バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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 異国情緒あふれる長崎の街が、“真に成熟した”という意味において初めての国際都市であったことに異論はない。江戸時代、鎖国政策を強硬に推進する日本にあって、唯一世界に対して開かれていた門戸は、ここ長崎だけであった。一方、当時世界は大航海時代のまっただ中で、西欧列強の船は七つの海を越えて、その覇権の拡大と、異文化の吸収に余念がなかった。
 長崎は、国際化する世界に遅れを取るまいとする焦りと、国を開くことへの躊躇いに挟まれる江戸幕府の、微妙な心理状態の象徴でもあった。異国文化への唯一の扉でありながら、幕府の安泰を脅かす火種ともなり得る存在であった長崎。しかし、この長崎が享受した国際都市という“特権”は、当地に最先端の諸文化の萌芽を植え付け、近世日本の絢爛たる文明化の素地を用意した。
 一般に長崎は、いちはやく取り入れたオランダをはじめとする南蛮文化のイメージが強いが、それと同じだけ、実は中国文化にも大きな影響を受けている。新地中華街を中心に伝播した中国文化は、長崎の人々の精神性や生活に深く根を下ろし今日に至っており、長崎県民の誇りである長崎くんちもまた、その一例である。
 諏訪神社の長崎くんちは、日本三大祭りの一つである。この不思洩なネーミングの由来は、このお祭りを旧暦の9月9日に行ったことから、9日がなまって「くんち」となったという。観衆の熱気を受けてヒートアップする恒例行事は、歴代の長崎奉行の保護を受けてきたため、年々盛大になっていったようだ。ほかにも2月には、中国の旧正月を祝うランタンフェスティバルがある。1万2千個のランタン(中国の提灯)が華やかに長崎の夜を彩る様は、異国風情の似合うこの街にこそふさわしい。(了)





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Last updated  2007/01/10 11:49:14 PM
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