ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2011.01.11
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カテゴリ: 国際経済
ユーロの憂鬱 (34)

チェコ中央銀行のハンブル副総裁は、以下のように発言しました。ユーロとEU内途上国の関係に潜む問題点を、とても的確に捉えています。

「自国通貨は、金融危機にあたって、一種のエアバックのような働きをしている。ハンガリーやバルト諸国など、中東欧でユーロ寄りの政策をとる国や、ユーロに固定された相場を持つ国、さらにはユーロ建て債務を多く抱える国などで、より深刻な危機に立ち至っていることが、それを証明している。」

金融危機勃発後の様々な動きのなかで、北・中・東欧諸国のユーロ熱はや、ユーロへの期待感は、広い範囲で薄らいだことは否定できません。

そして、ユーロ圏やEUへの揺さぶりは、ユーロの外からもやってくることにも、警戒が必要です。UAEを構成する6つの首長国のひとつドバイ政府が、注目を集めたのは、2009年の11月末のことでした。

ドバイの政府系持ち株会社ドバイ・ワールドが、資金繰りに窮していることが明らかになったのは、2009年の11月末のことでした。11月30日にドバイ・ワールドは、推定590億ドルの債務のうち、傘下の不動産開発会社ナギールなどの保有分、260億ドルについて、、返済を繰り延べる可能性を示唆したのです。

アラブ世界のオイルマネーをはじめ、世界各地から資金を集めて、人工島に豪華なリゾートマンションなどを建設する、ドバイ・マジックが喧伝されて間もなくのことでしたから、ドバイショックは、たちどころに世界を駆け巡りました。

そんな報道のなかで、注目すべき報道が2つありました。1つはドバイ向け債権の最大の保有者が、イギリスの金融機関だったという事実です。ドバイ政府は、宣言後ほどなくして、RBS,HSBC,ロイズなどを中心とする債権団と協議をはじめ、凹面は隣国であるアブダビ首長国の資金支援によって、最悪の事態に陥ることを回避しつつ今日に来ています。

この状態は、問題が解決したことを意味するわけではありません。とりあえず時間稼ぎをしたに過ぎないのです。第2、第3の爆弾が各所に埋め込まれているのです。そしてドバイ情勢をウォッチしていて気付いたもう一つの情報は、2012年導入予定のBIS規制の導入延期が発表されたことです。


                                 続く





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最終更新日  2011.01.12 00:58:28
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