周回遅れのトップランナー

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Favorite Blog

あなたの人生夢企画… 隊長0397さん
繁盛請負人ばんたか… 繁盛請負人ばんたかおさん
見本市でチャンスを… 達磨博士さん
来たれ!成功者予備… ミヤ1975さん
野山系の行政書士が… 野山系の石井行政書士さん
24時間闘う税理士!… 24時間闘う税理士さん
週刊ARTemis~アルテ… ☆ARTemis☆さん
ヒデヴィス・ワールド hidevisさん
あころじぃ。[ёcolog… akoako♪さん
業務雑記帳、飲み会… 本田清司さん

Shopping List

お買いものレビューがまだ書かれていません。
2004.08.22
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

 後ろ向きの予言者という言葉がある。

 万馬券が出た。あ~、俺はこれが来ると思ってたんだ。・・・でも馬券は買ってない。

 冬のソナタがビッグヒットとなり韓流ブームを招いた。俺は最初からこうなるとわかっていたんだ。・・・でも誰もそんな話を信用しない。

 こんなふうにすごい結果が出た後で、自分はそれを予言していた、と言う人のことを後ろ向きの予言者という。

 小生は、昨日、後ろ向きでない、前向きの予言者だった。

 散髪屋で、髪を切ってもらっていた。

 小生は、半分寝て半分起きていた。

 顔に熱いタオルを乗っけられて、四分の三ほど目が覚めてしまった。

 テレビでは、オリンピックの野球中継をやっていた。

 3対ゼロで、日本は台湾に負けていた。

 さらにピンチが日本チームに迫りつつあった。ランナーをひとり置いて、相手チームのヒットが出ればもう1点献上する、という場面だった。

 テレビの画面は顔面のタオルのために見えていない。ここで1点献上したら、ほぼ日本の負けは決定的となる大ピンチの状況である。

 相手チームのヒット性の当たりが出た。

 しかし、ここで外野の福留のファインプレーが出た。みごとに飛び込んでその当たりを封じ込めた。

 ここで、小生は予言した。

 顔をタオルで塞がれているので、モゴモゴうごめく小生を見るに見かねて、散髪屋のマスターがタオルをはずしてくれた。

「どないしはったんです?具合でも悪いんでっか?」

「タオルを人の顔にかぶせたっきり、ワシのことそっちのけで、テレビに釘付けになるとは何事だ、マスター。ワシが熟睡しちょると思って油断したな、たわけものめ」

 と小生はマスターに鉄槌を加えた。

 マスターはコメツキバッタのように詫び100回いれたので、堪忍してやった。

「マスター、よく聞けよ。ワシには、未来のことが見える。見てろ、この裏の攻撃で、日本チームは必ずや点を入れる。それもきっと劇的な形で点を入れる」

 そのように予言したのである。

 果たせるかな、その予言は、もののみごとに的中したのであった。

 1点入り、加えてヨシノブの2ランホームランで同点となった。

 小生は、思いっきり鼻の穴をふくらませて、マスターに言った。

「どうだ、まいったか、マスター」

「まいりましてござります。・・・して、なんでわかりましたの?」

 マスターはなかなかの客商売名人である。小生の自慢話の腰を折るでなく、誘い水を向けて小生の優越感をくすぐり、客を喜ばせるのに健気である。

 小生は、ふくらんだ鼻腔を、それ以上はふくらまないほどにふくらませ、座客の上でふんぞり返った。

「ゲームというものは、まずピンチの背中あわせにチャンスがある。そして、そこでピンチをうまくしのぎ、ファインプレーでも出ようものならば、背中あわせのチャンスは、かなりの確率で実現するものなのだ。それがゲームのセオリーと言っていいくらいの原理原則なのであるっ」

 謙虚なマスターに対して、偉そうに断言しきった小生であった。

 これはわりかしほんとである。小生のダボラばかりでなく、ほんとに長らくプロ野球を見続けていると、ピンチと背中あわせのチャンスの場面には、掃いて捨てるほど遭遇する。そこに何がしか、神ならぬ身の知る由もない「意志」が働いているかのように、ピンチの裏のチャンス、チャンスの裏のピンチがある。

 そしてファインプレーはその実現を加速化する優れたアクセルとなる。

 小生の優越感もまた、マスターの健気さというファインプレーによって、さらにアクセルがふかされ、まだまだ自慢が続くのであった。

「ところで、マスター、貴公が食した昼食のメニューを当ててしんぜようか?」

「へい、そんなことまで、やっ太郎さん、わかるんでっか?ほんまに、ただのお人やおまへんな」

「そこまで言わなくともよい。当ててみようではないか。貴公の昼食は、・・・」

「へい、ちゅ、昼食は?」

 聞き急ぐマスターに勿体つけつつ、小生はおもむろに告げた。

「カレーそばであったろう。そうに違いない」

「へへ~っ」とマスターはひれふした。

・・・・・・と言いたいが、半分当たって半分はずれた。

 マスターは、カレーそばでなく、カレーうどんであったと白状した。

「でも当たらずとも遠からず、立派なもんだろう。どうだ、マスター恐れ入ったからには、貴公、今日の散髪代思い切って、半分当たった分、半額にせい」

 小生の、セコイが半分本気の圧力に一歩も屈せず、マスターはエヘへへと恐れ入りながら全額を徴収した。

 マスターは、手もみしながら、その白い上っぱりに撥ね上げたカレーのおつゆのシミの跡を、さりげなく隠していた。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004.08.22 22:07:35
コメント(2) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:後ろ向きの予言者(08/22)  
散髪屋さんでこれだけ遊べたらいいですね。
私にも前向きの予言して下さい・・・。 (2004.08.22 23:02:38)

Re[1]:後ろ向きの予言者(08/22)  
やっ太郎  さん
ひめちゃん3058さん
ありがとうございます。
遊んだ、遊んだ。散髪代、安かった。
ひめちゃんさんを予言します。
あなたは、これから先、ケンカ誰にも負けません。
野犬を追っ払う気迫は、あなたの底力であります。

>散髪屋さんでこれだけ遊べたらいいですね。
>私にも前向きの予言して下さい・・・。
-----
(2004.08.22 23:19:44)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: