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2010.09.22
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カテゴリ: 本
最相葉月のノンフィクション「星新一 1001話をつくった人」(新潮文庫)
上下二巻の大作。

最相葉月は「絶対音感」を読んだことがあるが、
今回も、とにかく全てを書きすぎている。

取材して取材して、題材を追及するのはいいが、
外堀を固めすぎて、主題がぼやけてしまっている。

多方向からの視点を提示され、ついていけなくなる。

星新一は中学生の頃よく読んだ作家で、
そのころはSFという意識はなく、単に読みやすくおもしろいから読んでいた。



そして星製薬など、戦前の大企業の御曹司であったことも。

ショートショートの第一人者だが、
ショートショートという言葉自体星新一のためにあるようなものだ。
つまり原稿用紙10枚~20枚程度のフィクション。

星新一のちょっと変わった性格や、ショートショートの書き方、テクニック論など、
それらがああいった魅力的な物語を生み出していたのだろう。

売れっ子になって、しかし作家や画家、音楽家など、
表現者特有の生みの苦しみを長く味わっていたようで、
「死なないことに決めている」
といって、海外の地であっけなく逝ってしまった父親星一と同じように、
ずっと生きたいと思っていながらも、あっけなく亡くなってしまった。


小松左京や筒井康隆、その昔だと江戸川乱歩など、作家仲間や、
タモリもいたという。

最相葉月の視点は、星新一そのひとから、
父親をはじめ親族、
関係の深かった友人、作家、編集者に及び、

かなりストーカーチックだ。

確かにエピソードを積み重ねただけの人物ノンフィクションより重厚感はあるが、
新発見や、それまでの常識を覆すような驚きはあまりない。

星新一ら作家と同じように、
最相葉月も膨大な取材資料を抱えてどう表現するかに頭を悩ませていたかもしれない。

読み物として、盛り上がり、フォーカス部分を強調するなど、
単純におもしろさの波が欲しいと思った。





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Last updated  2010.09.24 10:48:33
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