2019年01月26日
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カテゴリ: OPERA


(伊藤 晴さんのお写真は2017年5月に撮影したものです。)
Photo Album
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist

藤原歌劇団公演「ラ・トラヴィアータ」 (椿姫)day 2
新制作
New Production

2019年1月26日
東京文化会館

指揮 佐藤正浩



※キャスト:ヴィオレッタ、アルフレード、ジェルモンはトリプルキャストの2日目。

ヴィオレッタ
Violetta Valéry, a courtesan
1/26
伊藤 晴

アルフレード
1/26
澤﨑一了

ジェルモン
1/26
折江忠道


Flora Bervoix
1/26
髙橋未来子

ガストン
Gastone de Letorières

真野 郁夫

ドゥフォール 
Barone Douphol
1/26
泉 良平

ドビニー
Marchese d'Obigny
1/26
上田 誠司

グランヴィル
Dottore Grenvil
1/26
清水良一

アンニーナ
1/26
鈴木美也子

ジュゼッペ
Giuseppe
有本康人

使 者
Commissioner
相沢 創

召 使
Flora's servant
市川宥一郎

合唱:藤原歌劇団合唱部

バレエ:
竹内菜那子 
渡邊峻郁(Takafumi WATANABE/新国立劇場バレエ団)(←渡邊拓朗)

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

合唱指揮:須藤桂司 
美術・衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ 
照明:原中治美

振付:伊藤範子 
舞台監督:菅原多敢弘 
副指揮:安部克彦、仲田淳也 
演出助手:上原真希

総監督 折江 忠道

※藤原歌劇団の新たな「ラ・トラヴィアータ」が誕生!タイトルロールのヴィオレッタ 砂川涼子(1/25)、伊藤晴(1/26)、光岡暁恵(1/27)。アルフレードには、西村悟(1/25)、澤﨑一了(1/26)、中井亮一(1/27)。ジェルモンは牧野正人(1/25)と折江忠道(1/26)、藤原歌劇団公演初登場となる上江隼人(1/27)。粟國淳が、初めて「ラ・トラヴィアータ」を演出。アレッサンドロ・チャンマルーギが衣裳と美術。

***

すばらしき藤原の二人の主役に乾杯!

澤崎さん 藤原本公演堂々の主役デビューおめでとうございます!

リリコの美しいお声が東京文化会館の隅々まで響きました。
Bravo!
こんなテノール他にはいません!
彼はスピントではなくリリコでこれだけ声量があるって
滅多にいません。
大事に 大切に育ってほしいです。

彼は2幕のカーテンコールで号泣してました。
涙もろいんです。
彼の努力が報われた瞬間でした。

立川市民オペラのアイーダ の伝令で驚愕して以来、ずっと拝聴してきました。この日を迎えて本当にうれしいです。

そしてすばらしいDiva晴さん!
彼女を初めてお聴きした2013年3月の 藤沢のコンクール の時以来
いつかこんな日が来ると思ってました。
堂々のヴィオレッタでした。
大変なことが起きた中
必死に頑張ったでしょう。
辛かったでしょう。
苦しかったでしょう。
そんな中舞台人として全身全霊で難役に挑みました。
精神性も含めてBravaでした。

藤原・本公演の主要な役での出演は2014年11月の ムゼッタ 、2017年2月のミカエラに次いで3作目、ついにタイトルロール、主役のヴィオレッタです。2幕、3幕での圧倒的な歌唱と役への入り込みは誰の心をも揺さぶるほどのものでした。人間ヴィオレッタが描かれていました。涙を誘う…という生易しいものではありません。そこにあったのは死を前にした人間のあがきと慟哭でした。

粟国淳さんの緻密な演出がそれを可能にしたのです。
詳細後述します。

ご本人にうかがいましたが、
「ヴィオレッタ全幕は一度海外で1日で演出をつけてというのはやったことがありますが、1からちゃんと作って演じたのは今回が初です。」とのこと。
すばらしい役作りでした!

