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前回、☆5を付けた映画「アマデウス」について書いたが、3月頭迄に観た映画のランキングに今回借りた映画を加えてしまうと収拾が付かなくなるので、前回のランキングとは切り離すことにする。ただ、☆5で私の中で断トツトップの「アマデウス」を基準に個人評価を付けることにする。3月中旬~今日迄に観た映画は以下の通り。前回は18世紀ヨーロッパが舞台の作品が多かったけど、今回は三銃士の絡みの映画ばかり。まさに三銃士まみれ。以下の映画で、三銃士と全く関係無い作品は「さよなら子供たち」「シルビアのいる街で」「赤の銃士 狙われた王位とルイ14世の陰謀」だけ。「赤の銃士~」は三銃士物じゃないの?と思われそうだが、全く別物です。逆に「ヤング・ブラッド」は三銃士なの?と疑問に思うでしょうが、三銃士物です。何でこのタイトルなのか?って感じだけど。まあレビューは後で書きます。第1陣《作品名》さよなら子供たちソフィー・マルソーの 三銃士シルビアのいる街で赤の銃士 狙われた王位とルイ14世の陰謀第2陣《作品名》ヤング・ブラッドレディ・ダルタニアン/新・三銃士三銃士 妖婦ミレディの陰謀三銃士(1948)三銃士 宿命の対決ランキング↓「 三銃士 妖婦ミレディの陰謀 」=「 三銃士 宿命の対決 」=「 シルビアのいる街で 」>「 さよなら子供たち 」=「 ヤング・ブラッド 」=「 レディ・ダルタニアン/新・三銃士 」=「 三銃士(1948) 」>>>>>>>>>>>>>>>>>「 ソフィー・マルソーの 三銃士 」>「 赤の銃士 狙われた王位とルイ14世の陰謀 」☆4:三銃士 妖婦ミレディの陰謀、三銃士 宿命の対決、シルビアのいる街で、さよなら子供たち、ヤング・ブラッド、レディ・ダルタニアン/新・三銃士、三銃士(1948)☆3.2:ソフィー・マルソーの 三銃士☆3:赤の銃士 狙われた王位とルイ14世の陰謀今回、☆5は無かったけど、☆4は私の中の満足の基準を満たしていたもの。私の評価=一般的な評価では無いのでご注意を。評価の理由は後で感想の所で書きます。しかし今日だけで3本も三銃士を観たので、ビジュアルの記憶が早くも薄まっている。どうせまた全視聴するけど、記憶が薄れたものは登場人物の顔を思い出すために部分的に見直さなければ・・上記に記載の作品以外で、現在観ることが可能な三銃士映画(含ドラマ・除アニメ)は他に何があるかというと、「 三銃士 四銃士 1973 」「 仮面の男 1998 」「三銃士 1993 」「 三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 」「 マスケティアーズ 」。1973年~1974年頃に制作されたイギリス映画「三銃士」と「四銃士」は、私の頭の中のイメージにある三銃士そのもの。ダルタニアン、アラミス、バッキンガム公爵、リシュリューは見た目がカッコ良かった。「仮面の男」は視聴したばかりで、つい最近レビューを書いたばかり。レオナルド・ディカプリオがルイ14世役で出演。全体的に日本人受けも抜群の仕上がり。ディズニー制作の「三銃士 1993」はかなり昔にレンタルで借りて見たきり。キーファー・サザーランド演じるアトスがカッコ良く、すごく楽しかった記憶が。記憶が薄れてしまっているので、そのうちまた借りてみようかな。「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」は何年か前にYOUTUBEの有料動画で見た。ルイ13世が若造のバカ殿だったけどビジュアルが好みだったかな。これもかなり記憶が薄くなっているので、そのうちまた見たい。「マスケティアーズ」はイギリス制作の連続ドラマで、現在シーズン4までやっているようだけど未視聴。今まで見てきた三銃士とビジュアル的に異なるように見受けられるので、今の所見る予定は無い。ついでに・・三銃士物では無いけど、同時代が舞台になっている作品は、「モリエール 恋こそ喜劇」「クロムウェル 1970 」「シラノ・ド・ベルジュラック」。未視聴なので書かないけど、他にも諸々ある。「モリエール~」は視聴したばかりで、こないだレビューも書いた。「シラノ~」はかなり昔にレンタルで借りて見たきり。記憶がかなり薄れてしまったので、これもまたそのうち見てみたい。早速レビュー。まずは☆4(沢山あるけど)から!・「 三銃士 妖婦ミレディの陰謀 」この映画の特徴・・1:数少ないフランス制作の三銃士ドラマ。勿論フランス語。ネット検索で調べたら、4時間分の内容を、DVD化するにあたり、2時間程度に圧縮したらしい。2:三銃士の物語に味付を加えて、エマニュエル・ベアール演じるミレディが悪魔と契約をした妖術使いという設定になっていて、ちょっとハリウッドのSFっぽい。子供の視聴者にも分かりやすく楽しめるドラマになっている。「 三銃士 宿命の対決 」とほぼどっこいどっこいの1位評価だけど、一般的には評価は割れると思われる。色々端折って2時間程度にまとめた作品なので、それを「説明不足」と感じる人や、原作と異なる演出を嫌う人が観ると、「共感出来なくて、許せない!」「クソ映画で、爆睡した」と☆1~2を付けそうだ。しかし私の評価基準は違う。メイン・サブを含めて男女問わずキャストに「華」があるか?誰が見ても分かりやすいストーリーになっているか?衣装や調度品、色合いなどに見所があるか?が高得点になる。この映画で言うと、上記3点を全て満たしていた。服装は17世紀当時に沿ってはいるものの、レースをあしらったものではなく、最近の三銃士みたいな、若者が見ても馴染みやすい系統(マスケティアーズとか、三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船みたいな)。他の三銃士物だと、アメリカ制作なら全て英語だけど、このドラマでは、フランスのシーンは勿論フランス語、バッキンガム公爵のイギリスのシーンではきちんと英語が使われている。主人公のダルタニアンはかなりエキゾチックなビジュアルで好みじゃないけど、他の登場人物に華があれば問題無し。ダルタニアンは風変わりなビジュアルだけど、明るく元気いっぱいな若者???でハマリ役なのでこれはこれで悪くない。他のメンバーのビジュアルは・・アトス・・〇2枚目設定ではないだろうが、顔は悪くない。アラミス・・〇2枚目系で若い感じ。ポルトス・・〇2枚目ではない。太って頭髪は薄いが、ポルトスのイメージに合っている。顔も悪くないと私は思う。リシュリュー枢機卿・・〇私は良く知らないが、チェッキー・カリョという有名な俳優が演じているらしい。若くは無いが、顔はいいと思う。ミレディ、コンスタンス・・〇ビジュアルバッチリ。アンヌ王妃・・〇どこかで見た事あるような・・ルイ13世・・〇2枚目ではないが、顔は悪くないと思う。アンヌ王妃とバッキンガム公爵の不倫に、病的な嫉妬を感じている。バッキンガム公爵・・〇若い2枚目。ジュサック・・〇枢機卿の護衛隊隊長。ロシュフォールは出てこない。話としては、1973年制作の「三銃士」と「四銃士」のストーリーを合体させ、そこに妖術設定を加えた感じ。首飾り~ミレディ処刑までが2時間程度にまとめられている。制作者は恐らく1973年版の上記作品が好きと思われる。物語全体に敬意を感じる。・「 三銃士 宿命の対決 」この映画の特徴・・1:初めて見た、ロシア制作の三銃士!勿論ロシア語。私は、「 三銃士 妖婦ミレディの陰謀 」とほぼどっこいどっこいの2位評価だけど、一般的には評価は割れると思われる。