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フローティング・シェル、最近よく聞きます。
外界から遮断された世界を作り出して、そのなかで
己と向きあう感じでしょうか。

自分がどれだけ外界に対しての反応のみで生きてきたのか
知れば知るほど、そのシェルの世界に興味がわいてきます。



昔、僕は月の裏側にいってみたいと言っていた事を思い出しました。
友人と宇宙飛行士の話をしていたときのことでした。

地球の重力圏を離脱した宇宙船が
月の周回軌道に乗って、月の周りを回ります。



月はいつも同じ面を地球に向けています。
だから地球に住む私たちは一生(たぶん)月の裏側を見ることは無いのです。

そして・・・月の裏側は地球の全てが届かないそうです。

宇宙飛行士は、月の裏側に入ったとき、地球から完全に切り離されるのです。
見えないのはもちろん、電波も光も届きません。
太陽の位置によっては完全な闇になるそうです。

完全に孤立するのです。

宇宙飛行士はその状態を「怖かった」らしいです。
トラブルが起きても助けなにも、会話すらもできない。
たとえそこで死んだとしても地球では何もわからないのです。
ただ、なんだかわからないけれど、「帰ってこなかった」となるのです。


暗黒の世界を通り抜け、地球が見えたとき、喜びに満ち溢れたそうです。

人間は地球に生きている限り、たくさんのものを受け取っています。
たとえ完全の無音であっても、目に見えない周波数の電波や振動などです。

しかし月の裏側では、全てが切り離されるそうです。

普段、感じているけど自覚できない電波すらも、無い状態。



私はとても興味をそそられて「体験してみたい」と言いました。
友人は「絶対に嫌だ」と強く言いました。

私も怖いです。怖くないわけではないです。
しかし、なぜか体験してみたいと思いました。
(生きて帰れる前提で、ですが)

自分を見るしかない世界に身を置いたとき、
私は私の何を見るのでしょうね。
それとも見ないのでしょうか。

怖いだろうな、って思います。
が、どこかでわくわくする自分もいるのです。


フローティング・シェルの話を聞くたびに
私は十五年前に友人と交わした
月の裏側の話を思い出すのです。








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最終更新日  2008年03月27日 04時27分57秒
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