週番日誌@佐藤智広研究室

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2005/12/24
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カテゴリ: 遊興生活
 イヴの日に今年最後の公演、分野は能楽だ。それも「定家」だよ。なんだか暗い1年だったみたいだねぇ。恥ずかしいことに(って前に別のブログで書いたが)この「定家」は金春で本田光洋さんと櫻間金記さんの2人でしか観たことがない。ついでにいうと、金春で宗家以外で演じる最奥の曲が「卒都婆小町」「定家」で、これまたこのお2人を制覇している。本田さんの「定家」にいたっては10年くらい前の話だ。
 「定家」とは言っても登場するシテは式子内親王で、京極中納言定家卿は“定家葛”という象徴された形で舞台に置かれるに過ぎない。定家との禁断の愛の妄執に絡めとられた式子内親王が、やがて経典によって救われたかに見えながら、再び定家葛に纏わりつかれて地中へと消えていく。
 定家と式子内親王との禁断の恋……現在では事実ナシと見るのが主流の両者の恋だが、中世後期は両者の関係がいくつかの和歌によって幻視されていた。もとより題詠主体の歌作にあって、作者の実人生と歌に読まれた世界を同一視できないのだが、舞台の世界ではそれが可能となる。

 今日は観世流の「定家」初鑑賞。老女物の少ない金春に比べると、最初の[次第]から軽く、全体に重い感じは少ない。これが今回のおシテさんの表出方法なのか、それとも流儀全体のことなのかはわからない。いずれにしても、秀歌をちりばめた作品の中に、定家の姿はついぞ浮かび上がらなかった。「あぁ消えたんだねぇ」という感じであったが、それは老女物と扱わない者と、老女物として重く扱う者との違いかもしれない。





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Last updated  2005/12/27 09:27:55 PM
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