話としては、1973年制作の「三銃士」と「四銃士」のストーリーを合体させた、オーソドックスな作品。首飾り(このドラマでは胸飾り)~ミレディ処刑までが2時間程度にまとめられている。「 三銃士 妖婦ミレディの陰謀 」と同様、明るく楽しい作品に仕上がっている。2013年制作と、今まで見た三銃士の中で一番新しい作品と思われるが、衣装は昔ながらのレースの襟をあしらったクラシカルなタイプ。でもそこがいい!制作者は恐らく1973年版の上記作品が好きと思われる。物語全体に敬意を感じる。ただ、本来10話程度のテレビドラマを2時間程度にまとめたので、「端折っている」感じはある。それを嫌う人が観ると、「共感出来なくて、許せない!」「クソ映画で、爆睡した」と☆1~2を付けそうだ。しかし私の評価基準は違う。メイン・サブを含めて男女問わずキャストに「華」があるか?誰が見ても分かりやすいストーリーになっているか?衣装や調度品、色合いなどに見所があるか?が高得点になる。この映画は全て満たしていた。近年流行ってる?のか、主人公のダルタニアンはややエキゾチックなビジュアル。見る人によっては「濃い顔でハンサム」と思うのかもしれないが、私の好みではない。しかし明るく元気いっぱいな若者でハマリ役。他のメンバーのビジュアルは・・アトス・・〇2枚目じゃないか?アラミス・・〇若い2枚目。戦う様子も気取った感じが良く表現されている。ポルトス・・〇太っているが、ポルトスのイメージに合っている。顔も私は悪くないと思う。リシュリュー・・△特徴の無い顔。でも肖像画に似ている。ロシュフォール・・△眼帯はかけていない。頬に傷がある。ミレディ、コンスタンス・・〇ビジュアルばっちり。アンヌ王妃・・△エキゾチックな雰囲気が漂っている。ルイ13世・・◎今回一番「ツボ」だった。ナヨっとしてるけど好みの顔。ブロンドの長い髪に少し「縦ロール」が入った髪型。若くは無いが、「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」のルイ13世を40代位の年齢にした感じ。アンヌ王妃とバッキンガム公爵の不倫に、病的な嫉妬を感じている。バッキンガム公爵・・△若くもないし、特徴の無い顔。でも最期のシーンはさすがに泣ける。ウィンター卿・・〇バッキンガム公爵のビジュアルが残念だった代わりに、側近?のこの人は若い2枚目。・「 シルビアのいる街で 」初めて見る感覚の映画。この映画を観ていると、ストラスブールを観光している気分になる。実際に行ってみたくなる。ストラスブールは、ドイツとの国境に近いフランスの都市。夏のストラスブールの乾いたそよ風を、軽く揺れる髪の質感や木々のさざめき、水の音や虫の鳴き声、学生?がカフェで演奏するバイオリンの音色からも感じられる。画面に映る一人ひとりがそれぞれの事情を抱えた主人公。町行く人々は様々で、どこで何をしようが誰も気にとめない。日本人も気軽に一人旅が出来そうだ。ただ、日本人観光客は少なそうだから、言葉が分からないと道に迷った時に困りそうだ。皆、怪しげな黒人の物売りをサラリとかわしていたけど、日本人の私は同じ事を出来るだろうか?この主人公の男の人みたいにクラブで気軽に飲んだり、異性に話しかけたり出来るだろうか?うーん。難しそうだ。そこは西洋で生まれ育った人と日本人との違いか。それにしてもカフェで話す人達を見ていると、皆友達が沢山いていいなー。(←何言ってんだ?)人生を謳歌してそうだ。皆普段は何してるんだろう。それぞれの人生・生活が気になる映画だ。主人公の男性は、カフェで気になる綺麗な女性を見つけてはその動作や表情をじっと観察してスケッチしたり、探していた本命を見つけて跡をつけたりするけど、人によってはされたら気味が悪い行動も、ナチュラルで爽やかなイケメンがさり気なくやっているので爽やかに鑑賞出来る。尾行近すぎ!と思う所があった(その距離だと、ショーウィンドウのガラスに映った時にバレそう)が、やっぱり尾行に気付かれていた。尾行されるのが嫌であれば、「尾行に気付いて警戒しています」感をアピールするために、ちょくちょく振り返ればこの主人公であれば尾行をやめてくれそうだけどね。2007年制作の映画か。初公開が2007年だから、実際に撮影されたのは2006年夏か。あの会社に就職する直前のプラプラしていた頃だ。職務経歴もまだキレイで、28歳~29歳と若かった。この映画の主人公よりも3つ年下だ。スマホが普及する前であり、ポイントサイトにもハマっていた。この頃ブログを始め、散歩をしながら気に入った風景の写真を撮っていた。町を行き交う人達は今とほとんど変わりがないけど、もう10年以上経過しているのか。・「 さよなら子供たち 」ジュリアン・カンタン・・主人公。カトリックの学校に通う、裕福な家庭の少年。パリは空襲が激しくなってきたので、地方に学校を移し、親と離れて寄宿生活を送っている。ジャン・ボネ・・寄宿学校に転入してくる。ユダヤ人であることを隠している。1987年制作のフランス映画。第二次世界大戦中の、ドイツ占領下のフランスが舞台。確か90年代、高校生か大学生位の時にビデオレンタルして観た記憶が・・中学生~高校生の頃、「西洋の美少年」が出て来るものが好きで、「美少年」だかのタイトルが付いた本を購入したことがあった。そこに取り上げられていた映画の一つだ。主人公のジュリアンが気になってレンタルしたが、さっぱり気に入った記憶が無い。多分私に合わなかったと思われる。理由は、日本の子供とかけ離れた価値観が理解出来なかったから。昔は多くのアメリカ映画が嫌いだった。何故ゴールデンタイムに放送される作品のほとんどはアメリカ映画なのかと不満だった。アメリカ映画をいくらテレビで宣伝しても興味が湧かなかったのは、映画のタイトルをほとんど原題で表記していたから。何の映画なのか分かりにくく興味が湧かなかった。例えば、「トゥルーライズ」なんて原題の映画があってもいつの時代のどんな話なのか想像出来ない。邦題に変えた方がいい。原題と違いすぎると、外国人と映画の話をする時に困るというのであれば、邦題をメインに記載し、その下に副題として原題を掲載すればいい。そして、今ではほとんど見られないけど、90年代前半位までの現代を舞台にしたアメリカ映画というと、爆発シーンばかり。バイオレンス映画に興味が無い。アメリカはヨーロッパのような歴史も無いし。青春映画も高校が舞台のものばかり(中学校が出て来る映画はほとんど無いよね)。私が高校生の頃ですら、高校生に興味が無かったというのもあるが、ビバリーヒルズ高校白書や他のアメリカの高校が出て来る映画を見ても、日本と違いすぎて馴染めなかった。昔は欧米に比べて日本は性に対してかなり保守的だったので、アメリカ映画を観る度、「こんな裸同然の服装をして!」とか「大人しくしていれば優等生なのに、どうして悪い奴と付き合うのか?」と思うことが多かった。アメリカ映画に出て来る食べ物のシーンが美しくなかった影響か、未だに輸入食品は食べられない。もっとフランス映画が見たいと思い、毎日新聞のテレビ欄でフランス映画が無いかをチェックしていた。しかしやっと見つけたフランス映画にがっかりさせられることがほとんどだった。その理由は、「ソフィーマルソーの三銃士」のレビューにも書いたので確認してほしい。他に理由としては、90年代迄のフランス映画は、アメリカ映画以上にヌードシーンが多かった。アメリカ映画が保守的に見えてしまう位。「ベルサイユのばら」が私のイメージしているフランスだったが、真逆のものばかり映し出される。映画に出て来る子供も性的にませていて、日本人の私には理解が出来なかった。