定価並で購入した日記 (天空の城)

定価並で購入した日記 (天空の城)

全て | カテゴリ未分類 | 焼酎 | その他 | ブログ練習 | なかむら | 赤霧島 | 魔王 | 村尾・薩摩茶屋 | 日南娘・日南娘黒麹 | 三岳・屋久の石楠花 など | 森伊蔵 | 佐藤黒・佐藤白 | 兼八・極み香・宇佐むぎ | 伊佐美 | 萬膳・萬膳庵・真鶴 | 月の中・くらら・妻・三段しこみ | 八幡・田倉・ろかせず・古八幡 | 焼酎2 | さつま寿・桜・旬 | 梅酒・ワイン・日本酒など | かごしま一直線 | 雑記帳 | 村尾・むんのら・薩摩茶屋 | 百年の孤独 | 米焼酎 | 十四代 | 飛露喜 | 日本酒 | 旅行 | 旅行・観光 | 而今 | 健康管理 | ふるさと納税 | ゆるキャラ | ワカコ酒 | ディズニー | 新政 No.6 亜麻猫 陽乃鳥 ラピス etc. | 酒米(酒造好適米) | お買い物 | DIY/ハウスメンテナンス | 酒xチョコ・スイーツ | 酒肴・レシピ・お取り寄せ | いつかやってみたいこと | 新政酒造限定酒 | 酒場放浪記 | 健康・フィットネス | 新政ナマフェス | 新政アーカイブ | 酒器、イエノミ
2022年01月23日
XML
カテゴリ: 新政酒造限定酒


1月22日にNHK放送された「 たんぼ物語 」では、秋田県鵜養地区で2018年に収穫された愛亀(陸羽132号)で醸した「農民藝術概論」(推定)が農家の皆さんに振る舞われている映像がありました。


たんぼ物語 (映像元:NHK)

放送を見終えたあと、我が家の「農民藝術概論」に付属のブックレット(小冊子)を見返しました。

新政イベントなどや飲食店で「農民藝術概論」を飲んでも、なかなか小冊子をゆっくりみる機会は少ないかと思います。
なので、こちらに紹介させていただきます。
あらためて読み返してみると、「たんぼ物語」のエッセンスがぎっしり詰まっていました。
将来、このお酒を飲むときに再び読み返したいです。


(新政酒造 農民藝術概論2019 )

(作成中)

目次 農民藝術概論2019(小冊子等 抜粋)

<「稲作挿話」宮沢賢治> ブログ内リンク
<本品の取り扱いに関する注意>
<原材料名・減量詳細ほか>
<陸羽132号 系譜図> ブログ内リンク
<農民藝術概論綱要」宮沢賢治> ブログ内リンク
<農と醸を繋ぐ運命の米 山同敦子>
<鵜養によせて 佐藤祐輔>
<鵜養地区の米造りについて 古関弘>


無農薬の米作りに取り組む秋田・鵜養 (映像元:NHK)

本品の取り扱いに関する注意




原材料名・減量詳細ほか



農と醸を繋ぐ運命の米 山同敦子

           酒と食のジャーナリスト、著述家
           山同教子

 私たち飲み手に衝撃を与え、虜にし続けてきた新政がプロデュースする新しい物語の幕が開いた。
 作品名は、「農民藝術概論」。舞台は、酒蔵がある秋田市中心地から東へ車で30分の山間(やまあい)にある美しい農村、鵜養(うやしない)。日本の原風景のようなこの場所に、新しい酒蔵や木桶工房などを建てる構想を持った8代目蔵元の佐藤祐輔さんは、まずは自社田を取得。社員が自ら無農薬で育てる米で酒を醸すという台本を書き上げたのである。
“役者”と“舞台監督”を兼任するのは、醸造長 (杜氏)を務めてきた古関弘さん。2016年11月、社員全員を集めた会議で、蔵元から全社を挙げた一大プロジェクトの説明があり、最後に「農業は、すべて古関君に任せる」と言い渡された。古関さんは農業の経験は無く、鉢植えの世話さえしたことがなかったという。突然、未知の仕事の責任者に命じられた戸惑いは相当なものだったろうと想像する。しかしこれまでも、天才蔵元から矢継ぎ早に繰り出される独創的で自由奔放な構想を、実際の作業へと落とし込み、笑顔でスタッフをまとめ、新感覚の美酒を醸してきた古関さんだ。切り替えは早かった。翌年春には鵜養へ単身で移住。農業に取り組み始めた。

