2022年11月16日
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Special Post-show Conversation on Nov. 15, 2022 following the premier performance of 'Boris Godunov' with the stage director Mariusz Treliński and the artistic director of the new national theatre Tokyo, Kazushi Ono.

オペラ『ボリス・ゴドゥノフ』初日アフタートーク

2022年11月15日(火)公演終了後 18:00~18:30
新国立劇場オペラパレス

登壇:
大野和士(指揮・新国立劇場オペラ芸術監督)
マリウシュ・トレリンスキ(演出・ポーランド国立歌劇場芸術監督)
英語通訳

Mariusz Treliński (born 28 March 1962, Warsaw) is a Polish opera, theatre and film director as well as the artistic director of the Grand Theatre in Warsaw.

※メモを元にした記述。アフタートークでトレリンスキ氏の語ったことはNNTTのサイトに掲載されている彼のインタビューとダブル部分が多かった。そのためそこで彼が語っている部分についてはネタバレになるかもしれませんが掲出させていただく。



大野:(公演を終えて)皆さんの温かい拍手がありがたかった。心強かった。アフタートークは新国立劇場始まって以来とのこと。
 この演目(ボリス・ゴドゥノフ)はヨーロッパでは上演できないところもあるんです。ここでやれたのは…当初ロシアの歌手3人と契約したが、こんにちの事情で入国できないということで。
 ピーメン役のゴデルジ・ジャネリーゼさん(Georgian bass Goderdzi Janelidze was previously a member of the ensemble at the Bolshoi Theatre of Moscow. In the 2022-23 season he made his house debut at the New National Theatre in Tokyo with the role Pimen in Mussorgsky’s Boris Gudunov) は私がYouTubeで見つけた。
 現在の世界状況下ではショスタコーヴィチやプロコフィエフのオペラも(上演)できないところ(劇場)がある。
 「ボリス・ゴドゥノフ」は新国立劇場では初演となるということで二重の感慨がある。
 私はトレリンスキさんと初めてこの件について会話したときに、原設定の16世紀の時代ではなく、私たちの時代にジェネライズするという話をしたのですが、その成果は達成されたでしょうか?

マリウシュ・トレリンスキ:私はサイコロジー、精神状態を描いた方がよいと思った。戦争のことを持って来るのは世間知らずだ。political but more human, kind of madness シェークスピアを考えると、狂気を扱ったほうがおもしろい。impact choice by Tsar of Russia ボリスは重大な決意をする、ロシアの皇子を殺す。after that moment exactly like "Macbeth". 自分を苛むという方程式だ。point of view final aria "please forgive me my son" これが、息子よ赦してくれ、私は死ぬのだ。relationship with his son, the combination of all executors, in his eyes murderer said in the child's eyes 息子のことを描くのがいい。病気で障碍がある。聖愚者と重ねて一人の人物にした。処刑人でもある。息子の目を見ている時に、自分を殺人鬼として見るのはつらい。another side also his victim. 悪夢的に苛む良心が実体化した処刑人であり、自分を糾弾するものと変わった。

大野:ムソルグスキーは1839年生まれで比べられるのはチャイコフスキー。チャイコフスキーは1840年生まれ。チャイコフスキーはインターナショナルな存在になるが、ムソルグスキーは出世とは無縁でロシア五人組に入って、官吏の職業も続けながら作曲家であろうと努力した。
 (この「ボリス・ゴドゥノフ」が)初めて国をまたがるのは、リムスキー=コルサコフに編曲を依頼し、1920年にリムスキー=コルサコフ版が上演され、世界的地位を獲得するきっかけを作った。
 ディアギレフは、ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」はあくまでも1869年版と1872年版、それが結ばれたものであると書いている。ディアギレフはムソルグスキーの本質をよくわかっていた。
 「オテロ」を考えてください。(ヴェルディのオテロではオテロが冒頭華々しく登場しヴィットリア‼と叫ぶ)「ボリス・ゴドゥノフ」は悲劇的に始まる。民衆にこんなに讃えられているのに、自分の心は不安に揺れている。この苦しみからどう逃れたらいいか、これが後半の彼のモノローグとして発展していく。ムソルグスキーの内面の多面的要素、社会的な地位に苛まれている。



 大野:とても重要なのが偽(にせ)ディミトリー。イワン大帝の下の弟が野心家でどうやらプーシキンが書いたオリジナル(原作)によるとボリスによっておそらく殺された。そして書きたい音楽を書くためにそれをムソルグスキーが変更していく。
 グリゴリーが狂ったように僧院を出ていくシーンがありましたけど、グリゴリーはどのようなものを見出したのですか?