この「さよなら子供たち」も昔観た時に期待外れだった理由だと思われる。しかし2018年の今見ると、全く印象が異なる。この30年の間に、日本は性に対して随分オープンになった。元々少年・青年漫画や成人映画で性的なものは多くあったけど、現実の日本人は保守的だった。学生のスカートも長かったし、髪を茶髪に染めると「不良!」という風潮があった。しかしコギャルが流行った時代辺りから、女性の服装の露出度が上がった。同時に、アメリカを始めとした欧米が性的なもの、暴力的なものに対して規制が強くなった。現在ではむしろ日本の方が規制が緩い。だからだろうか?欧米の映画を観て「露出が多い云々・・」と思わなくなった。この「さよなら子供たち」を見ても全く違和感なく入っていける。第二次世界大戦中の、食料不足による栄養の偏り、物資不足による暖房の節約、日本でいえば「銭湯」のようなところに行って体を洗う(バスタブかシャワーの完全個室だけど)、空襲警報で防空壕に教科書を持ち込んでの授業など、ドイツ占領下の当時のフランスの様子が分かるようになっている。ルイ・マル監督の実話を基にした反戦映画らしい。この映画でも最後にユダヤ人の友達がドイツ軍に連行されるシーンがある。一人逃げた若い先生がいたけど、ユダヤ人だったのかな?ユダヤ人という感じは全くしなかったが。映画の終わりに、生徒を外に集合させ、他にユダヤ人が残っていないか探すシーンがある。ゲシュタポの将校が生徒の顔を一人一人確認しながらユダヤ人を探すシーンも、昔観て記憶していたものと若干違った。ユダヤ人をかくまい、貧しい人を思う心を教える学校。フランスは昔から平等な考え方が徹底してたんだな。・「 ヤング・ブラッド 」三銃士映画。この邦題で興行的に大損していると思う。何故この邦題?原題は三銃士になっているのに。この邦題では三銃士映画とは思わないから、多くの人に見てもらえないかもしれない。三銃士の好きな人が「三銃士」でネット検索しても引っかからないかも。三銃士をメインタイトルにして、「ヤング・ブラッド」は副題に留めておいた方がいい。1625年、ルイ13世統治下のフランス・パリが舞台。ダルタニアンが子供の頃、税金を取り立てに来た男共に両親を殺されたことによる復讐の物語。原作とは違うと思われる設定。しかし「復讐」と言っても、全体的には明るく派手なアクション映画。特徴としては、アンヌ王妃を始め、この映画に登場する女性たちは皆強い。そして子供や動物が大切にされている映画。三銃士映画は、作品によって、ダルタニアンが若い頃のルイ13世&リシュリュー時代のものと、三銃士は現役を引退しており、子供世代が活躍する1660年代、若き国王ルイ14世&マザラン(もしくはマザランも亡くなった後)の時代の作品がある。本作品は前者だ。17世紀フランスが舞台ではあるが、どことなく雰囲気が西部劇に似ている。長髪頭に帽子をかぶり、馬に跨って銃を放つ所とか、荒れた土地にぽつんと建つ居酒屋にいるゴロツキとのシーンとか。よく考えたら三銃士と西部劇は似ている。西部劇と三銃士の違いは、銃士隊の制服やサーベルで戦う所がある位か?原作に忠実でない三銃士や、画面の暗さを嫌う人が観ると、「共感出来なくて、許せない!」「クソ映画で、爆睡した」と☆1~2を付けそうだ。逆に凝ったアクション(ワイヤーアクションや、梯子の上など、不安定な足場での戦いなど)を好む人には向いているのかもしれない。、「画面の暗さ」については、明かりが「蝋燭」や「松明」、「暖炉」しか無かった時代の室内・夜の暗さをリアルに再現したと思われる。そしてこの映画、17世紀当時のパリの街の不衛生感と貧しい民衆の様子がやたらリアル。混沌とした時代だったのだろう。三銃士は作品によって、豪華で華やかな衣装・調度品を見せる作品と、治安が悪く不潔な当時のパリをリアルに描いた作品があるが、この映画は間違いなく後者だ。しかし私の映画の評価基準は、メイン・サブを含めて男女問わずキャストに「華」があるか?誰が見ても分かりやすいストーリーになっているか?衣装や調度品、色合いなどに見所があるか、なのでそこそこ楽しめる作品ではあった。登場人物のビジュアルについて・・ダルタニアン・・〇普通に若いイケメン。アトス・・△出番が少なく、他の三銃士物に比べると影が薄い。太っている。アラミス・・△若いがイケメンではない。短期で喧嘩っ早い。意外に動物に優しい。ポルトス・・〇体格が良く太っているが、アラミスとは対照的に落ち着いた性格。リシュリュー・・〇フェブル(ロシュフォールに相当)・・〇ティム・ロスという有名俳優が演じている。血も涙もない、リシュリューよりも極悪人の設定。次第に暴走し、親玉・リシュリューの手にも負えなくなる。フランチェスカ(コンスタンスに相当)・・〇ダルタニアンとのロマンス有。名前がコンスタンスではないのは、コンスタンスにすると、ハッピーエンドに出来ないからだろうか?アンヌ王妃・・〇カトリーヌ・ドヌーヴが演じている。1625年という時代設定から考えると、少々年行っている気はするが。ルイ13世・・〇可もなく不可もなく。若くないが、まあこんな感じでしょう。プランシェ(両親を殺されたダルタニアンの育ての親)・・〇トレヴィル銃士隊長・・〇特に特徴も無いけど、こんな感じでしょう。バッキンガム公爵・・〇若くも無いが、まあこんなもんでしょう。ミレディ相当の登場は無し。・「 レディ・ダルタニアン/新・三銃士 」「ヤング・ブラッド」は西部劇のような乾いた風景だったが、こちらは雪が降り積もるピレネー山脈の激戦地のシーンからスタート。このテレビドラマ?の売りは、1973年版三銃士でダルタニアンを演じた、マイケル・ヨークが主人公・ヴァレンタインの父親(ダルタニアン)役として出演していることと、マザラン枢機卿役にジェラール・ドパルデューが出演している点。ストーリーは父親のダルタニアンが銃士隊に入るために初めてパリに来た時のエピソードを謎っている。ダルタニアンと三銃士も彼らの娘・息子と合流、親子2世代で敵に立ち向かう。時は1660年。スペインとの戦争中。ルイ14世とマザラン枢機卿の時代。「ヤング・ブラッド」よりも35年後の時代が舞台。ヴァレンタイン・・〇ダルタニアンの娘。父親同様、銃士隊入隊を希望しパリに来たが、軽くあしらわれる。ルイ14世の婚約者である、スペイン王女を無事にフランスまで連れてきた功績で、晴れて銃士隊に入隊。ダルタニアン・・〇銃士隊は引退し、田舎で娘を鍛えながらのんびり生活していた。騒動に巻き込まれて娘と共に戦う。ガストン・・〇アトスの息子。明るく喧嘩っ早い。ヴァレンタインに気があるようだ。初めてヴァレンタインに会った時は、女と気が付かず決闘の約束をする。容姿は可もなく不可もなく。銃士隊が入りびたる、プランシェの居酒屋を爆破しようとしたビロワ達を偶然見かけて喧嘩を吹っ掛ける。おかげで店の爆破は免れた。エティエンヌ・・△アラミスの息子。イケメンではない。明るいお調子者で信心深いフリしてイカサマも大好き。容姿は可もなく不可もなく。アントワーヌ・・〇ポルトスの息子。体格がいい。エティエンヌよりは冷静な性格。マザラン枢機卿・・帳簿をちょろまかして懐を潤す。スペインとの戦争が長引く程、懐が潤う状況。レディ・ボルトン(ミレディに相当)・・役回りもミレディそのまま。ナスターシャ・キンスキーという有名女優が演じている。ビロワ(ロシュフォール相当)・・△何と言ったらいいのか、神秘的というか、かなりエキゾチックな風貌。まあ、ジョニー・デップが好きな人であれば、見ようによってはイケメンと言えるのかもしれない。かつては銃士隊を目指していたが、夢破れ、現在は枢機卿の護衛隊長をしている。ダルタニアンと銃士隊を恨んでいる。