくして金玉妍は無事に第11皇子・永瑆(エイセイ)を出産、あとは皇后が公主を産むのを待つだけだったが…。雪解けの季節になり、如懿は安産祈願を済ませた。内務府からはお産の準備で20名の女官が遣わされ、産婆の中には田氏もいる。容珮は念には念を入れ、皇后が口にする菓子やお産に使う道具など、何度も検査していた。夜になれば本当は酸っぱい物が食べたい皇后のため、寝所を暗くして就寝したと見せかけてから酸の物を準備する。すると如懿は布団をかぶり、小さな明かりだけで食べたいだけ酸っぱい物を頬張った。いよいよ如懿のお産が始まった。弘暦は奉先(ホウセン)殿にこもり、ひたすら先祖に無事な出産を祈る。しかし初産の如懿は難産で、丸一日たってもまだ産まれなかった。誰もが気を揉んでいたが、ついにその時が訪れる。太監・李玉(リギョク)は一目散に奉先殿に駆けつけ、皇后が無事に出産したと知らせた。「皇上(ゼエゼエ)皇上、ご報告です(ゼエゼエ)」「どうだ?」「生まれました!」「…公主か?」「皇子です、皇子です、皇上!」金玉妍は皇后が皇子を産んだと知り、ようやくまんんまと騙されたと気づいた。皇子だと知っていたら…知っていたら…。金玉妍は無能な母だと自分を責めたが、永珹は心配せずとも赤子に負けるはずないと安心させる。確かに皇帝が一番、期待をかけているのは誰でもない優秀な永珹だ。金玉妍はあきらめるのはまだ早いと気づき、皇后の嫡子より第4皇子のほうが優秀だと朝臣に知らしめればいいと奮起する。「命を投げ出す覚悟で賭けに出られる?」「はい、母上の期待を裏切りません」一方、翊坤宮は幸せに包まれていた。弘暦は念願の嫡子に恵まれ、第12皇子に永璂(エイキ)と名付ける。海蘭は永琪(エイキ)が生まれた時、皇帝が″穆天子伝(ボクテンシデン)″の″璂と琪は玉属なり″から名付けてくれたことを思い出し、2人が良い兄弟になれると喜んだ。この秋、第3皇子・永璋(エイショウ)と第4皇子・永珹、第5皇子・永琪は父と一緒に狩りに出かけることになった。3兄弟は訓練場で弓の稽古をしていたが、永璋は暑いと言って早々に帰ってしまう。永珹はそんな3兄を冷ややかに見送ると、5弟に自分たちは気を抜かずに続けようと気を引き締めた。「お前の騎射は評判だ、披露してみろ」「はお!」しかし永琪は的を外し、やはり4兄には及ばないと言った。金玉妍は養心殿で献身的に皇帝に仕え、探りを入れた。「皇上?木蘭囲場へは皇后娘娘も同行するのですか?」「回復が早いゆえ秋頃なら問題なかろう」当てが外れた金玉妍は思わず、皇后と片時も離れたくないのかとぼやいてしまう。弘暦は怪訝そうな顔をすると、永珹の騎射は上達したかと話を変えた。「永璋には期待できぬゆえ永珹を長子と思って育てている」←結構ひどいw「ええ(^ꇴ^)!永珹も己の責任の重さを自覚しています」「そうか、朕も将来は永珹に支えて欲しい」金玉妍は皇帝の言葉にすっかり気を良くし、永珹の将来に期待した。永琪は延禧(エンキ)宮へ戻ると、改めて弓術の腕を磨いた。そこへ海蘭がお茶を差し入れにやって来る。延禧宮は辺ぴな場所にあるため誰も住みたがらず、そのお陰で親子水入らず、こうしてこっそり弓の練習もできた。永琪はすでに目隠しで射られるほど上達していたが、母から才能を隠しておくよう命じられている。確かに4兄は心が狭い、今は力を蓄える時期だと心得ていた。←これもひどいwしかし12皇子の話になると、永琪は急に不安そうになる。「母上、義理母上はもう私を可愛がってはくれませんね…」「何を言うの?あなたは長子でも嫡子でもなく、即位後、初めて誕生した皇子でもない 義理母上のおかげで今があるのよ?勝手な憶測はやめなさい」「二度としません」すると永琪は4兄が馬術と弓術の稽古に今までにないほど精を出していると教えた。どうやら木蘭囲場で皇帝の歓心を買うつもりらしい。海蘭は知らないふりをするよう指示し、木蘭囲場では第4皇子のそばを離れないよう命じた。秋は狩りの季節、皇帝一行は木蘭囲場に天幕を構えた。ただし草原では風邪を引きやすいため、皇帝の命で幼い皇子たちは擷芳殿(ケツホウデン)で留守番となる。如懿も永璂を預けて来たが、舒妃(ジョヒ)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)と婉嬪(エンヒン)・陳婉茵(チンエンイン)が残っているので安心していた。凌雲徹(リョウウンテツ)が木蘭囲場に移って2年、一体どうしているだろうか。弘暦の狩りにお供しているのは蒙古出身だけあった馬術が得意な恪嬪だった。←いつの間にか嬪しかしここ2日で獲れた獲物は数匹のうさぎと鹿、山羊だけ…。弘暦はかつて熊を射止めたこともあったと不満を漏らし、これでは楽しめないと言った。官吏たちは野生の馬が侵入したので警護を配したため、獲物が近づかないのだと説明する。すると弘暦は暴れ馬なら自分が手懐けると告げ、午後は皇子と回るので獣を放っておくよう命じた。金玉妍はそろそろ皇帝が戻る頃だと気づき、永珹を連れて挨拶に向かうことにした。するとその途中、馬を連れた凌雲徹と出会い頭にぶつかりそうになってしまう。↓嘉貴妃の頭がデカすぎw金玉妍は激怒し、永珹に自分を辱めた罪人だと教えて打ちのめすよう命じた。しかし思いがけず邪魔が入る。ちょうど天幕に帰るところだった如懿が海蘭と一緒に通りかかり、永珹をたしなめたのだ。「永珹、奴婢のしつけは他の者にやらせなさい、皇子が手を出すなどはしたないわ」「承知いたしました」金玉妍は仕方なく引き下がり、苛立ちながら去って行った。如懿はようやく凌雲徹と再会を果たし、歩きながら近況を尋ねた。凌雲徹の話では狩りの時期以外は誰も来ないため、毎日、馬の餌やりや小屋の掃除をしているという。「痩せたわね?目つきも変わった…」「毎晩、月を見ると行宮でのことを思い出します 打たれるのは構いません、ただ濡れ衣で追い払われたことが悔しいのです」「今は耐えなさい、何のために耐えるかよく考えて」「堂々と戻れとの言付け、覚えています」すると凌雲徹は皇后に感謝を伝え、改まって頭を下げた。つづく(  ̄꒳ ̄)5阿哥も12阿哥も『えいき』になっちゃう〜あそうか、日本語読みだもんね〜と思ったらぴんいんでも『よんちー』だった件…何が違うのかな?
2019.11.24
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第53話「甘言と苦言」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は疲労感に悩まされていた。しかし老いへの恐怖を払拭するかのように夜伽を召す回数が増え、それに伴って答応(トウオウ)や常在(ジョウザイ)も増えている。皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は夜伽の記録を確認しながら弘暦の身体を心配していたが、思いがけず良い知らせがあった。実は惢心(ズイシン)がおめでただという。侍女・容珮(ヨウハイ)から報告を受けた如懿は我が事のように喜んだが、そこへ純皇貴妃(ジュンコウキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)がやって来た。多忙な皇帝が体調を崩しており、就寝中も息苦しそうで侍医院の薬でも治らなかったという。皇帝の脈は今日も平常通りだった。しかし弘暦は侍医院の処方した薬では疲労感が取れないと訴える。侍医・江与彬(コウヨヒン)は身体のため効き目が穏やかな薬を選んでいると説明、焦らず服用するよう進言した。そこで弘暦は先帝が鹿の血を酒に混ぜて飲んでいたことを持ち出す。確かに鹿血(ロクケツ)は精がつき、酒に混ぜれば効き目が強まるが、強い薬は身体の負担となった。江侍医から諌められた弘暦は苛立ちを隠せず、ともかく効果のある薬を処方するよう命じる。そんな2人のやり取りを養心殿の太監・進忠(シンチュウ)が聞いていた。進忠は疲労感が取れないまま政務をこなす皇帝に仕えていた。そこで牛乳茶を勧め、炩妃(レイヒ)・衛嬿婉(エイエンエン)の差し入れだと教える。「そう言えば…炩妃娘娘は鹿血酒もお作りになっていました、合わせて飲めばよく効きます 炩妃娘娘の故郷は盛京(セイケイ)ですからね、満州人が愛飲していた酒もよくご存知なのです 皇上…永寿(エイジュ)宮へいらっしゃいますか?」一方、禁足となった嘉(カ)貴妃・金玉妍(キンギョクケン)は食欲がなくなっていた。侍女・麗心(レイシン)は心配して粥を勧めたが、金玉妍が急に吐き気に襲われる。主人の月の物が遅れていたことから麗心は懐妊だと気づいた。そこで早速、皇帝に知らせようと言ったが、金玉妍は念のため安定期に入るまで秘密にするという。ある日、如懿は偶然、大臣たちの噂話を耳にした。近頃の皇帝は大層お疲れのご様子、息も酒臭いという。そこで如懿はすぐ容珮に調べさせた。実は皇帝が江侍医に鹿血酒を所望したが、薬効が強すぎると拒まれたらしい。しかし永寿宮の者が鹿苑(ロクエン)で鹿の血を得たと分かった。永寿宮に如懿がやって来た。日中から鹿血酒にふけっていた弘暦は炩妃に皇后を追い返せと命じ、自分は一眠りすると言って横になってしまう。仕方なく嬿婉は急いで外へ出たが、すでに他の妃嬪たちが皇后の前にひざまずいていた。「炩妃、鹿血酒を飲ませたの?」「私も止めたのですが、精をつけるためだとお聞き入れになりません…」「うまい口実ね」「お渡りを受けた以上、従うまでです」「ならば太后か本宮に報告しなさい、皇上の過ちに加担するなど言語同断」如懿は皇帝を諌めるどころか惑わせたとなれば大罪だと追求した。弘暦は皇后に叱責される妃嬪たちを見かねて回廊へ出た。そこで如懿には酒を飲んで酔っただけで、ただの息抜きだと安心させる。しかし如懿は妃嬪たちが献上したのが鹿血酒なら、薬効が強いので身体の負担になると訴えた。弘暦は身体なら大丈夫だと言って切り上げようとしたが、妃嬪たちはどうして良いか分からない。「どうした?聞こえぬのか?」妃嬪たちに解散するよう促す弘暦だったが、如懿は罪を犯した妃たちを処罰すべきだと上奏した。「…執拗に絡んで妃嬪をいじめるでない」「皇上!私が悪うございました!」一歩も引かない如懿に苛立つ弘暦と戸惑う嬿婉…。そこで容珮は皇后に酔い覚ましを献上するよう声をかけた。弘暦は吐き気がひどく飲む気になれないとはねつけたが、如懿は意地になって自ら酔い覚ましを持って行く。「飲まぬぞ」「酔い覚ましを飲めば楽になります」「…飲まぬ!」弘暦は思わず茶碗を払い除け、その勢いで如懿は石段から落ちそうになった。茶碗の割れる音が中庭に響き渡った。弘暦は肝を冷やしたが、咄嗟に三宝(サンポウ)と容珮が皇后を支え、如懿はこと無きを得る。「…私にお怒りで処罰なさるなら甘んじて受けます ただ皇上にはお身体を大切にしていただきたいのです」「今日はここで休む、皇后も自分の寝殿で過ちを反省せよ」弘暦は他の妃たちにも寝殿に帰るよう命じ、炩妃を連れて殿内に戻ることにした。しかし如懿は皇后として諌めたのだと訴え、抗議の意味を込めてその場でひざまずいてしまう。容珮は頑な過ぎるのではないかと苦言を呈した。しかし如懿は夫の不摂生を正すのは妻の務めだという。「皇上であってもそれは変わらないはずよ…」一方、炩妃を連れて寝殿に戻った弘暦は、頑固な如懿の態度に憤慨していた。皇太后と同じように如懿まで自分を操ろうとしているのか。するとやがて中庭が騒がしくなった。「皇后娘娘!どうしましたか?!」驚いた弘暦は慌てて中庭に飛び出すと、如懿がめまいを起こして倒れていた。如懿は懐妊していた。付き添っていた弘暦は酒を飲み過ぎたのは事実だと認めたが、酒に溺れる男でもなければ、国を顧みぬ暗君でもないと否定する。「鹿血酒を飲んだのは倦怠感に耐えられず、精をつけるためだった 欽天監(キンテンカン)の申す父子の相克を覆したかった…」←まだ言ってるw「皇上、天象を鵜呑みにされぬよう…」如懿は精力的に政務をこなして疲れがたまっただけだと言った。すると弘暦は自分が先帝が亡くなった年代になり、このところ先帝が夢に出てくると不安を漏らす。如懿は思わず身体を起こし、先帝が亡くなったのは服薬量を守らず身体を損なったせいだと言った。そこで弘暦は身重の如懿を安心させるため、お腹の子が生まれて満一月を迎えるまで、鹿血酒に関与した妃嬪たちを夜伽に召さないと約束する。こうして如懿と弘暦は仲直りした。金玉妍は皇后懐妊の知らせを聞いて呆然となった。その上、炩妃が騒ぎを起こしたと知り、侍女のうちに始末すべきだったと後悔する。それにしてもまさか自分の懐妊と重なるとは…。ともかく安定期に入ったことから、金玉妍は麗心に皇帝に知らせるよう命じた。その夜、寵愛を失った衛嬿婉は移動中の皇帝の輿を止めて泣きついた。「皇上!私はただ皇上に尽くしたい一心で…」「朕の過ちか?」「?!滅相もない…」「では皇后か?」「いいえ…」「ではそなただ、過ちを認めよ」嬿婉は排除され、皇帝の輿はそのまま行ってしまう。弘暦は奉先(ホウセン)殿で先帝に嫡子を得られると報告した。ただこの歳になり、生老病死に恐れを覚えるようになったと吐露する。しかし生まれてくる子供のため、身体に気をつけると誓った。そこへ李玉(リギョク)がやって来る。嘉貴妃が懐妊して三月(ミツキ)と分かり、経幡づくりをやめて養生したいという。こうして金玉妍は正式に皇后から罰を免除され、禁足を解かれることになった。弘暦は慈寧(ジネイ)宮にご機嫌伺いにやって来た。すると皇太后が皇帝に仕えることができる妃が少ないことを心配し、久しぶりに秀女の選抜を行うよう勧める。弘暦はあっさり応じたが、皇太后が口を挟む前に戸部と内務府に任せると言って帰ってしまう。「…明らかに皇帝はあいじゃを遠ざけている(ウッ…」やはり皇帝は白蕊姫(ハクズイキ)の一件以来、疑い深くなっているのだろう。侍女・福珈(フクカ)は不安になる皇太后をなだめ、関わりを避けたほうがいいと進言した。( ๑≧ꇴ≦)あいじゃーの弱気は五分袖のせいw懐妊した如懿は食欲がなく、めまいに悩まされていた。すると愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)と舒(ジョ)妃・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)が翊坤(ヨクコン)宮へ見舞いにやって来る。海蘭は手作りの子供服を贈ると、如懿は本当に上手だと喜んだ。実は如懿と出会って以来、如懿の懐妊を祈って毎年ひとつずつ作っていたという。一方、皇帝の脈診をした江侍医は、滋養強壮の薬が必要なくなったことを伝えた。弘暦は問題ないと聞いてもにわかに信じられず、あの倦怠感は何だったのかと戸惑う。すると江侍医は猛虎とて時に風邪も引くと言った。強い薬を飲んでも良くなるのは一時だけ、今回は静養するだけ十分だったという。ようやく弘暦は自分の思い込みだったと気づき、如懿が怒ったのも無理はないと反省した。また江侍医は諴(カン)親王府を訪ねたところ、第10皇子は顔色も良くとても元気だと報告する。弘暦は喜び、これからも見守って欲しいと頼んだ。(ここで唐突に凌雲徹の映像がw)賑やかだった永寿宮はすっかり寂れ、内務府にも見放された。しかしこんな時に限って母と弟が仕送りを要求して来る。衛嬿婉は頼る相手もなく孤独だった。侍女・春嬋(シュンセン)は進忠に相談するよう勧めたが…。一方、皇帝に仕える妃が少ないことで恩恵を受けたのは婉嬪(エンヒン)・陳婉茵(チンエンイン)だった。しかしようやく皇帝のお渡りを得たというのに新たな妃を迎えると知り、落胆を隠せない…。弘暦は秀女選抜を行うにあたり他者の干渉は排除させ、また来歴を全て調べさせるよう命じていた。重臣や代々高官の娘、また身分が低過ぎる娘も選ばないと決め、そのせいで皇太后が推薦した令嬢たちは最初の選抜で落とされてしまう。明日はいよいよ秀女選びの日、弘暦は皇后が養生中のため皇太后の同席を望んでいた。しかし自分の還暦記念を掲げた秀女選抜とは言え、口を挟む余地がないなら参加しても意味はない。結局、皇太后は欠席し、弘暦が3人の妃を選んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)バッファローだらけの秀女選抜w
2019.11.24
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第52話「最期の告白」皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は皇帝から死を賜った玫嬪(マイヒン)・白蕊姫(ハクズイキ)の最期を見届けるため、永和宮を訪ねた。白蕊姫は礼服に身を包み、かつて皇帝から贈られたお気に入りの鳳頸(ホウケイ)琵琶を奏でている。皇后に気づいた白蕊姫は手を止めると、大事そうに琵琶に触れた。「皇上と初めてお会いした時、私の弾き間違いに皇上は気づいた こんなに時が過ぎても結局、間違いは直らぬまま…」すると白蕊姫は自分と慶(ケイ)嬪・陸沐萍(リクボクヘイ)、舒妃(ジョヒ)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)が皇太后の間者だと白状した。しかし皇太后が配下を失ったとて何も言えず、むしろ人選を誤った自分を恨むしかない。「見事な策です、私たちの皇上はやはりすごい… 他人の策は嫌うのに、私たちを敵と知るやこんな手で追い詰める」白蕊姫が慶嬪を害したのは皇帝の命だった。死を目前にした白蕊姫は目を潤ませ、赤子の敵討ちができたとは言え、母親にも関わらず我が子の姿を見ていないことが心残りだと訴えた。如懿は耳を疑い、赤子の敵討ちとは何の話かと尋ねる。実は白蕊姫は死ぬ間際の茉心(バツシン)に呼び出され、孝賢(コウケン)皇后の差し金で自分の子を殺したと聞いたという。しかし如懿は当時、孝賢皇后の嫡子が健在だったことから、庶子が生まれても脅威になり得なかったと指摘した。何より孝賢皇后と第7皇子を白蕊姫がひとりで殺したとは到底、信じがたい。「あなたを狙った毒は特殊な物と江与彬(コウヨヒン)から聞いた 嘉貴妃(カキヒ)はなぜあなたを狙うの?」白蕊姫はようやく何かに気づいたのか、気が抜けたようにその場にへたり込んだ。如懿は玫嬪の赤子を殺したのは孝賢皇后ではないと否定した。恐らく誰かが協力者を装って玫嬪を利用した後、口封じを企んだのだろう。白蕊姫は敵だと信じて殺した相手が無実だと知り、あまりの虚しさに泣き崩れた。「私の哀れな子よ…私はあの世であの子に会えますか? 会えたとしても私はあの子の顔が見分けられないのでは…」すると如懿は白蕊姫を子供と同じ墓に葬って手厚く法要すると約束し、冥土での再会が叶うはずだと安心させた。その言葉を聞いた白蕊姫は今生でのわだかまりが解けたのか、皇后の恩情に感謝して毒酒を賜る。「皇后娘娘…この姿は美しいでしょうか?」「きれいよ…」白蕊姫は我が子が怯えぬようきれいな姿で逝けることを喜び、再び琵琶を手にして弾き始めた。如懿が寝殿を出る頃には琵琶の音が途絶えた。「逝ったのね?」回廊で待っていた愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)の問いかけに小さくうなづく如懿…。我が子の敵討ちを支えに生きて来た白蕊姫だったが、本当の敵が誰なのか知らずにいたようだ。如懿も海蘭も黒幕は金玉妍(キンギョクケン)だと目星を付けていたが、例え証拠を突きつけたとしても言い逃れるに違いない。何より金玉妍は玉(ギョク)氏の貴族の出、皇帝も処罰には慎重だろう。それでも如懿は金玉妍が本当に玫嬪を操ったのか調べる必要があると言った。「他の件にも関与しているかも…」玫嬪の死は急病として処理された。侍女・福珈(フクカ)から報告を聞いた皇太后は、皇帝の玫嬪への恩情だと気づく。しかし追贈も葬儀もなく、妃嬪の墓にも埋葬されず、遺体は白布に包まれ荼毘(ダビ)に付された。「…死者を気遣う必要はない、今あいじゃは舒妃の子が生まれるのを待ちわびている」福珈の動揺をよそに皇太后は割り切った。意歓は難産だったが無事に第10皇子を出産した。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は褒美を下賜し、十分に養生させるよう命じたが、落胆を隠せない。「皇子だったか…」如懿は弘暦が欽天監(キンテンカン)が言った父子の相克を心配していると分かった。その夜、舒妃のお産を担当した産婆の田(デン)氏が永寿(エイジュ)宮に現れた。田氏は炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)から約束の銀子を受け取りに来たという。「進忠(シンチュウ)から話は聞いている、薬を買うために銀子が欲しいとね」田氏には死んだ夫も知らない娘がいた。最初の夫との間に生まれた娘だったが、その夫の家系は奇妙な病を持ち、皆が30歳前で亡くなるという。すると嬿婉は銀百両と一緒に包(ホウ)侍医が考えた処方箋を渡し、自分の悩みも解決して欲しいとほのめかした。「ご安心ください、今回の件は誰にも気づかれていません 女子が子を産む時には常に危険が伴うもの、知らぬうちに身体も傷つきます …舒妃は懐妊された時、すでに体が弱かった お子が公主ならまだしも、生まれたのは皇子でした、育つとは思えません」産婆の長年の経験は無駄ではなかった。田氏が予想した通り第10皇子は生後1ヶ月で気血を損なう兆しが顕著に現れる。江与彬は皇帝に報告し、原因は母体にあったと説明した。舒妃は腎臓が弱く、懐妊でさらに消耗、子供にも影響が出たという。すると弘暦はまた欽天監の話を持ち出し、自分が原因ではないかと言った。如懿は天象を信じてはならないと諌め、第10皇子も治療すれば治ると安心させたが…。皇帝の頭痛を心配して衛嬿婉が養心殿にやって来た。しかし弘暦はちょうど舒妃と第10皇子に会いに行くところだという。そこで嬿婉は欽天監の話を持ち出して足止めし、皇帝の不安を煽った。「ご提案が…恒媞(コウテイ)長公主は親王府で養育されました 皇太后は舒妃姐姐の子を育てたがっているとか… ならば皇太后にお子の養育をお任せして皇子を遠ざければ害はないのでは?」弘暦は慈寧(ジネイ)宮に舒妃を呼び、第10皇子を恒媞を育ててくれた諴(カン)親王府で養育すると伝えた。寝耳に水だった意歓は反対し、皇太后も自分が世話をすると申し出たが、弘暦は健康ならまだしも、皇子が熱でも出せば皇太后も舒妃も心配で心身休まらないという。「欽天監が第10皇子と朕は相克の関係だと申した、それゆえこの子は身体が弱いのだ 朕から遠ざけてみたい…こうしよう 第10皇子の養育は諴親王に託し、名を能福(ノウフク)とする 成長の後、連れ戻せば天象も変わるはずだ」皇太后はそれ以上、反対できず、結局、了承した。すると話を終えた弘暦が急に立ちくらみを起こす。舒妃は皇太后から皇帝を送るよう命じられ、もはや我が子を手放すしかなかった。そして2ヶ月…。季節は秋になったが、働き詰めの弘暦ははたから見ても体調が悪そうだった。しかし河南(カナン)で黄河が決壊、洪水で大きな被害を出している。弘暦は勅命で高斌(コウヒン)を復職させ、堤防の修復を任せることにした。一方、我が子と引き離された意歓は悶々とした日々を送っていた。お産が済んで100日が過ぎたが皇帝からのお召しもなく、原因は顔のシミなのか、別の理由なのかと思いつめている。如懿は皇帝が治水で忙しいからだとなだめたが、今度は意歓が皇子に一目だけでも会いたいと言い出した。しかし皇帝の命令で第10皇子と会えるのは新年や節句の時だけと定められており、皇后でも逆らうわけにいかない。すると儲秀(チョシュウ)宮からの帰り道、侍女・容珮(ヨウハイ)は皇帝を慕う舒妃にお召がないことを不思議がった。如懿は第10皇子の身体が弱いのは母体が弱かったせいだと話し、舒妃の身体の弱さは皇帝が飲ませた避妊薬のせいだと教える。「後ろめたさも加えて欽天監の言葉もあり避けているのね…」「皇上も罪なことを…」その夜、如懿と床に入った弘暦は、父が政務中に急に倒れた時の夢を見て飛び起きた。如懿はすぐ気づいてなだめたが、弘暦は健康に不安を感じ、第10皇子との相克が関係しているのではないかと動揺する。しかし第10皇子は皇帝が親王府に預けたはず、如懿は思いつめると余計に疲れると言い聞かせた。「ルーイーや、朕は老いたか?」「皇上、人は誰でも老いるのです、皇上もそして臣妾(チェンチィェ)も」「老いてもそばにいてくれるか?」「もちろんです、ずっとおそばにいます、ご安心を…」翌朝、如懿は帰り際、李玉から皇帝の様子を聞いた。日々の侍医の脈診では特に問題がなく、食事も気になることはない。ただ最近は鹿肉を好んで食べているという。鹿肉といえば強壮の食材、やはり弘暦は体力の衰えを感じているようだった。すると容珮は主人にそろそろ戻るよう伝える。如懿は李玉によく仕えるよう頼んで帰ることにしたが、なぜか急に吐き気に襲われた。「ご気分でも?」「大丈夫よ」今朝も妃嬪たちが皇后のご機嫌伺いに集まった。間もなく月初め、如懿は安華(アンカ)殿での祈祷の時間に遅れないよう伝える。妃嬪たちは疲れている皇帝や病弱な第10皇子のためしっかり祈ろうと話したが、如懿が玫嬪の葬儀がまだなので法要も兼ねたいと言った。当然、陸沐萍は不満を漏らしたが、如懿は玫嬪が罪を犯したのは本意ではなかったとかばい、すでに罰も受けたと理解を求める。すると案の定、金玉妍が口を挟んできた。慶嬪が子を産めなくなったのは玫嬪のせいで本人も認めているのに、皇后はなぜ今になって本人の意思ではないなどと言い出したのか。金玉妍は皇后に玫嬪と何を話したのか尋ね、探りを入れた。「皇后娘娘はずいぶんと玫嬪にお優しいこと…」視線を泳がせ、茶に手を伸ばす金玉妍…。如懿は嘉貴妃が動揺していると見抜き、死を前にした玫嬪が偽りない本心を語ってくれたと挑発した。「玫嬪の子や儀(ギ)嬪の子、孝賢皇后の7阿哥は誰の手で殺されたのか知りたいとも…」すると陸沐萍は玫嬪や儀嬪の子はともかく、第7皇子は天然痘でなくなったはずだといぶかしむ。如懿は確かに直接の死因は天然痘だったと認めたが、疑問な点も多いと言った。第7皇子は身体が弱く、細心の注意を払っていたのに、なぜ長春(チョウシュン)宮から外へ出ない乳母が感染したのか…。殿内は一瞬、静まり返った。妃嬪たちもさすがに皇后が嘉貴妃を追求していると気づき始め、金玉妍も焦りを隠せない。「病のことなど誰にも分かりません…」「それもそうね… 玫嬪が死ぬ前に話してくれた、慧賢(ケイケン)皇貴妃の侍女・茉心に会ったと 茉心は天然痘で死に、玫嬪は無事だった でも乳母と第7皇子は天然痘に…病のことは分からないわね」「それが何です?…病になるのは運がなかったに過ぎません」↓( ゚д゚)ktkrの図追い詰められた金玉妍はうっかり口を滑らせると、真っ先に衛嬿婉が食いついた。「嘉貴妃は7阿哥は不運だったと?7阿哥の早世が孝賢皇后の死期を早めた つまり7阿哥と孝賢皇后は運が悪かったと言うことですか?」「そ、そうは言ってない!揚げ足を取る気?!」金玉妍は慌てて否定したが、海蘭から自分で今そう言ったはずだと指摘されてしまう。すると畳み掛けるように純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)が今の発言は孝賢皇后に対する不敬の罪だと非難した。もはや誰も味方のいない金玉妍…。そこで意歓が立ち上がり、皇后に嘉貴妃の不敬な発言は聞き捨てならないと訴えた。妃嬪たちは一斉に立ち上がると、後宮の掟に照らして嘉貴妃に厳正なる処分をと嘆願する。こうして金玉妍は罰として経幡(キョウバン)100枚を作って陵墓へ送り、完成まで禁足を命じられた。弘暦は嘉貴妃の不敬罪の件で如懿を訪ねた。もちろん処分は妥当であり、孝賢皇后と第7皇子の供養になる。しかし金玉妍は生前の孝賢皇后と親しかったこともあり、いくら皇后の座を狙う野心があったとしても2人を殺したとは限らないと言った。玫嬪の告白だけでは嘉貴妃の関与を裏付ける証拠にはならず、また今になって報告したのは如懿にも迷いがあるからだと指摘する。如懿は永璜(エイコウ)も臨終の時に嘉貴妃の名を挙げ、玫嬪の鸚鵡も嘉貴妃の毒で死んだと訴えたが、弘暦は証拠がなければ何もできないとなだめた。「…皇上は玉氏に遠慮しているので?」「何を申すか」「皇上こそ何を仰せですか?」↓ムッ💢如懿は煮え切らない態度の弘暦に苛立ち、確かな証拠があれば見逃さないのかと迫った。憤慨した弘暦はその時はその時だと言明を避け、金玉妍に敬意と懺悔の証しとして経幡に血判を押させるよう指示して逃げるように席を立ってしまう。꒰⌯͒ ー̀ωー́ )<ハイ___💢金玉妍は指に針を刺し、経幡に血判を押した。侍女・麗心(レイシン)はこれも孝賢皇后への追悼だと話し、主人の怒りをなだめる。「追悼?(フッ)生きているからこそ利用できた、死ねば用なしよ…今に見ていなさい」金玉妍は如懿への恨みを募らせた。つづく( ๑˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ふぉぁんしゃ~ん!
