ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.03.18
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カテゴリ: 民衆の歴史
イギリスの庶民生活……(2) 貧民の仕事…4

この節の最後に、売春婦を取り上げておきます。パリで取り上げず、ロンドンで取り上げることにしたのは、19世紀のロンドンが、世界最大の売春と都市だったからです。

売春婦は上流階級を相手とする高級娼婦から、路上で媚を売る日本で言う夜鷹まで、幅ひろい階層に分かれていました。生活苦によるパートタイマーも存在しましたので、19世紀半ばで、その数およそ8万人~12万人を数えたとされています。

ロンドンのこのような現実に対し、1858年の『ロンドン・タイムズ』誌は、「ロンドンのように、昼も夜も破廉恥な売春行為が公然と行われている都市は、ヨーロッパの他の首都では見られない現象である。」と嘆いています。

こうした常態は、19世紀はじめから特に目立つようになっており、1820年代にロンドンを訪れたドイツ人は、次のように日記に書いています。「宗教心に篤く、礼儀正しいとされてきたイギリスにおいて、このようにひどい屈辱的な光景が公然と展開されているとは、誠に驚くべきことである。こんな国は、世界のどこにあるというのか。もっとひどいことには、劇場でさへ、これらのいかがわしい女たちを追い払うことが、困難であることだ。」と。

仕事のない、スラムの少女達は、12才~13才から街頭に立って、客の袖を引く生活に入ったとも指摘されています。低賃金や失業による生活基盤の不安定さは、女たちの生活を支える最後の手段としての売春に、女たちの眼を向けさせることになっていたのです。ここにも、貧困のなせる業があったのです。





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最終更新日  2009.03.18 14:48:03
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