次第にマザランを裏切り暴走。マリア・テレサ・・〇スペイン王女で、ルイ14世の婚約者。割と強くて賢く良心的な性格。最終的に国王のハートをゲットする。ルイ14世・・〇初登場シーンがインディアン?のコスプレだったので、エキゾチックな風貌に見えた上、バカ殿?かと思ったが、話が進むうちにエキゾチックな風貌ではなく、普通のイケメンだったことが分かった。マリー・マンシーニ・・マザランの姪で、ルイ14世の愛人。スペインとの和平の為、スペイン王女と婚約することになった国王は、相思相愛ながらも別れを告げる。叔父のマザランの部屋の引き出しから、偶然ルイ14世を失脚させる手紙(レディ・ボルトンが、バッキンガム公爵の息子の屋敷から盗んだ絵画に隠されていた手紙で、ルイ14世はアンヌ王妃と父のバッキンガム公爵の子供であると仄めかす内容になっている)を目にし、それを国王に伝えようとした時にレディ・ボルトンによって殺害される。フィーノ司令官・・〇若者が集まる銃士隊をまとめる。モーリアック・・〇銃士隊の隊長。プランシェ・・居酒屋の主人。元ダルタニアンの小間使い?バッキンガム公爵の息子・・レディ・ボルトンに殺される。女性のヴァレンタインが主人公なので、コンスタンス相当の人物は出てこない。・「 三銃士(1948) 」現在、日本で観られる三銃士物の中では、最も古い作品。首飾り(この映画では12個のダイヤ)事件まではお馴染みなので分かるが、映画の後半はそれ以降の話だった。映画のオリジナルなのか原作にもある設定なのか分からない部分もあり、他の三銃士物に比べると内容の理解が難しかった。枢機卿の護衛隊に追われて馬を走らせるシーンにグランキャニオンみたいな場所が出て来る。まるで西部劇のようだ。フランスには無い風景だ。前半のダイヤを王妃の元に返す話は分かりやすいので説明は省くとして、分かりにくい後半の話の流れを以下にまとめる↓ダルタニャンがリシュリュー一味に連れ去られたコンスタンスを連れ戻すため、一味の一人ミレディに取り入ろうとするも失敗→肩に押された泥棒の「V」を観られたことで、ミレディはダルタニャンの命を狙う→王妃によって助け出されたコンスタンスは、彼女の計らいでイギリスのバッキンガム公爵の所に身を隠す→イギリスとフランスの戦争が勃発。イギリスがスペイン・オーストリアと同盟を結んだため戦況は不利な状況。→リシュリューは和平交渉のため、ミレディをバッキンガム公爵の所に差し向ける。しかし交渉が決裂した場合は公爵の暗殺も含んでいた。→偶然立ち聞きした三銃士はダルタニャンにも知らせる。ダルタニャンの小間使いであるプランシェを公爵の元に派遣し、ミレディに警戒するよう忠告させる。→プランシェが公爵に忠告するも、ミレディの方が早く到着していた。逆にプランシェが怪しまれるが、コンスタンスがプランシェをよく知っていた事で、ミレディが投獄される。→ミレディに顔を見られたコンスタンス。ダルタニャンへの復習を誓う彼女は、彼が最も愛するコンスタンスの命を奪う作戦に出る。→病気のふりをする。医者に見せようと促すコンスタンスに、肩に押された泥棒の刻印を見せ、これを見られたら即刻絞首刑になると伝える。イギリス人に殺されるくらいなら、いっそのことナイフで命を絶ちたいと訴える。(余談だが、ミレディのいる牢屋を見張っているイギリス軍の若い兵士がイケメン。ミレディが病気で苦しんでいると思い、医者に見せるようコンスタンスに訴える)→ミレディにナイフを持ってきたコンスタンスと若い兵士、そしてバッキンガム公爵が殺される。フランスに戻ったプランシェによって、コンスタンスが公爵の所にいると知らされたダルタニャンとアトスが助けに来ていたが、一歩遅く救うことが出来ず。→貴族だったアトスのかつての領地に身を隠していたミレディを捕らえ処刑。→許可なくミレディを殺害した罪を問おうとするリシュリュー枢機卿。ところが、バッキンガム公爵暗殺の罪を問わない約束をするため、事前にミレディに渡していた署名が三銃士の手に渡っていた。逆に自身の立場が危なくなったリシュリューは態度を軟化し、三銃士は罪に問われず。登場人物紹介↓ダルタニャン・・〇ジーン・ケリーという、有名な俳優が「初々しいダルタニャン」演じている。名前は聞いたことある。ダンサーでもあるらしい。派手な剣術アクションをスタント無しでやっている。父からもらった、ヨタヨタした黄色い馬が可愛い(皆に笑われるけど)。宿の娘で、王妃の侍女でもあるコンスタンスに惚れる。彼女が枢機卿一味に連れ去られたことで、居場所の分からない彼女を救うためミレディに取り入る。しかし、ダルタニャンが一時ミレディに本気で惚れているように思えるシーンがあった。たまたまダルタニャンが彼女が惚れているワーデス伯爵に化けていた事がバレたために逆上されて目を覚ましたが。実際の所どうだったのだろう。もし「ダルタニャン愛してるわ」とでも言おうものなら、「コンスタンス、裏切ってごめんなさい」と言いかねない雰囲気だった。ラナ・ターナーは当時大女優だったらしいから、彼女を持ち上げるシーンが必要だったのかもしれない。アトス・・〇2枚目俳優。酒飲み。ミレディの元夫。ミレディをまだ愛していつつも自ら処刑人に引き渡す。ポルトス・・〇2枚目俳優。後半は出番が少なかった。アラミス・・△彼だけイケメン系ではない。しかし逆に言えば、ポルトスが他のイケメンと容姿が被りがちだったのに引き換え、他のメンバーと見分けが付きやすい点は良かったか。リシュリュー枢機卿・・〇1973年版と並び、若くは無いが、二枚目で長身の俳優が演じている。多分有名な人。国王を追い落とそうと目論む。ミレディー(ウィンター伯爵夫人)△ラナ・ターナーという有名女優が演じている。クレジットもダルタニャンを抑えてトップ。演技がどうというよりも、メイクや髪型・服装に17世紀らしさが感じられない。ワーデス伯爵に惚れているという設定だが、これは原作にもあるのだろうか?映画の後半、枢機卿がダルタニャンの腕を見込んで護衛隊に引き入れるため、ミレディはダルタニャンと親しくなる。女性はミレディも含めて他のどの三銃士物よりもか弱く感じる。コンスタンス・・△綺麗な女優なので、本来は「〇」にすべきだろうが、風と共に去りぬのような雰囲気で、ミレディーと同じく17世紀らしさが感じられない。彼女が王妃に無事ダイヤを渡したため、王妃失脚というリシュリューの目論見は失敗、彼女はどこかに連れ去られてしまう。その後、王妃によって助け出されるが、自宅にいると危険なのでバッキンガム公爵のいるイギリスに身を隠すことになる。しかしミレディに居場所がバレて殺される。優しい性格。バッキンガム公爵・・△フランス王妃を「お前」呼びとは。他の三銃士物では見られない横柄さが垣間見える。有名な2枚目俳優で長身だが中年。王妃が若いので、その年齢差故のものか。制作された時代(1948年)の男女間の地位の差も背景にありそうだ(英語は「お前」も「あなた」も同じ「YOU」だから、単に翻訳者の価値観の問題か?)。ルイ13世・・×アチャ~って感じ。枢機卿にしてやられている。威厳が全く感じられない。今まで見たどの三銃士映画のルイ13世よりも気が弱くて情けない。何も言い返せないから、踏ん反り返った枢機卿にバカにされている。容姿も印象が薄く、枢機卿にボロ負け。アンヌ王妃(アメリカ映画なので「アン」と呼ばれていた)・・△美人。国王よりはしっかりしているが、それでも立場は弱い。キティ・・×ミレディの屋敷の小間使い。ダルタニャンはコンスタンスの居所を突き止めるため、彼女とも親しくなる。しかし当時の女性観なのか、ダルタニャンに好かれるため、彼の言う通りミレディに嘘を付くが、バレたら私はどうなるの?