この二人は新しい藤原の時代を築く歌手で
そんな二人と共演したのが、ジェルモンの折江さん。
彼はファルスタッフ歌いです。
ものすごい声量。年齢は役の設定に近くても
実際この年齢で普通はジェルモンは歌えません。
ジェルモンには大変な肺活量とポンプがないと歌えないのです。
パワフルにあのシーンを歌いきれるとは驚きです。
普通はしまいにはレガートできなくなります。
いやーびっくりでした。

脇では、たった一声
チェーナ エ プロンタ の市川さん素敵でした。
Day2は若手が沢山出ていて勉強になったかと思います。

グランヴィルの清水さん いい味出してました。

音楽的には
拍手の間を取らず先に行った方がいいシーンで止めてました。

また歌手待ちの感じで歌手が間を取るのが気になりました。
演出かとは思いますが。

普段はカットされる部分もあったのでうれしかったです。

演出は日本語の訳が意訳し過ぎなのが気になりました。
客を誘導してる感じです。

本当に装置が見事です。感心しました。

***

※内容に触れますので未見の方はご注意ください。

粟国の演出はオペラ本来のヒロインの姿を原作本のデュマ・フィスが描いたパリの高級娼婦マルグリット・ゴーチエに近づけようという意図が感じられた。

それは冒頭から明らかだ。大きく浮かび上がるゴーチエの肖像画。モナリザの絵のように美しく、永遠の笑みを湛えている。

若さと美。ヴィオレッタ・ヴァレリーは人生の頂点を迎えている今、自分の肖像画を自分の邸宅に飾っている。

一人
序曲。

弦が美しい。演奏はかなりゆっくり目で弦のレガートを効かす。意識してやっているようでまるで歌手が息継ぎなしでフレーズを歌うように、つながっている。すばらしい!

続く演奏はフォルテとピアノをくっきり浮かび上がらせる。

華やかなヴァレリー嬢の屋敷でのパーティ。
絵画は上品な趣味とはいえやはり高級娼婦の屋敷を思わせる。
背景にはパリの町並みが表現されている。すみずみまで美しいセットと装置、背景だ。

ダイニングテーブルが差し込まれる。

ヴィオレッタはまさに名のごとく紫のドレス。
特徴的な縦ロールの髪型。

肩を大きくむき出しにするデコルテを強調するドレス。

そんな中にやってきた青年、アルフレードを紹介するガストン子爵

アルフレードはテーブルの背後に回る。

その背後には客に扮したバリトンの市川宥一郎さんが女性と戯れる姿が。

ヴィオレッタはダイニングテーブルのトップに座り、その横にガストン、そしてアルフレード。

他愛ない話の流れで彼をさかなにして男爵をぎゃふんと言わせるヴィオレッタ。

ヴィオレッタは言い寄ってくるこの傲慢で野卑なドゥフォール男爵がうっとおしいのだ。

フローラが加勢する。おとなの戯言。

歌うように促され、アルフレードは立ち上がる。

ヴィオレッタが気がないように言う。

Sì.

アルフレードはその気になる

Libiam ne' lieti calici

なんとも美しい声で歌い始める。

この1幕のアルフレードは非常に悲しそうで、豪放磊落ではまったくない。演出の意図か、まるでこの場にいるのが苦しいように悲しそうな表情を浮かべている。アルフレードはもしかしたらヴィオレッタをこの華やかなパリの社交界という砂漠、地獄から救うためにあえてこの場に来ているのかもしれない。原作ではアルフレードはヴィオレッタのツバメの一人に成り下がるのだが、オペラでは純愛を貫くというストーリーになっている。

ヴィオレッタが応える。
客が次の間に移動し、ヴィオレッタは体調が悪いために残る。

ガストンは名残惜しそうにしているアルフレードの腕を引っ張って出て行く。

大きな絵画は鏡に変身するように出来ていて、彼女は鏡に映る自分の姿を確認する。

すぐにアルフレードが戻ってくる。

あらいらしたの。

こんな生活はよくない。

あなたを愛しているのは誰もいない
僕以外は。

笑う

笑うなんて、ひどい人だ。

Un dì, felice, eterea

すばらしい!
繊細に歌います。

Croce e delizia al cor

ヴィオレッタはアルフレードを帰らせる。

合唱
人々は退出する際にめいめいヴィオレッタにあいさつして出て行くが、それぞれ演出が付いていてキャラクターを浮き彫りにさせる。ドゥフォール男爵はぐいっとヴィオレッタの手を引っ張り、威嚇的に挨拶する。ドゥフォール男爵はヴィオレッタが若者に色目を使っているのが気に入らないのだ。

そのほかの人々は皆優しくヴィオレッタを気づかっている。

ヴィオレッタ一人。

È strano!

Ah, fors'è lui

恋心を自覚するヴィオレッタ

ここで拍手の間をとる。あまりそれはスマートではない。音楽の流れを断ち切るので。まあ好みの問題だが。

Follie! follie

Sempre libera

アルフレードの裏歌が聴こえてくる

Di quell'amor ch'è palpito
Dell'universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor

この第1幕のヴィオレッタのアリアはベルカント系のソプラノが歌うように書かれており、明らかに後半の幕とはあてて書いた歌手が違うのでは?と思わせるほど違う。ヴィオレッタはそれほど難しい役なのだ。大健闘でした。最後のHigh Es( “Sempre libera” with the high E flat)も出し、立派だった。海外の大御所でも出していない人多いですから。

大拍手

1回目の休憩

第2幕

ヴィオレッタの田舎の家。
中央に大きなソファ。赤い布が斜めにかけてある
ゴージャス。
絵画は自然の田園風景のものに変わっている。

アルフレードが着替えている
ネクタイを締め、ベストを着込みながら歌う。

Lunge da lei per me non v'ha diletto!

いよいよです。

De' miei bollenti spiriti

美しい!
すばらしい!!

拍手

アンニーナがこっそり入ってくるがアルフレードに気づかれびくっとする

アルフレードはヴィオレッタの家財を取り戻しに行く決心をする。

O mio rimorso! O infamia

美しい!
最後の  laverò もばっちりHigh Cに上げる。
さすがです!!

アルフレードが出て行く。

アンニーナが止めようとするが聞かない。

見送っているとそこに外出から帰ったヴィオレッタ。服を脱ぐ。

ヴィオレッタは収支計算をしている

来客を知らせるジュゼッペ(有本康人)。しかしすぐにその客が入ってくるので手振りで知らせるジュゼッペ。

Madamigella Valéry?
ヴァレリーさん?

ヴィオレッタは男を客間の椅子に座らせ自分は長椅子に座る

父です
あなたにたぶらかされた男の

まあ失礼な

Quai modi!(なんたる言い草!)

ここを字幕では「毅然たる態度だ」とヴィオレッタをむしろ賞賛するような訳にしている。なるほど、ここに演出の意図が見える。

ヴィオレッタは書類をジェルモンに見せ、ジェルモンは驚く。

Pura siccome un angelo

豊かな声で朗々と歌う。
フレーズをつなげて息継ぎせずに歌っていたかも。
ジェルモンは豊かな大声量だけでなく、ハイバリトンが持つ高音の美しさ、上品さ、厳格さをにじませる声の恐ろしさも求められる。この役もいろんな要素が必要な大変な難役なのだ。
また、どんな大歌手でも高齢になると、高音域で声を張ったときのヴィブラートが深くなりトレモロ気味になる。

Ah, comprendo

本当に別れろとおっしゃるの?

(気色ばむ)
È d'uopo!
そうせにゃならんのだ!!

さすがの台詞回しの折江さん。

Non sapete quale affetto

È grave il sacrifizio

Un dì, quando le veneri
容色が衰えれば

È vero!
そうですわね

È Dio che ispira, o giovine
Tai detti a un genitor
神様が言わせているのです

Dite alla giovine
娘さんにお伝えください。

Sì, piangi, o misera
泣いてもいいんですよ、かわいそうに。

Generosa!
ありがたいことだ

Morrò!
私は死にます

伊藤晴さん、すばらしい!ゾーンに突入か。圧倒的なパワー、歌唱に悲痛ささえにじませて歌い上げる。

No, generosa, vivere
死んではいけません。

Conosca il sacrifizio
私が身を引いたことを知ってほしい

Siate felice Addio!
お元気で。
さようなら。

年相応のジェルモンなので本当に父娘に見える。がんこおやじと気丈な娘の二重唱でお話に真実味が加わった。

拍手

手紙を書くヴィオレッタ。
アルフレードが戻ってきて見ている

何してるの?

