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2008年10月11日

帰り道と横たわるふたりの男

テーマ：今日のこと★☆(110159)

カテゴリ：のらりくらり

息子ふたりと外食を済ませ、車で帰宅途中

本道から、細い脇道を上がってすぐの
いつもお世話になっている月極駐車場に行こうとすると

「あ！！危ない」

と、助手席の長男が叫ぶので
とっさにブレーキを踏み込む私が瞬時見えたのは、
道の真ん中に打ち捨てられた
セブンイレブンのおでんの容器とその袋、
汁が道路に染み込んでいるそれだけ。

「おでんの残りもん道に捨てる奴！気が知れないよ～」

「私、黒猫全然見えなかった。言われなきゃ轢いてた！」

おでんのだし汁の残りで誘われた黒猫が
漁っていた最中だったようで。

「全く、非常識な人が多いのにはこまるよね～」

なんて、言いながら
駐車場に車を止めて家への坂道を３人で
てこてこ歩き始めてすぐのこと・・・

ギョッとして息子ふたりと私はもその場で固まったのです！！

それでなくても真っ暗な山の中
街灯はあってもあんまり人も通らないからなのか

も～っと暗いし、その先の階段上がっても
今、街灯が続けてふたつも球切れしていて
自分のうちの玄関先の電気でも点けておかないと
ど～にもならない駐車場から我が家への
数十メートルの道すがら・・・そこに

２体の男の身体が狭い道を
ふさぐように横たわっていたのです

それまで普通にしゃべっていた３人が、急に小声になり

「まさか、こんな山の中で殺人事件じゃないよね？！」

「たぶん、酔っ払いじゃない？」

「酔っ払い？！ふたり同時に道端で？！普通どっちか
　介抱するのがいるもんじゃないの？」

「同時に調子に乗って飲んだんだろ、警察通報しよっか」

「え”～？！警察ぅ・・・」

「たぶん、あのおでんも食べかけて酔っ払って落としたか
　したんじゃないの？あれが酔っ払いだとするとさ、納得だ」

こんな会話を続けながら、
道いっぱいに幅とって横たわる人間の横を
通り過ぎるのも気味悪いので、
仕方なく遠回りをして民家の多い道から帰宅しました。
我が家の窓からはその男がいる場所が
薄暗いライトアップに照らされて
かすかに確認することができます。

「やっぱり、警察に連絡した方がいいのかなぁ、
　まだ凍死する時季じゃないけど冷え込むよね～」

「連絡すればいいのに、迷惑だよあれ、女の人でも見たら叫ぶよ」

「１０時４５分かぁ・・・でも嫌だなぁ～警察」

「小心者だなぁ、俺なんて３回位通報してるよ」

「え”～？？？だったら、あなたが通報してよ、慣れてんだから」

「ほっとけば、そのうち寒くなって目が覚めるだろ」

「え～？もしこれ真冬で、ほっといて死んじゃったら罪にならない？」

「刑法の不法作為にあたりそうだけど、要件を充たさないから
　罪にはならないだろ」

長男と私の会話は家に帰っても続いていました。

気になって仕方ない私・・・
窓を開けて二度ほど確認するも、寝相を変えて
まだ同じ場所にいるんだな・・・

（人間ていざという時、本性わかっちゃうなぁ、
たいがい＜君子危うきに近寄らず＞に」なるよなぁ、
そうそう、最近物騒だからやたら声かけるのも怖いしな、
でも、警察は緊張するし、通報したらサイレン鳴らしてくるのかな？）

ホント、私って小心者

なんて、色々考えて１時間ほど過ぎて１２時をまわった頃、
表の脇道をろれつの回らない声が
通り過ぎていくのが聞こえました。
家の中が明るいと見ずらいので
窓から電気を消して、外の街灯の下を見ると
ふたりの横たわる男はいませんでした。

「まったく、人騒がせな酔っ払い！！」

きっと、あのふたりは陰で監視されていたのを知る事無く、
千鳥足で帰って行ったんでしょうね。
でも、何ともなくてよかった～

それにしても警察に３件何通報したんだろ、長男の奴？
後で聞いてみよ～っとと思う私なのでした。

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