という不安と焦りから、頭が混乱してちょくちょく泣き喚いたり叫んだりしてうるさい。トレビユ・・〇銃士隊隊長。ジュサック・・〇枢機卿の護衛隊隊長。次に☆3.2の作品のレビュー!といっても1作品のみ。・「 ソフィー・マルソーの 三銃士 」多分、90年代、高校生か大学生の時にビデオレンタルで観たと思う。その時の記憶では、船の中で男装したソフィーマルソーの胸ポロリがあって自分には合わないと感じていたと思ったが、確かに胸ポロリシーンがいくつかあるも、船の中でのそんなシーンは無かった。昔観た映画は、頭に残っている記憶と実際が違うことが多い。1994年の映画だが、画質が最悪!1948年制作の三銃士よりも画質が悪い。多分演出ではなく、昔にVHSでレンタルされていたものをそのままDVDに焼き直したためと思われる。ネットで画質が改善されたバージョンも出ていると目にしたが、少なくとも私がTSUTAYAでレンタルしたものは画質が悪いままだ。ビデオテープで出ていた頃はこんな画質ではなかったはずだ。常に逆光から撮影している感じで、夜間のシーンと室内がまともに見えない。各登場人物の顔や室内の調度品が判別しにくい。昼間のシーンでようやく登場人物の顔や服装が見えるようになっても、画質が悪いので、肌の色が悪い。しかし不衛生な当時のパリの感じは、最悪な画質でも伝わった。では登場人物を見ていこう。エロイーズ・・この物語の主人公で、ダルタニアンの娘でかなりのお転婆。修道院に預けられていたが、修道院に逃げ込んだ黒人を、院長がかくまったことで修道院が襲撃され、院長が殺害された。敵を取るため父を頼ってパリに来る。父親の血を受け継いでいるのか、父親顔負けの剣の腕前。カンタン・・主人公エロイーズの一応「相手役」の男で詩人。物凄く言いたい。ベテラン俳優が脇を固めるのはいいけど、若者は無名の新人でもいいから、もう少し「一般受けする」容姿の人を起用してほしい。別に不細工とかではないけど、この俳優は小柄で、外見も「カッコいい」と思える要素を見出すのが難しかった。この映画に「ルイ14世」も登場するが、メイン人物ではないので演技が多少棒でも問題がなく、この人物こそ「イケメン」の使いどころだったのに、何故小柄で太った俳優を起用する?ダルタニアン・アトス・ポルトス・アラミスは現役の頃であれば、もしかしたら容姿も良かったかもしれないけど、どうしても年をとっているから、彼らから「視覚的」な満足は得にくい。この映画の画質が最悪で外見の良し悪しすら見えづらくて分からなかったというのもあるが。私の評価が少々低くなった原因の1つ。昔から思っていたが、フランスは「海外への売出し」に興味がないのか。というか男優の「アイドル性」に全く関心を払っていない気がする。アメリカは勿論のこと、イタリアやスペイン、日本だって集客の手段として、或は海外に輸出する際の「海外から見た、自国のイメージ」を意識し、使用する俳優はある程度「万人受け」する人を採用している。フランスは「男は中身」という考え方なのか、制作側が「わざと」万人受けしない外見の俳優を使っているような気がする。一方で女性や子供は昔から万人受けする役者を採用している。男性の好みだけ反映されて、女性の意見は置いてきぼり・・「ソフィー・マルソーは日本の女性にも人気があるから問題ない」とでも考えているのか。確かに長身でこの映画のような男装も様になる。彼女が出演すると、ストーリーが分かりやすくなると思うが、私は女性なので、いくら女優だけ「万人受けする」人を使っても、その映画に対する楽しみは激減。90年代までのフランス映画・ドラマに出て来る男優は、有名なベテランなんだろうが、万人受けとは程遠い容姿の俳優ばかりだった。(例:「ラ・ブーム」のお父さん役や「ソフィーマルソーの三銃士」の父親でありダルタニャン役の俳優etc・・多数。2000年代以降も、映画「17歳」の父親役、「サラの鍵」の夫役、「プチ二コラ」のお父さん役、「天国でまた会おう」の主人公(おっさんの方)etc・・結構いる。)「イケメン設定」の俳優でも、万人受けするタイプはほとんど出てこなかった(例:ヴァンサン・ペレーズ、ジャン=ユーグ=アングラードなど)。(※「アラン・ドロン」は「たまたま」女性にも受ける容姿だっただけ)過去の戦争が関係してるのだろうか。映画が戦争の合間の兵士を楽しませる「娯楽」であったならば、美女と万人受けには程遠い俳優とのロマンス映画がウケる流れになっても不思議ではない。戦場で戦わない女性を楽しませる必要性は無いとの考えだったのだろう。ヨーロッパの戦場から離れたアメリカやヨーロッパでも島国のイギリスでは俳優の「アイドル性」や女性客に受ける俳優を出せば儲かると考える余裕が大陸よりかはあったのかもしれない。まあ外見を問わないお国柄だからこそ、国の為に命を懸けて戦う三銃士のような王室銃士隊が生まれたのだろうが。フランスはせっかく世界中から憧れられる国なのに、対外政策で損していると思う。2000年以降、ブノワ・マジメルが出てきた辺りから良くなってきたと思うので今更だが(今ではギャスパーウリエル、最近は見ないがエルンスト・ウンハウアー、ピエール・ニネ、ラファエル・ペルソナetcイケメン俳優が多数)、90年代までのフランス制作の映画・ドラマの多くが、海外から見たフランスのイメージがマイナスになる要素てんこ盛りになっていたので書いた。その損失は数千兆円規模になるのでは?映画・ドラマの俳優は、輸出した際、その国をイメージする「顔」になるので、本当に注意を払ってほしい。話が変わるが、2000年前半以降、フランスは不当にネガティブキャンペーンの標的にされていたように思う。(実際は1991年、フランスの首相だったあの人の発言以降だと思うが。あくまでフランスの1政治家の発言なのに、どうして日本人は「全フランス人の考え」と取るのか・・)ネガキャンの1例としては、ベルばら時代のフランスではトイレが無く、部屋の隅で用を足していただの、汚物を窓から投げていただの・・こういう話は、ある程度フランスに興味がある人が本などで調べて得るべき内容だと思う。それを日本のテレビ番組が、不特定多数の視聴者に向けて情報発信した。当時のヨーロッパの衛生状況は他の国も大して変わらないだろう。何故フランスだけこんな悪目立ちするように言うのか?バカの一つ覚えのようなネガキャン情報としては、他にも「フランス人は英語を知っているのに、観光客から英語で道を聞かれても答えない。」「観光客に冷たい」などもある。観光客がその国の言葉を話すようにしろよ。たまたま観光先で期待していた親切を受けられなかっただけで、フランス人=冷たいと決めつけ、ちょっと旅先で嫌な事があっただけで、フランスそのものが嫌い=もう二度と行かないとなってネット上に悪口を振りまく人が多すぎる。何故文化・考え方が違う国で日本にいる時と同じ対応を期待するのか?日本人はバカみたいな悪い噂に流されすぎる。ネガティブキャンペーンも自分で良し悪しを判断せず、簡単に信じて批判する人が多すぎる。17~18世紀ヨーロッパは「近世」なのに「中世ヨーロッパ」勘違いしている連中が大勢いる一方で、フランスに関するネガティブ情報だけは良く知っている。学校で教える地理文化・世界史が、フランスのイメージが下がるように作られていないか?教育関係者にフランス嫌いがかなり潜んでいて、フランスを「落とす30年計画」が功を奏してしまっているのではないか?話が脱線しすぎた・・登場人物紹介の続きを行こう。ダルタニアン・・フィリップ・ノワレという有名俳優が演じている。アトス・・当初、片目男として、マザラン側に登場したので、ロシュフォール相当だと思ったがアトスだった。