2019.11.18
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第51話「太監の誤算」その夜、嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)は久しぶりに夜伽に召された。念入りに沐浴する金玉妍、すると侍女・麗心(レイシン)は皇帝が待っていると急かして着替えの準備を始める。しかしなぜか主人の肌着が消えていた。同じ頃、皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は都との連絡係である宦官・小瑞子(ショウズイシ)から報告を受けていた。実は侍医・江与彬(コウヨヒン)が山東(サントウ)区域で下痢を患い、都への到着が数日、遅れたという。しかし第5皇子・永琪(エイキ)はかなり回復し、舒妃(ジョヒ)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)も腎臓以外に問題はなかった。安心した如懿は小瑞子を労って休ませたが、入れ替わるように太監・三宝(サンポウ)が駆け込んで来る。「皇后娘娘、皇后娘娘、凌大人(ダーレン)が大変なことに…」御前侍衛・凌雲徹(リョウウンテツ)が嘉貴妃の肌着を盗んだ罪で捕まった。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は激怒、金玉妍が処刑を要求し、養心殿の太監・李玉(リギョク)が慌てて皇后を呼んだらしい。如懿はすぐ皇帝の寝殿に向かったが、すでに凌雲徹は回廊の柱に縛り付けられ、養心殿の太監・進忠(シンチュウ)に打たれて傷だらけだった。金玉妍は辱めを受けたと訴え、皇帝にすがりついて泣いていた。そこへ如懿がやって来る。弘暦はまだ怒りが収まらない様子で、ともかく李玉を呼んで事の経緯を説明させた。李玉の話では、肌着が盗まれたとの報告を受けて各所の捜索を命じたところ、凌雲徹の着替えの中から発見されたという。机の上には証拠となる金玉妍の赤い胸当てが…。如懿は事実なら見逃せないが、これほど早く犯人と証拠が挙がるのは不自然だと疑問を呈した。普通なら盗んだ物を誰にも見られたくないはず、わざとでなければ目につきやすいところには置かないと怪しむ。「皇上、凌侍衛は忠実な臣下です 罠かもしれないのに衝動的に処刑すれば、忠実な臣下がひとり減ります」しかし金玉妍はあの恥知らずをかばうのかと憤慨した。如懿はこれも皇帝のためだと諭し、即位後の初めての南巡で貴妃のために侍衛を処刑したとなれば、誇張された噂が広まって皇帝の名誉が損なわれるという。知らせを聞いた炩(レイ)妃・衛嬿婉(エイエンエン)がやって来た。進忠はこれで皇后ひとりでは凌雲徹をかばいきれないとほくそ笑んだが、嬿婉が思いがけず皇后を援護してしまう。「たった今、皇后娘娘のお話が漏れ聞こえたのですが、おっしゃる通りかと… 侍衛の死は些細なことでも、皇上の名誉を損ねては一大事 凌侍衛が目障りならそばに置かず、遠地へ飛ばせばいいかと…」金玉妍は皇后と炩妃が犯人をかばっていると抗議したが、結局、弘暦は凌雲徹に木蘭囲場(モクランイジョウ)での苦役を命じた。如懿は帰り際、李玉に凌雲徹の出立は傷が回復してからにするよう頼んで戻った。侍女・容珮(ヨウハイ)は真の標的が皇后ではないかと警戒したが、なぜ炩妃まで凌侍衛をかばったのか分からない。如懿は2人の関係には触れず、凌雲徹に薬を届けるよう指示した。翌朝、進忠は自分の計画を台無しにした衛嬿婉を訪ねた。すると嬿婉の態度が豹変、凌雲徹を殺したくないが文句があるかと挑発されてしまう。「あなたは分を守っていれば私と共に富を得られる これ以上、騒げば凌雲徹を救いたい皇后娘娘が私に肩入れし出すわ あなたは?嘉貴妃に恥をかかせたことが露見し、処刑されるだけ(フン」「嬿婉?凌雲徹との過去を暴露されてもいいのか?」「(机バーン!)脅す気?なら決別よ!私たちがどんな取引をしたか皇上に言えばいいわ 皇上は私とあなたのどちらを疎むでしょうね?」「上等だ、恩を仇で返されるとはな…私の協力なしに今の栄光をつかめたのか?!」まさかの仲間割れに侍女・春嬋(シュンセン)が咄嗟に間を取り持った。あくまで主人はあのまま調査が続いて進忠が浮かび上がらないよう配慮しただけなのだと…。先に折れたのは進忠の方だった。進忠は太監らしくひざまずき、これもすべて炩妃のためだったと訴える。すると立場が逆転した嬿婉が自分たちは一蓮托生だと念を押し、軽挙を慎むよう戒めた。一方、容珮は凌雲徹に皇后からの差し入れを届けていた。濡れ衣であることは皇后も承知だと伝え、贈り物の無患子(ムクロジ)を見せる。「憂いや患いは無くせという意味か?」「無患子は過酷な自然に耐え、成長するからよ 凌侍衛も苦しみを乗り越え、将来に備えろということ こうもおっしゃっていたわ…体面を失って去るのだから、戻る時は堂々と戻りなさいと」「娘娘は戻れると?」「もちろん、あなたを放置しておくはずがない」皇帝一行は紫禁城に戻った。如懿は翌朝すぐ儲秀(チョシュウ)宮の意歓を訪ねたが、お腹の子には問題がないと分かって安堵する。一方、弘暦は慈寧(ジネイ)宮にいた。皇太后は舒妃の出産が近いことから、生まれた子供を自分の元で養育したいと申し出る。舒妃がお腹の子のせいで体調が悪く、父子が相克する関係ならなおさら自分が育てる方が良いというのだ。衛嬿婉は養心殿に戻って来た皇帝を出迎えた。弘暦は口外を禁じたはずの欽天監(キンテンカン)の話を皇太后が知っていたことから、李玉に誰が漏らしたのか調べるよう命じる。すると嬿婉が自分が下がった時、ちょうど玫嬪(マイヒン)・白蕊姫(ハクズイキ)が待っていたと教えた。進忠はすかさず皇帝への取次は頼まれなかったと証言し、何らかの話が聞こえたのではないかとほのめかす。そこで弘暦はすぐ玫嬪を呼ぼうとしたがすでに傅恒(フコウ)が待っていると知り、仕方なく夜に呼ぶことにした。麗心が慌てて啓祥(ケイショウ)宮に戻って来た。実は皇帝が今夜、玫嬪を呼んだという。金玉妍は行宮で純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)が孝賢(コウケン)皇后が亡くなった時の玫嬪の奇行に言及したことを思い出し、皇后が皇帝に何か吹き込んだのではないかと疑った。「巻き込まれたら大変よ…禍根は取り除いておくべきだった」そこで金玉妍は棚から毒を仕込んだ銀のかんざしを出した。如懿が愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)と歩いていると、ちょうど啓祥宮の前で嘉貴妃の侍女が主人の夕餉を受け取っていた。すると麗心はついでに永和宮の料理も自分が調べてやると声を掛ける。海蘭は単なる厚意にしてはおかしいと気づき、如懿も何か企んでいそうだと疑った。永和宮に夕餉が届いた。侍女・俗雲(ゾクウン)は机に料理を並べながら麗心が毒の有無を調べてくれたと報告する。そこへ珍しく皇后と愉妃が現れた。海蘭は急に親切にされて怪しまないのかと指摘、胸騒ぎがしたので訪ねたと教える。仕方なく白蕊姫は自ら料理に銀の針を刺して調べてみたが、どれも問題はなかった。するとどちらにしても食欲がないため、白蕊気は可愛がっている鸚鵡(オウム)にご飯を食べさせてやる。如懿と海蘭はあきらめて帰ることにしたが、その時、急に白蕊姫が大声で皇后を引き止めた。「皇后娘娘!…あんなに元気だったのに」如懿と海蘭が戻ってみると、鸚鵡が床に落ちて死んでいた。白蕊姫は2人の厚意を誤解していたことを謝罪し、時間になったので養心殿に出かけて行った。寵愛も子も失った玫嬪、幸せだったのはほんのひと時だったろう。如懿は同情したが、なぜ嘉貴妃に狙われる必要があったのか謎は深まるばかりだった。「どう考えても変よ、秘密があるのかも…」白蕊姫は夜伽のために呼ばれたわけではないと分かっていた。しかしまさか相克の件で皇太后の間者であることが皇帝に露見していたとは…。一方、金玉妍は白蕊姫が予定通り養心殿に行ったと聞いて動揺していた。もしや夕餉を取らなかったのか。麗心は動きがないので大したことではないと安心させたが、金玉妍は不安になった。「やはり早めに始末しなくては…」翌朝、侍医院に白蕊姫の姿があった。白蕊姫は自分の薬を確かめたいと言って妃嬪たちの煎じ薬を眺めていたが…。その頃、玫嬪の料理を調べた江与彬は翊坤(ヨクコン)宮へ報告に来ていた。実は白米の中にだけ粉末が混入しており、特殊な毒なので銀針で試しても色が変わらなかったという。御膳房が仕込むわけもなく、如懿はやはり啓祥宮の仕業だと確信した。すると江与彬はもう1つ、舒妃のむくみに処方された薬に不適切な薬が含まれていたと報告する。その薬は通常は無害だが、腎臓が弱っている時の服用は禁忌だった。舒妃は長年、避妊薬を飲まされていた上、妊娠中は腎臓に負担がかかりシミができたのだろう。今の主治医が斉汝(セイジョ)から何も聞いていない可能性があるが、避妊薬の処方を承知しつつ2種類の薬を加えたとなれば話は別だ。実は舒妃には黙っていたが、恐らくお腹の子は滋養が取れず、健康には育たないという。「それから私が山東で体調を崩した件ですが、足止めするためとしか思えません おかげで舒妃娘娘の治療に遅れが…」江与彬は誰かが仕組んだと疑ったが、証拠がなかった。翌日、慶(ケイ)嬪・陸沐萍(リクボクヘイ)が具合が悪いと聞いて蘇緑筠と海蘭が駆けつけた。侍女の話では昨夜、薬を飲んでから腹痛が続いているという。すると出し殻を調べた包(ホウ)侍医は月の物がある時になぜこの処方なのか分からないと首をかしげた。蘇緑筠は侍医院を調べることにしたが、そこへ白蕊姫が現れる。「必要ないわ、私がやったの…」白蕊姫の死罪が決まった。皇太后は慶嬪が無事だと知って安堵したが、玫嬪の薬のせいで懐妊は望めないと知る。「他に供述は?」「皇太后のことは何も漏らしていません」侍女・福珈(フクカ)の言葉に胸をなでおろし、皇太后はむしろ死罪で心配事が1つ減ると言った。李玉は翊坤宮を訪ね、皇后が玫嬪の処刑を見届けるようにとの皇帝の命を伝えた。そこへちょうど惢心(ズイシン)がやって来る。実は惢心は如懿から依頼され、玫嬪母子のために吉相の場所を探し、すでに紙銭やろうそくも用意していた。「子の刻前に儀式を行えば母子は冥土で再会できるでしょう」「よかった、これで玫嬪の願いも叶うわね」2人の視線の先には李玉が届けた毒酒があった。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)私の凌侍衛ががが…でもなぜだろう〜金玉妍には全然、同情できる所がないのにw不思議と白蕊姫は哀れに思えるんだな〜
2019.11.17
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第50話「腹いせの昇格」曲院(キョクイン)での宴、皇太后は季節外れの蓮の花を楽しみたいと言い出した。すると侍女・福珈(フクカ)が合図し、蓮の花を乗せた舟が水上に現れる。舟にはそれぞれ玫嬪(マイヒン)・白蕊姫(ハクズイキ)と慶貴人(ケイキジン)・陸沐萍(リクボクヘイ)が乗り、玫嬪の琵琶の演奏で慶貴人が歌を披露した。玫嬪と慶貴人は見事に皇太后の期待に応えた。実は慶貴人が最後に夜伽をしてからすでに12年も経っている。一方、子を失って以来、すっかりやせ細った白蕊姫は慶貴人の引き立て役に甘んじていた。すると皇太后はこの南巡で皇帝が皇后ばかりを寵愛していると指摘、他の妃嬪など忘れ、新たな妃(キサキ)すら娶らないと訴える。「子ができぬ皇后に皇帝の寵愛を独占されている、それで子孫が増やせましょうか」皇太后は妃嬪たちに恨まれてから悔やんでも遅いと忠告した。皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は席を立って謝罪したが、皇太后の小言は終わらない。本来なら皇后が率先して妃嬪に配慮すべきだと苦言を呈し、うかつにも程があると叱責した。へき易した乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は自分が悪かったと折れ、今後は等しく妃嬪を寵愛し、1人として冷遇しないと約束する。皇太后はその言葉を聞いて満足し、一足先に引き上げて行った。皇太后は寝殿へ戻る道すがら、福珈に他にもいい娘がいないか物色するよう命じていた。すると遊廊でばったり侍医・斉汝(セイジョ)と出くわす。斉汝は皇帝が最近、疲れているのか脈診に呼ばれたと報告、宴が終わるのを待っていると説明して皇太后を見送った。そこへ太監・進保(シンホウ)が現れる。進保は宴がもう少しかかるため部屋で待つよう頼み、斉汝を送って行ったが…。その頃、宴席では再び水上に舟が現れた。すると今度は炩(レイ)嬪・衛嬿婉(エイエンエン)が梅の花を片手に妖艶な舞を披露する。嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)は歌や舞で寵愛争いする妃たちを露骨に見下したが、純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)に揚げ足を取られた。「嘉貴妃ったらよく言うわ~あなたも以前はいろんな舞を披露したわ」「″顰(ヒソ)みに倣う″よ…」「私たちも年を取ったわ~20歳の妹妹の色香にはかなわないわね? 芸が未熟でも若さにあふれているわ」「大人の醸し出す色香に小娘が勝てるとでも?」しかし弘暦は嬿婉の舞を褒め、かつての無知な女子ではないようだと見直した。面白くない金玉妍は皇后に艶かしい炩嬪の舞をどう思うか聞いてみる。如懿は仕方なく皇帝の歓心を買えれば大したものだと答えた。弘暦は衛嬿婉を近くに座らせ、皇后も嬿婉の舞が気に入っただろうと話を振った。そこで如懿は炩嬪も梅が好きなのか尋ねたが、嬿婉はふと思いついて皇后を牽制する。「私は凌霄花(ノウゼンカズラ)が好きです、幼い頃から変わりません」すると弘暦は自分と如懿も同じだと言った。そこへ太監が現れ、皇太后の指示で今夜の夜伽札を選ぶよう伝える。皇帝が皇太后の意向をくむ素ぶりを見せたことから、白蕊姫は若い慶貴人を選ぶよう進言した。しかし弘暦は急に札を選ぶのをやめ、いきなり嬿婉を指名する。「今宵は炩妃が仕えよ」「リンフェイ?!」金玉妍は驚いて思わず叫んだが、皇帝の決定に異論を唱えることなどできなかった。如懿は皇帝と炩妃に早く休むよう勧め、妃嬪たちを連れて下がった。懐妊すらしていない嬿婉の昇格に戸惑う妃嬪たち、すると金玉妍がなぜ女官上りの嬿婉が躍り出たのかと不満を漏らす。蘇緑筠は誰にでも機会は訪れるとなだめ、炩妃がやり手なのだと言った。しかし金玉妍はずる賢いだけだと憤る。「皇后娘娘?炩妃が舞を披露すると聞いていました?あの孫悟空は皇后でも御しがたいでしょう?」「…嘉貴妃は奉先(ホウセン)殿での罰を解かれたばかり、言動を慎みなさい」「は~い」すると蘇緑筠は皇太后が慶貴人を売り込むため、玫嬪を抜擢したのは興味深いと言った。ただ玫嬪はずっと体調が悪く薬が手放せないため、寵愛の復活は難しいだろう。「それにしても玫嬪は以前から奇行が目立つわ 孝賢(コウケン)皇后が亡くなった晩も振る舞いが妙で言葉が辛辣だった 水音が聞こえたのに見に行くのを嫌がったの、さもなくば孝賢皇后を救えたやも…」蘇緑筠が何気なしに言った言葉に如懿は思わず足を止めた。「そんなことが?なぜ秘密にしていたの?」「孝賢皇后が急逝して些細なことなど忘れていたのよ…(汗 今夜、玫嬪と慶貴人が水上に現れねば思い出さなかったわ~」如懿が寝殿に戻ると、侍女・容珮(ヨウハイ)は嘉貴妃の話には一理あると進言した。炩妃はなぜ急に頭角を表したのだろうか。「嘉貴妃が狡猾なことは分かっていましたが…私は炩妃をよく知りません」その時、如懿は目配せして侍女・菱枝(リョウシ)がいることを教えた。容珮は話を中断し、茶を受け取って菱枝を下げる。すると如懿は嬿婉が自分に媚びていたのは皇帝の寵愛を得るためだと言った。恐らく願いが叶ったのでもう近寄っては来ないだろう。容珮は炩妃への警戒も怠れないと身を引きしめたが、そこへ太監・三宝(サンポウ)がやって来た。「皇后娘娘、小瑞子(ショウスイシ)が来ました」小瑞子は都に残った愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)との連絡係だった。実は皇帝一行が都を離れた2月から第5皇子・永琪(エイキ)の風邪が治らず、愉妃が侍医・江与彬(コウヨヒン)の帰京を希望しているという。また舒(ジョ)妃・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)は手足がむくみ出して薬で抑えているが、さらに腎臓が弱って顔に蝶のようなシミができていた。容珮は確かに妊娠すれば腎臓に負担がかかってシミができる人もいると言ったが、それは不養生な庶民に多いという。ともかく如懿は侮ってはならないと考え、江与彬を帰すよう指示した。思わぬ幸運に恵まれた嬿婉はなかなか眠れず、皇帝の寝顔を満足げに見ていた。一方、金玉妍も寝付けずにいたが、それは嬿婉への嫉妬からではない。実は蘇緑筠が蒸し返した孝賢皇后の一件のせいで玫嬪のことが気がかりだった。玫嬪は何も言わないとは言え知り過ぎているのは事実、警戒しなくてはならないだろう。その頃、ちょうど仕事を終えた凌雲徹(リョウウンテツ)たち御前自衛が池に浮いている人間を見つけた。斉汝が池に落ちて急逝した。侍女・毓瑚(イクコ)の話では皇太后も単なる事故だと理解しているという。弘暦は上出来だと褒め、都に発った江侍医が後継者に適任かどうか観察する必要があると言った。「皇上、裏切り者は始末しました、深くお考えにならぬよう…」「母上は干渉し過ぎる、妃嬪に朕の動きを探らせ進言させるだけならまだ許せよう だがまさか朕の侍医にまで触手を伸ばすとは…一度、後宮を粛清せねばなるまい 舒妃は真心で接してくれる、だが他の者は…」嬿婉はさらなる高みを目指し、着々と策略の準備を進めていた。侍女・春嬋(シュンセン)は皇宮の方も全て順調だと報告する。そこへ皇帝からの贈り物を届けに養心殿の太監・進忠(シンチュウ)が現れた。「それから内輪のお話が…」進忠は妃への昇格が皇太后に対する皇帝からの当てつけだと教え、運が良かったと指摘した。しかし忘れてならないのは皇帝から最も寵愛され、後宮を掌握しているのが皇后だということ…。進忠は昨夜のようにむやみに衝突するような行動は慎むべきだと助言し、嬿婉の手に触れた。すると嬿婉は馴れ馴れしい進保を牽制し、皇后などあてにはならず、頼れるのは自分だけだという。「ところで凌雲徹ですが…」「どうしたの?!」進忠はただ凌雲徹が斉汝の骸を発見したと報告しただけだったが、嬿婉の慌てぶりを見るにまだ未練があると分かった。ばつが悪い嬿婉は話をそらし、皇上が最も気にするのは政事と世継ぎと他に何があるか尋ねる。「瑞祥(ズイショウ)です」如懿は弘暦に斉汝の急逝について探りを入れたが、はぐらかされた。そこで子のない衛氏を昇格させたなら慶貴人も昇格させてはどうかと提案する。しかし弘暦は自分たちに干渉する皇太后への腹いせで、怒りに任せて昇格させたと教えた。如懿は妃嬪に配慮してくれた皇太后が対面を失うと懸念し、親子関係にも亀裂が生じると諌める。仕方なく弘暦は慶貴人も嬪に昇格すると命じ、ただし皇太后のためではなく、長年、使える慶貴人と如懿の思いに報いるためだと意地を張った。衛嬿婉は進忠と策を講じ、昇格の挨拶と称して皇帝と皇后のもとへ現れた。進忠の忠告通り今日は皇后に従順な嬿婉、するとそこへ急に欽天監(キンテンカン)が謁見にやって来る。実は紫微(シビ)星の周囲に相克する星を見つけたというのだ。紫微星から分離した星は子供の生誕を意味すると思われるが、そうなると父子の相克を指すという。目下、皇帝が皇宮を離れているので克されるのは弱い皇子の方だが、どちらが克されるにしても軽くて病、重くて死だとか…。すると嬿婉は舒(ジョ)妃のおなかの子の事ではないかと口走り、皇后から縁起でもないと叱られてしまう。弘暦はともかく欽天監と嬿婉を下げたが、急に何やら考え込んだ。心配した如懿は天象をあまり信じないようなだめ、天子を克せる者などいないと言ったが…。欽天監が待っていると炩妃がやって来た。「上出来よ、頼んだかいがあったわ」「7阿哥と孝賢皇后のご逝去後、皇上は天象を鵜呑みにしています 態度に出さずとも気にしているはず…」すると嬿婉は栄華を約束し、欽天監を懐柔した。一方、都へ発った江与彬は途中の驛站(エキタン)で一夜を過ごしていた。しかし差し入れの食事を取った後、急に腹の具合が悪くなってしまう。その頃、後宮の意歓は顔のシミに悩まされていた。そこで侍医に治療法はないか尋ねたが、妊娠が原因のためなす術ないという。皇帝一行は江南を離れ、江寧(コウネイ)に移動した。江寧の行宮は栖霞(セイカ)山にあるため、西湖のそばの行宮より景色が良いという。昇格した衛嬿婉は皇帝の寵姫として厚遇されていたが、庭園で偶然、凌雲徹と出くわすと心が揺れた。「私の昇格は祝ってくれないのね?」「お祝いいたします」「…それは本心?」「…娘娘に他に用がなければ失礼いたします」そんな2人の様子を高台から進忠が見ていた。嬿婉は輿から降りると、春嬋だけを連れて逃げるように人気のない涼亭に隠れた。「妃になったのですから、凌侍衛のことはお忘れに…」「分かってるけど…冷ややかな目で見られると心が波立つの」すると2人の会話を聞いていた進忠が現れた。進忠は凌雲徹が自分と嬿婉の計画の妨げになると考え、排除すべきだと助言した。驚いた嬿婉は反対するが、その慌てぶりを見た進忠はやはり未練があると見抜く。嬿婉はどちらにしても皇后が許さないはずだとごまかし、それより約束を忘れないよう釘を刺した。「あなたの目的は出世、李玉(リギョク)を排除してこそ頂点に立てる 凌雲徹は何の邪魔もしていないわ」「フッ…凌雲徹が邪魔しているのは炩妃の前途です」進忠は凌雲徹が知り過ぎていると懸念し、皇帝の前で口を滑らせたらおしまいだと脅した。嬿婉はありえないと否定したが、進忠は凌雲徹も変わったと指摘する。「奴とて栄華のために炩妃を見捨てるかもしれません、よく考えたほうがいい 凌雲徹は皇后に引き立てられた、炩妃が寵愛を争うならいずれ皇后と袂を分かつ その時、凌雲徹が暴露すれば、今までの苦労が台なしになりますよ?」皇帝からの信頼と皇后の後ろ盾がある李玉はそう簡単に排除できない。しかし凌雲徹を始末しておかなくては、後で困ることになるという。つづくε-(•́ω•̀๑)だめだ…嬿婉がだめだ…でも理由が分からない(笑声かな?所作かな?嬿婉が出て来ると急にチープ感が気になっちゃう…そう言えば進忠って開封府に出てた?
