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カテゴリ: Book Review
「方法序説」(デカルト、岩波文庫)を読む。

高校時代の担任に薦められた本で、高校時代に2回読んだものを引っ張り出して再読してみた。それにしても高校生にデカルトとはやはり難しくて、当時はあまり理解できなかったが、今回はそれよりは理解できたと思う。

この本は本文より訳註の方がページ数が多いこともあって、本文用と訳註用の2つのしおりを使って、まず本文を少し読み、訳註を見てから再度本文を読む、という読み方で読み進めた。

さて、デカルトの「方法序説」といえば、「我思う、故に我あり」(本書の落合太郎訳では「私は考える。それ故に私は有る」、英訳は"I think, therefore I am.")という名言があるが、この文に割かれた訳註は9ページも及ぶ。

デカルトの「方法序説」における基本的な考え方は、まず全てを疑ってみることである。といってもスコラ哲学のそれとは違う(とはいってもデカルトも時の人、スコラ哲学の影響を全く受けなかったわけではない)。ここで難しいのは、疑う主体である自らをも疑うことから始めなければならないという点にある。この点において、デカルトの方法の原理は、公理からすべてを理性(悟性)のみによって演繹的に導く点で数学的であり、デカルトは哲学者というより数学者であったのだと思う。

本書でちょっと理解に苦しんだのは、デカルトが神の存在証明を行っているところくらいであろうが。これはもちろん私が無神論者であることによるのかもしれないが、デカルトがその方法を実践して真理に辿り着くまでの間の日常生活のために格率を定めていることから、妥当であるとすべきであろう。

最後に、面白いと思った箇所を2箇所ばかり引用させて頂こう。



…私どもの子孫へ一そう多くの利益をもたらすための別の事を企てているときは、生きている人人を何ほどか利するような事をば無視するのがよいというのもまた、正しいからである。

それにしても岩波文庫の文体は格調高くて難しい。それが面白くためになるのでもあるけれど。







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Last updated  2012.02.10 07:04:23
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