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3月1日でバンクーバーオリンピックが終わってしまった。私は、お祭りで盛り上がる雰囲気が好きなので、盆踊りやクリスマス、お正月の参拝の賑わいや、オリンピックが大好きである。 開会式を2月13日に丸々3時間も観て、目が疲れた。 凄いハイテクな開会式だった。 息子は最近、同い年ほどの友人が2人もできて、入試前だが浮き浮きして、作文の練習と卓球・テニスのため、外出していた。帰ってきて、「これが開会式なんだって」と一緒に観ると、「すごい金かけてんじゃないの。この不況に?」とぼやいだ。 東京オリンピックの記憶が新しい?母は、今回のような21世紀若者向けの、歌&ダンス&パフォーマンス満載の開会式の面白さがよく分からなかったようだった。 しきりと「国旗を持って、選手が入場するのがまだなの?それがオリンピックじゃないの?」と不審がって(笑)いた。 オリンピックでは、フィギュアスケートのみが、他の競技と異なる。あまり競技、という感じがしない。 華やかな衣装、クラシックバレエのような美しい動き、樹氷の輝きを思わせる白いリンクに流れる様々な音楽に合わせて滑る、さわやかな涼しい蝶の舞のようだ。 だから、「4回転ジャンプ、トリプルアクセル」の辺りのみが、「スポーツ」としての技量を競っている印象だ。 今度のバンクーバーでは、男子フィギュアに驚いた。昔と違ってきた。なぜかというと、まず衣装が違う。 男子フィギュアだと、衣装はほとんど肌を見せない。大抵、黒づくめが多い。 でも、今回は、日本人選手は衣装は男らしかったが、欧米や中国などの選手は、男性なのに、首から胸元、背中を開けた衣装をつけた人が多かった。 一番、「この人はホントに男の人なの?」と思ったのは、米のジョニー・ウィアーだった。この人は、顔も女性のようで、体も華奢で、しなやかであり、腰の辺りの曲線が柔らかく、遠くから見ると、「ショートヘアのボーイッシュな女の子」が滑っているように見えた。 彼を見ていると、「この人、絶対彼氏いるよね」などというセリフが何回も思わず出てしまったのだ。(あくまでも、彼があまりにも若い娘のように見えたからですぅ~) この男子フィギュアで、一番驚いたのは、米のイヴァン・ライサチェックの演技とその外見だった。この人の衣装は、全くの黒ずくめで通していた。 最初のショート・プログラムでは、鳥のイメージを強調して、手袋まではめて、手首と肩に鳥のような尾ひれの飾りをつけて滑った。 私は、彼の驚くほどの背の高さと、オールバックにした黒髪と、びっくりするような足、腕や手の細長さに強い印象を受けたし、その演技がダイナミックかつ神秘的だったので、「何だかあの長い手足がクモみたいで、ブラックなイメージで、ドラキュラ男爵を演じたらピッタリくるよね」と何回も言っていた。 すると、息子が「ねえ、昨夜、あんまりあの選手を『ドラキュラだよね』って言葉聞いたから、夢の中にあの人が本当にドラキュラになって出てきて、スケートしていたよ」と興奮してしまった。 男子フリーの時は、SP の時とは異なり、神秘的なイメージはあまりなく、むしろ正統的な男性さを醸し出していた。そして、ライサチェックは完璧な演技をこなし、フィナーレを決めた時は、自分でも「やった!パーフェクトだ!」と思ったことを隠さず、両手を握りしめて、感動を表情に強く表した。 この時から、私はこの人に好感を持つようになった。 得点を待つ時に、リンクではよく見えなかった表情がよく分かる。彼はとてもハンサムで、優しい目をしていた。高得点が出た時にも、「いい笑顔だなあ」とうっとりした。 そして、金メダルが決定した時の喜びようは、ただテレビの前で座って観ている私も感激するほど凄かった。周囲の人々と抱き合い、笑い、涙するのだ。 米が男子フィギュアで金メダルを獲得するのは、22年ぶりだと言う。このライサチェックは、「世界で一番練習する選手」と言われているそうだ。 懸命の努力が報われた時の人の涙は美しいと、しみじみ思ったものである。 名前からして、ロシア系か、ポーランド、東ヨーロッパ系の移民なのだろうと推測したが、アメリカは、典型的な金髪のゲルマン系の人よりも、案外、ヨーロッパやロシアからの移民の人に、こうしたカリスマ的な魅力を持つ人が多いような気がする。 この人の演技と、努力の涙は、感じやすい息子に大きな影響を与えた。 息子は、早速、面接練習の「最近興味をもったこととその理由は?」との答えに、このライサチェックのことを書き、完璧に言えるように覚えた。 「バンクーバーオリンピックの男子フィギュアで金メダルをとったアメリカの選手の演技が素晴らしかったし、金メダルをもらった時の、この選手の喜ぶ様子を見て、すごい努力をしたんだなあ、と、とても感動しました」 ライサチェック選手のおかげかどうか、昨日の教育センターでの模擬面接では、トップの成績を獲得できた。 「あきらめないで、努力すれば、道が開ける」 このことを忘れないで、来週の受験に挑んでほしいものである。
March 6, 2010
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