2019.11.12
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第49話「子宝の薬」皇后・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は舒嬪(ジョヒン)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)と一緒に養心殿で茶の準備をしていた。その時、奏状を読んでいた乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)が急に声を上げる。「でかした!」実は岳鍾琪(ガクショウキ)がナムギェルの反乱を平定、弘暦はこれで清(シン)の威信が示せると喜んだ。そこへ琴を聞かせたいという炩嬪(レイヒン)・衛嬿婉(エイエンエン)がやって来る。同じ嬪の意歓は椅子から立ち上がって挨拶したが、急に立ちくらみを起こした。ここ数日めまいがひどく、昨日から吐き気も続いているという。弘暦は懐妊ではないと分かっていたが、ともかく侍医・斉汝(セイジョ)を呼んだ。意歓は懐妊していた。子をあきらめて子宝の薬も飲むのをやめていたが、今になって子を授かるとは…。如懿は意歓の思いが天に届いたのだと喜んだ。戸惑いを隠せない弘暦だったが、これを機に意歓を妃に昇格させる。そこで如懿は念のため意歓を寝宮まで送って行くことにした。弘暦は斉汝を呼び、予想外の結果だといぶかしんだ。もしや舒妃に勘付かれたのでは…。しかし斉汝は舒妃が薬を飲むのをやめたせいだと説明し、子供の処遇を尋ねた。弘暦は子に罪はないとし、結局、無事に生まれるよう世話を頼む。一方、意歓を送り届けた如懿と嬿婉は儲秀(チョシュウ)宮を出た。すると嬿婉は妬みを感じていると本音を漏らし、うっかり舒妃と同じ子宝の薬を飲んでいると白状してしまう。憤慨した如懿は足を止め、どこで処方箋を手に入れたのか迫った。嬿婉は失言に気づいてその場にひざまずき、何としても身ごもりたかったと訴える。「舒妃の薬の出し殻を調べました、ですが一向に身ごもる気配もなく…」「…子を望む気持ちはよく分かる、ちーらいば」意歓の薬が避妊薬だと知っている如懿は哀れな炩嬪を責めることができなかった。そこで炩嬪にも舒妃のように薬をやめれば身ごもるかもしれないとほのめかす。しかし嬿婉は皇后の助言を聞き入れず…。嬿婉は自分だけ身ごもれないことに苛立ち、勝手に規定量以上の薬を飲んだ。侍女・春嬋(シュンセン)は捨てばちになる主人をなだめ、一度、城外の医者に子宝の薬を調べてもらうよう勧める。一方、舒妃懐妊の報告を受けた皇太后は予想外の吉報に上機嫌だった。皇帝に警戒されているとも知らず一途に慕ってきたことが弘暦に通じたのだろう。皇太后は意歓の子供を自分のもとで養育すると決め、子を盾に弘暦の身辺を探らせようと考えた。春嬋は宦官に仲介を頼み、叔母に頼んで処方箋を調べた。すると子宝の薬だと思って飲んでいたものが実は避妊薬だったと知る。嬿婉は愕然となり、自ら罠にかかったことに気づいた。それにしてもなぜ舒妃は教えてくれなかったのか。春嬋は主人が舒妃と同じ薬を飲んでいることは誰も知らないと言ったが、ふと皇后に薬の件を打ち明けたことを思い出した。「そうよ、皇后はいつも私と舒妃に子宝の薬を飲まぬようにと勧めていた… どうやら皇后は薬の作用を知っていたようね」嬿婉はこれまで皇后に尽くしてきた自分への仕打ちに憤り、真実を教えてくれなかった皇后へ恨みを募らせた。ある夜、斉汝は慈寧(ジネイ)宮に皇太后を訪ねた。20代で侍医院に入り40年が過ぎようとしていたが、実は年々、目が悪くなって来たため、舒妃のお産を見届けたら職を辞し、故郷へ帰りたいという。すると皇太后は誠心誠意、仕えてくれた斉汝をねぎらい、帰郷を認めた。その頃、養心殿では侍女・毓瑚(イクコ)が皇帝に斉汝の動向を報告していた。実は斉汝は人目を避けるように頻繁に慈寧宮に出入りしているという。脈診の時間でもないのにまた斉汝が皇太后と謁見していたことから、不審に思って知らせに来たのだ。真っ先に思いつくのは皇太后が送り込んだ妃(キサキ)である舒妃の懐妊…。弘暦は斉汝が真実を告げて舒妃に服用をやめさせた可能性を示唆したが、毓瑚は舒妃が隠し事などできない性分だと否定した。すると弘暦は慧賢(ケイケン)皇貴妃が死の直前、斉汝の治療を受けると病が重くなると言っていたことを教える。毓瑚には思い当たるふしがあり、皇太后の長女・恒娖(コウサク)を遠方へ嫁がせたのが慧賢皇貴妃の父・高斌(コウヒン)だと言った。母が自分の侍医を使って妃嬪の命を狙っていたとすれば弘暦にとって甚だ心外だが、毓瑚はもう少し真相を調べたいと訴える。「まずは斉侍医の関わりを明らかにしましょう、処罰はその後で…」「そうだな、下がるがよい」弘暦は政情がようやく安定し、辺境の暴動も遅かれ早かれ治るとはっきりしたことから、皇太后への孝行と国情の視察を兼ねて江南(コウナン)へ行くと決めた。如懿は意歓を訪ね、皇帝の初めての南巡に漢軍旗の各妃嬪たちと同行すると伝える。そこですでにお腹が目立ってきた意歓を心配し、留守の間は愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)を頼るよう勧めた。もし困った時は愉妃を通じて自分に知らせて欲しいという。意歓は如懿の心遣いに感謝し、打算的な妃たちが多い中で唯一、皇后だけが自分と同じように皇帝を慕っていると言った。「この子は皇上との愛の証しですから、私がしっかり守ります」安華(アンカ)殿で出産の無事と皇帝の寵愛が続くことを祈る意歓…。その様子を垣間見た衛嬿婉は、子に恵まれ妊婦となっても美しい意歓に激しく嫉妬した。「皇后は愉妃の次に舒妃を可愛がっている、ならば舒妃に思い知らせてやるわ」しかし先ずは南巡で皇帝の心をつかむことが先決だった。毓瑚は慧賢皇貴妃の当時の処方箋を調べ、皇帝に報告した。処方に不審な点は見当たらなかったが、斉汝は薬を他の者に触らせず、自ら調合していたというから怪しい。弘暦はやはり斉汝が母に取り入るため舒妃を懐妊させ、慧賢皇貴妃を死に至らせたと断定した。「朕に長く仕える者は皆、裏切って行く…信用できる者がおらぬ」すると弘暦は南巡に斉汝も同行させると決めた。「多くの命を救った医術で己の危機を救えるのか、見せてもらうことにしよう」乾隆帝一行は杭州の離宮に落ち着いた。すると弘暦は兼ねてから江南で暮らしたいと言っていた如懿の願いを叶えることにする。2人は民の服装に着替え、お供も太監の李玉(リギョク)と進保(シンホウ)だけのお忍びの観光へ出かけた。「ここでは民として振る舞え、″陛下″と呼ぶでないぞ?いいか?妻よ」「はい、あなた」↓雷峰塔から西湖を一望弘暦の腹の虫が鳴き、屋台へ行くことに…↓屋台で餅菓子を食べる弘暦と如懿店主いわく御膳房でも作れない味で皇帝の好物、毎年、買いに来るとか…李玉「嘘つきめっ」↓講談を聞く講談師は唐の太宗・李世民(リセイミン)の治世は貞観(ジョウガン)の治と名高いが、それでもこの繁栄ぶりには及ばないと乾隆帝を称賛さらに皇帝と新皇后が支え合い、自分たちの良き手本だと説いて弘暦を喜ばせた。弘暦は如懿を連れて静かな湖のほとりへ移動し、しばし休憩を取った。距離を置いて2人を見守っている李玉と進保は仲睦まじい様子に眼を細める。如懿はふと弘暦に謎かけを出した。「春の雨は連綿と妻は独り寝…」「夫婦になったばかりで不吉な言葉だな~いつもそばにいるぞ?」「ただの謎かけよ、何の字でしょう?」「はお、妻は独り寝…つまり夫が留守である、″春″から″夫″という字を除く 春の雨は連綿と…つまり日は差さぬ、よって″日″を削る…残った字は″一″だ」弘暦は誰に教えてもらった謎かけなのか聞いた。すると如懿は叔母から生前に何度もこの謎かけを出されたと話し、誰であっても最後は1人だと言いたかったのだという。しかしこれからはずっと自分が弘暦のそばにいるため、もう孤独ではないはずだと安心させた。弘暦も心から愛する如懿に側にいて欲しいと訴え、二度と不吉な謎かけをするなと釘を刺す。その時、いよいよ雨が降り出しそうになり、2人は夢のような時間から現実に戻って行った。皇帝の南巡で地方長官たちが相次いで拝謁にやって来た。その多くが若い娘を伴って挨拶に来たため、皇太后は天下泰平となって余裕ができた皇帝が妙な女子を連れ帰っては面倒だと警戒する。そこで侍女・福珈(フクカ)に歌舞の準備をするよう命じた。「太后が動いたわ…」皇太后の動向をうかがっていた嬿婉は遅れを取らないよう、自分も準備することにした。その夜は曲院(キョクイン)に皇帝と臣下たちが一同に会し、宴となった。しかしまだ季節が早く、池の蓮は見られない。すると皇太后は何としても蓮の花を見たいと言った。つづく( ತ _ತ)うむ…嬿婉が出て来るとなぜかつまらないんだな〜理由は分からないけど急に現実に引き戻されちゃう感じ←ちょっと何言ってるか分からないw
2019.11.11
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第48話「戒めの耳飾り」烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は皇后冊封の儀を済ませ、その夜、改めて乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)と床入りの儀となった。2人はまず夫婦として誓いの杯を交わし、次に子孫繁栄の願いを込めて餃子を食べる。「…生的?!」すると弘暦は皇后が″生(産む)″と言ったと喜び、一同に笑いが起こった。こうして一通り婚礼の儀が終わり、如懿と弘暦はようやく2人きりになる。「…もう楽にしよう~」「皇上、今日は本当に疲れました~」弘暦は如懿の腰をあんましてやると、やっと心が休まると告げる。「そなたを皇后にできた、ついに真の夫婦になれたな ここに至るまでそなたを苦しませたが、これで朕の正妻だ 共に生き、死んでも同じ墓に…永遠に一緒だ」「皇上、臣妾(チェンチィェ)の望みは皇上といつまでも互いに信頼し合うこと」「はお、いつまでも信頼し合い生きていこう ″君に二言なし″…この″君″は君王の意の他に夫の意もある」すると如懿はもう目を開けていられないと訴え、弘暦は笑って着替えを持って来てくれと叫んだ。紫禁城の夜は更けていった。皇后の盛大な冊封式を目の当たりにした炩嬪(レイヒン)・衛嬿婉(エイエンエン)は興奮冷めやらず、回廊に出て高位への長い道のりを思う。最高位になれる望みはないが、皇貴妃になれれば満足だ。そうなれば母に見下されずに済むだろうか…。一方、御前自衛として間近で如懿の晴れ舞台を見守っていた凌雲徹(リョウウンテツ)は、旧友・趙九宵(チョウキュウショウ)と酒を飲んでいた。趙九宵は実は瀾翠(ランスイ)が好きだと告白したが、酔いが回った凌雲徹は炩嬪の侍女などやめておけと冷たい。「俺はいつから想い続けているんだろう?手を伸ばしても届かないのに… 遠くから見つめるだけ、だが喜びや悲しみは俺にも伝わってくる でも今は幸せだ~当然、俺も嬉しい~とても嬉しいよ~ だがその反面やはり心配だ、いつの日か辛い目に遭い、苦しむのではないかと…」趙九宵は凌雲徹の憂う相手が皇后だと知る由もなく、未だ炩嬪に未練があるのだと同情した。深夜になると雷鳴がとどろき、紫禁城に雨が降った。…青桜(セイオウ)、青桜?…ついに皇后になったのね?さすがはウラナラ氏の女子だわ如懿は叔母の姿に驚き、突然、目を覚ました。しかし隣にはぐっすり眠っている弘暦の姿がある。如懿は安堵したが、ふと皇后という位の恐ろしさを思い出して弘暦にしがみついた。翌朝、如懿の皇后冊封を祝うため、翊坤(ヨクコン)宮に妃嬪たちが集まった。中でも嘉(カ)嬪・金玉妍(キンギョクケン)は花嫁のような艶やかな赤い衣をまとい、悪目立ちしている。純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)や衛嬿婉から皇后の祝いの日だと苦言を呈されてもお構い無し、その上、如懿のことを所詮は後妻の皇后だと揶揄した。しかし如懿はとがめるどころか、皇后の権限で嘉嬪を貴妃に復位させてしまう。再び2人の貴妃が揃うと、如懿は純貴妃と嘉貴妃に耳飾りを贈ることにした。そこで容珮(ヨウハイ)が贈り物を取りに向かったが、奥の間から惢心(ズイシン)が化粧箱を持って現れる。「左の箱は純貴妃、右の箱は金玉妍へ…」「はお、あなたのためよ、よく見ていてね」惢心は妃嬪たちの席の後ろに立ち、黙って成り行きを見守った。如懿は純貴妃に瑪瑙(メノウ)と真珠の美しい耳飾りを、嘉貴妃には曰くのある紅玉髄(コウギョクズイ)の耳飾りを贈った。蘇緑筠は早速、耳につけて皇后への敬意を表したが、金玉妍は表向き感謝したものの耳につけることは拒否する。「亡き孝賢(コウケン)皇后は贅沢を嫌った、こんな高価な品は恐れ多くて…(フン」「紅玉髄は瑪瑙より安い、純貴妃は皇上に仕え皇子も公主も産んだ、嘉貴妃より地位は上よ」愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は金玉妍の身の丈に合った贈り物だと嫌味を言う。すると如懿が金玉妍を牽制した。「私が悪かったわ、瑪瑙と紅玉髄の違いを嘉貴妃も知っていると思い説明しなかった 紅玉髄を高価だと思うなんて…野心を刺激したかしら?」「…皇后娘娘の意図はよく分かりました」金玉妍はふて腐れながらそう言った。「分かったの?己がわきまえるべき身分とは何かを? あえて紅玉髄を贈ったのは本宮からの忠告よ、二度と妙な気を起こさぬように…」追い詰められた金玉妍は耳飾りを手に取ったが、耳穴に通す針が太過ぎるので通せないと断った。しかし容珮が針を耳穴に通すのも侍女の仕事だと言って自分が付けると申し出る。金玉妍はその手で傷などつけるなと憤慨したが、容珮は辛抱するよう諌めた。「教訓とは痛みを伴うものです」容珮は嘉貴妃の耳飾りを外すと、小さな耳穴に無理やり太い針を差し込んだ。金玉妍は耐えきれず、思わず容珮の手を払いのける。「痛いじゃないの!その手は何よ!」「手が何か?嘉貴妃の進言で惢心は慎刑司(シンケイシ)に送られ、慎刑司の奴婢が嘉貴妃の″手″となった あなた様の手が惢心を拷問したように、私の手が針を通しているだけです」金玉妍はこれが惢心のための復讐だと気づき、皇后の侍女が自分を侮辱すると訴えた。しかし容珮は皇后の務めは妃嬪を教育して導くことだと説き、侮辱ではないと反論する。「皇后、惢心の脚は慎刑司の責任よ 私も罰を受け、今や皇上からも相手にされないのに…」「本宮と皇上は一心同体、これは罰ではなく褒美です」「褒美という名の仕返しだわ」「嘉貴妃、勘違いしないで」「許せないわ!」「本宮はあなたが目指した皇后の座にいる、だから褒美も罰も与えられる 皇上が妻を自害させた玉(ギョク)氏の王を罰したように…」「王が過ちを犯せば罰するのは皇上よ!女が口を出さないで!」王の話を持ち出された金玉妍は感情的になり、うっかり暴言を吐いてしまう。するとさすがに慎ましい陳婉茵(チンエンイン)も苦言を呈した。「嘉貴妃がどんなに高貴な出身でも、今は私たちと同じ妾なのよ?」「玉氏は儒教を重んじると聞いているわ 妾は正室の奴婢であり、妾の子は正室の子の僕よ、母国の教えを忘れたの?」葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)の批判を聞いた如懿は最後に金玉妍に忠告した。「あなたの過ちは2人の息子にも影響するのよ?よく考えて行動することね」息子を盾にされた金玉妍はもはや反抗できなくなった。無理やり太い針を通された耳穴は血だらけになり、その頰を涙が伝う。しかし如懿は痛みこそ教訓だと戒めた。すると意歓は思わず侍女・麗心(レイシン)に声をかける。「嘉貴妃によくお仕えなさいね、貞淑(テイシュク)のように追い出されないように あなたは玉氏には帰れないのよ?」「…はい」最後に容珮は耳飾りを付けたのは自分で皇后は無関係だと念を押し、妃嬪たちに耳の傷に関する抗議は自分が引き受けると言った。「嘉貴妃が自ら望んで受けた教訓です、ご自分でなさった恥ずべき罪の当然の報いです」「私どもが証人です、皇后娘娘の責任ではありません」妃嬪たちは声を揃えて宣言すると、如懿は改めて妃嬪たち全員に贈り物を配った。妃嬪たちが散会すると、惢心は自分のために嘉貴妃を罰した皇后を心配した。自分が原因で何か事があってはならない。しかし海蘭はこれからは如懿が妃嬪たちを上手く制する必要があると教えた。「今日、純貴妃を慰労して嘉貴妃を処罰した、皆にとっても戒めになったはず 如懿姐姐は今や後宮を取り仕切る身、妃嬪に対するしつけにやり過ぎはない 嘉貴妃が何を言おうが皇上は相手にしないわ、だから心配は無用よ」その夜、如懿は差し入れを持って養心殿を訪ねた。すると案の定、金玉妍が如懿に耳を傷つけられたと訴えて来たという。しかし海蘭の言った通り、弘暦は如懿を目の敵にしている金玉妍を今のうち厳しく罰しておくべきだと理解を示した。何より弘暦の不興を買ったのは、金玉妍が皇帝より玉氏の王を大切にしていることだろう。弘暦はこれまでの埋め合わせをするように如懿を寵愛した。まず宮中の夫婦は伴侶を捨ててはならないとし、如懿が辛い3年を過ごした冷宮の廃止を決める。冷宮に送られた先帝の妃嬪たちは熱河行宮(ネッカアングウ)に移し、平穏な余生を送らせることにした。また亡き那爾布(ナルプ)は皇后の父として一等承恩(ショウオン)公に追贈、母は承恩公夫人となる。こうして如懿は弘暦の愛情に包まれ、皇后としての幸せな日々が始まった。弘暦は如懿を連れて陵墓への巡幸に出かけた。「皇上、臣妾だけ連れ出すのはしきたりに反します」「朕は皇帝でそなたは正統な皇后だ、皇后とこの景色を楽しんで何が悪い?」「ふふふ」「約束してくれ、一生を共に歩むと…」「ぅん」金玉妍は皇后に虐げられた上、皇帝からは罰として毎日、奉先(ホウセン)殿でひざまずき第9皇子を供養せよと命じられていた。新婚気分の皇帝にとって周囲の者は添え物、自分のことなど眼中にないのだろう。しかし金玉妍は歴代の皇帝の肖像画を見ながら、いつか自分の息子を同じように皇帝にしたいと夢をふくらませた。弘暦の計らいで承恩公夫人が皇宮に招かれた。如懿は翊坤宮でついに母と再会を果たし、娘として母への挨拶を済ませる。そして夫人が改めて皇后となった娘に拝礼し、2人は手を取り合って互いの無事を喜んだ。夫人は如懿の元気な顔を見て安堵し、皇后のおかげで烏拉那拉家に昔の栄華が戻ったようだと言った。「父上も叔母上もきっと黄泉の国でお喜びね…」しかし夫人は廃皇后のことを思うと手放しで喜べないという。如懿は用心していると話し、皇帝も大事にしてくれると安心させた。すると夫人は皇帝に愛されることが一番だと笑顔を見せ、実は妹が朝廷の重臣たちから求婚されていると教える。困惑した如懿は家柄ではなく、大事にしてくれる相手に嫁ぐのが一番だと言った。夫人も権力を意識すれば分不相応だと思われるとわきまえている。冷静な母の対応に安心した如懿は、爵位を継ぐ弟にも権勢に欲を出さぬようにと忠告した。雪の季節となった。弘暦は絵の中で末長く連れ添えるよう、宮廷画家・郎世寧(ロウセイネイ)に夫婦の肖像画を頼む。郎世寧が筆を走らせる間、椅子に座ってじっとしている弘暦と如懿…。すると弘暦がふと如懿の手を握りしめた。手が冷たいな>(=゚ω゚)人(゚ω゚=)<大丈夫ですそこで郎世寧は皇帝が皇后の手を握った姿を描いてもいいかと尋ねた。「描くがよい、互いに手を取りむつまじい姿を」「はい」「皇上?しきたりに反します(コソ」「だが朕の気持ちには沿っている(ヒソ」つづく(´⊙ω⊙`)色々な挨拶あれど、あの母と子の挨拶は…何?!
