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2021.12.24
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第1話

…女子なら誰でも幸せな婚姻を夢に見る
いつの日か愛する人に嫁ぎたい
爆竹が響く中、花嫁行列が進む
豪華な衣装に身を包み、祝福の中で床入りするの
それなのになぜこんな目に?!
話はあの日にさかのぼる…

動物好きの蘇小荷(ソショウカ)は青山(セイザン)鎮で逸趣(イツシュ)堂という寵物店を営んでいた。

そんなある日、差出人不明の文が届いた。
早速、開封してみると、何やら青い小さな珠が転がり落ちる。
文には都の玉石院にいるはずの兄が失踪したとあった。
「″兄を探すには4つの魂珠(コンジュ)を見つけろ″と…」
恐らくこの小さな珠がその魂珠だろう。
「どうも怪しいわ、都へ行って来る」



小荷は小蕓(ショウウン)に店を任せて出発した。
鼻歌まじりで山道を進みながら道端の枝を手折る小荷、するとうっかり指を切ってしまう。
…不吉な予感?いやいや…
その時、小荷の血が首飾りの中に入れた魂珠にうっかり落ちたが、小荷は気づかなかった。

依然、戦が続いている辺境、小荷は道すがらで深手を負って落馬した兵士を目撃した。

腰佩には″天璃″とあった。
「天璃の兵士ね…なら見捨てられないわ」
その時、敵軍が兵士を捜索する声が聞こえて来た。

小荷は時間を稼ぐため兵士の馬を走らせてオトリにし、その間に草むらへ逃げ込んだ。
次第に迫ってくる落日(ラクジツ)軍、追い詰められた小荷は一か八か蘇生術を試みることにする。

大きく息を吸い込み、思い切って兵士に口づけする小荷、その時、首かざりに入れていた魂珠から青い光が放たれた。
「…小娘の仕業だったのか」
Σ( ̄。 ̄ノ)ノ え?!
気がつくと2人の口づけを落日軍が見ていた。

小荷は護身用に持っていた短刀を抜いて牽制した。
「来ないで!近づかないで!」
敵軍に包囲され、もはや絶体絶命の小荷、すると倒れていた兵士の脳裏に戦の記憶が蘇り、突然、目を開ける。
…人間と主従関係を結ぶとは、この上ない屈辱だ…
(ΦωΦ)キラーン!

兵士がふいに立ち上がった。
しかしどこか様子がおかしい。
木に背中を擦り付けながら、爪を立て、何やら意味不明な言葉を話していた。
(ΦωΦ)<ニャンニャニャニャ~フニャニャニャ~ゴロゴロ~ニャニャニャニャニャ?!
取り憑かれたか?@敵軍>(´・д・)(・д・`*)<そうみたい@小荷
小荷はこの隙に逃げようとしたが、落日軍は見逃してくれない。
すると兵士が颯爽と敵軍に飛びかかり、小荷を救出した。
「このバカ娘、なぜ私に口づけを?」
「助けたのよ?」

2人が痴話喧嘩していると落日軍が再び襲いかかって来た。
「魂珠の中にいたから久々の運動だ」
兵士は軽い身のこなしで敵を一掃したが、気がつくとあの娘の姿が消えていた。
「まずい!魂珠はあの女が持っている!」

兵士はあっという間に小荷に追いついた。
そこで小荷の首かざりに手を伸ばしたが、懐から思いがけず龍仔(リュウシ)が顔を出す。
(〣ΦꇴΦ)<うわーっ!この星にもトカゲがいる… ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ バタン!

天璃に少将軍を乗せた馬車が帰って来た。
山中で倒れているところを発見された少将軍は息も絶え絶えで、軍医いわく目覚めない可能性もあるという。
そこで輿入れの吉事で回復を願うことになった。
その若さで多くの戦功を上げて来た護国少将軍は英雄、民たちは少将軍の馬車を迎え、突然の悲劇に涙する。
一足早く都に到着していた小荷は少将軍が例の兵士だと気づいたが、それより兄の捜索が先決だった。

小荷は玉石院の徐(ジョ)大人の屋敷を訪ねた。
兄・子墨(シボク)はもう何日も姿が見えず、大人の話では莫(バク)家の玉(ギョク)夫人に呼ばれたあと行方が分からなくなったという。
小荷は莫家を訪ねてみると伝えたが、徐大人は大きな屋敷のため簡単に入れないと警告した。
その時、家職が大慌てで駆けつける。
「(コソッ)老爺、大小姐が嫁ぐくらいなら自害すると…もうすぐ莫家から迎えが来ます」
「大事な娘を奪われてたまるか…」
徐大人はたまたま居合わせた小荷を利用することにした。

小荷が目を覚ますと、なぜか花嫁の身代わりとなり花輿に乗せられていた。
全てを察した小荷は逃げ出そうとしたが見張りに囲まれ出られない。
やがて延寿(エンジュ)堂に到着、しかし前庭に入ると輿入れというより葬式のような趣だ。
寝所に置き去りにされた小荷、そこで面紗(メンシャ)を外すと、寝台で寝ている新郎の姿を見つける。
「ん?どこかで見た顔だわ…(はっ!)あなたね!
 少将軍のくせにトカゲに驚いて死んだの?!信じられないわ___」
小荷は少将軍の息を確認するため手を伸ばしたが、その時、首飾りが少将軍の身体に触れた。
すると突然、少将軍の目が開く。
「あははは~( ̄▽ ̄;)って目が覚めたの?」
「そうさ、自分から会いに来てくれるとはな」
今度こそ逃すまいと小荷に迫る少将軍、しかし再びトカゲを見て悲鳴を上げた。
「動かないで!…これでお別れね」
小荷は窓から飛び降り、無事に脱出した。

中庭で息子の悲鳴を聞いた莫氏は玉夫人と一緒に寝所へ駆けつけた。
元気な息子の姿に感激しきりの莫氏、しかし息子の様子がおかしい。
「誰だ?」
「自分の父親を忘れたのか?!」
少将軍はこの男が莫修染(バクシュウセン)の父親だと分かったが、それより5刻も眠っていたと知って驚愕した。
「出て行ってくれ!早く!」
莫氏は息子の変わりように困惑、すると玉夫人が少し休ませたほうが良いとなだめて帰って行った。

少将軍はあと1刻しか猶予がないと焦った。
そこで人里離れた林の中へ逃げ込み、本来の猫の姿に戻る。
…長い間、眠っていたのは身体が適応できていないからだな、魂珠の影響で霊力が安定し覚醒できた、人間の姿になれるのは毎日6刻だけ、あの女が負傷すれば吾輩も同様だ、女を探して契約を取り消し、魂珠を奪って玉狸(ギョクリ)星へ帰ろう…



婚姻から逃れたものの、小荷は路銀を失い、残ったのは魂珠と龍仔だけだった。
やがて美味しそうな匂いに誘われて焼き魚店に到着する。
すると店主・布偶(フグウ)は小荷の首飾りを見て驚いた。
…なぜ藍(ラン)魂珠を?もしかして…

布偶は持ち金がない小荷に焼き魚をご馳走した。
感謝した小荷は必ず支払うと約束し、莫家を知っているか聞いてみる。
莫家と言えば天璃で随一の名家で大金持ち、実は使用人を募集していた。
小荷は兄の手がかりを探そうと早速、使用人に応募しようと決めたが、希望者の多さに目を丸くする。
「本気を出さなきゃ」

一方、莫家に戻った修染のもとに皇帝から褒美の品が届いた。
しかし修染は金銀財宝には目もくれず、真っ白な毛皮を手にしてうっとりしている。
「少将軍、1つご報告が…あの花嫁は玉石院の娘ではなく、替え玉に使われた蘇小荷という娘でした
 院長に話を聞いて人相書を作りました」
「似ているが…絵の方が美人だな、探して来い!」
(ΦωΦ)<おお~すごいな~この毛並み、柔らかい~

…それにしても人間の身体にしては莫修染は吾輩に相応しい身体だ
…あの娘と主従関係を取り消すまで使わせてもらおう
修染は嬉しそうに毛皮を首に巻きつけながら、裏山に猫屋敷を建てろと命じた。
設計図を受け取った腹心・洛風(ラクフウ)は拝命したが、使用人たちは意識が戻った少将軍は人が変わったようだと噂する。

つづく


( ๑≧ꇴ≦)あはははははははは~配音最高か?w





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最終更新日  2021.12.24 23:51:17
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