もう少し若かったらカッコ良かった?ポルトス・・食べることが好きなムードメーカー。若い時の顔を見てみたい。アラミス・・気取り屋で上品な役どころだった。画像が悪いから何とも言えないが、外見は多分私の好みではない。プランシェ・・ダルタニアンの小間使い?食料品店主?クラサック公爵(クロヴィス)・・密輸による利益と、国王の暗殺を目論む。エグランティーヌ・・公爵の手先。赤いドレスを着ている。修道院にいたが、司祭を誘惑した疑いで追放された過去がある。テュレンヌ将軍ルイ14世マザラン・・ネタバレになっちゃうけど、この映画では良い人だった。散々書いたけど、評価を☆3.2にした理由は、話自体は比較的分かりやすく面白く作られていたと思うし、「画質」が良ければ、良い点も目に入り(国王に対して陰謀を企てる貴族たちの衣装も、画質が良ければ綺麗だったと思われるので)、もう少し評価が上がったかもしれないから。とは言え、やはり画質の悪さが気になる。華のあるイケメン俳優がいないのもね。書き忘れたけど、オープニングとエンディングの演出はおしゃれだと思った。次に☆3の作品のレビュー!といってもこちらも1作品のみ。・「 赤の銃士 狙われた王位とルイ14世の陰謀 」17世紀が舞台のスペイン映画。邦題が紛らわしいが、三銃士映画ではないです(時代は被っている)。しかしこの邦題にして正解だと思う。原題は英語読みだと「レッドイーグル(赤い鷲)」。これだと時代背景やストーリーが日本人には想像出来ないので。スペインの人気テレビドラマの映画化らしく、ドラマを見た人でないと登場人物の人間関係が分かりにくい。私も当然ドラマは知らない。だからレビューも☆3。しかしスペイン人の好みはアメリカ人と似ているのか、「万人受け」の重要性は認識しており、「こういう俳優を採用すれば観てもらえるだろう」というのはしっかりおさえたキャスティングになっている。主人公を始め、顔や外見に華がある俳優が多数出演するので(日本ではほとんど知られていないが)、日本人にも取っつきやすいと思われる。登場人物は以下の通り↓ゴンザロ・・主人公で、赤の銃士。忍者みたいに覆面で顔を隠し、刀で悪と戦う。映画では説明が無かったので経緯は不明。普段は教師をしているらしい。息子がケガしたのは自分のせいだと思い、赤の銃士を辞める事を決意。刀を湖に沈める。しかし金髪の女によって、フランス・イギリス軍が街に向かっているとの情報と、彼女の父親が投獄されている牢に国王もいると聞かされたゴンザロは、彼女の父親と国王救出に向かう。アロンソ・・ゴンザロの息子。赤の銃士のファンだが、その正体が父であることを知らない。赤の銃士を助けようとして、敵のマスケット銃の火薬が顔にかかり失明の危機に。金髪の女・・行方不明の父が投獄されている牢獄の場所の書かれた地図を持っているため、警備隊長らに命を狙われる。助けてもらったゴンザロの腕を見込み、一緒に父を助けてくれるよう頼む。投獄されている男・・金髪の女の父親。使節としてフランス王宮を訪問した際、偶然スペイン王暗殺計画を知ってしまう。その為、捕らえられ投獄されていた。マルガリータ・・赤の銃士の妹?歌が上手く、偶然見かけたルイ14世に褒められ、会議の食事の席で歌うことに。ベネロペ・クルスの妹だとネットのどこかで見かけた。ホアンと相思相愛?ホアン・・民衆と仲の良い貴族。陰謀に対抗し、スペインを守るため、街の男から兵を募り指揮を執る。サトゥール・・主人公の小間使いでやさしいが小心者。赤の銃士の正体を知っている。フェリペ4世・・スペイン国王。スペインの枢機卿・・国王暗殺の陰謀に手を貸す。ルクレシア侯爵夫人・・息子を人質に取られ、自身が提供する、国王が食べる魚に毒を盛る。性格キツそう。警備隊長の愛人。警備隊長・・スペインの枢機卿の手下。ルクレシア夫人がフランスの銃士隊長に脅されていることを知る。彼女の息子を取り戻すために、本来は寝室で「亡くなっている」はずだった国王を隠し、国王を人質に彼女の息子を救出。ヌーニョサンティラーナ侯爵・・上記夫人の息子。人質にされ、井戸の底に拘束される。クロード・アシュロン・・フランスの銃士隊隊長。ルイ14世の命で、スペイン王暗殺の指揮を執る。アントニート・・サトゥールの幼馴染?フランスにいたらしく、「ワタシハ、アントワン。フランス人デス」と名乗るフランスかぶれ。最期はスペイン人として仲間と共に戦う。司祭もどき・・本当はパン屋。町長夫人に手を出したため、司祭に化けて逃げていた。住民に捕まってリンチを受けている所をローマ法王に助けてもらう。逃げようとしたのに、法王から一緒に会議に同行するよう言われ付き合う羽目に。何度も逃げようとするも、宿泊先で今度はサトゥールに捕まり、付き合わされる羽目に。本人は小心者で役に立たない。お色気担当????ルイ14世・・フランスの若き国王。クサヴィエ・ラフィットという、フランスの俳優が演じている。現代のストラスブールが舞台の映画「 シルヴィアのいる街で 」で主演していた、ナチュラルなイケメンだ。カツラは黒ではなく、もう少し明るい色の方が、この人の良さが生かされたと思う。ストーリーは書かなくても、登場人物紹介欄を読んでもらえれば何となく分かると思われる。一応少しだけ・・スペイン王宮で、フランス国王ルイ14世、イギリス国王ジョージ2世、ローマ法王、ポルトガル国王??を招き、国際平和会議が開かれることになった。しかし水面下でフランス・イギリス・スペインの枢機卿が手を組んで、国王暗殺を目論んでいた。(スペインの領土が狙い)陰謀によって、本来であれば住民を守ってくれるはずのスペイン兵士もどこかへ行ってしまいもぬけの殻。フランス・イギリスの軍隊がポルトガル方面からやってくる。やむなく戦い方も知らず、武器も持たない町民が国と家族を守るために立ち上がる!レビュー・・貴族・軍人以外の一般民衆は、優しいが弱いし役に立たない。お金も権力も無い町民は、子供が失明の危機にあっても励ますことしか出来ない。いざフランス・イギリス軍に対面する段になると怖気づいてしまう。これがフランスの民衆であれば、愛国心で自己を犠牲にしてでも進んで戦うだろう。ネタバレになるが、ゴンザロの息子は視力が戻って良かった。おそらく通常のドラマは明るいストーリーと思われる。映画制作にあたってシリアス(失明の危機・国の危機)な展開を盛り込んだと思われるが、最終的にはハッピーエンドで終わる。
2018.04.27
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今年の1月~3月頭までに観た映画の個人ランキングは以下の通り。前回までに☆3と☆4、そして☆4.5の評価をした映画のレビューを書いてきた。今回は☆5をつけた映画「 アマデウス 」のレビューを書く。まずはランキングのおさらい。アマデウス>>>ある公爵夫人の生涯>クロムウェル(1970年)>>>マリー・アントワネットの首飾り=仮面の男(1998年)=モリエール 恋こそ喜劇=ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路=君の名は>危険なプロット=危険な関係>ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い=宮廷画家ゴヤは見た>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>花咲ける騎士道☆5:アマデウス☆4.5:ある公爵夫人の生涯、クロムウェル(1970年)☆4:マリー・アントワネットの首飾り 、仮面の男(1998年)、モリエール 恋こそ喜劇 、ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路、君の名は、危険なプロット、危険な関係、ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い、宮廷画家ゴヤは見た☆3:花咲ける騎士道・「 アマデウス ディレクターズカット版 」やっと最高評価☆5を付けた「アマデウス」のレビュー。