2019.11.04
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第47話「孤独な頂へ」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は皇長子・永璜(エイコウ)を亡くした苦しい胸の内を吐露した。我が子の成長を見るのは父として嬉しいが、能力の乏しい子であれば心配になり、野心の強い子なら怖くなるという。永璜を叱責したのも我が子から親不孝者を生み出したくなかったからで、決して愛情が消えたわけではなかった。烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は父の心を知れば永璜もきっと慰められると励ましたが、実は永璜が哲憫(テツビン)皇貴妃に孝行できなかったと悔やんでいたと教える。それも嘉嬪(カヒン)・金玉妍(キンギョクケン)が哲憫皇貴妃と第2公主は孝賢(コウケン)皇后が殺したと吹き込んだせいだった。如懿は嘉嬪が黙っていれば永璜は悩まずに済んだと非難したが、確かに皇后を疑う噂が流れていたのも事実だという。恐らく嘉嬪もその噂を聞いて永璜に話したのだろう。弘暦は永璜が結局、己の野心と自分の疑念によって死に追いやられたのだと落胆した。「ルーイー、朕は万人の上に立ち、天下を見下ろす だがこの頂に他の者は誰もおらぬ、朕はいつも孤独だ」弘暦は思えば早くから幼なじみだった如懿を自分の嫡福晋しようと心に決めていたと話し、改めて皇后にしたいと説得する。すると如懿はふと叔母の言葉を思い出した。「皇上、皇后にはなりたくありません、でも叔母が生前に言った言葉が忘れられない ″弘暦と添い遂げて同じ墓に入りたいはず″ …私は入りたい、皇后にならねばこの願いは叶えられません」「つまり一緒になる運命なのだ ルーイー、誰もおらぬ頂は寂しすぎる、朕に寄り添えるのはそなたしかおらぬ、頼む…」「はお」そんなある日、如懿は宮道を移動中、見慣れない女官たちに気づいた。何でも身寄りがなく引き続き宮仕えをする者たちで、内務府が円明(エンメイ)園から熟練者ばかりを引き抜いたとか。すると1人の女官が銀子を渡した者だけが後宮へ配属されるのは不公平だと声を上げた。太監・趙全才(チョウゼンザイ)は皇貴妃の一行が後ろから来たことに気づかず、口答えした女官をいきなり引っ叩いてしまう。その時、如懿から命じられた太監・三宝(サンポウ)が声をかけた。横暴な趙太監は自ら慎刑司(シンケイシ)に行って杖刑(ジョウケイ)50回の罰を受けろという。趙太監は慌てて皇貴妃に許しを請うたが、如懿は三宝に内務府へ不正の取り締りを通達するよう命じ、趙全才の処分を戒めとすると言った。感激した女官・容珮(ヨウハイ)は平伏し、皇貴妃の公正な裁きに感謝する。すると如懿は率直で度胸があるのは感心だが、自ら抗議するのは損だと諭した。しかし容珮は仲間の泣き寝入りは見過ごせないと訴える。如懿はこの勇敢な女官をすっかり気に入り、翊坤(ヨクコン)宮に連れて帰ることにした。如懿の立后が決まり、金玉妍の落胆は隠せなかった。「結局、上り詰めたわ…」「母上?何の話ですか?」「昔、皇上はあの女を嫡福晋に選んだけど、先帝と皇太后に阻まれたの でも次期皇后の座はあの女が手に入れた…」すると第8王子・永璇(エイセン)が皇貴妃には子供がいないので心配いらないと告げる。金玉妍は息子の気遣いを喜び、自分は皇后の座をあきらめたが、息子には皇太子になるよう頼んだ。如懿の冊封(サクホウ)式の準備のため、愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)や惢心(ズイシン)が翊坤宮に駆けつけた。冊封式は礼部と内務府が取り仕切ることになっていたが、海蘭はその他の細かいことは自分に任せて欲しいという。すると海蘭は無愛想な容珮のことが気になった。如懿の話では勇敢で決断力があり、細やかな気配りもできるという。すでに三宝が詳しく素性を調べたところ、貧しい家の出身で身寄りはなかった。内務府総管太監・秦立(シンリツ)が冊封にあたり供された反物を届けにやって来た。しかし容珮が派手な反物はいらないと止め、言い争いとなる。そこへ如懿が現れた。「にゃんにゃん、派手な反物をお断りしていました 大皇子の百日忌もまだなのに派手な柄を受け取るなど不謹慎かと…」「イヤイヤ…これは皇貴妃の冊封式の準備の一環です、皇上が仰せでした」2人にはそれぞれ言い分があったが、如懿は永璜を亡くしたので華やかな柄は見たくないと言った。「質素な物に替えて」如懿は殿内に容珮を呼ぶと、なぜ秦立に楯突いたのか聞いた。すると容珮は喪中に派手な柄を着て非難されるのは皇貴妃だと答え、皇后になれば波風をまともに受けてしまうと懸念する。海蘭は容珮が頭が切れるだけでなく、分別があり如懿を第一に考えていると感心した。惢心もまた容珮のような側近がいれば安心できると喜ぶ。てっきり罰を受けるものだと思っていた容珮だったが、その忠誠心を買われ翊坤宮の女官長に抜擢された。「惢心、宮中の皆に容珮を紹介してあげて、あなたの後任に容珮を据えるわ」如懿が養心殿を訪ねると、殿前に純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)が立っていた。実は尚書房で成績を見た皇帝が皇子たちを呼び出したため、また出来の悪い第3皇子・永璋(エイショウ)が叱られることを心配しているという。しかし第5皇子・永琪(エイキ)が自分たち弟の面倒を見たせいで3兄の勉強が疎かになったと取り成してくれていた。如懿はどうやら長引きそうだと話し、蘇緑筠と一緒に帰ることにする。すると蘇緑筠は嘉嬪におだてられ、自分にも后位を争う資格があると思い上がっていたと後悔し、許して欲しいと頭を下げた。如懿はそんな蘇緑筠の手を握りしめ、過ぎたことは水に流そうと安心させる。「一緒に永璜を育て、王府の時から親しい仲でしょう?」「…そう言ってくれたら私も子供も安心して生きて行けるわ」こうして2人は手をつないで歩き出した。如懿は慈寧(ジネイ)宮に皇太后を訪ねた。皇太后は侍女たちを下げ、2人だけで話すことにする。明日はいよいよ皇后の冊封式、皇太后はしみじみ如懿だけは皇后にしたくなかったとぼやいた。しかも自分で争って手に入れたのではなく皇帝が与えてくれたのだ、さぞ得意だろう。しかし如懿の問いかけに皇太后はいささか面食らった。「先帝は太后の前で涙を見せたことが? 永璜が亡くなった時、陛下は私の前で涙をこらえていました、永璜の死に向き合えぬと 皇子の成長は嬉しい反面、怖いとも仰せに… 万人の上に立つが頂は独りぼっちで寂しいそうです」如懿は皇后になれという叔母の遺言のせいで、皇后という位に気後れしていたという。しかし弘暦のある言葉で目が覚めた。自分が欲しいのは位ではなく弘暦の心、それだけを気にかけ望んでいるのだと…。「皇帝のある言葉とは?」「″朕は皇帝であり夫である、皇后かつ正妻である者に寄り添ってもらいたい″と… 太后、私が欲しいのは皇后の座ではなく、正妻の座です」「…ふっ、そなたはもっと賢いと思っていたが、叔母と大して変わらぬようだな」皇帝は天子、万民に君臨し無人の頂に立つ。1人の女の夫にはなりきれないのだ。皇帝にしてみれば皇后も臣下の1人に過ぎない。「あいじゃは皇后になったことはない、なりたいと思ったことは当然ある だが本気で考えたことは一度もない、先帝の心に執着しなかった なぜなら皇帝の心はこの世において最も量り難いものだからだ、最も信頼できぬものでもある 今日はここまでにするとしよう そなたの苦悩は分かった、そなたは皇帝が自ら選んだ皇后だ、これ以上、何も言うことはない ただあいじゃから1つだけ警告しておこう、皇后として生きるのは簡単なことではない 清の開国以来、ウラナラ姓の皇后は特に苦しんだ…」「…将来のことや皇上のお心への理解は不十分かもしれません、でも己の心は分かる 孤独な頂は嫌ですが、皇上を独りぼっちにしたくはありません」「…お行き、皇帝が待っている、一歩ずつ歩み寄って行くのだ」「感謝します、太后」その夜、弘暦はひとり孝賢皇后の肖像画を前に新しい皇后に如懿を選んだと報告していた。そこへ明日の冊封の儀に出席するため帰郷した固倫和敬(コリンワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)が現れる。しかし璟瑟にとって父の想い人である烏拉那拉氏は生母の敵でもあった。今回の冊封正使にわざわざ叔父・富察(フチャ)傅恒(フコウ)を任命したことも納得がいかず、残酷だと非難する。すると弘暦はこれも臣下としての務めだとなだめ、傅恒にもそれしきの分別はあると話した。璟瑟はひとりになると母の無念を思って涙した。「母上、とうとう父上はウラナラ氏を皇后にすると決めました でも大丈夫…寵愛を得れば失う時が必ず来る、家柄や子供に恵まれた母上さえ苦しみました 私は耐えます…待ちます…ウラナラ氏が傷つき、絶望する日が来るまで…」↓バッファロータイプ翌朝、海蘭と惢心は如懿の支度を手伝った。すると鳳冠をかぶった如懿の姿に海蘭は思わず涙ぐみ、この日を待ちわびていたと告げる。惢心も皇后の朝服が良く似合うと喜び、胸がいっぱいになった。立后の日は如懿が王府に嫁いだ日と同じ、8月2日だった。まず翊坤宮で皇后冊封の儀が行われ、如懿は皇后の金冊(キンサク)と印璽(インジ)を授かって正式に六宮の長となる。そして皇帝の待つ太和(タイワ)殿へ向かった。妃嬪たちの羨望の眼差しの中、一歩一歩、愛しい弘暦へと近づいて行く如懿…。そして御前でひざまずき、皇后として挨拶した。「私、ウラナラ氏は皇上のご恩を受け、皇后として後宮を取り仕切って参ります 皇上に感謝したします」すると弘暦は如懿を迎え、その手を取って隣に立たせた。つづく
2019.11.03
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第46話「侍女の門出」金玉妍(キンギョクケン)が失脚し、穏やかさを取り戻した後宮。侍医・江与彬(コウヨヒン)は献身的に惢心(ズイシン)を介抱していたが、惢心はどこか距離を置いていた。一方、皇太后・鈕祜禄(ニオフル)氏は思わぬ知らせに動揺していた。実は訥親(ナチン)が金川(キンセン)の戦で失策を重ねたうえ、僧侶の派遣を要請したという。勝利を焦って神頼みに走るなど言語道断だが、状況はさらに悪化した。訥親は無断で帰京、皇帝が激怒しているという。「愚か者め、処刑されに戻ったか」苛立ちを隠せない皇太后だが、侍女・福珈(フクカ)は皇太后が酌量を求めれば皇帝も鈕祜禄氏の顔を立ててくれると進言した。しかし戦に関わることではさすがに皇太后も口を挟めない。確かに訥親は鈕祜禄氏の繁栄のために多大な貢献を果たしたが、以前とは時勢が異なっていた。今や皇帝が権力を握り、独断で物事を運んでいる。「酌量を求めれば皇帝は訥親の罪を許すであろう、だがあいじゃとニオフル氏が疎まれてしまう そうなるとこの先、厄介だ…」季節は冬…。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は訥親が戦況の判断を誤りながらその責を認めないと憤慨していた。仕えていた舒嬪(ジョヒン)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)は黙々と墨をすっていたが、弘暦はなぜ黙っているのかと聞く。「政事には口を出せませんから…」「では後宮の話だ、訥親を殺せば皇太后は朕を恨むだろうか?」弘暦は皇太后が送り込んだ意歓に探りを入れたが、意歓は皇太后を慰めれば十分だと答えた。どうやら意歓は皇太后の操り人形と言うわけではないようだが…。皇太后が訥親の処刑を知ったのは執行された後だった。確かに訥親の処刑は軍の綱紀粛正(コウキシュクセイ)を図るという大義があり、文句のつけようがない。「これであいじゃは朝廷への影響力を失ってしまった…皇帝の周到なやり方には舌を巻く」やがて惢心はゆっくりだが歩けるようになった。江与彬は順調な回復を喜んだが、宮中では満足に治療することができないと切り出す。「皇上から結婚のお許しを頂いた、結婚してくれ」「…ごめんなさい」惢心は足が不自由になった自分では釣り合わないと断り、江与彬を追い出してしまう。中庭にいた烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は肩を落として歩いている江与彬を見つけた。「どうしたの?惢心は何て?」「断られました…」「あなたが尽くせば尽くすほど気後れするのね…私からも説得するわ」「感謝します、にゃんにゃん」そこでその夜、如懿は惢心の偏殿を訪ねた。すでに休んでいた惢心は驚いて起き上がると、如懿から珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が作った膝当てをもらう。暖かそうな毛皮の膝当てに嬉しそうな惢心、すると如懿はなぜ江与彬を遠ざけるのか聞いた。「彼の人柄はよく知っているはずよ?あなたの生涯を託せる人でしょう? …江与彬は誠実な人、脚のせいで心を閉ざさないで 惢心、あなたは後宮を出て愛する人と穏やかに暮らせるのよ? 私はそんな暮らしを心から望んでいる、でも一生、叶わないわ…」如懿に説得された惢心はようやく素直になり、愛する人に嫁ごうと決めた。花の季節がやって来た。翊坤(ヨクコン)宮は婚礼用の赤い布で飾り付けられ、如懿と親しい妃嬪たちも駆けつけている。そこへ美しい花嫁姿の惢心が現れ、主人に旅立ちの挨拶をした。いつまでも名残惜しい如懿だったが惢心に面紗(メンシャ)を掛け、盛大に送り出してやる。やがて城門が見えてくると、如懿は惢心を呼び止めて手を握った。「惢心…ここまでよ、これからは穏やかに過ごせるわ」「如懿様のことが心配でなりません、側仕えが蕓枝(ウンシ)と菱枝(リョウシ)だけだなんて…」「後任はゆっくり探すわ」そこへわざわざ勤めを代わってもらった李玉が駆けつけた。すると2人の門出を祝い、自分が持っている田畑を贈る。江与彬は驚いて断ったが、惢心は李玉の気持ちを素直に受け取ることにした。「惢心、覚えているかい?以前、幸運のお守り代わりに君にかんざしを贈ったね…」「もちろん、そのおかげでご利益があったわ」こうして長年、如懿の側で仕えて来た惢心は紫禁城から出て行った。あの一件以来、皇帝は一度も金玉妍を訪ねていなかった。皇帝のために弾いていた琴も今ではひとりで奏でている金玉妍…。しかし侍女・麗心(レイシン)は貞淑(テイシュク)の分まで精一杯、仕えると言って主人を喜ばせた。「私が失脚したと思ったら大間違いよ…」陳婉茵(チンエンイン)と衛嬿婉(エイエンエン)は嬪に昇格した。嬿婉はこれで名実ともに永寿(エイジュ)宮の主となり、正殿に住むことが許される。一方、弘暦は如懿に今回の昇格について説明していた。2人は才も子もないが、婉嬪は年数が長いことが考慮され、炩(レイ)嬪は如懿の酌量を求めたからだという。すると弘暦は嘉貴人が降格となり半年が経ったことから、嬪に戻すと言った。何より2人の皇子の母であり、玉氏から嫁いだ初めての女子、玉氏への恩情だという。如懿は不満が残るが、皇帝の決めたことなら受け入れるしかない。ただ弘暦は再び金玉妍が過ちを犯した時は決して許さないと約束した。如懿は気の合う海蘭、意歓と翊坤宮で談笑していた。そこへ炩嬪が訪ねてくる。如懿が拒むことはないものの、自分たちと相入れない炩嬪の登場に一同は急に静まり返った。すると嬿婉は大罪を犯した金玉妍の復位を不公平だとぼやき、再び虐げられるのではと訴える。「嘉嬪には母国の後ろ盾があります、寄る辺なく子も授からぬ私とは違います ぁっ…でも皇貴妃娘娘と舒嬪姐姐ならお分かりでしょう?」何とも微妙な空気が流れる中、如懿は舒嬪と炩嬪ならまだ若いので希望を持つよう励ました。しかしあれほど懐妊を望んでいた意歓はさすがに子を求める気持ちが失せて来たと漏らす。実は皇帝から賜る子宝の薬も長らく飲んでいなかった。翊坤宮を後にした衛嬿婉は確かに舒嬪と同じ子宝の薬を飲んでも一向に懐妊しないと気づいた。「そう言えば嘉嬪も侍医に薬を求めているとか、処方が漏れぬようにね」しかし侍女・春嬋(シュンセン)は舒嬪の薬の方が嘉嬪の侍医院の薬よりも効き目があるはずだと言った。一方、昇格しても相変わらず寵愛とは縁遠い陳婉茵、今夜も黙々と皇帝の画を書いていた。鍾粋(ショウスイ)宮の主である純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)が寵愛を失うまでは皇帝と会う機会もあったが、今ではそれも叶わない。侍女・順心(ジュンシン)はそんな主人を心配しているが、当の本人は皇帝なら自分の心にいると取り合わなかった。如懿が養心殿に差し入れを届けると、ちょうど弘暦と意歓が談笑していた。2人は弘暦が好きな納蘭容若(ナランヨウジャク)の″飲水詞(インスイシ)″を読んでいたという。すると意歓が中でも好きな1編を紹介した。「ようやく分かりし過ちに 心 寂しく戸惑う…」弘暦は本来なら酒を飲みつつ歌を詠みたいところだが、旧臣がうるさくて敵わないとこぼす。しかし明日に張廷玉(チョウテイギョク)を辞職させるため、静かになると言った。そこで如懿は政務の方が落ち着いたなら大皇子・永璜(エイコウ)の見舞いに行ってはどうかと進言する。実は福晋から永璜の病が悪化していると報告があったのだ。「邪(ヨコシマ)な私心を抱くから病んだのだ 斉汝(セイジョ)にも診に行かせ、心穏やかに静養するよう伝えさせた …心配ならば純貴妃と見舞うがいい」弘暦はまさか永璜が重篤だとは思いもせず、頑なに会うのを拒んだ。永璜が危篤との知らせが届いた。如懿は慌てて駆けつけたが、永璜はすでに昏睡状態となってうなされている。そこへ侍医・斉汝が駆けつけ、永璜に気付け薬を飲ませた。「大阿哥は最期になるやも…お話があればお早めに」すると薬のおかげか永璜の意識が戻った。永璜は如懿と2人きりにしてもらうと、これまで隠して来た胸の内を全てさらけ出した。「私は幼い頃、生母を亡くしたため虐げられました…母様が引き取ってくださり生き永らえたのです 母様の恩情を忘れたことはありません…でもお詫びしなくては… 私は野心を抱いていた、そして母様を利用しようと考えたのです …今となっては孝を尽くすこともできません、お許しください」「何も気にしなくていいの、あなたは考え過ぎてしまうのね あれこれ気を回さず、養生に専念することが私への孝行よ」如懿は永璜を励ましたが、永璜は自分の命の灯火が間もなく消えると分かっていた。しかし母の元へ行く前にどうしても如懿に伝えておきたいことがある。「母様…母様…母上を殺したのは孝賢皇后です…」如懿はようやく永璜が葬儀で泣かなかった理由を知ったが、その話はただの噂でしかないと教えた。すると永璜はある人が真相を教えてくれたと訴える。「母上は孝賢皇后に先んじて私を産んだ… 私が大皇子となってしまったせいで孝賢皇后の恨みを買ってしまったと… そして母上が再び懐妊した際、策が弄されたのです その結果、母上と妹はこの世を去った…」永璜はこの話を聞いたのが孝賢皇后の死後だったことから、復讐することも叶わなかったと嘆いた。「母様…悔しい…私は…無念でならぬ…」「″ある人″とは誰なの?」「嘉…嘉…嘉嬪…」これが永璜の最後の言葉となった。乾隆15年、皇長子・愛新覚羅(アイシンギョロ)永璜が逝去、後に定安(テイアン)親王に追贈された。知らせを聞いて駆けつけた弘暦だったが間に合わず、寝殿に到着した時には中庭で皆が涙に暮れている姿を見る。結局、弘暦は永璜とは対面せず、そのまま引き返していた。弘暦は放心したまま何も手につかなかった。するとその夜、永璜の葬儀を終えた如懿が養心殿にやって来る。弘暦は如懿に親子の獅子の玉(ギョク)を渡し、実は哲憫(テツビン)皇貴妃の玉だと教えた。哲憫皇貴妃は孝賢皇后と同じ富察(フチャ)氏だったが家柄が低く、決して高価な玉ではない。しかし生前いつも身につけていたことから、弘暦は埋葬の際に外して形見として手元に置いておいたという。如懿は弘暦の辛い気持ちを察しながら、これで哲憫皇貴妃と永璜が再会できたと慰めた。「ルーイー、葬儀に出なかったのは朕の本意ではない、向き合えぬのだ 永璜が伏せっていた時、朕は病状を知ろうともせず、見舞いもしなかった 永璜が朕を恨んでいると思ったからだ…そしてこれ以上、我が子の死を見たくなかった」「分かっています、皇上のお気持ちを伝えた上で葬儀を進めました」つづく( ತ _ತ) ったく朕は…
2019.10.28
