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seichan0217

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y.o@ Re:「ピッツェリア ナオ」 ロゴデザイン作成(08/15) 楽しみに リバレイン1階予約し行きました …
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seichan0217 @ お久しぶりです +yocy+さん わあ!ほんとにご無沙汰してい…
+yocy+ @ Re:贅沢、それは魔法の言葉なのかもしれない。(10/09) お久しぶりです~(*^o^*) トイレットペー…
August 12, 2010
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カテゴリ: カテゴリ未分類
子供のころ、子供だけでクワガタ展に行き、
初めて買った500円のクワガタは持ち帰りの袋をやぶり逃げ出して
泣いた記憶がある。そのころは純粋で虫対する恐怖もなく嫌悪感もなかった。
夏休みになるとよく幼馴染とセミを捕まえにいったものだ。
大人になるとどうして嫌いになったのだろう。

セイイチロウはまだ虫好きだ。
今年の我が家にはカブト虫が3匹、スマトラヒラタクワガタが♂と♀の計5匹。

私はカブトムシは山奥にしかいないと思い込んでいたし
捕まえるに夜か早朝だから大変だし買うものだと思っていた。



我が家の3匹のカブトムシはなんと近くの公園にいた。
はじめバッタを捕まえたいという彼の希望により、正午も回るという
暑い時間帯にしぶしぶついて行った。
夏休みもはじめだったのでサービス精神でこのうだるような暑さの中
バッタ探しにつきあったが一匹もいない。

そこは松林の中にある静かな公園。遊具は何ひとつないが
テーブルやいすがあり、静かでここちよい自然な森の公園といった
あまり知られてない秘境のような場所。
たまに昼休みなのか郵便局員が寝てたりしている。

バッタは見つからず仕方ないからここでかくれんぼをした。
汗だくである。一人っ子の親は別の意味で大変だと身にしみる。

バラバラの死体をみつけてきた。

「ひどいね、誰か捨てたのね。かわいそうに」
とバラバラにされたカブトムシの頭や羽を二人で観察していたら
なんとあちらこちらにあるではないだろうか。

しかも中には頭だけになってるのに動いてるホラー状態。

5匹以上いた。

ここまでくれば、誰かが捨てたものでなく、もしやここにいるのでは
と見上げた時に、高いところにいた。

子供の図鑑や一般的な知識としてカブトムシは夜や朝方、蜜や布をしかけたり
木をけったりと手の込んだ捕まえ方をしなければならないという知識だけが
私の頭にあったたため、目を疑った。

こんな正午にもまわる時間にふつうに木にいた。
幻かと思った。でも、現実そこにいるでないか。

私は地面に落ちていた3M以上ある長い枝でカブトムシらしきものを
つついたら落ちてきたのでセイイチロウは大喜びでキャッチ、即座虫かごへ。

初めての野生のカブトムシを捕まえたセイイチロウはもうご機嫌で
その日その話ばかりしていた。

翌日は大分の上津江フィッシングパークにキャンプに行った。
そこでカブトやクワガタを捕まえにいくのがセイイチロウの夢だった。
しかし、夕立にあい、そのせいか雨が止んだ頃も翌日の朝も
それらは姿を見せなかった。

けっこうふたりで探したがシンとした森の静寂とともに
彼らの姿も見ることはなかった。
山奥にキャンプに行けば、クワガタに会える!そんなセイイチロウの希望や夢は
はかなくも消え去り、一匹たりとも姿を見せなかった。

がっかりとしたセイイチロウのために、ミスターマックスにクワガタを買いに行った。
確か、つがいで980円くらいだったしと思って連れて行ったが
彼が選んだのは2480円のスマトラヒラタクワガタ。

ええ、予算より3倍近く。、しかもすぐ死ぬかもしれないのにと思い、拒否ってみたが
セイイチロウ、絶対に大事にするといって譲らない。

しかたない、安いものはすぐ死ぬし(去年は国産カブトは二日で死んだ)
買ってあげることに。
そうやって手に入れたヒラタクワガタは大きなアゴを持ち
挟まれたら、まじで指を切られそうな位に恐ろしい。
私から見たら、バルタン星人に見えない。
セイイチロウ、大喜びで持ち帰り、しばらく遊んでいた。
が、何か物足りない様子。

子供の欲望は止まらない。まだ欲しいらしく
翌日また、例の公園に行った。そして2匹ゲット。
「カブトムシは蜜が出てる木、ドングリやシイタケが生える木にいます」
そんなカブトムシ図鑑の常識を軽く打ち破るように
彼らは普通に松の木や低い木にいた。
普通にぶらさがっていた。
ここは常識を打ち破る特別な区域なのか。

