ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.02.22
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カテゴリ: 国際経済
世界経済の現状(109)

ユーロの危機…6

PIGSと呼ばれるポルトガル、イタリア、ギリシア、スペインは、いずれも20世紀の間はインフレに苦しみ、通貨は安値に放置されていた国ばかりです。国債を発行したくても、国際的には誰も相手にしてくれず、緊縮財政を取らざるを得なかった国ばかりです。

それがユーロへの加盟が認められ、通貨をユーロに切り替えた途端、様相が様変わりしたのです。リラやペセタは信用できないがユーロとなると話は別だというわけでした。ユーロならECBや独仏が支えてくれるだろうと、国際金融界が判断したからです。ですから、PIGS諸国の国債も、買い手が次々に現れたのです。何しろ通貨がユーロになったのですから…。

物価は高値に安定したままでしたが、外資の流入で生活も潤いました。それが「あいつらは、人の金で贅沢してやがる」という生理的な反発に繋がったわけです。それも当然でした。外資の流入による国債の発行で緊縮財政から解放されたPIGS諸国は、人気取りの放漫財政に傾き、
バラマキを続けました。その結果はお決まりの不動産バブルでした。

何か事が起きれば、外資の逃げ足はすこぶる早いことは、1998年のアジア金融危機を少しでも学習していれば、すぐに気付くことなのですが、金持ちになった気分のPIGS諸国は、政府も国民も肝腎のことを忘れていたのです。そのツケが今出ているわけです。

実はユーロの発足当初から、財政規律に問題のある南欧諸国をユーロの仲間に加えて良いのかという議論はずっとあったのです。謹厳実直で規律を尊重する気風の強いドイツや、そんなに謹厳ではないけれども19世紀からの金融帝国であるフランスなどが、どうして南欧の国々を仲間に加えたのかというと、特に大きかったのは、輸出依存度が40%を超えるドイツの事情が大きく働いたのです。ドイツがフランスを説得して、南欧の国々のユーロ加盟を実現したのです。

因みに日本の輸出依存度は16%程度ですから、ドイツは日本を数段上回る輸出立国なのです。欧州最強通貨だったマルクではなく、各国共通の通貨ユーロ建ての輸出となれば、為替変動は一切受けないのですから、輸出立国のドイツにとって、とても美味しい話だったのです。



そして国際金融資本の側から見ると、ユーロだからと安心して投資していたところ、どうもユーロの基盤はそうしっかりしていないようだ。ECBは何も決められないし、独仏は他の国なんて知らないよという態度のようだしと、まさに思惑が外れてしまい、ひたすら早く逃げる
ことを実践した。これが現在の状況です。

ギリシアの負債は、ギリシアにとっては大きいですが、ユーロ圏全体や、独仏にとっては、僅かな額に過ぎません。しかし、今後出てくるのは、ギリシアとは比べ物にならないほど規模の大きいスペインとイタリアです。ECBと欧州委員会はいったいどうするのでしょうね。

悪くするとユーロが空中分解する可能性も出てこないとは限りません。ユーロの翳に隠れた形になっている、英国ポンドも状況は少しも改善していません。ここにも大型爆弾が埋まっています。

                      続く









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最終更新日  2010.02.22 21:03:17
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