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第45話「七宝の赤い石」養心殿の太監・李玉(リギョク)が啓祥(ケイショウ)宮へやって来た。皇帝から嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)にかんざしの贈り物だという。するとかんざしを見た金玉妍は瑪瑙(メノウ)に似ているが紅玉髄(コウギョクズイ)だと気づいた。李玉は贅沢品を嫌った亡き孝賢(コウケン)皇后を追慕した皇帝があえて紅玉髄で作ったと話し、今や万人の上に立つ嘉貴妃なら理解してもらえるはずだと告げる。その意味を悟ってまんざらでもない金玉妍、しかし李玉の話はもう1つあった。「皇貴妃の私通の件では七宝の数珠が証拠になりました そこで皇上が各宮の者に七宝の名を書かせよと… 最も尊い啓祥宮から始めたいのですが、いかがでしょうか?」李玉はまず筆頭女官である貞淑(テイシュク)から書いて欲しいと言った。側仕えの貞淑と麗心(レイシン)を始め、啓祥宮の太監や女官は一室に集められて字を書かされた。気が気でない金玉妍は正殿の入り口に立って待っていたが、その時、李玉が貞淑を連れてやって来る。「お待ち!」金玉妍は思わず声を荒げ、なぜ貞淑を連れて行くのか迫った。すると李玉はこれも皇帝の命令だと告げる。「一番、下手な字を書いた者を連れて参れと…それが貞淑姑姑でした」乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は李玉から受け取った貞淑の下手な字を見た。李玉の話では結局、皇貴妃に似た筆跡の者は見つからず、最も下手な字を書いた貞淑を連れて来たという。皇帝からこれが自分の字かと聞かれた貞淑は、自分の書いたものだと認めた。すると李玉が家族への文はどうしていたのかと追求する。貞淑は文をずっと書いていないので字など忘れたと言ったが、李玉はすでに貞淑の部屋で発見した書きかけの文を持っていた。「直筆か?美しいな、先ほどの字とは大違いだ」皇帝の指摘に焦った貞淑は謝罪し、実は先ほどの字は李玉に手元を見られて緊張のあまり字が乱れたのだと取り繕う。李玉は呆れた嘘に憤慨したが、皇帝から筆跡の件はこれまでにすると打ち切られた。弘暦は長年、嘉貴妃に仕えた褒美として貞淑に瑪瑙を下賜することにした。李玉が差し出した化粧箱には赤い玉がふたつ…。皇帝から良い方を選んで飾りにするよう命じられた貞淑は、一か八か1つ手に取った。「李玉、嘉貴妃は朕が贈ったかんざしを見て何と言った?」「紅玉髄のかんざしを賜り感謝するとおっしゃいました」「見分けたか…(机バン!)それは2つとも紅玉髄だ! 判別できぬなら七宝が瑪瑙だとも知らぬな!」貞淑は宝石に疎い愚か者だと許しを請うたが、もはや手遅れだった。「李玉、惢心(ズイシン)を釈放し貞淑を慎刑(シンケイ)司へ 手を傷つけるな、皇貴妃と同じ字を書かせよ、書くまで拷問してよい!」惢心が翊坤(ヨクコン)宮に帰って来た。しかし惢心は拷問によって重傷を負い、如懿はその姿に胸が痛む。特に左足の怪我はひどく、血まみれの衣が傷口に張り付いていた。侍医・江与彬(コウヨヒン)ははさみで衣を切り裂き、布を剥がして薬を塗ってやる。如懿は惢心の手を取って励ましていたが、気丈な惢心でもあまりの激痛に嗚咽を漏らし、思わず主人の手を握りしめた。如懿が正殿に戻ると、惢心を心配して李玉も駆けつけた。今回、尽力してくれた李玉や凌雲徹(リョウウンテツ)に心から感謝する如懿、そこへちょうど治療を終えた江与彬がやって来る。惢心の傷口は棍棒や鞭で打たれた末、唐辛子の汁を塗られていた。外傷は治るものの、棍棒で締め上げられた左足は骨が砕け、前と同じように歩くのは難しいという。李玉は思わず嘉貴妃が白状するまで拷問せよと命じたのだと口走り、恨みを募らせた。ともかく如懿は治療に全力を尽くすよう頼み、どんな薬でも使って構わないという。すると江与彬は惢心の治療だけに専念すると答え、急にその場にひざまずいた。「娘娘(ニャンニャン)、お願いが…惢心が歩けずとも私が娶り、一生、世話をしたく存じます」「はぉ、私たちが信じた通りの人柄ね」「何があろうと気持ちは変わりません」如懿は喜び、皇帝から結婚の許しをもらうと約束した。弘暦は養心殿に如懿を呼んだ。昨日は中秋節、諸侯から色々な宝物が献上されている。「好きな物を選べ、残りは褒美の品にする」すると如懿は合歓木(ネムノキ)のかんざしを手にした。合歓木は夫婦円満の象徴、弘暦は早速、如懿の大拉翅(ダイロウシ)に挿してやる。弘暦のご機嫌取りと分かっていながら、それでも嬉しい如懿…。そこへ李玉がやって来た。実は女官の中に皇貴妃の字を模写する貞淑を見た者がいたという。そこで貞淑に無実を訴える書状を左手で書かせたところ、その中に皇貴妃の筆跡とよく似た文字があった。すると更なる拷問で貞淑がついにまねたことを白状する。ただしそれ以外のことは否定し、嘉貴妃は一切、関与していないと証言した。貞淑は古参の侍女で嘉貴妃と共に玉氏から来た。医女の出身で字も書けることから、その才を買われて侍女になったという。如懿は策略家の嘉貴妃が無能な者などそばに置かないと指摘、嘉貴妃の指示だと訴えた。そこで弘暦は金玉妍が如懿を侮辱した罰として嬪(ヒン)の位に降格し、啓祥宮に禁足と勅命を下す。ただし貞淑は玉氏から来たため死罪にできず、本国に送還するとした。また2人の皇子は擷芳殿(ケツホウデン)に移すことにする。李玉は拝命し、すぐ出て行った。しかし如懿は金玉妍に悪意があったと憤慨し、こんな軽い処分では惢心が報われないと反発する。すると弘暦はこれもあらゆる非難を排除したかったからだと説明した。「潔白の証明だけではない、そなたを皇后にするための布石だ」「皇后?」狐につままれたような如懿の顔…。実は弘暦は孝賢(コウケン)皇后が亡くなってからずっと如懿を皇后にと考えていたという。「朕の皇后に醜聞は許されん」如懿は弘暦の思わぬ発言に困惑した。自分の選んだ皇后への賛同を得るために、惢心の足を犠牲にする必要があったのだろうか。しかし弘暦にとって周囲の賛同は何よりも大事だった。かつて如懿を嫡福晋に選んだ時、父皇を始め皆に反対された苦い経験がある。「ルーイー、朕は暗君ではない、愛する女のため盲目にはなれぬ 流言は川底の汚泥のように粘りを増し、洗い落とせなくなる 慎重になるのはそなたのためだ、分かってくれ、だからもう朕を恨むな …過ちを犯したとて朕は天子だ、過ちも天の意思だ」すると如懿は惢心と江与彬の縁談を申し出て立后の話題をそらした。弘暦は2人の縁談を認めると如懿の手を取り、改めて皇后になれと説得する。仕方なく如懿はひざまずき、皇后を辞退したいと言った。困惑した弘暦は如懿以外に皇后は考えられないと訴え、如懿を立たせてやる。そこで皇后の件は孝賢皇后の喪が明けたらまた話し合うことになった。金玉妍は異国で唯一の心のより所だった貞淑を奪われ、苛立ちを募らせた。何としてでも貞淑を救わねばならない。しかし突然、勅命により皇子たちを取り上げられてしまう。金玉妍は激怒したが、李玉は惢心を害した嘉貴妃に辛辣だった。「お子が生まれたらまた擷芳殿へ、皇子たちを守れても貞淑は守れませんでしたね 貞淑は玉氏に送還されます、嘉嬪は啓祥宮にて禁足を」金玉妍は皇帝の冷たい仕打ちに愕然となり、立ちくらみを起こした。そんな哀れな姿を見ても、李玉は同情しない。「嘉嬪娘娘、下手な策を弄したのが間違いです」失脚した金玉妍は崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。しかしふと我に返り、貞淑を助けるため大きなお腹で歩き出す。その時、門の前でちょうど送還される貞淑と鉢合わせた。2人は衛兵が止めるのも聞かず、手を取り合って宮道にへたり込む。「お待ちなさい、そんなに急いで帰ることはないわ~」その声は炩(レイ)貴人・衛嬿婉(エイエンエン)だった。「玉氏の新たな王が王妃を自害させた件で皇上が処罰を下すとか すでに都入りし、間もなく陛下に拝謁するそうよ…え?故国の話をご存じないの?ふふふっ」金玉妍は臨月だというのに養心殿で新王の嘆願を始めた。弘暦はなぜ嘉嬪が王の件を知っているのか怪しんだが、李玉は王が都入りすれば噂になると告げる。仕方なく弘暦は金玉妍を嬪から貴人に降格、騒げば更に降格して庶人まで落とすと決め、如懿に皇貴妃の権限で命を下すよう頼んだ。金玉妍は額から血を流しながら必死に嘆願していた。すると如懿が現れ、皇帝からの勅命を下す。憤慨した金玉妍は立ち上がり、如懿が自分を陥れたのだと因縁をつけた。「瑪瑙と紅玉髄の違いは私には見分けがつく、あの七宝の数珠は瑪瑙を使っていたはず なぜそれが紅玉髄に?」「ふっ、あの日あなたは″中を見ずに皇上に渡した″と言った 見ていないのになぜ瑪瑙だと?見たのなら君主を欺いたことになるわ それとも自分で作った物かしら?」如懿の策にはまり馬脚を露わした金玉妍、怒りに任せて如懿が皇帝をそそのかしたに違いないと八つ当たりしたが、無駄なあがきだった。「あなたの自業自得よ…でもなぜ皇上の子を宿しながら命乞いを? 嘉貴人は皇上のお子より玉氏の王が大切なの?」「ぅ…」図星だった金玉妍は頭に血が上り、そのせいでお産が始まってしまう。金玉妍は輿に運ばれ帰って行った。如懿は殿内に戻ることにしたが、その時、安吉(アムジ)大師が現れる。安吉大師は中秋も過ぎたので皇帝に暇(イトマ)乞いに来たと話した。「ご迷惑をおかけしました」「俗世にいても最後は清き道へ 蓮は泥に咲くが汚れない、皇貴妃が積んだ徳のおかげです 先はまだ長く険しい道も少なくない 執着を捨て、心を清く保てば、災いは寄りつかぬはず」「お導きに感謝を…」御前侍衛・凌雲徹は如懿を翊坤(ヨクコン)宮まで送ることになった。すると途中で如懿は太監・三宝(サンポウ)に一人で歩きたいと伝え、凌雲徹にもお礼を言う。しかし凌雲徹は皇貴妃がどこか元気がないと見抜き、お供したいと申し出た。「…いいわ」如懿は歩きながら思わずため息をもらした。すると凌雲徹は皇貴妃がかつて嬿婉に振られて生きる望みを失っていた頃の自分のようだと告げる。「でも皇上が私に道を示してくれたわ…」「それはご自分も望む道だと?」「…女にとって最も尊い地位だけど、私の望みとは違う」「望みとは?」「皇上と互いに心から信じあって生きていきたい…だけどこの望みは一生、叶わないかもしれない」「皇貴妃の行く道が平穏であることを祈ります 私が皇貴妃の後ろで来た道を照らしましょう、振り向いた時、退路が見えるように…」「凌雲徹、ありがとう」そこで如懿は凌雲徹もそろそろ身を固めてはどうかと勧めた。しかし凌雲徹は独りの方が気が楽だと言う。皇帝と皇貴妃に仕えることができれば十分に幸せだと…。金玉妍は皇子を出産したが、生まれてすぐ赤子は息を引き取った。翌朝、慈寧(ジネイ)宮で報告を聞いた皇太后は、懐妊中に皇貴妃と大師を陥れようとしたのだから当然の報いだと言い放つ。皇帝は見舞いにも行かず、第9皇子を葬るよう命じただけだった。弘暦は第9皇子の死産で玉氏の王を罰するに忍びず、結局、3年間の恩賞停止と訓戒にとどめた。金玉妍は憔悴して床に就いていたが、麗心から王が間もなく国に帰されると聞いて飛び起きる。「王はどこ?教えて!」すると金玉妍は着替えもせずに寝宮を飛び出し、愛しい王の姿を求めて必死に歩いた。玉氏の王はちょうど紫禁城を出るところだった。「わんいえーっ!」金玉妍の悲鳴にも似た叫び声が響き渡り、王は思わず足を止めて振り返る。王はわずかに笑みを浮かべたように見えたが、まるで金玉妍を振り切るかのように歩き出した。愛しい人との一瞬の再会…。「20年になるわ…麗心…20年あまりよ?…ぅぅ…」「主儿…お産を終えたばかりなのに…死んでしまいます」麗心はへたり込んだ主人を抱きしめ、涙した。しかしその言葉を聞いた金玉妍は死ぬわけにいかないと気づく。「生きなくては…生きてさえいれば、また王爺と会える…」金玉妍は己を奮い立たせ、第9皇子の焼香へ行くことにした。つづく(๑・᷄ὢ・᷅๑)うーん…イマイチ金玉妍の純愛に共感できん、すまん!(笑
2019.10.27
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第44話「対句の意味」氷室の女官・艾児(ガイジ)が鞭打ち100回の刑に処された。すると嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)の企みにより、艾児が公衆の面前で嫻皇貴妃(カンコウキヒ)と安吉(アムジ)大師の私通を訴えてしまう。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は激怒したが、皇太后の侍女・福珈(フクカ)の調べでは艾児に身寄りはなく、誰かの手先とは思えなかった。皇貴妃のあらぬ噂が絶えない今、もはや烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)の潔白を示せるのは惢心(ズイシン)という証人しかいない。しかし慎刑司に送れば拷問は必至、命を落とす可能性もあった。惢心は養心殿の太監・李玉(リギョク)から証拠品の情報を得て主人に報告した。証拠品に不審な点はなく、ただ皇帝は見るのも嫌がって目につかない所にしまい込んだという。その時、翊坤(ヨクコン)宮に養心殿の太監・進忠(シンチュウ)が嬷嬷(モーモー)たちを連れてやって来た。ついに惢心が慎刑司での取り調べを命じられ、如懿も禁足を言い渡されたという。清廉潔白な惢心は恐れることなく、主人の潔白を証明すると申し出た。如懿は思わず惢心の手を握りしめ、真相をつかみ次第すぐ迎えに行くと約束する。すると太監や侍女たちも全て部屋での謹慎を命じられ、世話役を代わった嬷嬷たちが事実上、皇貴妃を監視することになった。こうして翊坤宮の門は閉じられ、鍵がかけられてしまう。万寿節を迎えた。弘暦はとても楽しむ気分ではなかったが、李玉に急かされ準備を始める。そこで翊坤宮の様子を尋ねてみると、進忠は侍衛らが大師と似た者を見たと証言しているのに対し、惢心だけが否認をしていると報告した。すると弘暦は惢心を拷問にかけると決断、着替えを手伝っていた李玉は言葉を失ってしまう。金玉妍は皇貴妃の禁足を良いことに我が物顔で宴を仕切っていた。愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は皇帝に面会を認めてもらえず、如懿が心配で仕方がない。その頃、如懿は宴に出席できない代わりに弘暦の好きな菓子を準備し、届けて欲しいと頼んでいた。しかし嬷嬷は人はもちろん物も翊坤宮から持ち出せないと困惑する。そこで如懿は心配なら愉妃に渡すよう指示した。嬷嬷は念のため毒の検査をすることにしたが、如懿は咄嗟に自分でやると言って銀針を奪い、目の前で菓子に刺して安心させる。そして最後に重箱に短冊を2枚ほど貼り付けて封をした。宴に列席していた海蘭は太監・五福(ゴフク)から如懿の使いが来ていると聞いた。そこで皆が舞を楽しんでいる隙に席を離れ、嬷嬷から如懿手作りのお菓子を受け取る。すると重箱に対句の短冊が貼ってあった。…琴笛の音が奏で合う…桃李が笑い春を迎える海蘭は対句に如懿の意図があると察し、短冊をはがして重箱の中を確認した。1段目には″寿″と書かれた桃饅頭、2段目には″寿″と書かれた紙を乗せた乳菓子…。海蘭は対句にあった桃李を半分に割ってみると、中から七宝の数珠が現れた。「凌雲徹(リョウウンテツ)を呼んで」その頃、宴席では金玉妍がまるで皇后のように振る舞い、皇太后から不興を買っていた。「アイジャーと皇帝の会話にいちいち口を挟むな」皇太后から叱られた金玉妍はしゅんとなると、皇帝が率直なだけだとかばってくれる。一方、愉妃から話を聞いた凌雲徹は物陰から李玉に目配せし、回廊へ呼び出した。李玉は失敗すれば首が飛ぶと焦ったが、凌雲徹は危険を冒さねば皇貴妃と惢心を救えないと訴える。覚悟を決めた李玉は七宝の数珠を預かり、理由をつけて中座するので皇帝を引き止めるよう愉妃に伝言を託した。弘暦は如懿のことで気が晴れないのか、酒が進んだ。すると皇太后は飲み過ぎに注意するよう諫言し、少し酔ったので先に帰ることにする。そこで李玉は皇太后を送ると言って中座することに成功、しかも皇太后が途中で宴席に戻るよう命じてくれた。李玉は急いで養心殿に向かい、金玉妍が提供した証拠の数珠を取り替えることにした。しかしなかなか数珠の袋が開かず、運悪く皇帝が戻って来てしまう。実は海蘭が皇帝を引き留めるため如懿の手作りの菓子を献上したが、″寿″の字を見た皇帝の表情が一変し、急に養心殿に戻ると言って席を立っていた。弘暦が養心殿に到着すると、先回りしてひざまずいていた炩(レイ)貴人・衛嬿婉(エイエンエン)が皇貴妃の無実を訴えた。その頃、李玉は何とか化粧箱の数珠をすり替え、棚に戻して鍵をかけることに成功する。一方、嘆願する嬿婉をあしらった弘暦は、如懿が紙に書いた寿という字をながめながら殿内に入った。するとなぜか李玉が現れる。李玉は酔った皇帝が戻る時に身体が冷えぬよう膝掛けを取りに来たとごまかし、皇帝が見ていた紙は何かと話題を変えた。「皇貴妃からもらった菓子にこの字が置いてあった、朕の筆跡をまねて書いたようだ」弘暦は如懿が自分の無実を訴え、誰でも人の筆跡をまねることができると言いたいのだと分かった。惢心は未だ何も白状していないという。李玉は思わず惢心を拷問すれば皇貴妃を悲しませると諫言した。「分かっておる!だが潔白を証明する唯一の策だ」すると弘暦は棚に保管していた証拠の品を取り出し、如懿に会いに行くことにした。↓慎刑司のモーモーが恐過ぎw皇帝が翊坤宮へ出発し、門でひざまずいていた嬿婉は進忠から戻るように言われ、帰ることにした。侍女・春嬋(シュンセン)と瀾翠(ランスイ)は主人を支えながら、なぜ何の得もないのに皇貴妃をかばったのか困惑する。しかし嘉貴妃が自分を絶対に受け入れないと分かっている嬿婉は、皇貴妃に再起の可能性があるなら、それに賭けると言った。「皇貴妃は長年、後宮を生き抜いて来た人よ、このまま黙っているはずがない…」如懿の菓子の意味を悟った弘暦が証拠品を持って翊坤宮に現れた。こうして海蘭たちの協力により如懿は自ら身の潔白を訴える機会を得る。すると弘暦は筆跡の問題も証拠品もしっかり調べると言った。そこで如懿は確かに同心結びに付いている便箋は翊坤宮の者でない限り入手は不可能だが、自分なら秘密の文にわざわざ惢心の名前など書かないと反論する。もちろん数珠にも見覚えがなく、これが″愛の証し″だというのも捏造だと訴えた。しかし弘暦は″火のない所に煙は立たぬ″と釘を刺し、潔白を証明できねば調べるしかないという。惢心への拷問は如懿の無実を知らしめるためであり、拷問を受けてこそ周りの者は納得するものだ。憤慨した如懿は大事な惢心を犠牲にしたくないと反発し、弘暦を怒らせてしまう。「そなたの潔白は朕にとって重要なのだぞ、惢心を釈放すればそなたには醜聞がつきまとう! 噂が飛び交い、朕の体面も傷ついている、まだ恥をかかせる気か!」「結局、体面が第一だと?」「朕だけの体面ではない、如懿や、そなたとは一心同体なのだ そなたの汚名をそそぐことで2人の名誉が守られる! …ばーら、万寿節に口論したくない」弘暦は李玉を呼ぶと、証拠品を持って養心殿に帰ることにした。そこで如懿は弘暦を呼び止め、数珠に問題があると告げる。「七宝とは金・銀・蜜蝋・珊瑚・硨磲(シャコ)貝・真珠・瑪瑙(メノウ)です でもこれは瑪瑙ではなく紅玉髄(コウギョクズイ)、色も質も似ていますが修行者は間違えません 大師の物ではないはずです」すると李玉がすかさず如意を援護した。「皇上、修行者が使う七宝の数珠ではないなら、私通の件も誰かがでっち上げたことでは? その誰かとは…」「満蒙漢(マンモウカン)の出身の妃嬪が絶対に間違えぬ、それに該当しない女子だと?」「仏を信じる者はこんな手口で大師を陥れません、きっと仏を信じぬ者の仕業です」「李玉… 明日、啓祥(ケイショウ)宮の者たちに七宝の石の名前を書かせ、皇貴妃の字と似ている者を見つけろ それから嘉貴妃に紅玉髄のかんざしを届けよ」「御意」しかし事実が判明するまで、惢心の釈放は認めてもらえなかった。宴からの帰り道、海蘭は侍女・葉心(ヨウシン)から皇帝が翊坤宮へ行ったと聞いた。目撃した侍女・沢芝(タクシ)の話では李太監と凌侍衛がお供だったという。「どうやら成功したようね」海蘭が胸をなで下ろすと、葉心はなぜ桃饅頭の中に数珠が入っていると分かったのか尋ねた。すると海蘭は重箱に貼ってあった対句の短冊を見せる。琴笛の音が奏で合う…これは王府で琴を習った時に如懿から聞いた言葉だった。「″琴の美音は弦ではなく木にあり、音が響く空洞部分が大切だ″と… 笛も空洞で奏でる楽器よ、だから桃李の中が空洞ではないかと考えたの」予想通り桃饅頭の中に七宝の数珠が入っていたが、海蘭はすぐ瑪瑙が紅玉髄だと気づいたという。「春と奏という字があるでしょう?姐姐と謎解きで遊んだ時、春と奏のお題を一緒に考えた 春は下が″日″、奏は下が″天″、その心は″天と日のすり替え″」こうして海蘭はこの数珠をすり替えて欲しいという意味だと気づく。海蘭が謎を解き、李玉がすり替えた…。あとは如懿が自分で何とかするしかない。つづく(  ̄꒳ ̄)いや~何だかんだ言いながらもう前半が終わりましたこの調子で行くと、後半もあっという間なのかな~そう思うと急に寂しくなって来た…それにしても李玉にはハラハラしっぱなしだった( ̄▽ ̄;)もう〜しっかりしてよ(笑
2019.10.22
