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カテゴリ: 書評
見出し:カルティエ、宝石商の王ゆえに王の宝石商。

『サライ』『ラピタ』編集部編『カルティエ時計物語』(小学館)

 もはやカルティエがただの海外ブランド品の一つであるなどと思う向きも少なくなっただろう。海外ブランド品を。ただ身につけていることがステイタスである時代はとうに過ぎ去った。いまや、そのブランドのバックストーリーに魅力が感じられなければ、ブランドがブランドとして機能しない時代である。逆に、バックストーリーばかりが凝っていて、先行してしまっているブランドもないではないが、ともあれ、ブランドとは、ロゴやマークではなく、その裏側にあるものであり、そうでなければいかなる高価なブランド品もブランドを持たないに等しい。
 本書は、多数のビジュアルと、コラムやインタビューによって構成された、一種のカルティエの企業案内であり、説明書でもある。こうして、一つの宝飾店を、改めて本で読み直してみる、ということ自体、少し不思議な感覚もあるが、本書のタイトルが“時計物語”となっているのに、有名時計の紹介や開発の由来のみならず、きちんと宝飾品についても触れてあるのが嬉しい。殊に、特注の宝飾のスケッチやデザインラフなどが掲載されているのは実に貴重である。
 人は、我々は相変わらずブランド品を買う。しかし、我々が消費しているのは、実は“ブランド品”というもう一つのブランドであって、本来ブランドとして認識されるべきブランドそのものをどこまで知り、愛しているか自問してみるのも一興だろう。カルティエを評して「宝石商の王ゆえに、王の宝石商」と言ったのはイギリス国王・エドワード7世だそうだ。だからカルティエに関して言えば、「ブランド品を買う」というのは適切ではなく、宝飾品を買う、と表現すべきなのかも知れない。(了)


カルティエ時計物語

著作です: 何のために生き、死ぬの? 。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。





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Last updated  2008/04/03 09:46:36 PM
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