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いつもかわらない二子の弓状のルート。自然の岩場は何年たってもそこに同じルートがあるからいい。「おいしいよー」12cを触ったのはもう2シーズン前。その年は登れず、翌シーズン登るつもりでトライしていたら右肩を痛めた。腱盤(インナーマッスル)を故障し、4ヶ月間クライミングから遠ざかる。以前のようにクライミングができる状態になったのは秋も深まったころ、11月くらいだろうか。「おいしいよー」ってなんだ?ぜんぜんおいしくない。もう登るのを諦めようと思ったこともあった。でもふと気付くと、さんざんやった「おいしいよー」のムーブが頭をぐるぐるまわっている。クライミングをやっている限り、その呪縛から逃れられそうもない。登ってしまわなければ「おいしいよー」病が癒えないだろう。今シーズン、最初はこわごわ登ってみた。怪我したパートのムーブもできそうだった。なんだか一時染み出しがあり、コンディションが悪くなったものの、最近になってバリバリに乾いてきた。先日行ったらコンディション最高で、登れてしまいそうになった。でもぎりぎりのところでスタンスへの足上げを失敗してしまった。いいイメージを持って弓状へ戻ってくる。この日の予報は気温高めで、岩も乾いている。風は冷たいがそう強くはない。1トライ目は動きが固くてパンプしてしまい、上部の穴から先へ動けず。2トライ目、力が漲るように穴のポイントを抜け、8ピン目の、このルート最初にして唯一のレストポイントに達した。もう終了点までは簡単。じっくり休んで終了点まで確実に登る。「おいしいよー」はいったい何回トライしただろう。30回くらいまでは数えていたが、途中から数えるのをやめてしまった。12cとグレーディングされているが、もうそんなものはどうでもいい。「おいしいよー」については博士のように全て知っているし、もう登れたことにしてしまおうかと思ったが、ホントにのぼらなければ「任侠道」のトライの資格は得られないような気がしたし、なにより呪縛から開放されたかった。正直、決して好きなタイプのルートではなかった。でも登れたらやっぱり嬉しい。クライミングはやめられない。
2011.02.07
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