 2007年に8代目が家業に就いた翌年、声を掛けられて新政酒造に入社して以来10年間、蔵元の右腕として様々な改革を行ってきた。 秋田県産の米だけを使うこと、純米造り、醸造乳酸など”工業的な添加物”を一切使わないこと、生酛仕込み、木樋で発酵させること……等々は、8代目が敬愛する5代目の時代、もしくはそれ以前の古い手法に回帰することであった。
 それは、伝統産業の良さを再認識すると同時に、地元の素材や微生物、人力で完結する酒造りを行うことによって、土地のエネルギーを循環させることをめざしている。そのビジョンの基に行う自社栽培である。秋田の米を使うこと、収量は度外視しても農薬や化学肥料を使わない方法で栽培することは、大前提である。

「農と醸を繋ぐ運命の米」vol.1 新政酒造 農民藝術概論2019
(「農と醸を繋ぐ運命の米」vol.1 新政酒造 農民藝術概論2019 小冊子より)

 古関さんはさらに深めて、「鶏養が選んだ米を育てること」、「鵜養という土地そのものを醸して酒にすること」をミッションに設定した。それを達成するために、「目の前で起こっていることを全身で受け止めよう」と決意。農業関係の文献などには一切目を通さず、感覚を研ぎ澄ませて、毎日、毎日、ひたすら鵜養の集落を歩き回った。そこで運命的な出会いをした米が、愛称「愛亀」、正式名称「陸羽132号」である。
「陸羽132号」は酒米(酒造好適米)ではなく飯米(食用の米)で、寒さに強い「亀の尾」と、いもち病に強い「愛国」を掛け合わせた日本初の交配品種として、1921(大正10) 年に秋田県の農事試験場で誕生。寒冷な東北にフィットした米として、昭和初期の秋田県で広く栽培され、岩手県では農業指導員でもあった宮沢賢治が推奨した品種である。何より古関さんが心を動かされたのは、師匠と慕う鵜養の91歳の篤農家から、「子供の頃、農薬や化学肥料なしで良く育っていた」という話を聞いたからだ。
 稲作は、第二次世界大戦後に農薬や化学肥料の開発、品種改良の技術が進み、人が自然をコントロールしながら収量を上げる近代農業へと大転換を果たす。「陸羽132号」は、化学肥料を与えると丈が伸びすぎて倒れやすく、しかも収量は上がらず、秋田でも別の品種に置き換わっていった。ちなみに、いま私たち日本人に最も人気がある飯米 「コシヒカリ」 や、お馴染みの「ひとめぼれ」、「あきたこまち」は、すべて「陸羽132号」の子孫にあたる。
 ”効率化”生産性重視”体制に入る直前の秋田で、広く栽培されていた米が「陸羽132号」であり、「無農薬で栽培していた時代の最高傑作だ」と古関さんは捉えたのだ。

 そんな時代背景を持つ「陸羽132号」と新政は、出会うべくして出会った。師匠が「愛亀」と愛称で呼ぶ「陸羽132号」こそ、「鵜養が選んだ米」であり、「鵜養という土地そのものを醸して酒にする」というミッションにふさわしい。古関さんはその“運命”を確信した。
 2つの川に挟まれ、常に冷たい水を引き込むことができる鵜養は、良質な米がとれる土地だ。また、上流に集落がないことから水質への影響もなく、無農薬栽培に向いている。古関さんはもう一歩進んで、その土地らしさを突き詰めるために、肥料さえ与えない自然農法に挑戦。2017年に鵜養全体で5町歩の田んぼから始めて、2020年秋には約23町歩(サッカーコート約30面!そのうち陸羽132号は6町歩、サッカーコート4面分)に広がり、その全ての田んぼを、古関さんと若手社員1人で、地元の農家とともに無肥料無農薬の自然農法で育てている。