なんでもないわ

見せて

あとにして

ごめん、僕は…

取り乱して支離滅裂になるヴィオレッタ。

Amami, Alfredo, quant'io t'amo Addio

ヴィオレッタがそのまま普段着姿で逃げるように走り去っていく。

アルフレードはこれが悲しい別れになるとも知らず見送っている。

ジュゼッペ

そこに使いが(バリトン相沢 創さん)。
使いは帽子を脱ぐと手紙を渡す。
per voi
すぐに去っていく。帽子をゆったりかぶる。
これだけですがなかなかの存在感でした。

アルフレードは胸騒ぎを覚えながら手紙を開封する。

ああ!

振り向くとそこに父が。

お父さん!

Di Provenza il mar, il suol

すばらしく歌い上げます。
カデンツァ部分も大音量
さすがです。

Dio m'esaudì

大拍手

No, non udrai rimproveri

ここは通常カットされる上演が多いのでうれしい。聞くのはロイヤルの日本公演以来かも。

Un padre ed una suora
T'affretta a consolar

アルフレードが激高して出て行く。
取り残されるジェルモン。

第2幕第9場 フローラの館

このフローラの屋敷は高級娼婦感をものすごく出していて、裸のエロチックな、そのものずばりの絵画が無数にかかっていてそういうセクシャルなサービスをしますよ~感を思いっきり出している。

占いの場面

バレエダンサー(竹内菜那子さん)が登場し踊る。
超絶可愛い。
トウシューズで本格的バレエだ
イタリアンフェッテを繰り返す振り付け

フローラは町田イタリア歌劇団などでもおなじみの髙橋未来子。強い声。

ガストン(真野 郁夫さん)が率いる男性軍は闘牛士の真似ごと

すばらしいバレエダンサーが闘牛士に扮し現れる。(渡邊峻郁さん)
直前交代があったようだ。
スタイル抜群。背が高くて美しい。

パドドゥがすばらしい!

しかしすでにアルフレードが登場し、浮かれる人々をにらみつけている。
人々を敵視している。
急にガラが悪くなったアルフレード。
自暴自棄になっている。

やあ皆さん。

ヴィオレッタは?

どーでもいいです。

人々はそのほうが後腐れなくていいね~
とアルフレードを迎え入れる

一方ドゥフォール男爵と登場したヴィオレッタ。
かみての応接の間にいる
困っている。

賭け事
アルフレードと男爵。

ここで白い制服で美しく着飾った給仕が告げる。

La cena è pronta

市川宥一郎さん。さすがのよく響く美声です。しかもイケメンで演技がうまい!彼は次回の藤原の蝶々夫人でシャープレスに抜擢されています。

彼女はアルフレードの身が危険に及ぶことを心配し
呼び出す。

ドゥフォールを愛してるのか?

そうよ。

皆を呼び出すアルフレード

こっからものすごくすばらしい!
アルフレードの声量が一段とアップするが美しさを失わない。

Ogni suo aver tal femmina

アルフレードは懐から紙幣の束を取り出すとヴィオレッタの足元にばらまく。

人々はいっせいに彼を非難する。
ヴィオレッタから引き剥がす。

そこにジェルモン。

アルフレード

ヴィオレッタ
Alfredo, Alfredo, di questo core
すばらしい!