前回から随分と日が空いてしまった。視聴したのは、前の仕事を辞めてプラプラしていた極寒の頃の1月上旬~月末。何でこんなに間が空いてしまったか。記憶が薄れるので、本当はDVDを返却する前に映像を見ながらレビューを書きたかったが、その後も2月は主に18世紀ヨーロッパが舞台の映画を、3月~4月は三銃士関連の映画を借りて観まくっていたので書く時間が無かった。しかし先に三銃士映画のレビューを書いてしまい、それを掲載する前にどうしてもこちらを書き終える必要があった。一番評価の高い映画なのに何故こんなに書き渋っていたか・・登場人物の画像も掲載するつもりだったので、それを考えようとするとうまくまとまらず後回しになってしまった。映画自体は中学生位の時にテレビで放送されていたのを見たことがあった。当時(1991年)はモーツァルトが亡くなって200周年だったからか、モーツァルトが盛り上がっていたように思う。当時の私は「カッコいいモーツァルト」を期待していた。そういう理由で当時はそれほどこの作品は気に入っていなかった。モーツァルトを見るのが目的だったので、皇帝も記憶に無かったし、サリエリは名前しか記憶に無かった。何か別映画のモーツァルトの方が顔が良かったように思うが、その映画だかドラマだかのタイトルが思い出せない。アマデウスと同時期に西ドイツで制作された映画「くたばれアマデウス!」かと思っていたが、それも違ったようだ。私の記憶の中では、カツラのモーツァルトが遊び仲間と裸でグラヴサンを弾いている姿があったが、そんなシーンは見当たらない。私の記憶違いだろうか?私が知る限り、一番ビジュアルがイメージに合っているモーツァルトは以下のドイツ制作のドラマだ。放蕩児・モーツァルトの感じが良く出ている。↓その1その2その3上記ドラマに出て来るヨーゼフ2世は似てないけど次点かな(一番は「 アマデウス 」)。他のドラマでは、「この肖像画のヨーゼフ2世で、このキャスティング?」と思うようなオッサン俳優が演じていたりする。モーツァルトの父・レオポルドは、「 アマデウス 」と、少し前にレビューを書いた「 ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路 」がイメージに合っている。今年に入って、この映画のヨーゼフ2世が肖像画にそっくりであることをネットで知り、DVDレンタルした。借りたのはディレクターズカット版。劇場版はDVDをひっくり返さないといけないらしく、それが自分のPCで再生出来るものか不安だったのでディレクターズカット版にしたが、意味を分かっていなかった。公開当時、「このシーンは無くていいだろう」とカットされた部分が、20年の時を経て日の目を見ることになったのがディレクターズカット版だ。何がカットされていたかというと、コンスタンツェの上半身ヌードであったり、沢山の犬を飼っている金持ちの家のシーン、楽屋のシーン等だ。幸いなことに皇帝の登場シーンでカットされたものは無かった。高評価の一番の理由は、今年に入ってからヨーゼフ2世(マリー・アントワネットのお兄さんでオーストリア皇帝)が気になっているから。この映画のヨーゼフ2世の顔と外見がえらい好みなんだが・・演じているジェフリー・ジョーンズは、今年69歳になるうちの親父よりも3学年も年上だった!1984年の作品だから、プラハで撮影されたのは1983年頃か。今年41歳になる私が幼稚園児の頃じゃん。何でこんなに年が離れているのだろう。サリエリが作曲した、宮廷音楽家としてのモーツァルトを歓迎するための「歓迎のマーチ」を、皇帝自らが演奏。この映画での彼は音楽的才能は無いようだ。「後宮からの逃走」の上演場面。この皇帝と、18世紀ヨーロッパ上流階級のカツラ・衣装があってこその高評価!(この時代のカツラを「変なカツラ」とか「カツラがキモい」と言ったり、「カツラを被らない方がいい」と考えていたり、近世であるこの時代を「中世ヨーロッパ」と言っている人とは合わないので話したくない。「この時代が退屈で苦手」と思っている人も理解出来ない)逆にナポレオンの時代の衣装が地味で好きではないわけだが。上記の私の好みが全て反映された作品だったことを踏まえた上で、高評価を付けたその他の理由として、登場人物の人間模様が日本の会社のそれに似ているからだ。日本人にとって非常に入りやすい作品だ。私に限らず多くの日本人が思った事だろう。ストーリーを簡単に・・19世紀初頭(1823年)、真冬のウィーン。ある屋敷で老人(老サリエリ)が自殺未遂を起こすところで物語が始まる。冒頭から「モーツァルトの交響曲第25番」が流れ、インパクトバッチリ。ココをクリックすると、曲が聞けます。翌日、老人は「狂人」として精神病院に収容される。自殺未遂をした際、「自分がモーツァルトを殺した」と叫んでいたため、何か懺悔することがあるだろうと若い神父が老サリエリの元を訪ねる。老サリエリはモーツァルトのことを語りながら、過ぎ去った18世紀を回想する。サリエリの少年時代は音楽とは無縁だった。イタリアで家業をしていた父親は音楽には無理解。ヨーロッパを家族で音楽演奏しながら周る、モーツァルト一家を羨ましく思っていた。モーツァルト少年はサリエリにとって憧れの存在だった。時は流れ、縁あって宮廷音楽家として、ヨーゼフ2世皇帝の音楽教師も務めるようになったサリエリ。順風満帆に思われた。当時、オーストリアの宮廷オペラは、イタリア語が大活躍。音楽家もサリエリ・ローゼンベルク・ボンノを始め、イタリア人が幅を利かせていた。しかし多くのイタリア人を囲うとお金がかかる。「国民の為にドイツ語でオペラを上演したい」と考える皇帝の思いから、ドイツ人の才能あるモーツァルトが宮廷音楽家として大抜擢された。イタリア人音楽家達が警戒するのは当然だ。今まで甘い汁を吸ってきたのに立場を追われるかもしれない。余談だが、この映画に登場するイタリア出身の音楽家(サリエリ・ローゼンベルク・ボンノ)は、本国イタリアではかなり真面目な方だと思われる。モーツァルトは周囲の嫉妬に対して無警戒過ぎたのか、「出る杭は打たれる」羽目になる。↓以下のように例えると分かりやすいだろう ※日本の会社に例えただけなので本気にしないで下さい。ヨーゼフ2世・・父から会社を引き継いだ若手社長。新しい考えや空気を積極的に取り入れていこうと意欲満々。宮廷音楽家のサリエリ・・売上No1のデキル営業マン。若手にして大昇進を果たす。周囲に気を使うことも上手でここまでのし上がってきた。モーツァルトの登場で自身が苦労して築き上げてきた立場を追われるのではないかと恐れ、彼に嫉妬をするも、一方で自分には思いつかない自由な発想が出来る彼を内心では評価している。ヴォルフガング=アマデウス・モーツァルト・・才能を見込まれ、ヘッドハンティングされた若者。やる気と自信に満ち溢れている。しかしその自信の高さからか失言が多く敵を作ってしまう。左・・劇場監督のローゼンベルク伯爵、右・・宮廷楽長のボンノ劇場監督のローゼンベルク伯爵・・父の代からの役員で、能力もあるが、それ以上におべんちゃらでここまでのし上がってきた。