バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

PR

Profile

快筆紳士

快筆紳士

Calendar

Archives

2025/12
2025/11
2025/10
2025/09
2025/08
2025/07
2025/06
2025/05
2025/04
2025/03
2008/01/30
XML
カテゴリ: 書評
見出し:熟した柿は、万有引力によって落ちる。

中西輝政『なぜ国家は衰亡するのか』(PHP新書)

 亡国論、憂国論なら、ちょっと敬遠したいところだ。その手の議論や問 題提起をするだけの本なら、数知れずあるし、結局時代性に即した指摘が目新しいだけで、その都度建設的な解決方法を提示しているものは少ないからだ。その点、本書はこうした肩透かしを喰らわせるようなことはない。
 本書のタイトルは刺激的で、「あぁ、またか」と思わせてしまうが、このタイトルこそが他の文献と一線を画している所以でもある。つまり、なぜ日本は?ではなく、なぜ国家は衰亡するのか?なのである。
 この際、色眼鏡をはずして内容を吟味すれば、まさに、古代ローマ、ギリシャの例を丹念に引きながら、国家といえども、有機物の如く、一定のライフサイクルを免れ得ないことを説いてみせる。国家の衰亡は、やはり必然であり、歴史の論理的法則に違いない。時に、出版当時にはリアルタイムだった、ポスト・バブル崩壊の苦肉のカンフル剤的“改革オンパレード”政権下への懸念がパラレルで記述される点も、今読むと面白い。
 では、熟した柿が地に落ちた後、あるいは落ち切る前に、どうするか。そのまま地に落ちるを無力に眺め腐るのを座して待つのか、もぎって齧るのか。
 必ず訪れる国家の危機に、他の国はどうだったのか、近代イギリスを追いかけた件は実に興味深いし、グローバリズムにおけるポジショニングの論理を“腕力”だけで作ってしまったアメリカと、中華思想のお膝元・中国の特性に類似点を見つけ、比較して展望するあたりも私には新しかった。
 「経済一本槍」への批判、甘えたリベラリズムではない「自由」の解釈、改革と身体感覚の距離など、考え方の近いものも、点的にはあった。
 しかし、この衰亡(あえて我が国の、という必要があろうか)に歯止めをかけるのが、やはり武士道的な観念論を越えないところはいかにも惜しい。



なぜ国家は衰亡するのか

著作です: 何のために生き、死ぬの? 。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/04/03 09:50:02 PM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Comments

プラダ バッグ@ gpzqtt@gmail.com 匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_…
バーバリーブルーレーベル@ uqafrzt@gmail.com お世話になります。とても良い記事ですね…
バーバリー マフラー アウトレット@ maercjodi@gmail.com はじめまして。突然のコメント。失礼しま…

Favorite Blog

カードケースを試作… New! 革人形の夢工房さん

新・さすらいのもの… さすらいのもの書きさん
価格・商品・性能比較 MOMO0623さん
抱きしめて 愛の姫.さん
天使と悪魔 ♡ り ん ご♡さん

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: