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●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第5回●作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第5回■4-2ユニコーンと北の詩人が歩みはじめた、その地下、つまり「大球」の奥深く存在する純粋思考体、新しく目覚めたばかりの「天宮」は異物の飛来を気にやんでいた。そしてまた、「大球」の鉄表面でも、大いなる生態系の変化が、起こっている。つまりは、すでに大球の表面に生棲していたハーモナイザーからの監視者=ユニコーン達、新機類、はゴーストトレインが喰いつくしている。覚醒したる「天宮」は、情報ユニット「ゴーストトレイン」を実体化させると同時に、その「ゴーストトレイン」の感覚を共有している。つまり、「天宮」イコール「ゴーストトレイン」。そして、不思議なことに同じく実体化させた情報ユニットである「ユニコーン」と「北の詩人」の心情、感覚も理解して、共有しているのだ。覚醒したる「天宮」は、「大球」の鉄の表面には、存在しえない生物体を実体化させ、「大球」「小球」の生命生態系を、大いに改革しょうとしている。まるで、別の星になるように、、何匹めかのユニコーンを倒した時、「大球」につながる「小球」に存在るう大いなるハモナイザーの監視機構「生命球」から、危険信号が天空にむかい放たれたのを、機械群の共生体「天宮」は感じていた。さらに、むずがゆさとでも呼べばいいのだろうか、ある種の奇妙な感覚を天宮の予知能が感じていた。目覚めたる機械群の共生体「天宮」にとっての「敵の存在」である。「生命球」以上の存在。ハーモナイザー?、しかし、今感じる脅威は、それではなかった。「天宮」、その気持は、断機類を喰いつぶした時のゴーストトレインの様な荒々しい気持とは異なっている。何か細やかな手ざわりを持つもの。そう、なつかしい人?の手?のイメージが、天宮の全感覚の中にひろがっていく。人? 手? それは、何だ。「天宮」には記憶にない。あるのかの知れないが思い出せない。やわらかき手。そして人間のイメージが、、。しかし、天宮は、そのやわらかい手によってにぎりつぶされるイメーージを描いた。「自分は滅びるかもしれない」、 そんな予感を、覚醒したばかりの「天宮」は感じているのだ。ハーモナイザーの使徒、「アー・ヘブン」の空間飛翔体、つまり「胞子」は、急に襲ってきた「粘性の網」に包まれている。胞子の持つ推進力が、この粘着力のある網に対してはまったく作用しないのだ。あらゆる方向に動くことは動くのだが、一定の距離に達すると、反作用でまた元の場所へ戻ってしまう。つまりは、アー・ヘブンはみごとに敵の手中に陥ったようだ。ここは「敵」の勢力圏の中である。「敵」イコール、ハーモナイザーせざるモノたちである。恒星「タンホイザー=ゲイト」の中心部、緑色の液体で充たされた空間。その場所に浮遊する巨大な″木″。″木″は意思の集合体であり、「ハーモナイザー」と呼ばれる。この粘性のネットは、俗に「スパイダー・ネット」と呼ばれている。「天宮」は、小球をチューナー部分として使い、自分の膨大な情報ユニットが持つ、色々なイメーージを宇宙にまき散らし、そのイメージ像に、興味を持った宇宙船を呼び寄せていた。 そして、その宇宙船を、大球と小球を結ぶコードから発射される「スパイダーネット」でからめとっていた。 「天宮」は、その船のメインデータバンクや乗員から全宇宙の知識を盗み出していた。「天宮」は、自分の存在を検証しているのだ。自分とは何か。そして何のために存在するのか。そして大なる覚醒の意味合いは、何なのか? アー・ヘブンの乗った胞子は、ゆっくりとコードヘ引き寄せられていた。 ハーモナイザーの使徒、アー・ヘブンは、自分の分かれている位置をじっくり観察する事にする。 まっ黒な表面で包まれている「大球」のまわりをゆっくり「小球」がまわっている。小球は大球の何分のIかの大きさで衛星のようだった。 睡眠学習によれば、「大球」は、遠い昔、ハーモナイザーと争い、敗れたとの事。その時、「大球」はみずからの意志で、大球表面上の生き物をねこそぎ滅ぼした。 大球が黒い表面、鋼鉄で被われているのは、ハーモナイザーによって封印されたからだ。