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ダンスチューンは、速いテンポで楽しく弾きこなせるのに、スロー・エアとなると、音数は少なくても難しく感じてしまうことがあるのはなぜでしょうか。理由を、大きく3つ考えてみました。ひとつは、基本的なところが弱く、あらが聞こえてしまうため。そもそも音質や移弦のところ、弓の返しのテクニック、指の運びなど、フィドルの基本的なところを、ひとつひとつもっと時間をかけて研究する余地があるかもしれません。ダンスチューンも、本当はゆっくり練習するといいのです。速く弾くと問題点も分からないまま速く通り過ぎてしまいますしね。ふたつには、曲につけるボウイングがメロディーの節目とあっていないことや、装飾音の位置が違っていること、イントネーションの違いなど、微妙な話になりますが、そこが押さえられていないと、やはり、なんか違う印象(浪花節調!お涙頂戴!)になってしまいます。これについては、楽器を置いて、とにもかくにも、歌ってみてください。これは、(体質改善プログラムみたいに)本当になかなか大変です。最後は、自分のエモーションをどうやったら、メロディーに乗せられるか、です。これは方法論よりも、ずっと心の問題になるかと思います。あふれんばかりの、情緒や優しさがあっても、どうしたらそれを表現できるか・・・。ふたつ目でお話したように歌ってみて、自分の心が、どのように動き感じたでしょうか。何がイメージできたでしょうか。演奏中も、(心の中で)歌って、楽器でそれを追うよう再現してみて下さい。エアって、本当に奥深くて、難しいですね。でも、おおざっぱに言って、エアはセッション・チューンと違って相手に合わせる必要もなし、自分だけのお気に入りの曲を楽しく弾ければOK!なんです!
2009年06月30日
アルバムの中ですばらしいフィドラーがスイートなエアを奏でているのに出会うと、もう、うれしくて飛び上がってしまいます。Padraig O'Keefe、Matt Cranitch、Pat O'Connor・・・。エアには歌としてよく知られたものもありますが、大方は、そのフィドラー自身によるものか、家族の中で伝わるものか、あるグループ内で知られたものか、いずれにせよ、ときに「限定的」なレパートリーであるところがセッション・ダンスチューンと違う点でもあります。また、エアは緩急のつけどころ、息遣い、装飾音などが、フィドラーそれぞれに念入りに織り込まれて、たいていソロか、あっても簡単な伴奏だけというのも、フィドルの音色を堪能したい私にとって大好きな点です。エアのテンポは一定でなく、メロディーもあちこち寄り道?することも多いので、ダンスチューンのように、指や体で覚える、というよりは、私は歌って覚えるようにしています。しかし、朗々と気持ちよく歌って覚えられたと思っても、音源に再度合わせてみると、どうも、「こぶし」が違うことに気づきます。歌っているうちに、ジャパニーズ演歌調になってしまうのは我ながらおかしい!アイリッシュ独特の「こぶし」をなんども音源を聴いて歌って習得してみましょう。「こぶし」は楽器演奏では、装飾音の入れる位置、ボウイング(弓の返し位置)、音のうねり(弓の微妙な強弱)で表現します。このとき、ロングトーンなどでも、ビブラートは絶対に入れないのが、スイートさを出すコツ!ロングトーンなどでは、左指を軽く握りこみ、どちらかというと、左手よりもむしろ右手の加減によって、弓のスピードをいろいろに調整してニュアンスを出すのが私は好きです。お気に入りのすてきなエアを、ぜひ、ソロの十八番に入れてみてください。
2009年06月23日
バイオリンを先生に習ったことがない人は、どうやって教わるんだろうと思ったことはありませんか。バイオリン(もちろんフィドルも)は、先生が「一緒に弾いて」教えてくれるのは、古今東西同じのようです。でも、この「一緒に弾く」というのが曲者で、ただ一緒に弾いているのではなくて、上手な先生だと、「音の加減はこのように」「弓使いはこのように」「指使いはこのように」と、しっかりメッセージを送ってくれるような、いろんな要素が伝染されるような弾き方をしてくれます。だから、一緒に弾いていて(特に言葉はなくても)、どんどん伝わって、どんどん自分の中で気づきが生まれる。まるで、馬のたづなを引かれ導かれるように。それはそれは、ハッピーな時間です。(私も、そんないい先生になれるように努力中。)先生の方で、もし(テクニック的にも精神的にも)精一杯であれば、一緒に弾いていてもなんだか取り残されてしまう感じがするかもしれません。あるいは、先生がどのようにしているか見ているにもかかわらず見当もつかなかったり、発見がなかったりするかもしれません。来年の4月に2度目の来日が決まった、Pete Cooper先生は、まさに前者方の先生です。ワークショップなども催しますので、ぜひ、よいレッスンというものを受けてみてください。
2009年06月19日
笛には、笛らしい音の出る適切なボリュームがあり、太鼓でもマウスオルガンでも、きっと、他のどんな楽器でもそれぞれに適した音量があり、それを見つけやすい楽器というのも中にはあるでしょう。フィドルという楽器は、弓に重さをかけてボリュームを得るのですが、どういう状態が楽器として「鳴っている」のか、なかなかわかりにくいかもしれません。最も耳に近いところで演奏する楽器なので、弦をなでるようにしか弓が通り過ぎていないのに、「音が鳴っている」と思ってしまいがちです。また、クラシック奏者に比べてフィドラーの音は小さいかというと、そんなことは全くありません。松脂は適量をしっかり塗れていますか、弦は弾くと左右によく震えていますか、楽器の裏版や全体がよく響いていますか、顔や頭や胸や体にまで、楽器の振動が伝わってきますか?なにより、心地よいですか?フィドル本来の音のボリュームが発揮されたら、ますます楽しくなってくること請け合いです。フィドルが鳴ると、楽器を通して奏者のみなぎるような生命エネルギーが伝わり深い感動を呼び起こします。みなさんも、(近隣の諸事情を考慮しなくてすむような環境の下で)めいいっぱい楽器を鳴らして、練習してみて下さい(楽器が、特に真新しいものであれば、どんどん音が鳴ってくるオマケ付き)。
2009年06月15日
もうすぐ、梅雨に入りますね。先週末のような雨がつづいたときもそうなんですが、高い湿度の国で暮らしている以上、木材で作られている「楽器」に少々変化が見られるのは(こもったような音になったり、調弦がいつもと違ったり)、フィドラーにとってご愛嬌、と私は思っています。楽器が吸った湿り気は、晴れの日にはまた吐き出すことができます。楽器をしまいっぱなしにするのが、なによりも一番悪く、いつも、どんな天気の日にでも出して、たくさん弾くことが、楽器自身の呼吸を助けていい、と思っています。けれども、松脂については、湿気要注意!!!特に弦に「積もった」松脂は、湿気を帯びると石灰状に固まって、「ゴワ~ンゴワ~ン、ビリビリ」とすごく変な音がします。つめで弦の上をこすってみてください。「ガリガリ」と音がして、何か取れますか。松脂リムーバーも売っていますが、つめで簡単にとることができます(F字孔の中に落とさないように)。ちなみに、楽器の上に積もった(積もらせた)松脂は、これはご愛嬌ですね。
2009年06月04日
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