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2010.10.18
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カテゴリ: 本
「ロスト・シティZ」とは、なんだかサスペンス・チックなタイトルだが、
NHK出版によるノンフィクション書籍。

デイヴィッド・グランというアメリカ人ジャーナリストによるもので、
20世紀初め頃、アマゾン探検中に消息を絶ったイギリス人フォーセットについてのノンフィクション。

フォーセットは、当時北極、南極、エヴェレストといった極点踏査の探検以上に困難と言われていたアマゾン探検の第一人者だった。
その困難さは、南極遠征に参加した経験のある者にさえ、フォーセットのアマゾン行で挫折したことからもうかがわれる。

フォーセットはコロンブス以降もほとんど現代の文明に触れることのないアマゾンの民族に接触し、その地域の国境調査などを行っていたが、
独自の見解から、その昔、ヨーロッパなどと同等に繁栄した都市があったと考えた。

それを「Z」と名づけ、失われた都市を実証するための探検に出た。


結局フォーセットはアマゾンから戻ってくることはなかった。

果たして彼は「Z」の確証を得たのか?

それがこの本の主題で、
デイヴィッドは残された資料や関係者をあたって突き止めようとする。


翻訳本だが、やっぱり訳文は馴染めない。
英語表現独特の形容があるが、それをそのまま日本語に置き換えるとなんだか妙な調子になる。
原文がそうなのかわからないが、全体を通して平板な調子で、盛り上がりがないため、内容がなかなか入ってこない。

そんな悪訳に目を瞑れば、内容は面白い。
ブラッド・ピッドが映画化権を取得して、主演して映画化するらしい。

興味深かったのは、イギリスに王立地理学協会というのがあり、
そこに探検家養成学校みたいなものがあることだ。


道具の使い方はもちろん、記録の残し方、物事の様相を捉える視点など、
探検を有意義な活動として持ち帰るための知識を植えつける。

イギリスは、国力の増大と、領土の獲得という、国を挙げての目的があったからだろう。

アマゾンの旅は非常に過酷だ。
湿度と虫のせいで、文字通り人々は壊れてゆく。

この辺の描写が、非常にナマナマしくて、ちょっとアマゾンには行きたくなくなる。

現地民による殺害と書いたが、ヨーロッパ人の入植によって持ち込まれた文化、
直接的には現地民には免疫のない病原菌が蔓延したことにより、より多くの部族が死に、
さらには壊滅したりしている現実がある。

ヘルツォークによるアマゾンを舞台にした映画「フィツカラルド」や
「アギーレ/神の怒り」は
かなり現実を反映している内容であるらしいことが分かった。

著者デイヴィッドは、何人ものフォーセット捜索隊と同じように、アマゾンへ向かう。
そこで、デイヴィッドは思わぬ事実を突き止める。

その辺りが、映画向きのまとまり方なのだと思う。

もっと翻訳を何とかすれば、非常におもしろいノンフィクションになっただろう。






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Last updated  2010.10.19 00:13:55
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