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カテゴリ: Book Review
「原発クライシス」(高嶋哲夫、集英社文庫)を読む。

日本海の海岸に建設され、稼働待ちの状態にあった新型の原子力発電所が、旧ソ連・チェチェン解放軍と日本のカルト集団からなるテロリスト集団によって占拠された。テロリストたちの要求は…。テロリストたちと原発に突入した自衛隊との戦闘の行方は…。そしてその裏では、日本、ロシア、アメリカ政府を巻き込んだ国際問題として事態は進行してゆく。更には右翼グループ、麻薬といったキーワードも飛び出してくる。

果たして原発は本当に人類のためになるものなのだろうか? また、国際政治、政治および政治家のあり方、エネルギー問題の現状と未来、科学・技術と科学者・技術者のあり方とは何だろうか? そんな社会的な問題も描き出しており、筆者渾身の一作といえる。特に筆者の専門が原子力ということもあって、話はリアリティに富んでおり、ストーリー展開もなかなかのものだ。高嶋作品にありがちなヒューマン系の描写の甘さもあまり認められない。

折しも福島原発事故後の時期である。自然災害とテロの違いこそあれ、原子力の孕む問題(放射性物質による環境汚染や、核兵器への転用)をリアルなタッチで描き出している本書は、フィクションであるが、多くの人(特に為政者と呼ばれる人)に大きなインパクトを与えるであろう。

最後に1箇所だけ気に入ったところを引用しよう。










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Last updated  2012.02.12 10:08:58
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