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カテゴリ: 書評
見出し:進行形社会のデザインの原点を辿る。

三井秀樹著『美の構成学-バウハウスからフラクタルまで』(中公新書)

 構成学、という聞き慣れない言葉を、本書は教科書的ではあるが、非常に分かりやすくかつ丁寧にまとめてあり、駆け足という感じがしない。しっかり読めるが、同時に、先述した通り教科書的なニュアンス(情報や記述ではない)がやや重たく、それが駆け足になりがちな新書に重みを与えているのかもしれない。
 1920年代にドイツで始まった画期的なバウハウスというデザインの教育施設/教育プログラム/運動は、まさに「美のための美」へのアンチテーゼとして誕生し、錚々たるメンバーによる“世界一受けたい授業”の宝庫であった。特に、実験的要素を取り入れ、産業革命以後、失われてしまった工業製品の美(=オーダーメイドの死)を、産業と工業の時代にふさわしい新時代の美のあり方の提示の発信基地となって後代のデザイン文化(特に、タイポグラフィの発明による活字文化、アシンメトリックな広告的デザインの誕生、ナチスドイツ政権下から逃亡してアメリカで再スタートしたバウハウスが生むアール・デコ様式、既成の技術にとらわれない写真技術、そして、ディーゼル機関車や豪華客船から、ランプなどの日用品までのプロダクトデザインの潮流)の台風の目となった。現在は、その魂はMITとイリノイ工科大学に継承されているという。読者は、刊行当時から10年を経た現在進行している様々なデザインや技術の原点がどこにあったかを辿ることになる。
 ふたたび構成学について、著者は、難しいことでなく日常にも採り入れ、かつ日常から学ぶことの可能なセンスと説いているが、実際本格的に学ぼうと思えば、実に精密かつ巧緻に組み上げられた工学的学問であることを知る。
 さらにその先を知りたい向きには、数は豊富でないとは言え、ガイドとしては信頼できる案末の参考文献が、実際的で役に立つだろう。(了)

著作です: 何のために生き、死ぬの?


美の構成学





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Last updated  2008/04/03 09:25:12 PM
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