ここからの重唱がまたまたすばらしい!
重唱の中でも主役三人の歌唱がくっきり浮かび立つ。
なかなか日本の公演でここまで主役三人の声量があるってことがあまりないので
新次元の力強さを感じました。

幕ごとのカーテンコールがあるのがうれしい!
ここで出てきたアルフレードの澤崎さん、目を泣きはらしてる。涙もろく優しく、努力家の澤崎さん。ヴィオレッタを辱めた後悔で本当に泣いていたのか。これ見よがしのテノールではなく感受性豊かなテノールです。

第3幕
ヴィオレッタの屋敷に戻っている

ベッド

しもてにはヴィオレッタの肖像画。これが効いてる。

序曲の間はこの絵を見ている。

アンニーナ

ヴィオレッタは早朝から目が覚めている

この第3幕でのヴィオレッタの変身ぶりがまたすごいです。

髪はぼさぼさ
粗末な白い布のネグリジェ
はだし。
憔悴しきった表情とメイク
顔に血の気がなく、無表情が貼りついている。
体を思うように動かすことができず、背を丸め一挙手一投足が苦しそう。
リアルだ。
もう死期が近い、と本当に感じさせる演出だ。

何度も読み返したジェルモンからの手紙。
彼女は待っている
アルフレードが戻ってくるのを。
彼に会えないで死ぬなんて。

医者ももう最期が近いことがわかっている。
医者は優しいので何も言わないがアンニーナには告知する。

グランヴィル役の清水さん、いい味出している。お声もいいです。

ヴィオレッタは肖像画を見にいきますが、しばらくするとそれは鏡に変わって自分の今の姿を映し出します。

Attendo, attendo

Addio, del passato

Ah, della traviata sorridi al desio;
A lei, deh, perdona; tu accoglila, o Dio.
Or tutto finì!

まさに絶唱です。すばらしい!!
歌唱に感情が乗っています!
会場中の涙を誘うと共に
彼女の悔しさ無念さが伝わってきて暗澹となるほどの演唱でした。

アンニーナが知らせると共にアルフレードが来ている

アルフレード!

抱きしめあう二人

僕と父を許してくれ!

しかしヴィオレッタは着替えようと移動しようとするが動きもままならずよろよろとアルフレードから離れると咳き込む

それを見てアルフレードは二三歩下がって絶望にとらわれる。

何を言っても慰めにならない
彼女は死ぬのだ
それを彼はここで悟ってしまう

この表現は粟国独特の演出で非常に厳しい現実を浮き彫りにするものだ。

Parigi, o cara

アルフレードは悲しみの中でこの歌をひとりでそっぽを向いて歌うのだ。

そして寄り添って
美しい二重唱
何から何まで完璧ですばらしい!

言葉と裏腹にヴィオレッタはもう動きもままならない

ヴィオレッタは倒れる
アンニーナとアルフレードか駆け寄る

まだ生きたいって、お医者様に伝えて!

Gran Dio! morir sì giovane

生への執着とあがき、苦悶です

Oh mio sospiro, oh palpito

ジェルモンも来るが彼もこれはだめだと悟る

アルフレードは父をなじる

お父さん、見たでしょ?

息子よもう私を責めないでくれ

ヴィオレッタは忘れ形見のロケットを渡す

重唱

È strano!

ここで暗転し
照明はヴィオレッタのベッドにピンスポとなる。
他の人物がすべて消える。
つまりここからはヴィオレッタの幻想・妄想なのだ。

ヴィオレッタはふらふらと舞台後方に向かって歩き出す。

Oh gioia!

そこで倒れて死ぬ。

他の人物が言う台詞
È spenta!
Oh mio dolor!
などはすべてカットされてそのままヴィオレッタ一人が死んでいった光景で舞台が終わる。

ヴィオレッタが一人で死んでいく、という現実(原作では実際そうなのだ)を演出家は描き出したかったと思われる。それは功を奏し、聴衆にはヴィオレッタの孤独と悲惨さが目と耳に焼きついた。すばらしい舞台をありがとうございました。

全幕了、客席は熱狂。カーテンコールで出てきた伊藤晴さんに笑顔はなかった。ヴィオレッタの死と共にそこにいたのだ。いつもの元気なおきゃんな晴さんと異なり、役に絡めとられたままの茫然とした彼女がそこにいた。タイトルロールの重責を果たした。本当によくがんばった!

一方の澤崎氏も感極まった表情で泣き顔。

新しい2人のスター誕生を喜ぶ日となった。おめでとうございます。
お疲れさまでした。





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最終更新日  2019年01月27日 12時53分01秒


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