宇宙の邪悪な星として。 睡眠学習を再生中のアー・ヘープンの体にいきなり激しい衝撃が伝わる。 アー・ヘブンの意識は停止した。 ついに胞子は、スパイダーネット」によってコードまでたぐり寄せられ、凄まじい圧力を加えられた。「胞子」は圧力で消滅しアー・ヘブンは裸のままとり残される。アー・ヘブンのまわりを包み込んでいた胞子の構成要素は瞬時に消え去っていて、 破片を分析しようとしてコードからはりだした、「天宮」の「感覚枝」は、むなしく空をがでた。「感覚枝」は天宮の、実在化する神経細胞であり、手の役割をする。感覚枝は、代りに、とり残されたアー・ヘブンの体をとらえた。コードの一部に穴が開き、感覚枝はアー・ヘブンをその穴の中へ引きずり込む。感覚枝は、アー・ヘプンを、巨大&プールヘと送り込む。このプールは、コードにある透視層で、生命体が解析される場所だった。(続く)●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第5回●(1987年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.22
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●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第4回●作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第4回■4-1北の詩人は、目ざめた。あるいは 意識が戻ったという方がいいのだろうか。とにかく、その時、彼はユニコーンの背中にのっていた。 突然、どこかの世界から、この世界へ転移されたような気分だった。 ユニコーンの背中の乗りごこちは気持よく、首すじの毛をそっとさわってみる。ぞくっとする。何とやわらかな手ざわり々のだろう。北の詩人は、ユニコーンに言った。「さあ、ユニコーン、行っておくれ、君の望む方向に」なぜ、この生物がユニコーンという名前なのか、とにかく、詩人の口を通じて出た最初の言葉だった。目のの前に、別のユニコーンがこちらを見ていた。そのユニコーンは、詩人が乗っているユニコーンとは異なっていて、悪意というものが感じられた。北の詩人の詩人には、その前のユニコーンのコードネームが、新機類「ルウ502」であり、ハーモナイザーの観察機械、というイメージが浮かび上がってくる。しかし、意味事態は、北の詩人には、コードしてしかわからない。その言葉の意味は理解できなかった。その、悪意を持つ「ユニコーン」は、背後から急速に接近してきたゴーストトレインにはじきとばされた。ゴーストトレインは、倒れたユニコーンの側へもどってきて、死体を確かめ、ユニコーンをうまそうに食べ始めた。その姿に、北の詩人は思わず顔をそむけた。どれくらい、時がたったのだろう。北の詩人は、暗い鉄表で被われた大球の上をユニコーンと一緒に移動し、やがて、一つの穴の前にたった。その穴は、空間にのびていて、どうやら小球という大球の衛星へと続く道の様々のだ。コードだった。 北の詩人とユニコーンは、その穴へと人っていった。なぜ自分がここを歩いているのか自分自身でも理解していなかった。 記憶なのだろうか、北の詩人の心を激しくとらえたのは、ユニコーンが、ゴーストトレインの餌食となったのをながめた瞬間の、胸をしめつける感覚なのだ。 その視覚イメージに触発されて、詩人の頭の内で何かが爆発し、言葉という古い記号が、自分自身のイメージ脳の泉から湧きあがってくるのを感じていた。 さらに奇妙なのは、詩人の情感が何かわけのわからない巨大々存在に扱い取られているような気がすることであった。 北の詩人はイメージする。 私は何かの感覚の末端であり、情報を、視覚と、それから誘発される言語記号で巨大なものに伝えているだけの存在ではないだろうか。 空気というものが、濃密にたまり、流れ、それが風という記号で呼ばれている事を、詩人は思い出していた。 風は、詩人が行くべき方向を示しているようでもあった。 地下道は、血脈のようなもので被われていて、天井には、その血脈から派生した網もはりめぐらされている。 詩人はユニコーンに言った。「さあ、風の吹いてくる方向に向かっておくれ」 ユニコーンと北の詩人は、「大球」と結ばれている「小球」への道を歩み始めていた。(続く)●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第4回●(1987年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.21