「農と醸を繋ぐ運命の米」vol.2 新政酒造 農民藝術概論2019
(「農と醸を繋ぐ運命の米」vol.2 新政酒造 農民藝術概論2019 小冊子より)

「田んぼが整ってきた。3年目の2019年からそう実感するようになってきました。農薬を使わないようになって土の中にたくさんの微生物や生き物たちが棲むようになりました。さらに肥料も与えず、僕らが草取りのために田んぼの中を歩きまわるようになったことで微生物の配置が整い、美しいバランスを保つようになりました。その結果、稲は健全に育っています。これは、酒造りとまったく同じです」と、嬉々として熱弁をふるう古関さん。
 酒造りと同じという意味は、たとえば新政が取り組む生酛という手法。一般的な酒造りで行われる速醸酒母は、醸造乳酸で殺菌して、清酒酵母だけを純粋に増やす方法だが、生酛では様々な微生物が居るなかで清酒酵母を健全に育てる。稲と清酒酵母という違いがあるが、生き物が心地よく、元気に育つ環境という意味では同じだと古関さんは説明するのだ。
「生き物たちと人間が、お互いいい関係にあると、美味しいものができる。醸すことも、田んぼの中も同じ。僕らの稲は気持ちいいという顔をしているし、僕らもとても心地いい。だからきっといい米に育つし、美味しい酒ができる。そう信じています」
 無農薬無肥料で栽培し、2019年秋に収穫した「陸羽132号」を使って、生酛仕込み、酵母無添加で、木樋で醸した令和1酒造年度の「農民藝術概論」。蝋封された栓を開け、一口、含んでみた。さらさらと清らかな小川のように舌の上を流れ、静かな森のような落ち着いた印象だ。最後に感じるわずかな渋味は、飯米ゆえだろうか。若さゆえだろうか。余韻は長く、穏やかな旨味が、ゆっくりと広がっていく。旬の食材で作った料理に静かに寄り添ってくれるような控えめな美しさがある。これまでの新政とは違った新しい世界観に触れ、胸がときめいた。
 蔵元によると、飲み頃は10℃保存で2年後、6℃で4年後と想定しているという。歳月とともに、どんな風に育っていくのだろう、どんな花を咲かせるのだろう。鵜養の景色を思い浮かべながら、この酒とともに生きる幸せを噛みしめた。

2020年冬

「農と醸を繋ぐ運命の米」vol.3 新政酒造 農民藝術概論2019
(「農と醸を繋ぐ運命の米」vol.3 新政酒造 農民藝術概論2019 小冊子より)

鵜養によせて


          新政酒造代表取締役
          佐藤祐輔

鵜養(うやしない)は秋田県中央部、四方を山に囲まれた盆地にある小さな村です。この村の特徴はなんといっても豊富な水にあります。岩見川の源流、大又川と小又川が村をそっと囲むように流れておりますが、ここより川上には、ただ生い茂る森が広がるばかり。その水の流れはいささかも人の生活に汚されてはいないのです。この散重な水を用いて鵜養の米は育てられます。これが美味しくないはずがありません。
新政酒造とこの風光明媚な農村の関係は、2015年に酒米造りを依頼したときから始まりました。美味しい米がとれるとはいえ、この地での稲作はけっして楽なものではありません。標高が高いため気温が下がりがち。また盆地であるために湿気もこもりやすく、一生懸命見守ってやらなくては、稲はすぐに病気にやられてしまいます。ふつうに栽培しても、たくさんの収穫を望むべくもない土地です。ましてや無農薬栽培など、言うまでもなく難しいということは、じゅうぶんご理解いただけるかと思います。


しかし、この桃源郷のような世界を守りたいという地域住民の思いは、そのような逆境をものともしませんでした。2020年現在、二十三町にも及ぶ無農薬の酒米踊場がこの地にあらわれています。今や、養は秋田県でも最大規模の無農薬田園に変貌しているのです。
住民の取り組みにより、村の自然環境には様々な変化が起こりました。田圃は稲だけではなく、様々な生き物のゆりかごとなりました。蛙や蜘蛛、バッタやトンボなど田に棲む生き物は、それぞれが役割を持って生まれてきます。生き物は増えれば増えるほど、その多様性を増していくようです。では、ここ一~二年で、きらめくも見られるようになったとのこと。
おいしいお酒を造ることも大事ですが、酒造りや米作りを通じて、秋田の自然環境が理想的な姿に近づいていることこそが、我々のなによりの喜びと言えましょう。この「農民藝術概論 2019」が、みなさまにこの感動を届けてくれますように。

