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Oct 23, 2006
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カテゴリ: その他
日本を発つ直前に古本屋でハードカバーを買った。
「ペルセポリス」
ペルセポリス.jpg
その背表紙は私の目を惹き付けて離さなかった。手にとってみてその表紙と装丁が更に気に入り、
中を開くと漫画だった。
私は漫画は全くと言ってよいほど読まないのだが、荒削りで重々しいのに無駄の無いその画風は
何故か私が抱いている漫画のイメージとは一線を画した貫禄を醸し出していた。
  (それもそのはず、それは1969年生まれのイラン人女性マルジが自身の体験を元に
   政治・宗教・戦争・死・反抗・逃避・堕落などを淡々と綴ったものだったのだ。
   この本は「ニューヨークタイムズ」が選ぶ注目すべき本に選ばれたほか

   なっているらしい。)
その直感を信じてvol.IとIIの二冊を購入したものの、ずっと気になりつつ
つい先日まで手に取れないでいた。

ようやく腰をすえて読む気持ちになり、2冊を読み上げてみて、やはりこの本に対する
勘が当たっていた事を知った。
以前、フランスの空港に住むイラン人男性(本人はイラン人だと認めたくない様だが)についての
「ターミナルマン」 という本を読んで、どんな環境で育てば彼の様な人格が培われるのか
少々興味を持っていた。
ターミナルマンとイランの少女マルジはきっと親子ほどの年齢差があると思われるが、
「ペルセポリス」を読んだ事によって少しはターミナルマンを理解出来た様な気がした。

今から数年前、母国で校長先生をしていたがアメリカに来て長いと言うイラン人のお婆さんが

私の計り知れない苦労や苦しみ、怒り、絶望が隠されていたのだろうと思う。
イランだけに限らず、家族や友人を残して母国を離れる(捨てる)のは並大抵の勇気と努力では
成し遂げられないはずだ。このお婆さんはイラン人である事を決して捨てたわけでは無く、
むしろ誇りに思っている様であったから、今もなお葛藤し続けているのかもしれない。

ここBoulderにもイラン人は少なからず居ると思われる。図書館で開かれるカンバセーションの

ほど朗らかだ。だが、政治の話になるとシビアな表情をのぞかせる一面もある。

図書館のカンバセーションクラスでは政治や宗教について(インストラクターが自ら)
意見を述べたりしてはならないというルールがあるそうだが、生徒達に英語を使わせる
or意見を述べさせる目的として政治や宗教の話題が挙がる事が少なくない。
私は日本の温室育ちで、親子の間でも政治の話はタブーなところがあったためか、
ただでさえ政治の会話は苦手なのに、異国の政治に関して発言するなんてのは
賛成反対に関わらず勇気が必要なのだ。それによって人が私をどう判断するかが怖いからだ。
が、他の国の人達は日本人と比べると(周りに日本人があまり居ないので断言できないが)
誰に気兼ねするとも無く堂々と意見を述べている。例えそれが今お世話になっている
アメリカ合衆国を批判する内容であっても。
そして皆、よその国で起こっている事をよく知っている。更にその国出身の人の意見を
聞こうとする。こちらは尋ねられて気がつくのだが、普段からそういう内容を口にしていないと、
いざ、意見を述べようとすると上手く纏まらない。つまり、ニュースを知識として
頭に入れているだけで、それより先を考えていないというか消化していない事に気づくのだ。

この日記自体も上手く纏められないが、つまり、相手の国で何が起こったか、起きているかを
知らずして(想像できずして)会話をするという事が、最近、私にとってとても怖いこと、
危ないことに思えているのだ。初対面の人に年齢や宗教、家族構成などの質問をするのは
タブーであるが故に、相手に興味を持って会話のキャッチボールを行うと言うのは骨が折れる。
何かの共通点を持って集まっているならともかく、共通点を探りつつ、且つ相手を無意識の
うちに傷つけたりせずにフツーの話を繋げて行かないといけないのだ。世の中、我々夫婦の様に
能天気なお気楽者ばかりでは無いのだよね。
そいういう場面に何度も出くわすたびに、色んな国の「ペルセポリス」があれば良いのになぁ、
と思う。
そのシンプルな画と簡潔すぎるほどの文章は私に多くを語ってくれるのである。





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最終更新日  Oct 24, 2006 02:38:12 PM
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