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●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第3回●作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第3回一つの恒星がある。名前を「タンホイザー=ゲイト」という。星の中心部に緑色の液体で充たされた空間があった。 そこに巨大な″木″が浮遊していた。″木″は意思の集合体であり、自らをハーモナイザーと呼んでいた。虚空からの信号をハーモナイザーは受けた。彼はその信号を分析し、推理した。その信号は小球にある「生命球」の消滅を意味していた。同時に一つの決意が、彼の意識の中で生まれた。ハーモナイザーの末端部へ、中央神経叢を通じ、一つの刺激が送られた。ハーモナイザーの末端部には、数多くの個性群体が付着していた。それそれは小さな球体であり、それがまるで根に付着しているように群体を構成していた。個性群体のひとつである「アー・ヘブン」は夢みていた。たゆとう羊水の中で夢みる事を楽しんでいた。アー・ヘブンの個性がいつ、どこの星で生まれ、また、いつハーモナイザーに同化されたのか、その記憶は消え去っている。『アー・ヘブン、目ざめよ』突然、声がアー・ヘブンの体の中に響いていた。誰だ。この快いまどろみの中で私をめざめさせるものは。アー・ヘブンは怒りを感じた。『アー・ヘブン。使命を与える。すぐに旅立つのだ』使命を与えるだと、誰が、いったい、何の権利があって、私を目ざめさせるのだ。おまけに旅に出ろだと、何を言っているのだ。『アー・ヘブン、それが、お前の運命なのだ』運命だと、そんなものなど、とっくの昔に忘れてしまった。私に何をさせようというのだ。『アー・ヘブン。お前は一つの世界を作るのだ、私の代理人として』世界だと、世界とは何だ。それにそんなに価値を持つものなのか、世界を作ることが。『アー・ヘブン。動け。分前が自ら動こうとしないのなら、私が動かす』あー、やめてくれ、私はこの羊水から離れたくがいのだ。しかし、無情にもアー・ヘブンの球体は末端部から切り放され、ハーモナイザーの導管に吸い込まれた。上へ上へと扱いあげられる。 アー・ヘブンの球体の上から何かが、かぶせられたのを、アー・ヘブンの意識は感じた。 何かをかぶせられたまま、導管の内にあるアー・ヘブンの体は急激に加速度を増し、羊水の外、さらにはタンホイザー・ゲイトの外へとはじきとばされた。 アー・ヘブンの体を包んでいるのは「胞子」と呼ばれる飛翔体だった。アー・ヘブンの体は、タンホイザー・ゲイトから離れてゆく。アー・ヘブンは、自分の故郷、タンホイザー=ゲイトを観察する。真中に緑色の輝きが見えた。羊水湖の輝きだった。私はあの中で眠っていたのだ。できれば戻りたい。そうアー・ヘブンは思った。しかし、「胞子」は回転しながら、太陽光流に乗り、銀河を横切って行く。 長い旅路になるだろう。そうアー・ヘブンは感じていた。そして、自らの体を冬眠状態においた。 アー・ヘブンも、また一つの運命を荷っていた。(続く)●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第3回●(1987年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.20