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第43話「翊坤宮の刺客」安華(アンカ)殿で安吉(アムジ)大師の法会が始まった。女官・艾児(ガイジ)は転んだところを助けてくれた大師の弟子・安多(アムド)に傾倒し、熱心に参加している。すると安多がちょうど1人で次の法会の経文を取りに行く姿を見かけ、艾児は待ち伏せして自分の苦境を訴えた。「私は氷を運ぶ女官に過ぎませんが、あくせく働けど啓祥(ケイショウ)宮では叱られてばかり… 時々、生きることが辛くなります」安多は心を落ち着ければ安らかに過ごせると諭し、自分に何かできることはあるかと尋ねた。そこで艾児はお守りとして安多の数珠が欲しいと懇願する。安多は驚いたが、哀れな娘に数珠を授け、幸が訪れるようにと祈った。後宮の長となった嫻皇貴妃(カンコウキヒ)・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は朝晩、安華殿に通い、熱心に拝んでいた。一方、嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)は異国から嫁いだこともあり、仏法に関心はない。しかし侍女・貞淑(テイシュク)からお腹の子のために祈ってもらうよう勧められ、写経した経文を届けて読み上げてもらうことにした。すると氷を運ぶ係の艾児までが安華殿に行っていると知る。「奴婢がいくら祈っても無駄よ、皇貴妃ほど高位なら大師からも媚びられるけど…」金玉妍が恨めしそうにぼやくと、貞淑が下種の勘繰りをした。「男は下心もなく女の機嫌を取りません」「…面白いわね(ふっ」翌朝は安華殿に乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)も祈祷に現れた。弘暦と如懿は一緒に祈りを捧げて本殿を出たが、その際、如懿がうっかり段差で足をひねってしまう。するとちょうど隣にいた安吉大師が咄嗟に如懿の手を取り、助けてくれた。偶然とは言え如懿が他の男人に触れたことに一瞬、動揺した弘暦だったが、何事もなかったように帰って行く。そこへ入れ替わるように純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)の侍女・可心(カシン)がやって来た。安吉大師は可心から純貴妃の血字経を受け取り、読経のあと仏前に供えると伝える。可心は拝礼してすぐ帰ると、安吉大師は皇貴妃が戻る前に香と香炉を贈った。「七宝の数珠を身に着けるとさらに効果があります」「七宝の数珠?ご忠告に感謝します」しかしその様子を物陰に隠れていた貞淑が盗み聞きしていた。一方、弘暦は安華殿からの帰り道、女官たちが続々と安華殿に向かっている様子を見た。養心殿の太監・李玉(リギョク)は大師が来た貴重な機会に女官たちも福にあやかりたいのだと話したが、進忠(シンチュウ)が余計な噂を耳に入れる。「大師は仏法に通じ、眉目秀麗なので人気があるのでしょう」面白くない弘暦は出家人とはいえ大師も男、女官は慎まねばと戒めた。「祈祷が終わり次第、大師を宮外へ」翊坤(ヨクコン)宮に如懿とお供の蕓枝(ウンシ)が帰って来た。香と香炉を受け取った菱枝(リョウシ)は早速、焚くことにしたが、香の匂いが強烈だと漏らす。如懿は大師の特製品で厄を払ってくれると話していると、ちょうど侍医・江与彬(コウヨヒン)を迎えに行った惢心(ズイシン)が戻って来た。中庭で江侍医の身なりを整える惢心、仲睦まじい2人の様子はさながら新婚夫婦のようだ。江侍医の脈診が終わると、如懿は孝賢皇后(コウケンコウゴウ)の喪が明ける9月になったら惢心との婚儀を手配すると伝えた。「惢心を大事にね」さらに2人に子供ができた時は義理の子にすると決め、家族団欒を味わってみたいと告げる。感激した惢心と江与彬は平伏して感謝し、翊坤宮は幸せに包まれた。その夜、窮余の一策に失敗した炩(レイ)貴人・衛嬿婉(エイエンエン)は作戦を変え、永寿(エイジュ)宮に捕まえた蛍を一斉に放した。風流を好む皇帝なら必ず来てくれるはず…。すると嬿婉の願いが叶い、その夜、蛍に導かれた皇帝は永寿宮に留まった。その頃、翊坤宮では如懿が沐浴を終え、寝支度をしていた。内務府が新しく仕立てた衣は弘暦が好きな薄紅色、ちょうど良い色合いで如懿も上品で見劣りしないと喜ぶ。惢心の話では嘉貴妃が侍医院に美容効果のある練り香水を作らせたとか、しかも南海の真珠を使うという。如懿は皇帝の許しがあれば何でもできると笑ったが、その時、太監・三宝(サンポウ)の叫び声が響き渡った。「誰だ?刺客だ!」三宝が湯を沸かして東暖閣(ダンカク)へ運ぼうとした時、白装束の刺客を見つけた。驚いて叫んだところ、身を翻して逃げて行ったという。すぐ近くにいた侍衛が追いかけたが、逃げ足が早く捕まるかどうかは分からなかった。如懿は皇帝の身の安全が最優先だとし、至急、後宮の捜索を命じる。それにしても翊坤宮の巡回時間ではないのに、なぜ侍衛がいたのだろうか。翌朝、弘暦は皇貴妃の寝殿に刺客が出たことに憤慨、御前侍衛・凌雲徹(リョウウンテツ)に後宮を調べるよう命じた。すると金玉妍の侍女・麗心(レイシン)が現れ、啓祥宮に食事に来て欲しいと頼む。実は金玉妍は如懿が安華殿に足しげく通っていることを利用し、安吉大師との私通をでっち上げて失脚させようと目論んでいた。弘暦は如懿を啓祥宮に呼んだ。すると金玉妍は皇貴妃だけが安吉大師から香炉や数珠をもらっていると皇帝に教える。確かに香炉はもらったが、数珠を贈られた覚えのない如懿、しかし貞淑が証拠となる七宝の数珠を持って来た。貞淑は皇帝に安華殿で皇貴妃と安吉大師を見かけた時、2人は親しそうに話し、安吉大師が青銅の香炉を贈っていたと証言、しかも安吉大師が愛の証しとしてこの数珠を渡し、皇貴妃が自らはめたと嘘をつく。寝耳に水の如懿は何を根拠に愛の証しだと言うのか、そうだとしてもなぜその数珠を貞淑が持っているのか、説明を求めた。金玉妍は皇貴妃と安吉大師の私通の証拠として文がついた同心結びを見せた。同心結びの勿忘草(ワスレナグサ)は″心は1つ″という意味がある。これを拾ったのは刺客を追った侍衛で、侍衛は文を見て怖くなり啓祥宮に届けたが、金玉妍は確認せずに皇帝に渡したという。…この想いは底に徹して紅し、あなたに会えず空を見上げる…頂いた数珠は私たちの愛の証し…惢心から数珠を受け取り、今宵、翊坤宮の東暖閣に持って来てください文頭の二句は「西洲曲(セイシュウキョク)」にある女子が想いを詠んだものだった。しかもこの紅梅の便箋は皇貴妃だけに供されている物で、同心結びはさておき、その筆跡が何よりの証拠となる。如懿は書いた覚えなどないと否定したが、確かに筆跡が自分のものと似ていた。実は如懿の字は晋(シン)の書家・衛(エイ)夫人の書法、他に学んでいる妃嬪はいない。金玉妍の筋書きは完璧だった。数珠は恐らく寝殿に入る時の証明で、安吉大師は慌てて逃げたため返し忘れたのだろう。また刺客が現れたのは如懿がちょうど湯あみを終えた後、その時間は大師も修行で2階に1人でこもっていたので目撃者がいなかった。「大師は皇貴妃に数珠を贈っている、その数日後の夜、刺客が現れ侍衛も目撃した 刺客の身なりは大師と同じ白装束で文まで発見された…全てが偶然とは信じられません」金玉妍は手紙に惢心の名前があったことから、惢心を慎刑司(シンケイシ)に送るよう進言した。驚いた如懿は反発、すると弘暦はまだ慎刑司の出番ではないと退ける。すると煮え切らない皇帝に金玉妍はさらに追い討ちをかけた。「皇上のためです、祈祷のために呼んだ大師が皇貴妃と不埒な行為に及んだのです これでは戦の勝利が危ぶまれます」「もう言うな…皇貴妃は下がれ」弘暦は聖地から来た大師を罰するわけにもいかず、皇太后を頼った。そこで皇太后は各宮殿の動きを調べ、安華殿の出入りも密かに監視させるよう命じ、まず後宮を徹底的に洗うという。「だらしない女官がおれば、この機に皇宮から追い出しなさい」命を受けた侍女・福珈(フクカ)は早速、動き出した。如懿は後宮に災いが耐えないのは后位が決まらぬせいだと分かっていた。「孝賢皇后が亡くなり、純貴妃が寵愛を失えば、嘉貴妃は心が動く…」そこで如懿は惢心に証拠の品に不審な点がないか李玉によく調べてもらうよう頼んだ。福珈は翊坤宮を調べ、次に啓祥宮へやって来た。その時、ちょうど艾児が氷を運んで来たが、福珈は目ざとくその女官の手首にある数珠に気づく。艾児から数珠を奪い取った福珈は男物だと驚き、上等な蜜蝋(ミツロウ)が使われている高価な品だと分かった。当然、太監や女官が持てるような品ではない。こうして艾児は連行され、あっさり数珠の出どころも白状した。皇太后は弘暦を呼び、艾児の数珠は安吉大師の弟子・安多からもらったものだと報告した。弘暦は安多が翊坤宮の刺客かと疑ったが、安多は当時、安華殿にいたのを目撃されている。そもそも艾児の部屋は氷室のそば、翊坤宮と間違えるはずがなかった。結局、刺客の件は女官と無関係だと判明、皇太后は弘暦に皇貴妃のことは任せるという。しかし弘暦は如懿と向き合う勇気がないのか、嘉貴妃が提出した証拠品も見るのが嫌で鍵を掛けて保管していた。その夜、貞淑は処断できない皇帝に苛立っていた。しかし金玉妍は織り込み済みだと余裕を見せる。「あれしきの証拠で皇貴妃を罰せないことは百も承知だったわ でも皇后となる者に最も大切なことは何だと思う? …不埒な噂がつきまとう者に天下の母が務まって?」金玉妍は皇帝が如懿を調べれば調べるほど2人の溝が深まり、如懿の立后が遠のくと踏んでいた。どのみちもう噂は広まっているだろう。それでも皇帝が如懿を立后すれば、朝廷や後宮から異論が噴出するのは必至だ。そこで金玉妍はさらに火に油を注ぐことにする。あの艾児を利用するのだ。一方、弘暦は眠れない夜を過ごしていた。確かにあの時、安吉大師が如懿の手に触れるのを見た。金玉妍の言う通り毎日、会っていれば情も生まれるのだろうか。いや如懿に限って自分を裏切ることなどありえない…。結局、弘暦は寝るのをあきらめ、寝台から出た。収監された艾児は涙に暮れていた。身寄りのない自分は死んでも構わないが、ただ心の拠り所だった安多にだけは迷惑をかけたくない。すると食事を運んで来た男が安多を助ける方法があると吹き込んだ。「周りの目をアムド大師からそらせるのだ…よく聞け、いいか?(ヒソヒソ」艾児は宮中の見せしめとされ、鞭打ち100回の刑に処された。すると自分は数珠をもらっただけだが、皇貴妃のほうが悪辣(アクラツ)だと訴える。艾児が公衆の面前で皇貴妃を侮辱したと聞いた弘暦は激怒したが…。つづく
2019.10.20
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第42話「窮余の一策」皇太后・鈕祜禄(ニオフル)氏は嫻貴妃(カンキヒ)・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)が大皇子と第3皇子を陥れたと疑った。しかし如懿は愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)をかばい、単なる皇子たちの争いだったと説明する。「ふっ、さすがはウラナラ氏だ、言い分にそつがない… そなたは叔母より利口だ、そなたに将来を託したのもうなづける」皇太后は揚げ足を取れず、悔し紛れに廃皇后のことを持ち出した。叔母のことを思うと如懿は心が痛んだが、そんな様子はおくびにも出さない。「私が成長できたのは皇太后のお導きのおかげです」「ふふ、アイジャは皇后になれと導いたつもりはないが?」すると如懿は″皇后になれ″が叔母の遺言だったと教えた。しかし本当に烏拉那拉一族の繁栄のために皇后の位が必要なのか、如懿にはどうしても分からないという。皇太后は廃皇后がそう思い込み自滅したのだと鼻で笑い、自分は皇后ではなかったがこうして後宮を仕切っていると勝ち誇った。「先帝と同じ墓に入れるのもこの私だ、そなたの叔母の異様な執着は滑稽である」「太后のおっしゃる通りです…皇后の位に就いたとて何になるのでしょう」「よく考えるが良い、叔母のように自縄自縛(ジジョウジバク)に陥りたいか…」「教えを胸に刻みます」皇太后は仕方なく話を切り上げたが、どこか自分が丸め込まれたようで苛立ちを隠せない。片や如懿は皇太后の挑発には乗らず、うまく切り抜けて慈寧(ジネイ)宮をあとにした。その頃、海蘭は如懿が皇太后に呼ばれたと知り、慌てて慈寧宮へ向かった。するとちょうど如懿が門から出て来る。海蘭は皇子の件かと尋ね、自分の仕業だと話して来ると言った。しかし如懿が制止し、すでに終わった事だと教える。「あなたの仕業だと言っても同じ事…」海蘭は如懿が自分を守ってくれたのだと分かった。「じぇじぇ、この件でじぇじぇに見限られたと思ってた…」「全ては私のためだと分かってる、でも二度とあんなまね、やめてね」皇太后は皇帝を呼んで食事を共にした。そこで皇后不在が続けば争いの種になると切り出し、自分の立場が優位になるような従順な皇后を立てようとする。しかし弘暦は孝賢(コウケン)皇后が去ってまだ日も浅いと難色を示し、皇后を立てるにしても2年後にすると退けた。仕方なく皇太后は当座の皇后の代わりに皇貴妃を立てるよう進言、子の数から純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)を推す。すると弘暦は長らく差配役を務めてきた如懿が適任だと話し、後ろ盾がなければ外戚が台頭することもなく、子がいないからこそ皇子を公平に扱えると反論した。「母上、朕はもう何も知らぬ幼子ではありません、自分で判断いたしますのでご安心ください」さらに弘暦は皇太后の縁者である訥親(ナチン)に内紛が起きている金川(キンセン)の平定を命じ、派遣する考えだという。皇太后は弘暦の強硬な態度に不満を募らせ、思わず如懿へ当てこすった。「後ろ盾と世継ぎを持たぬ皇后は苦労しますよ」「苦労を克服できぬのなら嫻貴妃が無能なだけです、訥親も同様です 功を上げられなければ無能だと言えましょう~では政務があるので失礼いたします」弘暦は結局、一歩も譲らなかった。皇太后は弘暦がもはや以前の皇帝ではないと知る。「立后はまだ先だと仰せだった…たかが皇貴妃だ、今はお手並み拝見といこう」孝賢皇后の喪中と金川の戦が重なり、冊封式は簡素に行われた。如懿は皇后に次ぐ地位となる皇貴妃に封じられる。空席となった貴妃には金玉妍(キンギョクケン)が昇格、皇貴妃の補佐を任された。また陸沐萍(リクボクヘイ)が慶貴人(ケイキジン)に、陳婉茵(チンエンイン)が婉(エン)貴人に昇格、そして徐(ジョ)氏が秀常在(シュウジョウザイ)に、女官の方(ホウ)氏が揆答応(キトウオウ)、銭(セン)氏が平(ヘイ)答応に封じられた。如懿には皇貴妃として最初の仕事が待っていた。近く安吉(アムジ)大師を招いて宮中で祈祷をお願いし、妃嬪たちにも共に戦勝を祈って欲しいという。安吉大師と言えば徳が高く尊敬を集めており、何でも端正な顔立ちの美丈夫だとか。すると金玉妍は補佐役ながら身重で手伝えないと断り、嫌みったらしく元気な皇子を産むと言った。その夜、金玉妍は侍女・貞淑(テイシュク)から急報を聞いた。ついに母国の王が崩御し、世子が即位したという。即位すれば直ちに皇帝に朝見を行うはず、金玉妍は一目でもいいから愛しい人の顔を見たいと願った。すると貞淑がふと純貴妃を失脚させたことで烏拉那拉氏を皇貴妃に昇格させる結果になったと嘆く。しかし金玉妍は子がいない烏拉那拉氏など些細なきっかけさえあれば倒せると言った。「親王が参内する前に皇貴妃になってみせるわ…」世子が餞別にくれた数珠を握りしめ、期待に胸を膨らませる金玉妍だったが…。如懿は養心殿で絵を描きながら弘暦を待っていた。すると戦報を聞いた弘暦が戻って来る。どうやら勝算が高まったと見え、弘暦は機嫌が良かった。「勝報を待つのみだ…ん?蘭は淑女のごとし、だが筆運びは伸びやかに…」弘暦は如懿の手を握って見本を描いて見せると、如懿は婉貴人が花を描くのが得意だと教えた。もちろん弘暦も陳婉茵に絵心があると知っていたが、自分の前では萎縮するためつまらないという。そこへ太監・李玉(リギョク)が急報を伝えにやって来た。「皇上、玉(ギョク)氏より密書です」実は先日、即位した親王が王妃と口論の末、自害に追い込み、物議を醸しているという。弘暦は正室として迎えた妻に自害を強いるとは言語同断だと憤慨、自分が処罰すると決めた。しかし玉氏と言えば金玉妍の母国、お産を控えている嘉貴妃には伏せておくよう命じたが…。↓横からの髪型が興味深い炩(レイ)貴人・衛嬿婉(エイエンエン)は恥を忍んで再び啓祥(ケイショウ)宮へご機嫌伺いに向かった。しかし侍女・麗心(レイシン)に門前払いされてしまう。むしゃくしゃしながら門を出た嬿婉、すると養心殿の太監・進忠(シンチュウ)が待っていた。進忠は行き詰まっている嬿婉のため、純(ジュン)貴妃のように寵愛は薄くても子を産めば貴妃になれると助言した。とは言え懐妊ついては自分の力ではどうにもならないという。꒰⌯͒ತ_ತ)<なら黙っとけ@エンエンそこで進忠は李玉が玉氏の親王を都へ連行して来たと耳に入れた。「臨月の嘉貴妃に知れたらどうなるでしょうね~? 仮に産後にこの件を聞かれたとしても、身体への支障はないでしょうな~」事情を知った嬿婉は良き頃合いに伝えると言った。嬿婉は進忠に急かされ、窮余の一策を講じることにした。ただし実行に移すにはどうしても確認しておかねばならないことがある。そこで侍女・瀾翠(ランスイ)に頼み、凌雲徹(リョウウンテツ)の盟友・趙九宵(チョウキュウショウ)を密かに呼んだ。すると嬿婉はきっと凌雲徹が自分を恨んでいるに違いないと落胆してみせる。しかし趙九宵は凌雲徹が辛くとも炩貴人を気にかけていると教え、長年の情は簡単には断ち切れるものではないと言った。嬿婉は凌雲徹の心にまだ自分がいると知って安堵し、趙九宵を帰した。そして思い出の指輪を外し、侍女・春嬋(シュンセン)に託す。「これを凌雲徹に渡して、それで分かる…」皇帝は今夜、祈願の準備で斎宮に、こうしてすべての手はずが整った。嬿婉は凌雲徹の情を利用し、私通で懐妊しようと企んだ。そこで春嬋が深夜、凌雲徹を呼び出し、主人が嘉貴妃に虐げられて命を絶とうとしていると訴える。驚いた凌雲徹は永寿(エイジュ)宮に駆けつけると、なぜかひとりで寝殿に入るよう頼まれた。まさか寝所で焚かれている香が好色で有名な正徳(セイトク)帝が愛用したという媚薬とも知らず…。嬿婉はあられもない姿で現れ、雲徹を誘惑した。「あなたがいなくても大丈夫だと思ってた…でも別れてしまうとやっぱり辛くて…」雲徹は騙されたと気づいて帰ることにしたが、媚薬のせいで次第に身体が火照り、ふらつき始めてしまう。「雲徹哥哥、愛してるの」嬿婉は雲徹を押し倒して衣に手をかけると、驚いた雲徹は必死に抵抗し、嬿婉を突き放した。自分を頑なに拒絶する雲徹に困惑した嬿婉は、もしや他に好きな人がいるのかと疑う。「…俺に何をした」雲徹は目の前がぼやけ始め、頭がクラクラして来た。仕方なく嬿婉は自分を守るために子供が欲しいと白状し、そうすれば立場も盤石になると訴える。「あなたの子供が欲しいの!」「…俺を利用しようとしたわけか」雲徹は嬿婉の魂胆を知り、事が済めば口封じに殺すつもりだと気づいた。そこで最後の力を振り絞り、嬿婉を振り払って何とか外へ飛び出すことに成功する。侍女と太監が咄嗟に道をふさいだが、嬿婉は行かせてやれと命じた。「誰にも何も言わないわ、信じてる、だって私の味方だもの…」雲徹は強い精神力で何とか過ちを犯さずに済んだ。しかしふと嬿婉の言葉が頭をよぎり、激しく動揺する。…他に好きな人がいるの?雲徹は頭を冷やすために宮道にある水瓶に顔を突っ込み、何度も水を浴びて嬿婉の言葉を振り払った。身重の金玉妍は胃の調子が悪く、腰痛に悩まされていた。すると氷を運んできた女官が敷居でつまずき、桶をひっくり返してしまう。金玉妍は大きな音に驚いて肝を冷やし、その女官を氷室の長に処罰させるよう命じて追い出した。安吉大師が紫禁城に到着した。氷室の女官・艾児(ガイジ)は大師のご尊顔を見ようと駆けつけ、うっかり転んで飛び出してしまう。すると大師の弟子・安多(アムド)が手を差し伸べ、助けてくれた。如懿と金玉妍は安華(アンカ)殿で大師一行を出迎えた。安吉大師は今日の中元節から中秋節まで読経を続けるという。すると如懿は滞在中は安華で過ごすよう伝えた。↑端正な顔立ちの美丈夫、端正な顔立ちの美丈夫…つづく
2019.10.15
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第41話「疑心暗鬼」孝賢(コウケン)皇后・富察(フチャ)氏の葬儀が続いていた。中でも今日は棺が景(ケイ)山の観徳(カントク)殿に移される大事な日だ。観徳(カントク)殿では第5皇子・永琪(エイキ)ら幼い皇子たちがわんわん泣きじゃくる中、大皇子・永璜(エイコウ)と第3皇子・永璋(エイショウ)だけは全く泣いていなかった。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)の一計で疑心暗鬼に陥っていた。そのせいか葬儀で泣いていない永璜と永璋を怪しみ、何か魂胆があると深読みしてしまう。父からなぜ嫡母の葬儀で泣かないのか聞かれた永璜は、父が悲しむ中、自分が葬儀を仕切らねばと気を張っているからだと説明した。すると永璋も兄を思いやる弟を演じ、自分も父を支えるため、泣かないよう堪えていると訴える。しかし弘暦は親不孝だと激怒、いきなり永璜と永璋を引っ叩いた。殿内は騒然、一同が平伏したが、中には思惑通りになったとほくそ笑む妃嬪の顔も…。その時、嫻貴妃(カンキヒ)・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)が顔を上げ、2人は皇帝を案じただけだとかばったが、弘暦は親不孝でないなら謀反だと言い放った。「お見通しだぞ! 孝賢皇后が世を去れば皇子の中で最年長の自分が太子の座に就けると踏んでいるのだ!」「断じてそのようなことは…」弘暦は永璜が長子の立場に酔いしれいていると叱責し、足蹴りにした。何もできずおろおろする永璜の福晋・伊拉里(イラリ)氏、すると慌てた純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)が永璜はそうだとしても永璋はまだ14歳で何も分からない子供だと皇帝にすがりつく。しかしそれが更なる怒りを買うことになった。弘暦は永璋も皇太子の座を狙っていると指摘し、母である純貴妃が仕向けたのだと叱責する。「純貴妃に言っておく!永璜にも永璋にも決して帝位は継がせぬ!」蘇緑筠は皇帝の言葉に愕然となり、その衝撃から卒倒した。蘇緑筠が目を覚ますと鍾粋(ショウスイ)宮にいた。すると侍女・可心(カシン)から永璜と永璋が養心殿でひざまずいていると聞く。このままおめおめと寝ているわけにもいかず、蘇緑筠は身支度も整えずに慈寧(ジネイ)宮へ駆けつけた。しかし皇太后は助け舟を出さず、侍女・福珈(フクカ)に伝言を託す。第6皇子と第4公主を守りたいならおとなしくするようにと…。「もうじき雨が降ります、大阿哥と3阿哥を連れ帰っては?」福珈の言葉を聞いた蘇緑筠はようやく自分の見苦しい態度に気づき、すぐ養心殿へ向かった。皇太后は純貴妃の失態に呆れていた。欲を出して自滅しておきながら、自分に救いを求めるなど御門違いもはなはだしい。それにしても大皇子と第3皇子が共に涙を見せなかったというのは妙な話だった。2人の間に何か密約でのあったのか。そこで皇太后は福珈に調査を任せた。紫禁城に冷たい雨が降り出した。蘇緑筠が傘を持って養心殿に駆けつけた時には、永璜と永璋はすでにびしょ濡れになっている。そこへ皇帝付きの侍女・毓瑚(イクコ)が現れた。皇帝は会ってくれないどころか、大皇子と第3皇子の師傅(シフ)と助手を処罰したという。「どうか純貴妃と寝殿へ戻り、謹慎してご反省ください」蘇緑筠は雨に濡れたせいで風邪を引いた。あれだけ次期皇后ともてはやされていたが、今や誰ひとり見舞いにも来ない。しかも皇帝は孝賢皇后が純貴妃を次期皇后にと推した言葉が外に漏れたことに憤慨し、純貴妃の周囲の者がわざと触れ回ったと決めつけ、鍾粋宮の侍女や太監まで追放していた。蘇緑筠は嫻貴妃が仕向けたのではと疑ったが、可心はむしろ侍医が来てくれたのは嫻貴妃の口添えだと教える。如懿の優しい気遣いに涙する蘇緑筠、しかし今さら後悔しても永璋は皇太子になれないだろう。「…私の罪ね、これが報いだわ、因果応報なのよ」身重の嘉妃(カヒ)・金玉妍(キンギョクケン)は葬儀の疲れか、不調だった。しかし第4皇子・永珹(エイセイ)が葬儀から戻って来るとにこやかに迎える。2人の兄が失脚し、今や永珹が皇子たちを率いて拝礼していた。すると永珹が皇帝から何かと褒められていると知り、金玉妍はようやく自分の息子に順番が回って来たと喜ぶ。嫡子は早逝、長子も疎まれ、次に最も尊いのは即位後初の皇子である永珹、金玉妍は我が子が必ず皇太子になれると目を輝かせた。如懿はあの一件以来、翊坤(ヨクコン)宮の門を閉めて誰にも会わなくなった。その日、海蘭はようやく中に入れてもらえたが、如懿が自分に怒っていると分かっている。「私を責めているのね…永璜を陥れたから」「皇上は太子の座を狙うことを嫌うわ」海蘭は確かに永璜と永璋に野心があると皇帝に思わせたことを認めた。ただし″国本の争い″の話、つまり万暦(バンレキ)帝の長子と第3子の立太子の争いの話を聞かせただけで、疑り深い皇帝が自分の息子を信じないせいだという。如懿は確かに永璜が考え違いをしていると呆れた。「だけどハイラン…永璜は叱責され、その後、病に倒れ、もうひと月あまり… 私たちが育てた子よ?」「姐姐、愛した人は他の女のためにあなたを捨てる、慈しんだ子は己のためにあなたを利用する …情に流されるのが姐姐の弱点よ?」「後宮で情は得がたいわ、情さえ手放せと言うなら何も残らない」すると如懿は話は終わったとばかりに背を向けてしまう。「…姐姐、私は許しは請わない、姐姐のためだった だから私のしたことを分かって欲しい」海蘭はそう言って出て行ったが、如懿は一度も振り返らなかった。侍女・惢心(ズイシン)は主人のためだという愉妃を責められないと諫言した。如懿は海蘭の気持ちを分かっていたが、永璜が自分を利用したとしても、自分の中ではまだ子供だという。「私を母様と呼んだ…はぁ~でもあの頃の永璜はもういない…それが何より悲しいの」思わず手で顔を覆い、あふれる涙を押さえる如懿…。惢心は主人の複雑な心中を察し、胸が痛んだ。蘇緑筠が失脚し、炩(レイ)貴人・衛嬿婉(エイエンエン)は次に嫻貴妃に取り入ろうとした。しかし如懿は誰に対しても門前払いしているという。侍女・春嬋(シュンセン)は次期皇后が第4皇子の母である嘉妃という噂もあることから、今のうち頭を下げてはどうかと提案した。「嫻貴妃や純貴妃が皇后なら私たちには関係ありませんが… 主儿を目の敵にしている嘉妃娘娘が皇后になると厄介です」嬿婉は春嬋の言う事ももっともだと納得し、啓祥(ケイショウ)宮へ向かうことにする。するとちょうど金玉妍が門の前で輿に乗っているところだった。金玉妍は嬿婉がどうせ嫻貴妃に体良く追い返されたのだと見抜き、急に自分の新しい履物に泥がついていると訴える。「これは桜児(オウジ)の仕事でしょう?…ぁ失礼、もう桜児じゃないわ~炩貴人よね」結局、嬿婉は屈辱に耐えながら嘉妃の靴の泥を拭き取った。そこへ養心殿の太監・李玉(リギョク)が迎えに現れ、嘉妃の輿は出発する。しかしちょうど李玉と一緒に来た御前自衛・凌雲徹(リョウウンテツ)に惨めな姿を見られていた。凌雲徹は思わずこれが望んだ道かと聞いたが、嬿婉は茨の道でも昔より険しいとは限らないと強がって行ってしまう。嬿婉は寝殿に戻るや否やすぐに手を洗った。「あんな女の靴、手が汚れるわ!」しかし苦労してここまで来たのだ、諦めるわけにはいかない。嬿婉はどうしても子供が必要だと分かっていたが、貴人になってから夜伽の機会が減り、もう幾月も声がかからなかった。追い詰められた嬿婉は…。翊坤宮に向かっていた李玉はちょうど門から出て来た侍医・江与彬(コウヨヒン)と惢心を見かけた。親しげに言葉を交わして別れる2人…。そこで李玉は寝宮に戻ろうとした惢心を呼び止め、街で買って来た玉のかんざしを贈った。しかし惢心は高価な品など分不相応だと断り、苦楽を分かち合った絆こそ自分たちの宝だという。李玉は思いがけない惢心の親密な言葉に心おどらせたが、すぐ現実に引き戻された。実は皇太后が如懿に懐妊した嘉妃娘娘の世話を任せたという。惢心は同じ女として自分も子宝に恵まれた嘉妃が羨ましいと話し、仕事へ戻って行った。李玉は惢心の本音を知り、大きなため息を漏らす。子を産み育てるなど宦官の自分には縁がない幸せだ。「夢を見るのはよそう…」如懿は養心殿を訪ねた。未だに怒りが収まらない弘暦だったが、如懿は永璜が病の床に就き、永璋も気落ちしたままだと同情する。しかし弘暦は皇太子の座を争うのはどうしても許せないと訴えた。康熙帝(コウキテイ)には子が多かったが、長子の允禔(インシ)が帝位争いを企み、幽閉されて死んだという悪しき前例がある。弘暦は警戒するのは当然だと譲らなかった。仕方なく如懿はみかんの皮を剥きながら弘暦の愚痴を聞くと、黙ってみかんを差し出す。( ー̀ωー́ )<いらぬ꒰⌯͒ತ_ತ)<ほ~ら( ̄◇ ̄;)<はむはむはむ…養心殿を出た如懿は惢心が嫁ぐ年頃になったと切り出し、江与彬との縁談を皇帝に賜ると言った。「良い人に嫁いで平穏に暮らして欲しいの」「感謝します、主儿」するとそこへ太監・三宝(サンポウ)が慌てて駆けつける。何でも慈寧宮からすぐ来るようにと知らせが来たという。皇太后は如懿が2人の皇子を陥れたと疑った。しかし如懿は否定し、2人の皇子が良からぬ野心を抱いたせいだと告げる。「もし私の企みなら、あまりに露骨過ぎて自滅してしまいます」すると如懿は永璜を育てた養母として、自分の導きが間違っていたせいだと謝罪した。皇太后はさすが烏拉那拉氏、言い分にそつがないと嫌味を言ったが…。つづく(  ̄꒳ ̄)ジョウシュン、上手いな~本当にちょっとしたことなんだけど、上手いよね如懿の気持ちが画面から迫って来る感じそれにしても皇帝のみかん、面白かった~龍袍も素敵♪
2019.10.14
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第40話「貴妃の台頭」皇后の侍女・素練(ソレン)が自害した。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は侍女・毓瑚(イクコ)に検分を任せたが、報告に戻ってきた毓瑚からなぜかかんざしを受け取る。それは一昨年の七夕に皇帝が后妃たちに贈ったものだった。弘暦は后妃たちにそれぞれ違う花を施したため、そのかんざしが純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)のものだと気づく。毓瑚は素練の手の中にあったと報告したが、このかんざしだけでは何も証明できないと進言した。現在、純貴妃は皇后の船室で嘉妃(カヒ)・金玉妍(キンギョクケン)とせわしなく葬儀の準備をしているという。弘暦は控え目だと思っていた純妃が意外にもやり手だと知って驚いた。すると毓瑚は検分の結果、他殺の可能性もあると伝える。ただ何ぶん辺ぴな場所で目撃者もなく、断定は難しいと説明した。謎の死を遂げた素練と純貴妃の台頭…。弘暦は一連の事件にまだ自分の知らない秘密があるかもしれないと気づき、皇后を疑ったことを後悔した。乾隆13年、皇后・富察(フチャ)氏が逝去し、皇帝は″孝賢(コウケン)″の諡号(シゴウ)を与えた。皇宮に戻った孝賢皇后の葬儀は開国以来、前例がないほど盛大に行われる。↓急激にヒゲが伸びてるwそんな中、宮中では孝賢皇后が次期皇后に純貴妃を推したことが周知の事実となっていた。まんざらでもない蘇緑筠は皇后のいない後宮を切り盛りし、着々と足場を固めて行く。皇太后が長子・永璜(エイコウ)にも葬儀を手伝わせるよう提案すれば、実子である第3皇子・永璋(エイショウ)を推薦し、2人で手伝うことを認めさせた。愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)は純貴妃が皇后の座を狙っていると警戒していた。もちろん次期皇后は嫻貴妃(カンキヒ)・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)がなるべきだと考えていたが、当の如懿は位より情が欲しいと言ってケロリとしている。「…叔母も皇后になれと言ってたわ~でも争ってなれるものでもない、決めるのは皇上よ 悲嘆に暮れている皇上を煩わせるのはよしましょう」その頃、嘉妃の侍女・貞淑(テイシュク)は主人に母国の情勢を報告していた。世子によれば王が病で夏まで生きられないとか。恐らく長年、王を補佐してきた世子が後を継ぐことになるという。金玉妍はこれまで世子の後ろ盾となるために寵愛を争って来たが、ここまで来たら前進あるのみだ。すると貞淑がもはや敵は純貴妃と嫻貴妃だけだと告げる。しかし金玉妍は実子がなく景仁(ケイジン)宮の血筋である嫻貴妃は論外だと考えた。「純貴妃には息子が3人、その息子たちにつけ込めそうね…」激しい雨の中、大皇子・永璜が翊坤(ヨクコン)宮にやって来た。海蘭は永璜がまだ如懿を母と呼んでいることに感心すると、永璜は母への想いは変わらないと告げる。如懿も息子であることに変わりないと喜び、葬儀で皇子たちを束ねる永璜を労った。「今日は哲憫皇貴妃(テツビンコウキヒ)の誕辰ね、安華(アンカ)殿に供物を届けておいたわ」「お気遣いに感謝します…純貴妃娘娘はお忘れですが」すると永璜は長居できないと断り、早々に葬儀の準備に戻ってしまう。海蘭は古来、徳の高い嫡子か長子が皇太子に立てられることから、永璜が有利だと言った。大皇子は唯一、成人しており、最近は皇帝に初孫を抱かせている。如懿は永璜が権力争いに巻き込まれることを心配したが、弊害もあることを永璜が承知だと願うしかなかった。今日も孝賢皇后を弔い、妃嬪たちは長い時間ひざまずいていた。そろそろ刻限となる頃、蘇緑筠は隣にいた如懿に永璜が会いに行ったのかと探りを入れる。如懿は純貴妃が鍾粋(ショウスイ)宮にいなかったからだと答えたが、蘇緑筠は今でも永璜にとって養母は嫻貴妃だけだと言った。「あなたには子供がいないから、永璜が気遣うのも当たり前よね~」すると蘇緑筠は立ち上がり、刻限となったので休憩するよう伝えた。長春宮の棺の間を出た海蘭は膝が割れそうだと嘆いた。しかし如懿は孝賢皇后に不敬だと指摘されるのを恐れ、早く戻ろうと急かせる。実は弘暦が人が変わったように怒りっぽくなり、先日も葬儀に参列した大臣を敬意が足りないと責めて杖刑(ジョウケイ)に処していた。「皇后が生きていた頃は夫婦の情など顧みなかったくせに(イタタタ…) あの世の皇后が知ったら死ぬのが遅すぎたと自己嫌悪に陥るわ」←ちょっと意味が分からないw「ハイラン、身も蓋もない言い方ね…」すると海蘭は永璜を持ち出して如懿を牽制した純貴妃を思い出し、臆病で如懿に逆らったことがなかった純貴妃が闘争心をあらわにしたと呆れた。「放っておいていいの?」「…やめましょう」永璜が短い休憩のため控えの部屋に戻ると、福晋・伊拉里(イラリ)氏が待っていた。すると福晋は嫻貴妃ばかりに会わず、純貴妃の体面にも配慮するよう助言する。しかし永璜は実子がいる純貴妃に何も期待していなかった。そもそも自分が大事なら平凡な家柄の娘を娶らせるものか。永璜は福晋にも純貴妃と距離を置くよう命じた。その時、偶然、如懿と海蘭が偏殿を通りかかり、永璜の声に気づく。「純貴妃か母様が次期皇后になるだろう 純貴妃がなれば息子は嫡子となり、私に望みはない 母様なら話は別だ、育ての恩を忘れぬ私が乳臭い永琪(エイキ)に負けるものか それに母様が皇后になれずとも父上に進言してくれれば、後継者争いは勝算がある」「嫻貴妃娘娘はあなたを溺愛していますから」「分かるものか、人情など偽りにすぎぬ、皇太子になり実権を握るほうが現実的だ」如懿は可愛かった永璜の変わり様に言葉を失った。一体、何があったのか。すると海蘭はいずれ永琪も変わると現実を突きつけた。皇宮では親子の情や兄弟の絆など単なる笑い話、死後に功徳を称える言葉に過ぎないという。確かに永璜も純貴妃も変わってしまった。海蘭は無策のままでいいのかと煽ったが、如懿は気が滅入る話だとうんざりしてしまう。「…純貴妃がどう動くのか見極める、それからね」如懿と海蘭が控えの間に到着すると、妃嬪たちは次期皇后と目される純貴妃を取り囲んでいた。あの炩(レイ)貴人・衛嬿婉(エイエンエン)も早速、自ら純貴妃の脚をもんでいる。そんな妃嬪たちと距離を置いている舒嬪(ジョヒン)・葉赫那拉(エホナラ)意歓(イカン)は如懿の姿に気づいて隣に座った。「誰もが露骨に媚を売っているわ」すると侍女・荷惜(カセキ)が薬の時間だと声をかける。如懿は意歓が懐妊を熱望するあまり、子宝の薬を頻繁に飲んでいると知った。そこでかつて慧賢皇貴妃も薬を多用したが効果はなかったと教え、薬の飲み過ぎは禁物だと警告する。しかし何も知らない意歓は皇帝の恩に報いたいと言った。一方、海蘭はこのまま如懿が策を講じなければ手遅れになると焦っていた。すると純貴妃と妃嬪たちの会話が聞こえてくる。「そう言えば姐姐、3阿哥はどこへ?」「ああ~他の幼い皇子たちに口内炎ができているから金銀花(キンギンカ)を調達しに侍医院へ行ったわ」そこで海蘭は侍女・葉心(ヨウシン)に永琪を連れてくるよう指示した。海蘭は如懿に永琪が咳をするので侍医院に連れて行くと伝えて出かけた。するとちょうど侍医院から戻って来た第3皇子の姿を見つける。そこで海蘭は足を止め、第3皇子に聞こえるよう永琪に言い聞かせた。「明後日は皇后の棺が景(ケイ)山の観徳(カントク)殿に移される日よ、大切な日だから絶対に泣かないでね 皇子や公主たちが泣きじゃくる中、冷静でいられるなんてすごいことなの そんなあなたにきっと父上は感心する 父上が失ったのは皇后だけじゃない、嫡子の7阿哥もなの だから今、父上が必要としているのは悲しみに動じない太子の器を持つ子よ」永璋は愉妃の話を母の耳に入れた。蘇緑筠は自分のことを棚に上げ、慎しみ深い愉妃が裏の顔を持っていたと呆れる。そこで第5皇子を泣かせる手立てを講じ、永璋には愉妃の言った通り冷静に振る舞うよう指示した。長子とは言え永璜は養子、永璋は次の年長者であり、ここで何とか皇帝に気に入れられ皇太子になって欲しい。実は孝賢皇后が幼い永璋を蘇緑筠から引き離して擷芳殿(ケツホウデン)へ送り、まともな教育を受けさせてくれなかった。蘇緑筠はそのせいで永璋が皇帝に好かれなかったと恨んでいたが、皇后は償いとして自分を次期皇后に推してくれたのだろう。一方、海蘭と永琪は養心殿にいた。しかし太監・李玉(リギョク)は皇帝なら誰にも会わないと伝える。そこで海蘭は永琪に殿前でひざまずき挨拶を済ませるよう命じた。永琪は大きな声で自分も父と同じように嫡母の死に心を痛めていると伝え、薬膳湯を作ったと言って叩頭する。すると突然、皇帝が現れ、永琪と海蘭を殿内に入れた。弘暦は琅嬅を疑った自責の念に駆られ、皇后に当てた「述悲賦(ジュツヒフ)」を書いていた。父の辛い思いを察した永琪は嫡母も喜んでいると伝え、薬膳湯を献上する。「四種類の薬材です、紫丹参(シタンジン)と南沙参(ナンシャジン)、北沙参(ホクシャジン)、玄参(ゲンジン) 甘苦くもコクがあり、気を補えます ″二十四孝(ニジュウシコウ)″によれば″自ら湯薬を嘗み父母に出せ″と… 苦くなり過ぎないよう味見しながら作りました」弘暦は聡明な永琪に感心し、早速、薬膳湯を食した。すると永琪は″二十四孝″を全て理解できたが、大兄から聞いた故事の意味が分からないという。「どんな内容だ?」「今日、長春宮での葬儀のあと偏殿を通った時、大阿哥が嘆いていたのです ″明(ミン)の神宗(シンソウ)の寵姫・鄭(テイ)貴妃が産んだ朱常洵(シュジョウジュン)は、 神宗の長子・朱常洛(シュジョウラク)のことが嫌いだった でも忠臣が国本(コクホン)の争いを起こしてくれた、自分は朱常洛にも及ばぬ″と…」永琪は全部は聞こえなかったと話し、朱常洛とは誰なのかと尋ねた。驚いた弘暦は大皇子が葬儀にも参列せず、夫婦で内緒話をしていたのかと聞いたが、永琪は否定し、大兄は長子の自分がしっかりせねばと思っているとかばう。しかし急に厳しい表情になった弘暦は黙り込んでしまった。そこで海蘭は急いでひざまずき、永琪が失言したなら自分が罰を受けると嘆願する。すると弘暦は知らないのも仕方がないと許し、養母の如懿でさえ明の史書は滅多に読まないと言った。幼い永琪ならなおのこと、確かに伝え聞いたのだろうと納得する。「ふっ…永璜は大した子だ、朱常洛にも及ばぬだと? では永璋は朱常洵のように皇位を狙うのか?生母を当てにしているのやも…」「生母を当てに?皇上、つまり純貴妃を皇后に立てると?」「何だと?」「違いますか?誰でも知っています、孝賢皇后が臨終の際、次期皇后に純貴妃を推したと…」「…なるほど」 養心殿を出た永琪はうまく言えたかと聞いた。海蘭は完璧だったと褒め、教え込んだ甲斐があったと安堵する。しかしこの話は嫻貴妃には決して話してはならないと口止めした。弘暦は毓瑚に永璜と永璋の様子を聞いた。毓瑚は大皇子が温厚で礼儀正しく、大臣たちの称賛を集めていると伝える。また第3皇子も若いながら折り目正しく、純貴妃を気遣ってか皆が敬意を払っていると話した。ただ諸事が煩雑なため2人は別々に行動しており、何かにつけ先を争うように動いているという。「2人が孝賢皇后の死を心から悼んでいるなら結構なことだ だが人心を得るための画策ならけしからん」「あり得ません」「そう願おう…成長すれば野心を持つ、皇族の父子の惨劇はそうやって生まれた」すると弘暦は毓瑚にもう1つ尋ねた。「純貴妃と嫻貴妃ではどちらがより敬われている?」「子のいない嫻貴妃が純貴妃に劣るのは仕方ありません…」永璜は毎年、生母の誕生日に密かに参拝していた。すると手はずを整えた小楽子(ショウガクシ)が駆けつけ、安華殿の僧侶が長春宮へ読経に向かう申の三刻に参拝できると伝える。その話を偶然、回廊を歩いていた金玉妍が聞いていた。弘暦はその夜、如懿を呼んだ。弘暦は子供を産んでいない如懿が肩身の狭い思いをしていると心配したが、如懿は子のいない者を蔑むような狭量(キョウリョウ)な輩は無視すればいいと微笑む。そんな心の広い如懿のおかげで弘暦は幾分、心が安らいだ。一方、永璜は葬儀のわずかな空き時間を狙い安華殿に駆けつけた。参拝の時間が十分に取れず後ろめたいが、いつか頭角を現した暁には母にも孝賢皇后のような栄光をと誓う。しかし殿内に入ると、誰かが母の位牌に話しかけている声が聞こえた。「諸瑛(ショエイ)姐姐…あの者はそちらへ行きました、気が晴れるまで問いただしてください」その時、貞淑が大皇子に気づいて慌てて拝礼する。永璜は聞き捨てならない話だと驚き、嘉妃に説明を求めた。「当時、孝賢皇后があなたのお母上を手にかけたの… お母上が第二子を身ごもると孝賢皇后は寵愛を奪われると恐れたのね それでお母上が出産する時に…本当にお気の毒ね、生まれたのは公主だったのに」永璜は皇后が生母を嫌っていたという噂は知っていたが、思わぬ事実に愕然となる。「お母上の逝去後、皆この話題を避けたわ でも孝賢皇后は端慧(タンケイ)太子のため成長したあなたを警戒するように… それを見て皆は状況を理解し、噂するようになったの」すると貞淑も結局は子の性別など関係なく、哲憫皇貴妃は皇后に反発していたから殺されたのだと断言する。生母の無念を知り泣き崩れる永璜…。そこで金玉妍は自分から聞いたと絶対に漏らさないよう念を押し、明後日の葬儀は皇帝自ら執り行うため、感情を表に出さないよう助言しておいた。孝賢皇后への恨みを募らせる永璜は…。つづく〓〓皇子一覧〓〓大皇子・永璜(エイコウ) 哲憫皇貴妃(養母・嫻貴妃→純貴妃)第2皇子・永璉(エイレン) 孝賢皇后 ※早逝第3皇子・永璋(エイショウ) 純貴妃第4皇子・永珹(エイセイ) 嘉妃第5皇子・永琪(エイキ) 愉妃(養母・嫻貴妃)第6皇子・永瑢(エイヨウ) 純貴妃第7皇子・永琮(エイソウ) 孝賢皇后 ※早逝第8皇子・永璇(エイセン) 嘉妃(@_@)皇子たちが成長したら、もうわけが分からんw
