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カテゴリ: Book Review
「首都崩壊」(高嶋哲夫、幻冬舎文庫)を読む。

若手地震学者の最新の研究によって、首都直下地震の発生確率が5年以内に90パーセント以上であることが判るところから物語は始まる。もしこの情報が公開されれば、東京はパニックに陥り、日本経済は破綻し、日本発の世界恐慌にも発展しかねない。東京が被災地となるのを見越したように、アメリカのヘッジファンドや格付け会社が動き始める…一方、地震による国家崩壊の危機を回避するために、日本では首都移転と道州制への移行が実行に移されようとしてくる。

「M8」「TSUNAMI 津波」などの災害パニック小説が得意な高嶋の手になる本作は、予知された地震の自然科学的な側面というよりも、その社会への影響(日本国内にとどまらず国外への影響)を軸にドラマが展開していく。実際、政治・経済・財政・金融・国際情勢・その他…といったジャンルのキーワードが頻出する。私は残念ながらこれらの分野に疎いのだが、これらの分野に詳しい人には大変面白い1冊なんだろうなと思う。

そして、例えば「アメリカの格付け会社による日本国債の2段階格下げ」などといった本作で発生する事象は、実際に起こってもおかしくないリアリティを持って描かれている。適切な登場人物の配置と彼らが演じるドラマゆえのことである。さすが高嶋といった感じである。

ひとつだけ誤りを指摘させてもらえば、P.55に「震度4弱」という記述があるが、現在の気象庁震度階で「弱」「強」の2段階に分かれるのは震度5と6だけであり、「震度4弱」は存在しない。高嶋らしくもないミスである。

(参考: 気象庁・震度について )

今年60冊目読了。


首都崩壊/高嶋哲夫





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Last updated  2015.10.15 04:26:41
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