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●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第2回●作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第2回■2新機類、ユニコーン、ルウ502はどこまでも拡がる鉄表の上を四つの足で駆っている。眼の前に拡がるのは鋼鉄の荒野。いや荒野と呼ぶのさえ、不適当だろう。つるりとした冷たい鉄で被われていた。 ルウ502の生体機能は充分に活性化していた。活発に働いている内臓機構や機械筋肉がルウ502に快い気分を与えていた。荒野から絆が生え出ていて、それは上空に消えている。大球と小球を結ぶコード。がそれだ。衛星、小球に存在する生命球が、ルウ502たち、新機類に命令を授けているのだ。まさに、天の糸である。大球、つまり鉄の表面を疾駆するルウ502は、『ああ、俺は生きている。駆けている』 そんな充実感があった。 が、ルウ502の顔にあたる空気流が急に温かくきり、かまけに生体液のすえた臭いがした。 『うっ、この臭いは』 その時、生命球から『ゴーストトレインが出現した』という情報が入力された。ああ、なんという連絡なんだ。そんな連絡などなけれぱ、ルウ502はずっと快適に走れていたのに。 急に走るのがかっくうになる。 ゴーストトレイン。 この「生物的な動きをする機関車」は、あるいは幻想かもしれなかった。というのは、ゴーストトレインが実際に走っている姿を見たルウ502の仲間はいない。 とにかくそいつはレールもないこの鉄表面を自在に走り廻り、ルウ502たちの仲間をひき殺しているという。 前方に仲間の新機類たちが集まっているのが見えた。ルウ502はどうやら目的地についたようだ。 犠牲者はルウ300たった。首がへん左角度に折れ曲がり、角は抜きとられていた。腹腔が無惨に破られ、内臓機械がはみてていた。 ゴーストトレインはルウたち斯様類をくいちぎり、内臓をくらうという。それも情報回路が集積されている心臓部分を。 ルウ502は身震いをした。不快感から全身の汗腺穴が収縮した。が、冷静に観察しなければならない。 ルウ300の赤外線アイが色相変化している。かわり果てた姿としかいいようがない体。 角からコードがはみでているのも、物悲しい。 一番大切な角。 この角で、ルウ502達は衛星、小球にある「生命球」へ連絡をとっているのだ。 収集した現場データをルウ502は生命球へと送った。 しばらくして、ルウ502達全員に、生命球から命令が下った。 『ゴーストトレインの存在を確かめよ』 新機類たちは四方八方へ飛び出した。ルウ502も無限に拡がる鉄表の上を、つめが生えた節足で駆ける。 , 二、三タロノタイム走っただろうか。平原にはまるで変化はない。 ルウ502は急に停止する。角が感応する。何かが存在する。が、この鉄表上には何者も存在するはずがない事を、ルウ502は理解していた。 何しろ、この「大球」、つまり鉄表上では、ルウ502たち新機類しか生存していないのだから。 が、何かが反応していた。そいつは今、動いてはいない。 ルウ502の数m前の鉄表が白熱していた。 白熱部分にルウ502はゆっくりと焉ついていく。そいつは白熱部分の中から姿を見せていた。 自分の赤外線アイがこわれたのてはないか。ルウ502はそう思った。なぜなら、そいつはルウ502とうり二つなのだ。 が、体の中に機械が存在しない。かまけに、そいつの上には別種の醜い生物が乗っていた。 ルウ502達断機類とはまったく異なる存在だった。こんな生命体がいるとは信じがたい。 醜い生合体が、ルウ502にそっくりな生命体に音を使って意志を告げていた。ルウ502はその空気振動を解析した。音はこういう意味らしい。 『さあ、ユニコーーン、私、北の詩人と行こう。旅行しょうじゃないか。この大球をね』どうやら、そいつは、微笑んでいるようだ。つまりルウ502に対して、友好的な態度を見せているのだ。 驚きの連続でルウ502は一所に静止していた。 それゆえ、急激に接近してくる別の物体に全く気づかなかった。 一瞬、ルウ502の体は、巨大な物体にふき飛ばされていた。 ルウ502の赤外線アイは二本の光帯を一瞬見た。 ゴーストトレインだった。 ルウ502の生命光が消えるのと同時に、20メートルもの体長のゴーストトレインはかま首をもたげ、愕を開け、ルウ502の腹腔を喰い破り、心臓をむしゃぶり始めた。 ゴーストトレインの顔は、うれしそうに笑っている。おいしいのだ。ルウ502の体が。ゴーストトレインの先頭部に口となっていて、ぼろぼろと、ルウ502の内臓のあたる、機械部品が転がり出てくる。「大球」から遠く離れて存在する「小球」。