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2005.12.24
ちょっと胸を刺されました。
テーマ:
自分らしい生き方・お仕事(42142)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
見なければよかった・・・心底からそう思いました。
コタツの中でうたた寝して、目が覚めたらNHKのドキュメンタリーが流れていました。
よく聞き慣れた外国語が聞こえてきました。タガログ語です。
フィリピンの、貧しく幼い兄妹のドキュメントでした。
小生は、15,6年前、フィリピン・パブをやっていました。
フィリピンの姿がテレビから流れてくると、懐かしくもあり、また胸しめつけられる思いも甦ってきます。
フィリピンには何度も出かけました。半年は一緒に働くことになるパートナー達だから、彼女たちの両親にちゃんと挨拶し、家族の様子もつかんでおきたかったからです。
人の問題だけは人任せに出来ない、自分の目で確かめたい、・・・他の店のように、プロダクションに丸投げは出来ませんでした。
そんなんで、彼女たちの家族とも随分親密なお付き合いをさせてもらいました。
本当に貧しい国でした。
今でもそんなに変わらないことを、そのドキュメンタリーの画面からよく推察できました。
その幼い兄妹は7つ8つくらいでした。
いなかはガダルカナルという小さな島です。その兄妹は、貧困のため家族から引き離され、都市部の親戚の家に預けられていました。いつもふたりは仲がよくて、お母さんのことを思い出しては、泣いたり笑ったりしていました。
お兄ちゃんは、わずか7つか8つで学校に行くことをあきらめ、稼ぎに出かけていきます。
市場で買い物をするおとな達に、買い物用の袋を売り歩くストリート・チルドレンでした。
お兄ちゃんは、稼いだお金で、妹の学費、親戚への食費、そしていなかのお母さんへの仕送りをしていました。
兄妹は、フィリピンでは少数派のモスレムでした。貧しい国の中でも、更に貧しい集団に対する差別があるのでした。
お兄ちゃんは、市場のおとなにいじめられ、妹は学校でいつもひとりぼっちでした。
しかしながらこのお兄ちゃんは、少しもへこたれず、とても澄んだまっすぐな目をしていました。そのお兄ちゃんに守られて、妹の振りまく笑顔にも屈託がありませんでした。
大きくなったら何になりたい?と聞かれて、お兄ちゃんは「大統領」と答えていました。そのわけはモスレムとクリスチャンが仲良くできる国にしたいからと言ってました。妹は後ろでモジモジはにかんでいました。
その後、ドキュメンタリーは2年ぶりの家族との巡り合いのシーンや、更に1週間の後、また別れなければいけないシーンを映し出していました。
2年ぶりのお母さんとの再会のシーンでは、日ごろ気丈に振舞っているとはいえ、わずかに7つ8つの幼年幼女です。泣きじゃくり、お母さんに身体いっぱいすがりついていました。そして1週間後、また離れ離れにならなければいけない時にも同じシーンが繰り広げられました。
ただ違うのは、別れる時のお兄ちゃんの目の光が、おとなでも滅多に見せないであろう、深い絶望感と諦観にあふれていたのです。
小生は胸を刺されました。
とても他人事に思えなかったのは、現実に同じような子供たちがゴロゴロいることをよく知っているからです。
そして、あの当時の小生は、彼らの家族を日本に預かって、一家の収入源に仕立てあげていました。それがその時点での小生の良心でもありました。小生があの子たちのお姉さんを、半年間日本に預かることで、結果として、あの子たちが路上に立たなくて済む。・・・そんな言い訳がましい良心でした。
幼い子のあんなに悲しい目を、たとえブラウン管ごしとはいえ、見せられたらたまったもんじゃありません。何とかならないだろうか、何とかしてやれないだろうか、ごく自然にそんな気持が湧いてきました。特に小生はフィリピンの方々に多くのお世話になった、その罪滅ぼしをどこかでしなければいけないと思っています。あの頃お店で使っていた女性たちも今母となり、ちょうどテレビに出ていたあの兄妹の年頃の子供たちを抱えていることだろう。
番組が終わったら、NHKに電話して寄付を申し出ようと思いました。
たとえ10万円でも10人の家族の年収に匹敵します。
条件付きで、せめてあのお兄ちゃんを「学校に通わせるお金」として供与できないだろうか、そんなことを具体的に考えていました。
決して直接的なお金の援助が、常に人を助けるとは限りません。
小生はどちらかと言うと意地悪な方で、困っている局面にあれば、それに安直に手を差し伸べるよりは、困難に立ち向かうように「仕向けて」あげる方がそれから先の本人には、より親切なことだと考えます。
でも幼すぎる兄妹には、この貧困は限界を超えていました。
このまま、あの社会に為すすべも無く放置してしまえば、行く先が見えています。本当に見えているんです。
あの国の国民性はあっけらかんとしていますが、ひとたび裏通りにまわれば、犯罪と悪意の温床でもあるのです。
せめて母親と離れ離れにさせず、せめて人並みに小学校に通わせてあげたい、切にそう思いました。
ちょっと長くなりましたが、結局、小生がわざわざ電話で寄付を申し出る必要も無いことが、番組の終わりでわかりました。
テロップで、「この番組は、昨年11月に制作されたものです。視聴者の義援金で、今、兄妹は母親とともに暮らし、またお兄ちゃんは、小学校に通えるようになりました」と流されました。
捨てたモンじゃないぞ、NHK。捨てたモンじゃないぞ、日本人。心の底からホッと胸をなでおろし、心緩んで深夜ひとり、目から知らずに汗がこぼれ落ちました。
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Last updated 2005.12.25 00:56:08
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