またもや元気で大きなカブトをかごに入れて帰った。
帰る最中、戦闘民族の彼らは始終戦っていた。

セイイチロウの本当の目的が戦わせること。
しかし戦わせたら虫たちの寿命は縮む。
それを分かっているので旦那クワガタとカブトを
戦わせることを禁止していた。

でも、つまらなそうだし、まあ、1度や2度で死ぬことはないだろうからと
許すことにしてセイイチロウの自由にさせた。

1週間後、カブトムシ2匹死亡。

例の公園に埋めに行った。
もう、生きたカブトムシはどこにも見られない。
最後に捕まえた日から数回行ったが二度と見る日はなかった。

残ったカブトムシ一匹は健在でスマトラヒラタクワガタのつがいも生きている。
セイイチロウは遊ぶものの、戦わせることが出来ないから
前ほど虫かごを開けなくなった。

私の方が、面倒みたり、時折だしてあげたり、洗ってあげたり
少しずつだが情が湧いてきた。
ところが、セイイチロウはこう言いだした。
「スマトラヒラタクワガタじゃなくてノコギリクワガタにすれば良かった」
図鑑を見て彼はそう言い時始めた。
「なんで?」
「だってノコギリの方が強いし、かっこいいもん」
子供とは残酷な生き物だ。
「そんなこと言ったらダメだよ」私は言った。

まるで、やっと手に入れた彼女を裏切る浮気な男の子の
将来を感じた。だめよ、移り気はせいちゃん。

そしてセイイチロウのその言葉が聞こえたのか、虫にも心があるのか
昨日、スマトラヒラタクワガタの♂がいなくなった。

どこを探してもいない。みるとふたがちゃんとしまっていない。
最後に遊んだのはセイイチロウ。

「ああ、せいちゃん、ノコギリがいいって言ったからバチが当たったね。
ちゃんとふた閉めないし、世話しないから逃げ出しちゃったよ」

セイイチロウは「ごめんなさい」と何度も謝りがっかりしていたが
一番がっかりしていたのはむしろ私の方だった。

どこ探してもいない。天井も本の裏も階段も。床をみてもいない。
いついなくなったのかさえ分からない。

私はがっかりしている自分に少し驚きつつ、セイイチロウに
二度とそんなことがないよう、次は二度と買わないと言った。

私がふたが閉まってるか確認すればよかったのだろうけど
それくらいキツク言わないとセイイチロウは何度も同じことをする。
いなくなれば、また買ってもらえるという考えをおこさせたくないので
わざときつく叱った。
それに私が叱ればパパからひどく怒られることはない。

旦那が帰ってきてそのことを言うと
「怒るのはおかしくない?征一朗のせいじゃないし」と言った。
「それに、うちは珍事件おおいしね。」
そう、うちは何故かスプーンの数が減っていく、ウ○チがトイレのタンクに浮かぶ
謎のキノコが植木に生えるなどのミステリー事件が多い。

夕食時、3人で話し合い、どうやったらクワガタが戻るか考えた。
きっと外には出てないはず、この家のどこかにいるはずとプラス思考の私に対し
旦那はいや、小さな隙間を抜け出せるから外に出てるかもという。
でも、もしいたらと思うとちょっと怖い。
寝てる時あのハサミでやられたら恐ろしい。
なんとか捕獲しなければ。
夜、暗くして一か所だけライトあてれば来るのでは?ゼリーしかければ来るのでは?
皆の意見は一致し、夜中しかけることに。

ところが、私も旦那も夕食を食べ終わり、他の部屋で涼んでいたころ、
まだ食べ終わってなかったセイチロウが叫んだ。
「ママいた、いたよ!!」

見上げると棚の上にあるパンを発酵させる発泡スチロールの上にしがみついていた。
おなかがすいていたのか、皆の気持ちを聞いたのか
自分の存在価値を取り戻したクワガタは自ら姿を見せた。
旦那がそっと捕まえて虫の箱に入れた。
「おなか、すいたやろう。」そういってゼリーを与えるとものすごい勢いで食らいついた。
それをまじかでアップで見ていた私は
クワガタが恐ろしいキバでゼリーに食らいつくので
少し恐怖をとりもどした。

家じゅう、笑い声に包まれる中
セイイチロウが言った。
「ママの顔がもどった」
いなくなった直後、私は怖い顔をしていたらしい。

旦那は箱を綺麗にし水をかけ、クワガタに話しかけていた。
セイイチロウはずっと見つかったときのことを話した。
私は怖かったクワガタを少し可愛く感じた。
クワガタが戻ったことで我が家が前より少し明るくなった。

出戻りクワガタ1.JPG





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Last updated  August 12, 2010 07:06:52 AM
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