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BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。
栢山は歩いた、眠らなかっ体は少しだるいがこれは藤野を犯した自分への罰だと思い込もうとしていた。
どこに向かうか、それはただ一つの場所を目指していた、そう、話し合うべき彼の元に向かう為だけに歩いた、財布を持って出なかった自分に腹が立った、今頃ならすでに倉本の住むマンションには到着している筈だった。
歩きながら思う、自分は倉本を恨んでいない、なんて嘘になる、彼が原因で藤野にあのような行為に至ったのだから恨み言の一つも言ってやら無くては気が済まないと思った、そして倉本の気持ちを確認して置かなければならないと思った。
彼も、藤野を愛している一人なのだから。。。
倉本は途中で身を引いた、なぜ彼が身を引いたのかは理由は定かではない、彼の気持ちを知った時にはすでに倉本は藤野への告白はしないと決断した後だった。
理由は彼女が出来たと藤野に告げる現場を栢山が目撃した、だから栢山は何の障害も無く藤野に告白出来たある日の事だった、倉本に呼び出されたそして言われた「藤野を頼む」とまるで遺言か何かの様に栢山はその言葉を聞いた。
それなのになぜ今更、倉本が藤野を抱いたのかその真意が知りたい。
だから倉本の元に向かい話し合う。
12月の空気は冷たい、栢山はポケットに手を入れて歩いた、横断歩道を渡り、大通りに面した場所に目的のマンションは有った。
藤野が借りているよりも高いであろうそのビルを見上げて栢山は思う、自分は倉本の住む階も知らなければ部屋番もし知らない、以前、藤野と訪れた事が有ったがその時は総て藤野にまかせっきりでなんだか知らないが藤野と倉本が共通の秘密を持っているようで無性に腹がたった記憶が甦った。
栢山は舌打ちをして側に寒さをしのげる場所が無いかと探し、玄関脇の柱の影を見つけ、座り込んだが倉本と遭遇出来るのは彼が出かける際しかチャンスは無い、自分も会社に向かわなければ成らないが一度有って話しておきたかった、だからこうやってここで張り込む決意をしたがこれほどセキュリティーがしっかりしたマンションで通報されない自身は全く無かったが何とかなうだろうくらいの意気込みは有った。
どれくらい時間を潰しただろうか1時間かそれより長いか?栢山にはもう、それを考えることさえ億劫になるほど時間の経過が長く感じられた。
せめて近くに時間の潰せる場所があればいいものをマンションのすぐ近くにはそのような気の利いた場所は存在しない様に思えた。
その時だった、誰のものだかわからない靴音が早朝のビルの谷間に響いた気がしたが栢山は動くのも面倒でその足音が警備員だとしてももう構わないとまで思っていたが栢山の後ろまで近づくとその音はパタリと止まり、その代わり背中に衝撃を受けた。
それを栢山は受け取り、文句の一つでも付けてやろうかと振り返るとそこには倉本が仁王立ちになっている様に見えた。
「栢山じゃねか、何してんだお前、まあ良い俺の部屋来い」
「て、あんたにするんですか?人の背中を足蹴にして」
「ふん、先制攻撃に決まってる」
倉本自身、平常と変わりないように見受けられたが吐く息にアルコール臭さが混じっていたのを感じた栢山が言う。
「あんた、もしかして朝帰りか?」
「ああ~悪いか」
「悪いわけじゃない、ただ、驚いただけだ」
そう、倉本は酒を好んで飲むが朝まで飲むようなマネをしないのは良く知っていた、栢山にしてみればそれは驚くべき事だったのだ。
「あんたが飲もうが俺には関係ないことだ」
「よく言う、お前の所為だよ、飲んでも酔えないのはお前の所為だ栢山」
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