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カテゴリ: Science
「ケプラー予想-四百年の難問が解けるまで-」(ジョージ・G・スピーロ、新潮文庫)を読む。

17世紀初頭にケプラーが立てた「同一の球を最も効率よく三次元空間に詰め込む方法は、果物屋のオレンジの積み方と同じ」という予想。この証明には何と387年もの月日を要した。最終的にはトマス・ヘールズがコンピュータを駆使して最終証明を果たすのだが、そこに至る数学と数学者の歴史を著した1冊が本書である。

証明は2次元から3次元、格子配置から不規則配置へという感じで進んでいく。詳しい数学的解説は本文中ではフォントを変えて書かれており、更に詳しい内容は巻末付録に収録されている…のだが、やはりさすがに一般書に書くには数学的に難しすぎるらしく、結論だけを述べている箇所も多い。肝心のヘールズによる証明の巻末付録については私もサッパリ判らず、冒頭を読んだだけで匙を投げてしまった。だからといって本書の面白さが損なわれるものではないが、クライマックスの箇所がきちんと理解できなかったことは、正直消化不良感が残る。

本書はケプラー予想の証明に至る道筋を描いたものであるが、けっこう「寄り道」もしてくれていて、数学史上の面白いエピソードも満載、そこに登場する数学者も個性派揃いで人間ドラマとしての面白さももちろんある。

さて、いつものように以下に気になったところを引用させて頂く。




誰かが新しい言葉をひねり出し、古いアイディアを新しい包装紙で飾ろうとするときには注意しよう。それは往々にして、真の核心などどこにもないときに、さもオリジナリティーがあるかに見せかけようとしている兆候だからだ。

しかし、この仕事(へーゼルの論文の査読)は荷が勝ちすぎて、査読の仕事から脱落していったレフェリーもいる。

「フェルマーの最終定理に関するワイルズの証明は『戦争と平和』のようなものであり、ケプラー予想に関するトムの証明は電話帳のようなものである」(イアン・スチュアート)

一千時間の演算に対して一ビットの割合でエラーが起こるというのは、人間の脳が大失敗をやらかす頻度に比べればずっとマシである。


今年48冊目読了。





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Last updated  2015.08.21 09:47:48


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