夫の着物をデパートの呉服売り場へ持って行きました
お客様は誰もいらっしゃらなかったので、落ち着いてお話ができました
着物には、ここで作ったことがわかるように目立たないところにお印があります
なので、特に何も説明しなくても丁寧に接客してくださいました
夏物には、本麻のお襦袢があるのですが袷の着物にはお襦袢がないので
相談して、着物の寸法に合わせたお襦袢を新たに作ることにしました
正絹の手縫いのお誂えになりますから、
メンテナス料よりはるかにお高くかかります
着てくださるか分からないのに、どうしようかな・・・
持っておかれるだけなら、お襦袢はいらないしな・・・
でも着物に慣れていないと、
いざ着ようと思ったらお襦袢をどこで買ってどうしたらよいか分からないとなると、いよいよ着る機会が無くなるしな・・・
悩みそうになった時『もし、夫ならどうするだろうか』と考えたら
中途半端なことはしんときや・・・
きっとそう言うだろうなと思ったので作ることにしました
男性のお着物はなかなか売れないみたいで正絹の襦袢反物さえ店頭には置いていなくてお取り寄せになるそうです
高価ですし、売れない物を持っていても仕方ないですものね
数種類の反物を取り寄せて、お見分けの結果気に入った反物で誂えてもらうことにしました
それにしても
年々売り場が縮小されます
夫の同級生の室町の呉服屋さんも閉店されたので、このデパートの呉服売り場でお世話になることにしたのですけれど、
もう丹後の白生地の織屋さんはほとんどが廃業されたと聞いています
もう綺麗な自模様の入った白生地も手に入らなくなるのでしょう
伝統産業というカテゴリーだけで着物関連の技が継承されるのかもしれませんが
もう、あの艶やかなしっかりした正絹の着物は、なかなか手に入らなくなるのかもしれません
今日、久しぶりに呉服売り場を覗いてそんな淋しい思いをしたせいか
夫の着物も、もう私の手元から無くなってしまうのか・・・と思うと
やはり引き裂かれるような痛みを伴う寂しさを感じて
辛かったです
こうして、少しずつ
夫の物が私の周りから消えていき、思い出だけになるのですね
私がこの世を去るまでに、少しずつ夫と私の物を無くしていくのですから
だんだん無くなっていくのは当たり前なのに
まだまだ離れがたいです・・・
でも、夫は息子の元へ行くのだから喜んでいるかもしれないな
そう思うと、少し心が軽くなってお腹もすきました
お昼には、最近マスコミでも良く取り上げてくださる
志津屋さんの『カルネ』と蒸し鶏と金胡麻ごぼうのサンドウィッチを買って帰りました
超有名になってしまった『カルネ』
オープントースターで少し温めると、パンがパリッとして美味しいのです
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