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カテゴリ: Book Review
「スティーヴン・キング―ホラーの帝王―(ユイリカ2017年11月号)」(青土社)を読む。

出版された時非常に気になったものの普段文芸雑誌など買わないので読まずにいたのが、これまた近所の図書館の蔵書検索で発見できたので読んでみた。丁度「IT」が映画化された前後に出た本なので「IT」がらみの話が多いが、話題は非常に広くて面白い。勿論、キング考を中心にホラー考、キング作品の装画、キング的無神論、キング作品とその映画化、キングとJホラーなどなど、思わず手元に置いておきたくなるような広範なキング評論。キングは文学として認められていない側面があり、その意味でもこういう考究的な文章を集めた本は貴重だと思う。

以下、気に入ったところを引用。

それぞれの登場人物に個人的な葛藤や不安をしっかりと与える。読者を登場人物に感情移入させる手続きがあるあらこそ、作品世界の「恐怖」が、彼らが抱えている個人的問題のグロテスクな反映として感じられる。
(諏訪部浩一)

「イモリの眼、ドラゴンの尾」を持つItに立ち向かう「盟約(パーティ)」を結んだ七名の戦いは「ドラゴンクエスト」となる。
(西山智則)

キングの作品はロマンを削っている代わりに、生身の、等身大の人たちが奮起せざるをえなくなるのを描いているところによさがあると思うんです。
(広江礼威)

キング的な世界において、おそらく、神はいなかったのではない。神は死んだ、身罷ったのでもない。神は発狂し、痴呆化し、無邪気で残酷な子どものようなものだったのだ。その空疎な暴力性だけがこの地上に降り注いでいる。
(杉田俊介)

順に洗練度が失われていく恐怖の三つのレベルをキングはそれぞれ、実体のないものに純粋に想像力のみが刺激されることで起こる<戦慄>(terror)、死体や吸血鬼、暗闇など不定形だが実体のあるものによって引き起こされる身体的反応を含んだ<恐怖>(horror)、生理的な不快感に直接訴える<嫌悪>(revulsion)として分類している。
(冨塚亮平)

最後に一言だけ。キングとDQの類似性と言えば「ドラゴンの眼」である。児童向けファンタジーの世界観が単に似ているというだけでなく、DQ5のラインハット城で起きる王位継承問題にソックリなのである。





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Last updated  2019.03.13 07:59:47
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