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2026年01月27日
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カテゴリ: オペラ
あちこちで大変と言いながら、ライヴビューイングだので一人ブイブイ言わせてた感じのメトが大変らしいと.....


メトロポリタン歌劇場、継続する財政難で解雇、給与削減、プログラム縮小を発表
https://www.broadwayworld.com/translate/ja/Metropolitan-Opera-Announces-Layoffs-Salary-Cuts-and-Reduced-Programming-Amid-Ongoing-Financial-Strain-20260120


Metropolitan Opera House announces layoffs, salary cuts amid financial woes: report
https://abc7ny.com/post/metropolitan-opera-house-announces-layoffs-salary-cuts-amid-financial-woes-ny-times-reports/18440938/


Metropolitan Opera Clashes with ‘Carmen’ Team Following Restaging of Act Two
https://operawire.com/metropolitan-opera-in-dispute-with-carmen-team-following-restaging-of-act-two/

 メト、というかニューヨーク自体、9/11の前に行って以来行っていないので、本当のところ今どうなっているのかよく分からないんですけれどもね。
 ただ、ライヴビューイングとか結構やっていて、確かに一人気を吐く感じではあったのですが。
 どうやら、サウジアラビアで引越公演をやる売り上げというか契約金が当てに出来なくなって、急遽人員削減、給与カット、更にはリンカーンセンターの劇場を飾るシャガールの壁画を売りに出す、と、いやはや。
 で、その結果、上演中のカルメンの2幕の演出で、ジャガーとトラック2台でエスカミーリョが登場、という場面で、予算削減の為、ジャガーを排してエスカミーリョは歩いて登場、代わりにトラック1台だけで、あとバイクで出てくるんだとか。その結果の削減額が、見間違いでなければ数千万円なんだと。で、演出家が、それなら自分の名前をクレジットに出すなとかなんとかかんとか........

 メトに関しては、まぁ、言い出すとキリがないのですが、個人的にはあまり好きではありません。歌手はカネに飽かせてやたら拾ってくるけれど、基本金持ちの道楽という域を出ないような。変わってきたのは9/11以降でしょうか。あの辺からあの国はやはり何か変質が始まっているような気はするんですが、その辺で、金持ちの道楽、の道楽者が減ってきたような気はします。メトがライブビューイングとかやり始めたのはその頃からだったかと。勿論それには技術の展開が伴ったからというのはありますが。
 で、欧州で猖獗を極めた現代演出は、なかなかアメリカには、特に道楽の殿堂・メトには上陸しなかったのだけれど、いつの間にかすっかり現代演出に染まり、というのが現状だと思います。その一方で、歌手は、どうもよく分からないんですよね。ただ、メトで出ていた歌手がそんなにいいのか、というと、どうもそういうわけでもないな、というのが現状じゃないかと。
 いや、公平に言えば、今、世界中で歌手は払底しているよな、というのが正直な感想です。どこにもいない。いや、言い出せばキリがないので、とりあえず公演を打つ程度には歌手はいるけれど、本当に、これはいいなという人はいなくなってしまった。レネ・パーぺだっけか?なんかメトで人気の歌手、という話だけれど、少なくとも録音で聞く限り、別に大したことないなという。カウフマンも、まぁあれは欧州でも歌うし、相応にいい歌手だと思うけれど、そんなにすごい歌手でもないだろうと。

 それが理由かどうかはともかく、そうはいってもあれだけブイブイ言わせてた筈のメトが財政難、しかも当てにしてたのがオイルマネーで、それが入らなさそうでさぁ大変、というのは、なかなかに皮肉の効いた話だと思います。確かあの劇場には、テキサコか何かの、つまり石油会社の名前が付いたラウンジだかなんだかがあったと思うのだけれど、それを思うと隔世の感があるというかなんというか。日本はとっくにそうなんだけれど、あの国もやはりそこが見えてきちゃってるのだな、という。いや、社会全体としてはまだそうでもないんでしょうけれど、オペラなんてもう支える気はないのかも知れないですね。あの歌劇場は私的支援で支えられている劇場だけれど、もう国内だけでは支えきれない、という。


 で、最後の演出の話ですが、これなんかバカな話だな、としか思えないんですよね。ジャガー出さずに済ますと4千万円の削減、てのは、ジャガーを借りるのか壊すのか、そういうコストでしょ?もはや。それが演出のキモになるのかというととてもそうは思えないんですがね。
 私は決して現代演出を嫌っているわけではないですが、ただ、演出というものも、観客の評価を経て洗練される、言い換えればダメなものは篩い落とされていくものだと思っています。ト書きに忠実っぽい「伝統的」演出は篩い落とされる部分が少ないから無難なものとして生き残ってしまう、それに対して新しいものを試みるのは、それ自体は間違いではないと思うけれど、同時に、新しいものが常に価値があるなんてことは全くないのであって、むしろ大半はダメダメのクソだというのが実情だと思います。そりゃ言うまでもなくそうでしょ。しかも単に新しく制作するだけじゃなく、「独自の視点」なんてくだらない演出家個人の自我なんか入れてきた日にゃ大半はクソですよ。少なくとも現代から見ればオーソドックスに見えるであろう、ゼッフィレッリ、ポネル、クプファー、そうした天才なんてごく少数なんですから。そういう意味ではいわゆる「現代演出」の演出家にそのクラスの人はまぁいないですね。コンヴィチュニー?アレは典型的チンピラでしょ。個人的には、グラハム・ヴィックが、まぁまだしも高いレベルだとは思うけれども。
 要するに、「新しい演出」なんて大半はクソで、でも、新しいものというのはそういう意味で洗礼と選別を経ていないのだから、そういうものなんですよね。大体が。新しい演出はどんどん叩いていいけれど、新しい演出を出さないようにするべきではない。

 ただ、エスカミーリョを登場させるのにジャガーでなきゃダメだ、というのは、もうその時点で演出のダメさ加減が窺い知れますよね。メトも迷走してるな、と思うのは、そういうところかなと。カネがないことは確かに問題だけれど、ジャガーでなきゃ演出として成立しないと言い張るような演出家を起用しちゃってる時点で、もうダメかなと。そこにどんだけカネ突っ込んでんだよ、というね。うるせえな、カネあんだからいいんだよ、って反論ももはや通用しないわけで。ね。








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最終更新日  2026年01月28日 02時26分40秒
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