週番日誌@佐藤智広研究室

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2005/04/23
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カテゴリ: 学究生活
 行灯⇒あんどん……こういうちょっと変な音読みが唐音の特徴。狂言「茶子味梅(ちゃさんばい)」もそういう唐音の面白さを描く作品である。
 さて、<オ・ミ・ト・フ>これは何であろう?
 そして<ポ・ゼ・ポ・ロ・ミ・ト・シン・キン>これは??
 さらに<キ・ロ・ス・キャイ>これは一体???

 洛南・宇治の近くに黄檗宗大本山萬福寺がある。江戸初期に隠元禅師によって開山された中国系禅宗である。唐音、正確には明代の中国での経典・儀式の音(おん)がそのまま入っている。結果、先に挙げたような摩訶不思議<モ・ホ・プ・ス・ギ>な言葉になってしまう。なお上の答えは順番に「阿弥陀仏(あみだぶつ)」「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)」「極楽世界(ごくらくせかい)」。……もう訳がわからない。

 国立劇場主催で、有名寺院の声明が時々行われる。今回はその萬福寺。この寺では声明を梵唄<ボンバイ>という。今回は朝のお勤め「祝聖儀朝課<シュクシンギチョウカ>」と施餓鬼「施食<スーシー>」を短縮版で行った。
 黄檗宗の梵唄の特徴は鳴り物が多いこと、テンポの早いものは格別に早いこと、など。雅楽にも似た不思議な音階の展開で、緩急に富む。そして、実際に儀式を行う大雄宝殿(本堂?)を模した舞台は、いかにも中国的。そもそも、この寺は行ってみるとわかるが、禅寺の閑雅な佇まいに明の様式が取り込まれている(開山当時を伝える建築物がかなり多い)。吊り下げられた行灯はいかにも中国風だし、施餓鬼の祭壇は朱色だし、何より経文の聞こえ方が普通とはおよそ異なる。
 荘厳で力強く、ちょっと震えるくらい勢いのある梵唄だった。

 ちなみに、中国様式を取り込んだ禅宗であるので、食文化も独特で「普茶料理」と呼ばれる。大皿に盛った精進料理を各自取り分ける形式である。萬福寺正面の店「白雲庵」も良いし、寺域内の店も捨てがたい。宇治方面にお出かけの際はお勧めである(ただし2人とかだと面白みに欠ける)。





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Last updated  2005/04/24 12:04:59 AM
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