その中心部に機械パネルで被われた生命球が存在していた。生命球はハーモナイザーの分身であり、また監視機類の元締であった。生命球は大昔、ハーモナイザによって、小球に組み込まれ、新機類を生みはぐくんできた。■生命球は、ルウ502の最後に送ってきた映像を分析していた。なぜ、新機知しか存在しないはずの鉄表に、生命体がいたのか。それにあの白熱は何を意味するのだろうか。『まさか、天宮がめざめたのては』何かが大球の中でかこっている。ハーモナイザーによって、大昔、「封印された大球」の中で。その頃、大球と小球をつなぐ絆に,変化がおこっていた。蘇った機械共生体「天宮」が神経糸を張りめぐらそうとしていたのだ。生命球は、大球上の、すべての新機類を呼びだしてみた。ゴーストトレインを捜索中のはずだ。が、どこ個体からも、応答がまったくない。こんな事は今までになかった。生命球が始めて感じたパニックだった。生命球は自らの体を移動し、バリヤーヘ逃げ込もうとした。が、パリヤーは生命球を包み込むと、収斂した。『これは、どういう事だ』バリヤーは生命球の意図に反して作動している。すでに、天宮の「神経糸」が小球へ侵入していた。生命球はバリヤーにからみとられ、動けない。表面パネルが音をたてて吹き飛び、各部位がめり込んだ。数秒後、「生命球」は圧力に抗しきれずづフパラにはじき飛んだ。生命球は消滅する時、信号を発する事が自分自身の存在理由であったことを理解していた。やがて、生命球の破片を天宮の神経糸がつかまえた。いまや大球と小球は完全に、機械共生体の支配下にはいっていた。それは天宮(てんきゅう)が一つの運命の道を歩み始めたことを意味した。■大球上では、醜い生合体がゴーストトレインに言った。「おいおい、僕の乗り物を奪うんじゃないって」「北の詩人よ。では、新しいユニコーンを再生してやろうか」ユニットコードナンバー 16589ユニットタイトル 北の詩人ユニットコードナンバー 836250ユニットタイトル 幽霊列車(ゴーストトレイン)ユニットコードナンバー 386574ユニットタイドル ユニコーンの旅彼らは、機械群の共生体「天球(てんきゅう)」のイメージコーダーが作り出した創造物であった。(続く)●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第2回●(1987年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.19
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●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第1回●(一部文章入れ替えてます)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第1回 1それは、小さな石だった。石は隕石となり、「大球」と呼ばれる星に落下した。大球は、「小球」と呼ばれる衛星と絆で結びついている。大球には、「新機類」と呼ばれる生物が生息していた。「ルウ502」は、天空を走る光の矢を見ていた。ユニーコーンつまり、一角獣の外形をした新機類ルウ502にとって、隕石は見慣れた現象であり、注意をあまり払っていない。 警戒すべきは、ルウ502の足元、つまり鉄表下であると、教えられていた。その教示は[小球]にある「生命球」から与えられていた。 念のためだ。そう思ってルウ502は、隕石の堕ちた場所を求め、走った。やがてその場所に辿りつく。落下地点の鉄表には、何の損傷も見られなかった。 大いなる昔、ルウ502達が誕生する前から、この星、大球に張りめぐらされた鉄表は、時の流れをあざわらうかのごとく、傷ひとつ付いてはいない。「ハーモナイザー」と呼ばれる大球の創造者に対して畏敬の念がルウ502の心に浮かんだ。ハーモナイザーは、ルウ502にとっても想像を絶する存在で必った。ともかくも、鉄表には何の変化もない。よかった。彼は安堵し走りさった。もし、ルウ502が辛抱強い観察者であったなら、微妙な地下の変化をとらえていたかもしれない。その変化を感じて、小球の生命球に通報していたならぱ、あるいは、この星の歴史が変わったかもしれない。事実、隕石は鉄表下に存在するあるもののつぼを直撃していた。