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2010.08.21
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カテゴリ: 本
再び、文学作品の山を描いたシリーズ。
太宰治の「富嶽百景」は、富士山を描いたエッセイに近い作品。

太宰の書いたうちでも文学的感性のかなり優れたところが読み取れる。

井伏鱒二を訪ねて御坂峠の峠の茶屋に行き、
そこから見える富士山を
「おあつらいむき」
「まるで風呂屋のペンキ画だ」「恥ずかしくてならなかった」

と表現する。
「やっていやがる」


日本の文学作品を読み解く授業で学んだ記憶がある。

御坂峠から見える富士は、ぴったり「お約束」の姿で、
わざとらしいということ。
そんな感覚は、学生を終え、人生経験をつむことで捉えられるようになるが、
授業でやったときには、「そんなものなのか」
とだけ思ったことを今でも憶えている。

御坂峠は河口湖の北側にあり、今では峠の茶屋に宿泊はできないと思うが、
戦前、太宰治は井伏鱒二が去った後、長いこと滞在して仕事をしていたようだ。
たまに三ツ峠にも登りにいっている。

心の動き、機微の表現に優れ、滞在記、紀行としても非常に味わい深い。
今の紀行でも手本としたい内容だと思う。


「女生徒」
もそうだったが、句読点がおおくあるにせよ、文節が長いところがあるが、
これはロシア文学の影響だろうか。

改めて読んだ「走れメロス」は感動してしまった。

人の気持ちを汲み取って表現する才能に長けた作家であることを改めて知った。


結婚に際して師事していた井伏鱒二に世話になっているようで、単なる師という以上の関係があったようだ。

しかし39歳で入水自殺をするが、それは心中であり、御坂峠の相手とは違う女性である。
太宰とは、それだけ魅力的な人間だったのだろうか。





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Last updated  2010.08.22 10:30:51
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