 トレリンスキ:for me portray like Caligula, the beast グリゴリーは生粋の悪の存在にした。ボリスは理解できる、感情移入できるが、グリゴリーは獣です。カリグラだったりプ○○○○だったりをイメージして稽古してきた。邪悪な存在として。I came far very close Ukraine, suddenly, black and white but Mussorgsky 私は今回、演出にウクライナへのロシアの侵攻は反映されているかよく聞かれるのだが。ポーランドにはウクライナの避難民も入ってきている。ポーランドの劇場にも。その現状をそのまま反映することはできない。それは単純にしすぎてしまうことだ。白か黒かだけになってしまったら単純だ。ムソルグスキーはもっと大きなものを描いた。 brutal pure evil, using Mussorgsky, too much so far 戦争のことを考えた時簡単な答えがある。ウクライナが疲弊しボロボロになっているのは純粋に邪悪なことだがムソルグスキーの音楽を使って、プ○○○○は邪悪だとしてはいけないと思った。今の世の中は。

 大野:(今回のプロダクションでは)聖愚者は舞台に登場せず、聖愚者がお金を子供に盗られて泣き声を出すシーンがある。どうしたんだ?とボリスが寄ってくる(私のために祈ってくれと頼む)が「あんたはヘロデ王だから」と(拒絶される)。これはプーシキンの原作にも書かれています。ヘロデ王はイエス・キリストが生まれた時代に(予言を恐れて)イスラエルの幼子を抹殺した。(ヘロデ王の子供のヘロデは「サロメ」にも出てくるヘロデ) ヘロデ王は聖書の中で悪の根源的存在として描かれている。


 トレリンスキ:fundamentary real life ill person we have find another lev 普遍的な質問です。聖愚者は尊重されて半分神のように扱われている。私は現代的なところから捉えたい。病気の人、障碍者の目に映る世の中は健常者と異なる。Dostoyevsky, importance, said "you cannot create empire on child's blood. this is negative-- この物語の中心となるきっかけはドストエフスキーの有名な言葉、「子どもの血の上に国を作ることをしてはならない」

("And can you admit the idea that the people for whom you are building would agree to accept their happiness on the unjustified blood of a tortured child, and having accepted it, to remain forever happy?"
"No, I cannot admit it.”
― Fyodor Dostoyevsky, The Brothers Karamazov)

 大野:SNSで寄せてもらった皆さんの質問を(事前に)させていただいた。(ロシアのウクライナ侵攻で)ポーランドのワルシャワでのプレミエがなくなって東京が世界初演となったが、ポーランドの国立劇場から東京の新国立劇場に環境を移して、(作った作品に)違いはあったのか。

 トレリンスキ: To be honest if you do who our neighbour P**** idea of imperialism more brutal, You remember end of Act, dead body of people, sorry for, comparison, after Auschwitz on stage. it's so nightmare 細かい点しか変わっていない。ポーランドに住んでいるとロシアがどのような政治を行っていたか、プ○○○○が、戦争がなくても、ロシアの帝国主義にはなじんでいる。日本での上演の最後のシーンが残虐シーンになったが、また、子供が寝ているシーンとか。最後の戦争の後のことを描くのは難しい。人を殺すのは悪夢でしかない。

 大野:新国立劇場は今までもロシアの作品を上演してきていて、オネーギン イオランタ/夜泣き鶯とやって、これで3作目です。これまでは演目を借りてくる。演目が終わったら返して終わってしまう。また上演する際はまた料金を払う。今まではロシアのオペラが上演されていなかったので、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」もそうですけど新国立劇場で初上演となる「ボリス・ゴドゥノフ」を考えていた。東欧圏のオペラはこれからもプランの中に入っている。何年か後にまた彼(トレリンスキ)とやりたいと話をしている。心から感謝です。

<大拍手>






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最終更新日  2022年11月16日 13時02分43秒


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