考えが古く、新しいものや自身の理解出来ないものを受け入れられない頭の固い人物。態度のデカイモーツァルトが気に入らない宮廷楽長のボンノ・・ローゼンベルクといつも行動を共にする役員で、社長へのごますりで甘い汁をすする。新しいものを受け入れるのに抵抗があるものの、ローゼンベルク伯爵とは違いおっとりした性格。スヴィーテン男爵・・役員。能力のあるものは年齢関係無く評価する。モーツァルトの能力を認め、管理職と大きなプロジェクトに大抜擢。好人物だが、品性を重んじるせいか、少々お堅い。宮内長官のフォン・ストラック伯爵(皇帝の隣にいるハゲたカツラの人)・・役員。新しい考え方を取り入れることも必要だと考える中立的な立場だが、優しい人物というわけではない。その他の登場人物・・オペラ女優のカヴァリエリ・・モーツァルトに惚れるも、コンスタンツェと結婚すると知り、モーツァルトをぶん殴る。コンスタンツェ。堀ちえみに似ていると思う。・・モーツァルトの若妻。モーツァルトの評判を上げる手助けをしたいと思っている。モーツァルトの父・レオポルド初登場シーン。怖い・・これが後の話に繋がってくる。後ろの青い服の男は、遊び仲間のシカネーダー。落ちぶれたモーツァルトに、大衆オペラの作曲(魔笛など)を依頼。他にメイドのロールという少女も出て来るが、あんま興味無いので写真無し。折角サリエリがモーツァルトのために作った「歓迎のマーチ」を、モーツァルトが上手にアレンジして皆の前で披露。皇帝や他の音楽関係者たちの前で恥をかかされた上、好意を抱いていたオペラ女優まで取られる始末。サリエリの嫉妬は最高潮に達する。それにしても、サリエリの世渡りのうまさに関心する。自分の不利にならないよう常に計算して振る舞う。例えば、モーツァルトには理解のある優しい人物であるように見せかけ、一方ではモーツァルトの活躍を阻むネガティブキャンペーンを展開する。例えば、皇帝が姪のエリザヴェートの音楽教師にモーツァルトを雇い入れたいと考えていたが、「えこひいきと思われるので慎重に」と釘を刺す。言われた皇帝は、モーツァルトを雇うことを前提にしつつも形ばかりの「審査」を行う。大人しく従っていたら音楽教師になれただろうに、サリエリの読み通り「自分を雇うのが当然だ。審査なんてばからしい」と反発するモーツァルト。結局審査をボイコット。皇帝直々の音楽教師であるサリエリは、皇帝と朝食を共にする程の間柄。モーツァルトはどうか?と聞かれて、「同じ音楽家の悪口は言いたくないです」と前置きをしつつも、彼は教え子にハレンチな事をするので、若い女性と二人きりにしない方がいいと皇帝に告げ口。この作戦が功を奏し、モーツァルトは皇族の音楽教師の座に就くことは出来なかった。サリエリの復讐は止まらない。モーツァルトの浪費癖に付け込み、メイドを雇う余裕のないモーツァルト夫妻の元に、メイドという名の「偵察」を送り込む。モーツァルトの行動を観察し、弱点を握るためだ。天才だが、大雑把な性格のモーツァルト夫妻は、「モーツァルトのファンが給料を支払うから」とやってきたメイドを、何の疑いも無く歓迎する。このメイドからの情報で、モーツァルトがオーストリアで上演が禁止されている「フィガロの結婚」のオペラを書いていることが明らかになる。皇帝を始め、音楽関係者から問い詰められるモーツァルト(メイドが密告したと考えない当たりが、天才ゆえの隙有状態)。それでもモーツァルトの熱弁で皇帝を説得、どうにか公演に漕ぎつける。懲りないサリエリは、皇帝がオペラにバレエを入れることを禁じていることを利用し、分かりやすくモーツァルトを嫌うローゼンベルクを上手くけしかけ、自らの手を汚さずに制作を妨害。バレエのシーンに音楽を入れることが出来なくなった。しかし前例のないフィガロの結婚の上演に、上手く行くか心配した皇帝がリハーサルを観に来た。皇帝が、フィガロの結婚のバレエのシーンだけ不自然に音楽無しなのを見て、「サリエリどう思う?」と問いかける。⇒「私がどう思うかよりも、陛下のご意思です」と答える。うまいな。自分がモーツァルトを陥れていることを本人や周囲に悟られないための言葉運びも完璧だ。結局バレエのシーンも曲を付けることが出来るようになった。しかし、サリエリの「悪運」が強かったのか、せっかく皇帝が才能ある若者の能力を潰さないようにと、「フィガロの結婚」の上演許可を出したものの上映時間が長く、皇帝やその他多くの聴衆の好みに合わなかった。サリエリの圧力で、上演は9回で打ち切りに。何故「フィガロの結婚」がたった9回の公演で打ち切りに?とサリエリに問いかけるモーツァルト⇒「陛下に限って言えば長すぎたのだよ」と答える。自身がモーツァルトを非難していると悟られないよう、直接的な回答は避ける。しかしモーツァルトは「あなた(サリエリ)はフィガロの結婚を観てどう思ったか?」と問いかける。⇒サリエリは真剣な顔になり「見事だった」と答える。これは本音だ。サリエリの暗躍があるものの、モーツァルトは自爆していく。まだまだサリエリの復習は続く・・ここまで書くと、サリエリはかなりの悪人みたいだし、実際悪人と言えるだろうが、モーツァルトの活躍を妨害しつつも、彼の才能に興味津々なサリエリは、自分の手で打ち切りにした作品も、全ての回をこっそり観に行っていた。メイドを使った偵察も妨害が第一の目的ではあったが、同時にモーツァルトのことをもっと知りたいという思いからでもあった。そんなある日、モーツァルトの父・レオポルドが亡くなる。直後に上演された「ドン・ジョヴァンニ」で、サリエリは天才・モーツァルトの決定的な弱点を知ることとなる。モーツァルトは父を恐れていた。自由を愛するモーツァルトは父親を愛してはいるものの、模範的な生き方を押し付け、「自分の教育があってこその才能」とばかりに恩を着せる父の存在が重しになっていた。亡くなった今も彼の中で父による精神支配が続いていた。あの仮面パーティーの日に偶然見かけたモーツァルト父子の姿に着想を得て、サリエリ最大の復習が始まる。1791年、モーツァルトは謎の死を遂げた。老サリエリの回想が終わった。彼はモーツァルトの死から32年経った今も、自身の犯した罪に苦しんでいたのだ。自分の曲を愛してくれたヨーゼフ2世は既にこの世にいない(1790年病死)。あの頃有名だったサリエリは、どんどん人々から忘れられていき、今では彼の曲を知る者は誰もいない。しかしモーツァルトは今でも人々の心の中で生き続け、曲が語り継がれている。最期に・・モーツァルトがもう少し謙虚で金銭感覚もまともであれば、この映画の結末にならなかったかもしれない。モーツァルトは、サリエリも自分のことを嫌っていると分かっていたが、「嫉妬する」という感覚を持ったことがないせいか、裏で暗躍する陰謀に気付けなかった。世渡りが上手いに越したことはない(私が言うか?という感じだが)。そうすれば死ぬまで「いい生活」が保障されるからだ。皇族の音楽教師の審査や、犬好きな金持ちの家の娘の家庭教師をすることの何が不満なのか現代に生きる私には分かりにくい。大人しく従っていれば、豪華な装飾の家に豪華な衣装、召使いに豪華な食事が手に入るのに。何故わざわざ「身の破滅」と「生活の困窮」を選ぶのか・・恐らく、21世紀の日本に生きる私から見たら「素敵」だと思う18世紀のブルジョア以上の西洋人の暮らしも、モーツァルトにとっては「現代」なので、封建的で時代遅れに感じていたのかもしれない。それは現代の日本社会で働く私が感じてきた「女性の扱い」や「古い体質」に不満を抱いているように。詳細は映画を見てみて下さい。
2018.04.27
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