2003年02月10日
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那智の滝の駐車場でバスを降りると、朝の空気がひやりと冷たかった。周りを杉の巨木に囲まれて、石段が滝壷の方へと続いている。バスの号車ごとに案内してくれる人の後に続いて石段を下っていく。那智の滝を背景にした記念写真を撮るためだ。どこの観光地にもよくある、「買う買わないは出来上がりを見てからお決め下さい」という写真だ。しかし1枚1300円は高すぎる。

まっすぐに石段を下りていく間、那智の滝は見えない。わざとそうしてあるのではないかとも思える。もし滝が見えれば、当然そちらに目を奪われる。すると石段を踏み外すかもしれない。石段は上から下までの距離がかなり長いので転がれば怪我をする。石段を下りる時には足許に専念できるようにとの優しい配慮なのかもしれない。

石段を下りきると、いきなり杉木立の間から那智の滝が見える。ほんの100メートル先にその全容を現すのだ。これはちょっとした感動だった。おそらくこの演出は昔から変わってはいないだろう。昔、京都から20日以上かけて熊野の山中を歩き通した人々がこの滝を見たときの感動は、おそらくtetywestの比ではなかっただろう。天皇だけでなく「蟻の熊野詣」といわれるほどに一般庶民が熊野を目指したのは、ここに「那智の滝」があったからに違いない。

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記念撮影を終えて、もっとよく見ようと滝に近づく。滝まで50メートルくらいのところに柵があって、滝壷へ行くには料金を支払わなくてはならない。tetywestは柵の手前まででやめた。

落差133mの滝はさすがに見事だった。この滝を見ているとtetywestは何故かカリフォルニアのヨセミテ・ホールズ(滝)を思い出してしまう。どちらもその国のナンバー・ワンの落差を誇る滝だ(※ヨセミテ・ホールズの落差は754mです)。滝の雰囲気は何となく似ている。しかし、その違いを敢えて比喩するなら「那智の滝」は「女性的」なのだ。

このような比喩は「男女共同参画社会」と言われる現代には誠に不適切な表現かもしれない。tetywestが「女性的」と感じた印象を別の言葉に置き換えると、「控え目」、「繊細」、「調和」になるだろうか。逆にヨセミテ・フォールズの方は「誇示」、「雄大」、「独立」とでも表せるだろう。

「控え目」と感じた一番の要素は那智の滝の現れ方だ。ヨセミテ・フォールズの、公園内のどこからでも見えるロケーションではなく、那智の滝にはある特定の場所からしか見ることの出来ない奥ゆかしさがある。おまけに杉木立のベールを通してと言う、まさに「チラリズム」の極致みたいな滝なのだ。

「繊細」と感じたのは、滝の水の変化と水量だった。水量に関しては雨量との関係で変化するのだろうが、tetywestが見た那智の滝は、三つに分かれた滝の水が一つに纏まり、白い筋になって絶壁を落ちていく。そして白い筋は次第に拡がり、滝壷に到着する直前ではほとんどが霧になって空中に舞いあがっている。滝壷の付近は白いベールに覆われているようだ。

「調和」のイメージは滝の周りの樹木が与えるのだろう。ヨセミテ・フォールズには滝壷付近には樹木があるが、それより高いところは岩壁と空と水しかない。一方那智の滝は滝の頂部にも、岩壁の周囲にも、そしてtetywestたちが見ている場所との間にも樹木がある。


「山は富士、花は桜木、滝は那智」

・・・ン?ほとんどそのまんま、やんか・・・・(汗)






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最終更新日  2003年02月10日 13時14分26秒
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