2003年02月02日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「安珍・清姫」の話を聴き終わってバスの駐車場へ向かっているとき、いつもの癖でtetywestには意地悪な考えが浮かんだ。

「この話がホンマに1000年も語り継がれるほどありがたい話なんやろか?」

平たく言ってしまえば「男女の痴情関係のもつれ」が引き起こした事件に過ぎない。この程度のことなら日常茶飯事とはいかないまでも、いつの時代でも珍しい話ではないだろう。それを女人禁制の寺がわざわざ取り上げるのも変な話だ・・・

と、ここまで考えてハッと気づいたことがある。この話は「女人禁制」のお寺の坊主に聞かせるための説教なのだ。仏の道に入った坊主でも、最も迷いやすいのは女性だろう。tetywestの同級生にも坊主がいるが、確かに「女好き」だ。そこで、「女は怖いぞ、焼き殺されるぞ」と若い修行僧達に言い聞かせたのだろう。一方的に女性側が迫ってくるという設定も、そう考えればなるほどと納得できる。

もう一つ、住職さんは説明を省略したのだが、巻物の下巻の最初にはやけに詳しい髪長姫から始まる道成寺の成り立ちが描かれてあった。この事といい最後の結末といい、巻物の本体は 「道成寺のCM」 なのだ。これを1000年やり続けたのだから、道成寺は有名になって至極当然だろう。

さすがにそこまで露骨にCMをしなくても十分有名になった現代では、「西方浄土」を「妻寶浄土」と言い換えて、「妻を、そして家族を大切にすると、家の中が平和になっていつもにこやかに過ごせますよ」という説教でまとめている。「説教は世につれ、世は説教につれ」ということだろう。

今日予定されている観光は道成寺だけだった。バスは国道42号線をひたすら南へ走る。普段は夢の中にいる早朝からバスに乗り続けているtetywestは、この後知らぬ間にうとうとしていた。

気がつくと、バスは山の中を走っていた。ガイドさんが車窓の風景について説明しているのをぼんやり聞いていると「おおじ」という言葉が何度も出てくる。どうやらバスは田辺市から国道311号線に入って「中辺路(なかへち)」の辺りを走っているようだ。


というガイドさんの声で、ようやく頭がはっきりしてきた。バスは清流に沿って上っていく。この辺りは山がかなり深そうで、杉やヒノキの林ばかりだった。

やがて、橋を渡って右折するときに、「清姫の里」と書かれた看板が見えた。清姫はこんな山奥出身だったのか。確かに、嫉妬でヘビに変身する女性の出身地が、奈良や京都のような大都会だったのではどうもしっくりこない。こんな草深い田舎出身だった方が「さもありなん」という気がするから不思議なものだ。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2003年02月02日 12時45分58秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

鶴亀彰@ Re:50年前のビデオ(2)(08/08) 突然のメールで失礼致します。私はカリフ…

バックナンバー

2026年10月
2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: