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携帯を変えると彼女は真似して同じ物を買ってきて使っていた。
出会ってから気がついた時にはいつしか携帯はいつも同じで、離れていても同じ物を使う事で身近に感じていたり、一体感を感じていたのかもしれない。
別れてから何回目かの誕生日に届いたメールに携帯変えるからアドレスも変わるかもしれないとあった。
携帯が変わるだけでなく契約会社まで変わるのかと、歩む道が少しづつ少しづつ大きく離れていく事を携帯電話から実感する事になった。
自分でお揃いにしようと言ったわけでなく、彼女が自分で思ってお揃いにしていた携帯電話だったのに、まして別れてお互いが別の道を進んでいるのに、その他愛もない知らせに二人の関係の溝の暗さになぜか寂しい思いがした。
当たり前だった事が当たり前でなくなっていく、それを知る事の辛さは意外と心を打たれるものがあった。
そんな知らせがあってからも自分はいまだに同じ最後のお揃いの携帯電話を使っていた。
新しい機種が出ても、なんとなく変える事なく。
バッテリーを交換したり、ちょっと調子悪くてもなんとなく新しい機種に変える事が出来なかった。
二人で会っている時は使う事のない電話だけど、いろんな思いを乗せてくれた電話だから自分だけは変える事が出来なかった。
そんないろんな思いが彼女との思いをつなげていてくれているようで傷まみれになっても使い続けていた。
使い始めてから月日が流れもういい加減電話も調子が悪くなり、買い変えることになった。
いろいろな思い出の詰まった電話は捨てる事なくとっておくだろう。
この電話に耳を当てれば、いつまでも消えない彼女の声が響いてくる。
怒ってる声、泣いてる声、笑ってる声、はしゃいでる声、恥ずかしそうにしてる声。
たくさんの彼女の表情を蘇らせる声がいつでもこの電話には詰まっている。
happy day 22.