2012年03月07日
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- 映画コラム -
COFFEE &MOVIE



どんなに頑張っても自力のドリップではコーヒーの香りがするお湯にしかならず、
事コーヒーに限っては 「貧乏」 にすらなれないお粗末な出来栄えで、
まさに苦渋を飲む日々を送っていた。

身内が贈ってくれた (いらないから押し付けた) 粗挽きコーヒー豆も、
いい練習台になってくれたはいいが、このままでは本来の味を発揮する事も無く、
虚しく減っていくばかりである。

そこで思い切って、ネット上で評判の良い上記のコーヒーメーカーを半信半疑で購入し
状況打開を図ることにした。

思い切って いるのに 半信半疑 という所が相変わらずのヘタレぶりであるが、
数日経って届けられた本製品は、ヘタレなブログ主の憂慮を吹き飛ばすには
充分な代物だった。

ドリップの決め手は、珈琲の匠がお湯を注ぐ時挽いた豆を覆うように出来る
「泡」 であると理解していたが、
自力のドリップでは到底出来なかった 「泡」 が出る注ぎ方を本製品は見事に再現し、
豆そのもののコクのある味を引き出して見せてくれた。

残り少ない粗挽きコーヒー豆の本来の味を堪能できたのは言うまでも無い。
ガラクタばかり増えて困る、と毒を吐く家族も

珍しく納得の、いい買い物で あっ た・・・


 さて、
果たしてこんな文章を 「みんなのレビュー」 に投稿したとして、
こんなフザけた文章を投稿するんじゃねっつ! と、レビュアーの逆鱗に触れ、
瞬く間にコメントが炎上するかどうかはさておき、

本ブログは映画のレビューが本分であるとして、
今回は コーヒーにまつわる作品 をいくつかご紹介したいと思う。


        △▼ △▼ △▼


「コーヒー&シガレッツ」 
監督 ジム・ジャームッシュ

アメリカ (2005年4月)

本作は11篇によるオムニバス作品で、元々はアメリカのバラエティー番組
「サタデー・ナイト・ライブ」 で使用する短編として
86年に 「ライフ・イズ・ビューティフル」 ロベルト・ベニーニ
起用して撮り上げた 「変な出会い」 が始まり。

その後、89年にスティーヴ・ブシェミによる2作目 「双子」 を、

93年の 「カリフォルニアのどこかで」 では イギー・ポップ トム・ウェイツ の共演で
カンヌ映画祭の最優秀短編映画賞を受賞する。

その後10年以上に渡り製作された全11編をまとめて公開したものが本作である。

本作にはストーリーと言ったものは無く、個性的な出演者が唯只コーヒーを飲みながら
タバコを吹かし会話をすると言った内容で、

独特の空気、間、ユーモアで、脚本のあるドラマでは再現できない至福の時間を味わえる。

「けいおん」 が、高校生の日常を描いた 緩いジョシアニメ であるなら、
本作は粋な大人の日常を描いた 緩いバラエティ と言った所か。




「おいしいコーヒーの真実」 
監督 マーク・フランシス、ニック・フランシス

イギリス/アメリカ (2008年5月)

既に地方にも進出し、おいしいコーヒーが安く味わえる事で知られる
「スター・バックス」 だが、そのコーヒーの内訳を紐解くと生産農家が受け取る対価が
あまりに少ない事は知られていない。

本作はコーヒー市場を巡る資本主義経済の矛盾を訴える社会派ドキュメンタリーである。

マイケル・ムーアの映画を観た後 「ナイキ」 のシューズを買う気が起こらなくなる様に、
この映画を観た後スター・バックスでコーヒーを飲む気にならなくなるかもしれない。

最近はめっきり喫茶店にも行かず、
マクドナルドで安いコーヒーを飲んでいるブログ主であるが、

コーヒーはなるべく高い値段で飲んであげる事がコーヒー農家の救済に繋がる
一つの手段だとしたら、果たして本当に 苦い 思いをするのは誰なのであろうか・・・


        △▼ △▼ △▼


12ozLatte
Latte, with latte art in a 12oz ceramic mug (画像参照: wikimedia)
「マンハッタンラブストーリー」
脚本 宮藤官九郎

日本(2003年10月) 全11話

「何これ?もうすでに映画の紹介じゃ無くなってるじゃん!」

のっけから企画倒れの様相が煎れ過ぎたコーヒー並みに濃厚であるが
(上手いこと言った気になってる)

TV局近くの喫茶店が舞台の群像劇コメディー。
コーヒーが全ての寡黙な店長が常連客の恋愛に一肌脱ぐ時だけ饒舌になる
TOKIO松岡昌宏主演のドラマ。

「LOST」 J・J・エイブラムス 製作のドラマに出演する俳優は
皆、 頭良さそう に見えるのに対し

宮藤官九郎 脚本のドラマに出演する俳優は皆、 頭悪そう に見えるのが、
日米で作家の個性が見事に 文化的2極化 した最たる例と言える。

あの 小泉今日子 が、頭悪く見えるのが最大の見所。




Jevetta Steele - Calling you
「バグダッド・カフェ」
監督 パーシー・アドロン

西ドイツ(1987年)

「映画の話から知らない内に音楽の話にスライドするのは止めてもらえますかっつ!!」

そう言わずに、ホラちゃんと 「Coffee Machine~♪」 って歌ってるでしょ?

アメリカの片田舎の砂漠にある寂れたモーテルを、太ったドイツ人のおばさんが
「砂漠のオアシス」 に変えていく奇跡の物語。

本作の主題歌  Jevetta Steele - Calling you が印象的な話題作。

wowowが開局した時番組のブリッジによくこの曲が流れていて
映画よりも先に音楽で入っていった記憶がある。



Paul McCartney - No More Lonely Nights
「ヤア!ブロード・ストリート」
脚本・主演 ポール・マッカートニー

イギリス/アメリカ(1984年)109分

「コーヒーの映画じゃ無いじゃん!」 との謗りが聞こえてきそうだが、よ~く見て下さい。
冒頭でお湯を沸かせてコーヒーを入れて、屋上に出たポールが

「あんたに電話する日までいつまでだって待つぜ~♪(直訳)」と
マグカップ持って歌い始めるでしょ?

「って言うか、これは主題歌のPVの方で映画じゃないんですけどっ!!」
いえいえ、映画本編を上映する映写技師のポールっていう憎い演出じゃないですか。


物語の「新曲のマスターテープを盗まれる」、というアイデアは
ヘビーメタルバンド ジューダス・プリースト の実際に起こった事件を元にしたものである。

曲中のギターソロを弾くのはピンク・フロイドの デビッド・ギルモア によるもので
彼のキャリア中ベストとも言える 「ギルモア節」 を堪能できる。

D・ギルモア他、本編には リンゴ・スター も登場し、契約上の関係で
ビートルズナンバーを演奏出来ないリンゴは 「イエスタデイ」 の演奏シーンで、
スティックが見当たらずいつまで経ってもドラムが叩けないという芝居をして
上手くかわしている。




Roberta Flack - Killing Me Softly With His Song
ネスカフェCM (1972年)


「これは映画じゃなくてコーヒーのCMじゃん!!」
その事にすぐに気付いたあなたこそ年は幾つですかっつ!??

このCMの為に新録し歌詞を替え、「ネスカフェ~♪」 を連呼する ロバータ・フラック に驚き、
小川真司 氏のゆったりしたナレーションがリクライニング効果を上げる、古き良き時代のCM。

R・フラック と言うとブログ主などは ダニー・ハサウェイ との共演がパッと頭に浮かぶが
黒人=主義  という呪縛から解かれて、ソウルがコンテンポラリー化して行く動きの中、
D・ハサウェイ、S・ワンダー などのような、自然なサウンド作りを目指す
アーティストの一人であったという印象がある。

時代を経てラップ・ミュージックの登場で再び 黒人=主義になるのだが・・・



こちらは1988年の 「Atlantic Records' 40th Anniversary Concert」 での
R・フラックのライブ。


        △▼ △▼ △▼


My Ever Changing Moods - Style Council
イギリス (1984年)

「もうコーヒーですらねーっつ!!」 まあ、そう言わずに・・・
ホラ、アルバムのタイトルも 「Cafe Bleu」 ですし・・・コーヒー的と言う事でっ

ポール・ウェラーはスタイル・カウンシル消滅後、ショックからなのか自分のギターが
嫌いになったらしく、その後引退するような事を言っていたのを覚えているが、
又自分のギターが好きになった事がきっかけでソロ活動で再スタートを始めたとか。

どちらにせよ古い話です・・・っていうか、せめてコーヒーの話をしろよ!!


        △▼ △▼ △▼

「ツイン・ピークス-Twin Peaks-」
製作 デビッド・リンチ

アメリカ(1990年)

「コーヒーはどこに行った!」 
ちゃ~んと本作の重要なアイテムとして使用されてますよっ

誰がローラ・パーマーを殺した?で社会現象になった デビッド・リンチ 製作の
海外ドラマである。

このドラマの主人公、クーパー捜査官の ダンディズム が当時話題となり、
劇中行きつけのレストランで ブラックコーヒー チョコレートドーナーッツ
注文するスタイルは、既に一大ブームとなっていた 「ティラミス」 を尻目に、
日本中の男性の間でチョッとしたブームとなった。

それまでコーヒーに砂糖2杯とミルクを入れて飲んでいたブログ主も
即効で感化された事は言うまでも無く

コーヒーに砂糖を入れないだけの随分と安上がりなダンディズムも
あったものだと当時を思い返す。



と、記事の文字数に達した所で本企画 終了と相成ります。 お疲れ様でした☆





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最終更新日  2021年07月06日 01時38分01秒
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