バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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カテゴリ: 映画/エンタメ
 あまりにも周囲が「よい」というので、終了間近の 『私の頭の中の消しゴム』
 おそらくこの映画については、たくさんのファンがそれぞれの思い入れをもって鑑賞したことでしょうから、細かい感想は述べませんが、あえて二言三言。
 この映画の鍵は、ズバリ「新婚」という設定です。そう、「新婚」でなければ、まずこの映画の切なさは絶対に演出できません。何十年も連れ添った夫婦の話ではなく、若く、しかもこれからの生活への希望や夢があふれている新婚夫婦の話だからこそ(若いからこそ、では断じてないのです。あくまで新婚夫婦だからこそ、なのです)、思い出を作る前に、あるいは思い出を作る先からそれが失われていくことの残酷さが際立ってくるのです。
 印象的なシーンは、新婚生活にあたって、台所に新調された真っ白な棚。これが、物語終盤では、思い出をつなぎ止めておくための“掲示板”の役割を担うのですが、そういう意味付けや役割のスライドの哀しいダイナミズムに、とても心動かされました。
 さらに印象的なシーン。それは、昔の恋人と取り違えて旦那に声をかけてしまったことに気がついたヒロインが、絶望的な後悔に打ちひしがれながら、迫り来る“時間”に追い立てられるように旦那にあてて書いた手紙を、帰宅した旦那が読むシーン。手紙を読む男の涙もさることながら、私はハングル文字のことはよく分かりませんが、切迫した状態で走り書きしたような文字が手紙を埋め尽くし、その迫真の筆跡が、圧倒的な量感で迫ってくる想いでした。
 細かい点では、ヒロインの父親役の方の演技が良かったです。娘と建築現場の男の結婚に反対しながらも、倒れた娘を抱きかかえる男の背中を見送るだけで、「この男は娘を幸せにしてくれる」と無言で悟るような、何とも言えないいい表情をするのですね。これがイイ。
 しかしこの映画、女性のお客さんがかなり多く、みな号泣されていましたが、むしろ男の視点でしか泣けない映画ではないのでしょうか。単純に切ない、という思いで泣くことは出来ても、男心でしか泣けないのではないかな、と思った次第。
 そして、アルツハイマーによる忘却を扱った映画でありながら、強く考えさせられたのは、“記憶する”という行為の両面について。「記憶を失う」ということは当然堪え難い哀しみですが、同時に、「憶えている」ということの残酷さや痛ましさも胸を締め付けました。その意味・・・ぜひ劇場で確かめていただきたいですね。(了)

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Last updated  2006/01/09 08:53:00 PM コメント(2) | コメントを書く


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