2019.10.07
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第39話「皇后の死」皇后・富察(フチャ)琅嬅(ロウカ)が寄港先で河に落ちた。侍医・斉汝(セイジョ)は手の施しようがなく、すでに命の火が消えかかっていると報告する。そこで皇太后は万一に備え内務府に使いを送ると決め、嫻貴妃(カンキヒ)と純貴妃(ジュンキヒ)に皇后の代わりを務めるよう命じて散会した。純貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)は動揺していた。そのせいか桟橋でかんざしを落としたことに気付かず、ちょうど後ろから来た嘉妃(カヒ)・金玉妍(キンギョクケン)が拾ってしまう。船室に戻ってようやく侍女・可心(カシン)が主人の絹鞠(キヌマリ)のかんざしがないことに気づいたが、こんな時にかんざしなど探していたら皇帝の不興を買うと考え、蘇緑筠は放っておいた。そこへ愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)がやって来る。すると蘇緑筠はひどく怯え、もしや皇后は自分たちの話を聞いて気が動転し、河に落ちたのではないかと訴えた。海蘭はふと玫嬪(マイヒン)・白蕊姫(ハクズイキ)がなぜ今日に限ってあのような放言をしたのか首をかしげたが、失言したのは玫嬪で自分たちは関係ないと安心させる。「皇后はあなたを責めないわ、皇后が河に落ちたのは玫嬪の言葉が原因でしょう それでうわ言を繰り返している… 皇上もそれを聞いて密かに皇后を疑っているはずよ、皇后は何をしたのかとね だから皇后は手出しできないわ」海蘭の理路整然とした話を聞くと、蘇緑筠はようやく胸をなでおろした。乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は皇后の意識が戻ったと知り、2人だけで面会した。琅嬅は最期に弘暦に会えたことを喜び、娘の璟瑟(ケイシツ)には服喪を免除して早く嫁がせてやって欲しいと懇願する。するともう1つだけ願いがあると訴え、次期皇后にふさわしいのは純貴妃だと推した。しかし皇帝から伴侶を決めるのは自分の問題だと退けられ、琅嬅は思わず本音が出てしまう。「他のどの妃(キサキ)を選んでも構いません、ですが選んではならぬ者が1人います 烏拉那拉(ウラナラ)氏の血を引く嫻貴妃です、嫻貴妃の叔母はひどい皇后でした 同じ血を引く嫻貴妃を皇后にしてはなりません」その頃、桟橋では我が子の敵を討った白蕊姫が皇后の船を眺めていた。すると復讐に手を貸した金玉妍がやって来る。白蕊姫は皇后も長くないと笑みを浮かべ、本当に皇后への恐怖心だけで自分に協力したのかと尋ねた。「そうよ、哲憫皇貴妃(テツビンコウキヒ)の死は皇后の仕業だと聞いたわ あなたや儀嬪(ギヒン)の子、慧賢(ケイケン)皇貴妃の死で怖くなったの…」金玉妍はこれまで臆病で何もできなかったと話し、白蕊姫の協力がなければ成し遂げられなかったと言った。死期を悟った琅嬅はようやく悔しさと不安だらけの胸の内を吐露した。初めから弘暦の心にいたのは烏拉那拉氏、しかし先帝と皇太后の意向を汲んでやむなく自分を選んだと知っている。結局、皇帝とは心を通わせられず、名目上の伴侶でしかなかった。たとえそうであっても皇后として良き妻になる努力をしてきたが、やはり1人の女として愛されたかったという。確かに弘暦は十分、尽くしてくれたが、それは愛する女への情とは違った。「後宮には妃が大勢います、皇后はその長ですが、それが何になりましょう 皇上のお心次第で地位も栄誉も一瞬にして消え失せるのですから…」初めて琅嬅の本音を聞いた弘暦は驚いた。正室であり2人の皇子を産んでくれた母親として琅嬅を尊重し、守ってきたつもりだったが、これほど不安に苛まれていたとは。弘暦は琅嬅の思わぬ一面を知り、一度は目をつぶった皇后への疑いが再燃した。「そなたに尋ねたい、哲憫皇貴妃の死についてだ、表向きの死因は難産だ だが本当は何者かに殺されたのではないか?」琅嬅は皇帝まで自分を疑っていると知り、愕然となる。そこで指を立て嘘を言わないと誓い、哲憫皇貴妃の死には関わっていないと断言した。しかし弘暦の追求は終わらない。「慧賢皇貴妃は儀嬪と玫嬪の子を死産に至らしめた、そしてその罪を如懿(ニョイ)に着せた 違うか?如懿に何をした?」「何もしていません、私には嫻貴妃の野心が透けて見えたため、阿箬(アジャク)の嘘を信じてしまった 誓って真実です!」琅嬅は理由もなく人を陥れたりしないと訴えたが、弘暦は自分が最初に選んだ如懿を琅嬅が目の敵にしていたと勘ぐる。「慧賢皇貴妃の父・高斌(コウヒン)が富察氏の邪魔になる だから不妊の薬をしのばせた腕輪を贈ったのだな? 冷宮にいた如懿の命を狙わせたのもそなたか?」琅嬅は弘暦が何もかも知っていながら知らないふりをしていたのだと気づき、急に力が抜けた。「そうです、慧賢皇貴妃と嫻貴妃の懐妊を阻みました 永璉(エイレン)を呪い殺した嫻貴妃を許すことができず、冷宮に入ってからも虐げました ですが冷宮に出た毒蛇と砒素のことは誓って知りません」弘暦はこの数年、琅嬅の所業を全て把握していた。しかし真実が公になれば自分の治世における汚点となり、皇室の恥をさらすことになってしまう。弘暦は皇室と富察氏、そして自分と子供の名誉のために公表はしないと言った。「…フフフ、うっ…皇上、なんと寛大な処置でしょう… 皇上は聡明ですが冷たいお方です、その非情さが恨めしいのです 分かりました、私が犯した罪はこの身で償います」そして最後に琅嬅は恨みを込めて言った。「次期皇后となる者が誰であれ、より悲惨な末路を歩むことでしょう… 私はこの目で見ています…天上から…しかと見届けます…」すると弘暦はため息をつき、立ち上がった。「″因果応報″とうなされていたな 報いは誰が受けたのだ?自業自得ではないか?あとの祭りだ…」弘暦は落胆を隠せず、ゆっくり休めと言って出て行った。琅嬅は引き止めようとしたが寝台から落下し、結局、その背中が最後に見た弘暦の姿となってしまう。弘暦は琅嬅との間に猜疑と憎しみしか残らないと思うと虚くなった。すると船に戻って早々、皇后の訃報が届く。妃嬪たちが悲しみに暮れる中、蘇緑筠は率先して皆を束ね、すぐ葬儀の準備にかかった。喪服に着替えた侍女・蓮心(レンシン)は、素練(ソレン)が慌ててどこかへ出かける姿を見かけた。実は嘉妃から皇后の死に疑念が生じたと言われ、素練は人気のない場所におびき出されてしまう。すると外套をまとった侍女・貞淑(テイシュク)が待っていた。←貞淑だと思ったけど定かではない(汗貞淑は素練にかんざしを渡し、皇后が河に落ちた場所で拾ったと教えたが…。如懿は純貴妃に葬儀の準備を任せ、弘暦のそばにいることにした。すると弘暦は皇后が多くを認めぬまま亡くなり、そのうちいくつかの件について潔白を主張したと教える。如懿は到底、信じられず、素練と蓮心に尋問するよう嘆願した。しかし太監・李玉(リギョク)が駆けつけ、素練がすでに殉死したと報告する。葬儀の準備で忙しくなるため蓮心と一緒に素練を探していたが、その後、変わり果てた姿で発見されたという。突然のことに驚いた弘暦は侍女・毓瑚(イクコ)に遺体を改めるよう命じ、ひとまず蓮心から話を聞くことにした。蓮心は素練が以前から母親の元に帰りたいと話していたと証言、自害を疑った。しかし如懿は素練が処罰を恐れて自害したと怪しみ、皇后と素練が何をしていたのか知っているか尋ねる。すると蓮心は王欽(オウキン)との一件以来、自分は遠ざけられていたので分からないと答えた。「ですが皇后娘娘のお人柄はよく存じています 亡くなった端慧(タンケイ)太子を思うあまり嫻貴妃娘娘を逆恨みしました しかし皇后娘娘は事を起こせません 私心から誰かを陥れれば富察氏の名が傷つきます 自身のお子の前途を閉ざすような愚行は犯さぬかと…」そこで弘暦は蓮心と2人で素練の処遇を話し合うことにする。先に下がることになった如懿は帰り際、思わず蓮心に声をかけた。「蓮心、皇后娘娘はいい侍女を持ったわね…」その頃、毓瑚は素練の遺体を調べていた。素練は橋の欄干に頭をぶつけて死んでいたが、その手にはかんざしが…。金玉妍は身重の身体ながら葬儀の準備に顔を出した。驚いた蘇緑筠は身体に触ると心配したが、金玉妍は悲しくて眠れないと涙する。殊勝なその姿に太監・趙一泰(チョウイッタイ)はすっかり騙され、嘉妃の皇后への敬愛は妃嬪の鏡だと感激した。すると金玉妍は葬儀については純貴妃に従うと告げ、趙一泰が下がってから蘇緑筠をけしかける。「…姐姐、皇后の亡き後、ここで活躍した者が次期皇后となります 同じ貴妃でも子をなした分、あなたが有利よ…」「ありがとう、もしその日が来たらあなたの助言に報いるわ …可心、嫻貴妃に葬儀の準備は明日にして早めに休むよう伝えて」可心の伝言を聞いた海蘭は、純貴妃が皇后の後釜を狙って張り切っていると分かった。相変わらず如懿は権力争いに興味がなさそうだが、それより皇后の罪業をこのまま見逃すつもりだろうか。しかし蓮心の話を聞いた如懿はふと濡れ衣かもしれないと言った。確かに琅嬅は富察氏の繁栄を第一に考えていたという。「死者を裁くことはできないでしょう?争ってきた日々を思うと虚しいわね…」海蘭は自分も疲れてしまったと嘆いた。ただし民のように欲を捨てて穏やかに暮らせないことも重々、承知している。「この先ずっと心の休まる時など来ないわ 勝ち抜かなければ自分自身の命が奪われてしまうもの…」この戒めは奇しくも如懿が教えてくれた教訓だった。蓮心は皇帝だけに素練が皇后に知らせず一連の悪事を行なった可能性があると証言した。そもそも食べ物の寒熱や蛇が蛇苺を好むことなど皇后は知らないという。すると素練と皇后の他に背後で指示していた黒幕がいたのだろうか。しかし蓮心もそれ以上は知らず、ただ慧賢皇貴妃の他に皇后は純貴妃や嘉妃と親しかったと話した。また嘉妃と慧賢皇貴妃はうわべだけの仲だったという。弘暦は蓮心に暇を許して下げた。尋問を終えた蓮心は桟橋で叩頭し、皇后に最後の挨拶をする。「皇后娘娘、あなたと王欽が幸せを奪った… 私はあなたを見殺しにしました、あの世で謝罪させてください」すると蓮心は河に身を投げた。つづく(๑・᷄ὢ・᷅๑)ぁぁぁ…蓮心蓮心はいずれ如懿の側近になると思ってたのに…でも兄妹たちはどうするの?
2019.10.06
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace第38話「権勢と犠牲」蒙古(モウコ)のホルチン部にどちらの公主を嫁がせるのか。頭を抱える乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)だったが、清の皇帝として家族の事情より朝廷を優先しなくてはならない。嫻貴妃(カンキヒ)・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)もホルチン部との関係を重視するなら最も信頼できる者を嫁がせるのが最善だと助言した。弘暦は娘である固倫和敬(コリンワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)が適任だと分かっていたが、皇后が永琮(エイソウ)を失ったばかりで、娘と別れさせるのは忍びないという。すると太監・李玉(リギョク)が皇后の弟・傅恒(フコウ)が来たことを伝えた。皇太后は息のかかった大臣に次女・恒媞(コウテイ)の輿入れを反対させていた。しかしこの数日、皇帝は自分を避けており、動向が分からない。そこで後宮でも妃たちに寝物語で進言させようと思いつくが、役に立ちそうな妃がいなかった。侍女・福珈(フクカ)はそれとなく嫻貴妃を勧めたが、皇太后は如懿に頭を下げるのは嫌だと拒む。すると驚いたことに如懿が自ら訪ねてきた。如懿は皇太后の憂いを払いたいと切り出した。そこで大臣たちに長公主の輿入れを上奏させ、皇太后からも直接、皇帝に進言するよう勧める。つまり娘を嫁がせた時の″利益″を皇太后が知っている、そう印象付けるのだ。「皇太后側のあらゆる勢力を使い、皇太后が娘の輿入れを望んでいると思わせれば 長公主は嫁がずに済むのです」無論、皇太后も恒媞がホルチン部に嫁げば朝廷での立場が有利になることくらい分かっていた。長女・恒娖(コウサク)をジュンガル部に嫁がせた時は職責のため母親の心を押し殺したが、今になって恒娖を思わぬ日はない。もはや立場も職責など関係なく、母親として恒媞だけは手放したくなかった。如懿は皇后ももちろん母としての思いで娘の輿入れに反対していると承知し、だからこそ先に娘を嫁がせると決めた者が娘を手元に残せるという。その時、皇太后はふと気づいた。「利益とはすなわち権勢か… あいじゃが権勢を狙えば富察(フチャ)氏一族が動揺し、皇后に圧力がかかる… 皇后は富察氏の娘として一族の利益を重んじる… 一族に娘の輿入れを迫られたら承知するしかない…」皇太后は如懿の巧妙な策に感心し、思わず賢い女子だと漏らす。しかし如懿は弘暦の力になりたかったと話し、皇太后にも昔の恩が返せると言った。「それだけか?皇后を恨んでいるのでは?」「滅相もない」老臣・張廷玉(チョウテイギョク)の進言もあり弘暦はついに娘の璟瑟を嫁がせると決心した。しかしどうにも心が晴れず、せめて娘が喜んで嫁いでくれればと願う。そこで如懿と純貴妃(ジュンキヒ)・蘇緑筠(ソリョクイン)に娘の説得を任せた。如懿は気が進まなかったが、李玉から純貴妃には了解を得たと言われ、断れなくなってしまう。その頃、琅嬅(ロウカ)は思いがけず傅恒から璟瑟を嫁がせるべきだと言われ、怒り心頭だった。如懿が一計を案じたおかげで今や富察氏はこの大きな後ろ盾を鈕祜禄(ニオフル)氏に与えてはならないと躍起になっているらしい。侍女・素練(ソレン)までが一族のことを考えるようなだめ、傅恒が重病の皇后の万一を考えたと教えた。しかし琅嬅はやはり母として娘と離れたくないと涙に暮れる。そこへ如懿が訪ねて来た。如懿は皇帝から公主を説得するよう命じられたと報告した。初耳だった琅嬅だったが、重要な決定の前には皇帝から相談を受けているので報告はいらないと見栄を張る。「私は天下の母の手本として皇上と同様に国を第一に考えるわ 璟瑟は嫡公主よ、清にすべてを捧げて当然です」如懿は琅嬅が自分の前で弱みを見せられないことを利用し、見事に璟瑟を嫁がせるという言葉を引き出した。すると琅嬅は悔し紛れに、如懿が皇帝の嫡福晋になり損ねたため、自分が病に倒れた隙を狙って出しゃばる気かと難癖をつける。如懿は未だにそんな昔の話を記憶していたのかと驚き、執念は人を混乱させると諌めた。「…私は大清国の国母よ、混乱したことなどないわ」「皇上は皇后娘娘をよく理解されておられます、公主の輿入れに同意すると皇上はご存知でした 天下の民のため、そして公主の将来のため、富察氏の栄華のために同意するはずと…」「あなたの叔母君も同じことを考えていたはず、あなたを3阿哥や皇上に選ばせようと必死だったわ でも今は一族に有力者はいないようだけど…」琅嬅に叔母のことを侮辱され、さすがに如懿の顔から笑顔が消えた。「私には有力な身内も子供もおりません、皇后娘娘と違い福がないので… 冷宮から戻れたのも奇跡ですし、気ままな暮らしで満足です 身内に迫られ、意に反することをせずに済む…子供との悲しい別れもないわ」すると琅嬅は激情に駆られ、思わず机を叩いて声を荒げた。「いい気にならないで!皇上の命令を果たすといいわ!」どうやら2人の舌戦に決着がついたようだ。「公主の門出を見届ける日まで何とぞお大事に、では失礼いたします」如懿が下がると琅嬅は激しく咳き込み、素練が差し出した茶に八つ当たりした。如懿は蘇緑筠と一緒に璟瑟の寝殿を訪ねた。しかし日頃から妃嬪たちを妾と蔑んでいる璟瑟が2人の話に耳を貸すはずもない。蘇緑筠は穏やかに皇帝の命で来年の3月に公主がホルチン部へ嫁ぐと教えたが、璟瑟は嫌だと言った。優しく諭しても嫁がないとの一点張り、困り果てた蘇緑筠は如懿に目配せする。そこで如懿は公主なら天下のために尽くすべきだと切り出し、この輿入れこそが母親への孝行になると教えた。「7阿哥が亡くなり皇后娘娘の頼りは公主ただ1人、皇后の座を確かにするには後ろ盾が必要よ 公主がホルチン部に嫁げばそれが手に入る」如懿の言葉で璟瑟の表情が一変した。蘇緑筠は言い過ぎではないかと心配したが、如懿は親の苦しい胸の内が分かっていないと手厳しい。「皇上が国を安定させるためには必要なことなの 皇后娘娘は天下の母の手本なのに公主は天下のわがまま娘ね、己の責務も果たさないで 身分が卑しい奴婢でさえ自分の職責を果たすわ」璟瑟は母に助けを求めたが、かえってホルチン部との姻戚がいかに重要かを説かれ、富察一族にとって大きな助けになると説得された。璟瑟はついに覚悟を決め、清と富察氏の栄華のために命令に従うと告げる。しかし琅嬅は娘を手放す辛さに耐えかね、再び倒れてしまう。一方、弘暦もまた璟瑟を遠方に嫁がせなければならない現実に苦悩していた。璟瑟が生まれる前、琅嬅の最初の娘が夭折(ヨウセツ)し、哲妃(テツヒ)も難産の末、第2公主と共に亡くなっている。弘暦は長い間、ひとり娘だった璟瑟を溺愛し、ついつい甘やかしてきたと分かっていた。すると如懿は都に公主府を建て、しばしば里帰りさせれば寂しさも和らぐと進言する。「…そうするしかない」弘暦は大きくため息をつき、今は璟瑟が生涯、幸せに暮らすことを願うだけだと言った。皇太后のもとに聖旨が届いた。固倫和敬公主はホルチン部へ輿入れ、また恒媞(コウテイ)は柔淑(ジュウシュク)長公主に封じられ、理藩(リハン)院侍郎・宗正(ソウセイ)に来年嫁がせるという。皇太后は娘が都に嫁げばいつでも会えると喜び、今回は如懿の功績が大きいことを認めた。琅嬅の身体は予想以上に弱っていた。侍医・斉汝(セイジョ)は皇后の病の原因は心にあると報告、病は治せても心は治せないとさじを投げる。そこで弘暦は行幸を切り上げ、揺れが少ない水路での帰京を決めた。皇帝一行の船は途中の港で一夜を過ごすことになった。琅嬅は床を離れて皇帝を訪ねていたが、弘暦から無理をせず横になるよう勧められる。弘暦は琅嬅が下がると、山東(サントウ)の巡撫(ジュンブ)が楽師を呼んだので嫻貴妃に聞かせてやれと李玉に命じた。琅嬅は素練と蓮心(レンシン)に支えられ、桟橋を歩いた。すると素練は月が見たいという皇后のため、侍医に診察を遅らせてもらうよう知らせに行く。そこへちょうど如懿がやって来た。「嫻貴妃…どこへ行くの?」「皇上から楽師が来ていると…」「(ギギギギ…)行きなさい」琅嬅は激しい嫉妬にかられ、頭に血が上ってよろめいた。心配した蓮心は船に戻るよう促したが、琅嬅はまだ外にいたいという。その様子を密かに玫嬪(マイヒン)・白蕊姫(ハクズイキ)が見ていた。すると蓮心が皇后のために薬を取りに戻り、琅嬅が桟橋で独りきりになる。そこで白蕊姫はすぐ近くに停泊している船に乗り込んだ。船では蘇緑筠と愉(ユ)妃・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が談笑していた。そこへ白蕊姫が加わり、3人の楽しげな声は外にいる琅嬅の耳にも届く。「ご存知かしら?東巡に発つ前、欽天監(キンテンカン)が言ったそうよ? ″離宮に客星が見える、皇后に災いが降りかかるやも″と…まさに大当たりね! 皇后が病に倒れたのは星回りのせいよ」白蕊姫は聞こえよがしに言った。驚いた琅嬅は船に近づくと、今度は白蕊姫が第7皇子が亡くなったのは因果応報だと話している。「子供が死んだのは母親の悪行の報いよ! 2阿哥も7阿哥も元気だったのに突然、亡くなるなんて~」琅嬅は愕然となった。「因果応報?悪行の報いが我が子に? 私のせいで永璉(エイレン)と永琮が死んだというの?」琅嬅は恐ろしさのあまり急いで自分の船に戻ることにした。しかし細工された渡り板で足を滑らせ、川に転落してしまう。薬を取りに戻っていた蓮心はちょうど皇后が落ちるところを見た。しかし付近に誰もいないことを確認し、そのまま見捨ててしまう。一方、蘇緑筠は水音がすると気づいて様子を見に行こうとしたが、白蕊姫は寒からと言って制止した。海蘭も人が落ちたなら助けを呼ぶはずだと言ったが、その時、皇后が川に落ちたと叫ぶ声が聞こえて来る。真っ先に川に飛び込んで皇后を助けたのは御前侍衛・凌雲徹(リョウウンテツ)だった。凌雲徹は今回の功績により末位の藍翎(ランレイ)侍衛から三等侍衛に昇格した。しかし琅嬅は全て水を吐き出したものの、極度の興奮と心身疲労により、痰濁(タンダク)が心を覆っているという。意識は朦朧とし、何でもうわ言で″因果応報″と口走っているとか…。斉侍医の話では皇后の命の火が消えかかり、最期が近いという。つづく
2019.09.30
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