鵜養によせて
(「鵜養によせて」新政酒造 農民藝術概論2019 小冊子より)

鵜養地区の米造りについて

          新政酒造株式会社
          執行役員 古関 弘

 陸羽132号、我々鵜養のメンバーは愛情を込めて、通称愛亀とこの米を呼んでいる。鵜養に80年の時を越え復活し2年目の愛亀は、天候に恵まれ伸び伸びと育つ姿を我々に示してくれた。

 2018年秋、鵜養の環境に最適にフィットしている穂(つまり冷水と病害に強く大きな穂)を選び、一本づつ種子をハンドピックするところからこの愛亀の栽培は始まっている。
 季節を通じ、我々の「農」のイメージとは鵜養の持つ緑の循環のカを豊かで美しいものにすること、それを田んぼの上に展開すること。持ち込んだ肥料で生態系のバランスを崩し、農薬でそれを矯正するのではなく、調和を、豊かなものにすること。過剰も、欠乏も、稲は求めていない。バランスと、調和。そのために人が、眼と、手を添えること。それが「農」。それを、古くて新しい「農民藝術」と呼べたら。

 積雪の多かった冬を越え、春、好天というボーナスに恵まれ、土壌の有機質の分解はこれまでなかったレベルで進み、田に放たれた苗は伸び伸びと育った。梅雨から真夏の病害の季節も力強く乗り越え、秋、鵜養一面の黄金色の穂波がこの米を我々に恵として授けてくれた。

 通常日本の生態系がもたらす光や水の持つミネラルのカ、「生態系サービス」は、平均で4.2俵ほどの作柄のポテンシャルを持つと言われる。そこから、雑草や病害虫の影響で引き算が行われ収穫量が決まるのだが、うまく生態系の力を引き出せれば、収穫は増やせる。この年は約4.8後の収穫となった。

 鵜養の持つ緑の循環ポテンシャルに、少しだけ我々は手を添えることが出来たと言えるだろうか。

 この酒には、あの年の季節の恵みと我々の「農」の営みと、蔵人たちの技に磨かれた米の生命の記憶がそのままに込められております。秋田の片隅、宝物のような小さな盆地とそこに暮らす人々に想いを馳せながら、この酒の酔いを楽しんでいただけましたらこれ以上の喜びはありません。


(「鵜養地区の米造りについて」新政酒造 農民藝術概論2019 小冊子より)



  ……雲からも風からも
    透明な力が
    そのこどもに
    うつれ……
    「稲作挿話」宮沢賢治

(新政酒造 農民藝術概論2019 小冊子より)



(鵜養作付け分布図2021)The World of ARAMASA より


【関係記事】
NHK番組 新政酒造「たんぼ物語 限界集落で究極の酒造りを!秋田鵜養」
【悲報】新政酒造 古関氏、ハチに再び襲われる
新たな 新政colors「アース(大地)」誕生しました ※表記変更:大地→産土
陸羽132号(愛亀) 宮沢賢治「稲作挿話」
新政酒造 「農民藝術概論2019」 陸羽132号 稲作挿話
新政酒造 新政Colors 新生タンジェリン(山吹) 原料米は奥羽260号(フクノハナ)
酒造適正米「亀ノ尾」 思うまま 道はかどらぬ 稲見かな [花酔]
美山錦 「新政酒造 ラピス」終売アナウンスによせて



(「赤神神社五社堂」と「999段の石段」)


(秋田県 民俗芸能伝承館)


(秋田県 太平山三吉神社)


わたしのROOM

日記の別館へ 人気ブログランキングへ にほんブログ村 酒ブログ 焼酎・泡盛へ
(よろしければクリックお願いします。)

楽天トラベル 東北旅行

楽天トラベル 東北旅行(秋田県)
楽天トラベル 東北旅行(秋田県)












お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022年02月16日 08時11分57秒
コメント(0) | コメントを書く
[新政酒造限定酒] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: