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BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。
倉本の案内でエレベーターに乗る、さっき気付かなかったアルコールの臭いが小さな密室の中に充満する。
眉を顰めて倉本とを見る、やつれた表情がなんだか哀れにさえ栢山には見えた、何時もはもっと飄々としてる倉本が浴びるほど酒を飲み、酔えないで朝帰りをするなんて想定の範囲外で自分が少し動揺している事に驚いた。
倉本をこれ程までにしてしまう、倉本に取っての藤野の存在がこれ程までに重いのだとしたらなぜ倉本は学生時代なぜ藤野を手放したのだろう?という疑問に行き着いた。
自分に藤野を託し、離れ、親友という居場所を選んだ倉本の真意とを知りたいと思った、それほどまでにして藤野に寄り添う必要がなぜ有るのか、恋人という立場を選ばなかった理由が聞きたいと思った。
栢山が頭の中で思いを巡らす間にエレベーターは目的階に辿りついていた。
倉本が先を歩くが外で会った時はさほど酔っている風ではなかったがどうも歩きがぎこちない、これで酔っていないなんて嘘の様だと栢山は思った。
倉本の部屋へ入る、藤野と来たのは何時だっただろう、それ程遠い昔ではないはずなのになんだかここに来たのは何十年も昔の様に思えた。
「栢山、そこに座れ」
通されたリビングのソファーに顎で座る場所を指され、そこに腰を下ろすと倉本の姿が消えていたが空気が暖まるのを感じてその暖かさに身を預けたい気さえした。
「おい、栢山寝るんじゃない」
そういいながらいつの間にか着替えて戻ってきた倉本がそこにいた。
「お前、寝てないんじゃねえのか?」
「ええ、まぁ~」
「で、何しに来た?」
「アンタを殴りに来た」
「ああ~そう。。。」
さほど驚きもしない倉本の表情は何時もの顔に戻り、ゆっくりとソファーに腰掛けると近くに有った灰皿を寄せ、タバコを取り出し、愛用のライターで火を点け、煙をゆっくり吐き出した。
「で、藤野にお前何かしただろう」
「ああ~だから俺はアンタを殴れない、言い訳はしない」
「だろうな、俺も言い訳はしない、俺はあいつを抱いた、それが真実だお前はそれに嫉妬したって訳だろ?」
「なぁ、なんであの人を抱いた?アンタは一度、あの人から離れたのだろう、なぜ?」
その時だった、倉本が銜えタバコで栢山の顔を覗きこみ笑顔で「コーヒー飲むか?」と問われ、頭を撫ぜられ、 まるでそれは拗ねた子供を諭すかのようで栢山自身は苦笑しながら「頂きます」と言ってしまった自分が滑稽だと思えた。
「そっか、だったら一息つこうぜ、、俺は少し酒を抜きたいし、お前は冷えてるだろ」
と言って席を立ち、リビングから繋がるキッチンへと歩くと棚から豆を取り出しコーヒーメーカーにセットした。
その間はお互い無言だったが栢山も倉本もタバコを吸って間を持たせた。