隕石が鉄表に激突した時の微振動は、ある種の反応を、地下に呼びおこししていたのだ。。 鉄表の下、奥深い所に、闇に包まれた空洞がある。はるかなる昔からここに閉じ込められた者のうらみがこもっている。 隕石の与えた微振動に、「機械共生体」が反応し、生きかえりつつあった。 突然、一点に光がともる。 その光が、またたく間に、空洞内にある機械類を巡り、すべての機械群の息を吹きかえらせた。最初の機械意識が蘇った。『誰だ、俺は』 闇の奥から疑問の声があがる。機械は自らの存在の意味をさぐろうとする。やがて、機械意識は自らの名前を思い出した。『そうだ。思い出したぞ。俺はイメージコーダーだ」イメージコーダーは次の作用として、体を勣かすことにした。腕=マニュピュレーターだった。マニュピュレーターを振り廻している内に、自分の前に集積された物体にづく。 「何だ、これは」次の疑問だ。目の前にある「植物繊維群」の呼称を記憶の中から呼びかこしていた。「情報ユニットだったな、たしか」 これは何をするものなのだ。 マニュピュレーターで、それをつかみ、観察する。「ああ、そうだ。こいつはこう使うんだ」やがて、イメージコーダーはそれを自分の体一部位に組み人れた。 マニュピュレーターが、偶然に選びとった三ユニットは次の通りである。ユニットコードナンバー 16589ユニットタイトル 北の詩人ユニットコードナンバー 836250ユニットタイトル 幽霊列車(ゴーストトレイン)ユニットコードナンバー 386574ユニットタイドル ユニコーンの旅イメージコーダーの温度が上がり、彼は自分の役割を果たし始める。 役割すなわち、情報ユニットのイメージを実体化させる事。イメージコーダーの空間に、情報ユニット内に内包された情報の三次元数字が打ちだされる。それが線を形づくり、フレーム=モデルが作りあげられる。色彩が決定され、ゆっくりモデル表面がペイントされながら作成される。 やがて、生き物が実体化していた。徐々に、機械群の共生体「天球(てんきゅう)」に意識が蘇りつつあった。(続く)●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第1回●(1987年作品)ハーモナイザーシリーズ01「山陵王」は今編集中です。 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.18
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ガーディアンルポ02「人間樹の星」第6回 (最終回)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yama-kikaku.com/ ■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第6回■ ■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年 種人間グレイを抱いて、ガーディアンのヘルム、タリス、それに番人の少年ビックが地下トンネルに急いで逃げこんだ。スキャッグ達かここまで据り進んで来たのだ。「上はえらい騒ぎだ」「それもこれもか前さん連のおかけさ」 大き々音が響き、大地が揺らいだ。今入ってきた穴のあたりが地くすれを起こした。フフライング・キャッスルがまた降下してきたのだ。土がパラパラと皆の頭の上に落ちてくる。「危いところだ。数メートル違ったら、俺たち平らになっていたぜ」「さあ、これからどうする。どうやってグレイを連れて帰るかだ」{スキャッグ、頼まれついでだ。すまないが地獄船の所まで俺達を連れていってくれ」「ちえっ、人使いの荒いお方だな」「この星から脱出するには、残念ながら、再び地獄船のやっかいにならねばな」「ヘルム、覚えていてくれよ。俺はお前さん方の命の恩人なんだからね」「わかった。わかった。か礼は後で、なんとてもするさ。頼むよ」「わかった客人。仲間の助けを借りて大至急やるさ」 地獄船のすぐそばに穴か開いたのはそれから2時間(コスモタイム)たった頃だ。地獄船にはバル船長以下の船員はまだ帰ってきていないようだ,人間樹園の方からは、大きな火の手があがっている。「お、燃えてる。燃えてる」スキャッグがうれしそうに言った。「人間が焼け死んでるんだぜ。そんなにうれしいか」「クリス、彼らは人間樹人だよ。これで彼らは緩慢な死からのがれられたんだよ」「そうだ、それか幸せってもんだ」ヘルムはグレイの体を見下ろし恋がら、言った。「さあ、仕事を早くかたずけようぜ、タリス。ビック、お前はここに残ってグレイを見ていてくれ」 ヘルムとタリスが船のハッチヘ向かう。留守番の船員がいた。彼は二人を船長達と思いこんだ。「船長、大丈夫ですか。大変な事に」 ヘルムに気づいたかすでに遅かった。レイ・サーベルを抜こうとしたが、一撃で倒された。「ようし、完了だ。発進だ。この船で脱出だ」「ビック、グレイを船の中へ運べ」 ビックはグレイの体をそっと船へ横たえた。急にタリスは、レイ・サーベルをビックヘ向ける。「ビック、すまないが、船を降りてくれ」「どうして、さっきヘルムと約束したんだ。僕を地球に連れて‘いってくれるって」 ヘルムも冷たく言う。「残念だな。ここでか別れだ」 スキャッグが横から口を出す。「タリス、ヘルム、それはあんまりだぜ。この坊やだってグレイを助けるために働いたんだ。いいじゃないか。乗せてやれよ」「スキャッグ、お前は命の恩人かもしれんが、黙って船から出ていってくれ。俺達はグレイを連れて帰るように命令されているだけだ。他の人間は残念々がら、足手まといだ」「でも」「うるさい。ぐずぐずするな。か礼はまたあとでだ」ビックはしかた々くスキャッグと共に地獄船から外に出た。ビックは、ヘルムとタリスに乗っとられた地獄船が、グレイを乗せて、飛び立って行くのを見上げていた。フライング・キャッスルが飛来し、追撃のために上昇しょうとした。しかしフライング・キャッスルはゆっくり停止した。人間樹園が完全に燃えあがるのをながめているように見えた。やがて地獄船とは別の方向へ飛び去って行く。残った有翼入もフライング・キャキャッスルの方へ舞い上がっていった。ナーダー77は地虫の星となったのだ。あたりに入間樹の燃える煙が漂ってきた。ひどい臭いだ。スキャッグが言った。「うまくいきましたね。ガーディアン・ビック。奴らは完全に信じきっていますよ。あの種入間がグレイだとね。地球に辿り着いてからの奴らの行動が見ものですね」ビッタは表層人格を、今の今まで人工的に作りあげていた、偽りのパーソナリテイをかなぐりすてた。声色、態度が変わる。「そうだ。彼らを監視していれば、コンタタトしてくる他のROW、つまり侵入者を突きとめることができるから々。彼らの表層人格はかなり強固だ。君といる間、私といる間でもすきを見せなかった。二人は完全にタリスとヘルムになりきっている。いつROWの本隊から指令を受けるか、それを察知し々けれぱ」「本物のグレイはどうしました」「だいじょうぶ。安全な場所に隔離してある。後から私の船で地球へ連れて帰るよ。グレづには休息と治療が必要だ。それに新しい家庭が必要だ。それにME(救世主)を生じるための子供がね。彼はかなねROWに痛めつけられていた。彼の話を聞いて私にはそれがよくわかった。彼が気づかないうちに、私がかなり治療を行々ったんだ。彼と対話しながらね」「先刻、彼らが連れていった人間樹は?」「ああ、彼には囮になってもらう。グレイということでタリスとヘルムがこれからも守りをかためることになるだろう。もう我々に過失は許されない。今回のグレイのようにね」煙の中から人間が数人とびだしてきた。バル船長と船員達だ。彼らは煙で真黒になり、地獄船が出発したのを見て怒り狂っていた。ビックは隠し持っていたレイーガンを抜き、落ち着きはらい、全員を撃ち殺した。反撃のひまを与えなかった。「もう、地獄船もナーダ77に来ることは々いだろう。約束通りに、この星は君達、地虫族の支配下となった。人間樹園も消滅した」「その点に関して感謝しています。ビック」「いやか互いさまさ、スキャッグ」「しかし、ROWの擬態技術には驚きました。私もあの船にセットされていた映像を見なければ信じられませんでしたよ。あのタリスとヘルムがROWだとはね」クリスとヘルムのロケットの残骸から、スキャッグが拾ってきたブラッタ・ボックスには映像フイルムが収められていた。その映像フイルムには驚くべき事実が写されていた。ナーダー77への途上でロケットは攻撃され、タリスとヘルムは死亡した。時をおき船の側壁から緑色のゲル状の生物が侵入してきた。その生物は二つに分かれ、それそれヘルムとタリスの死体に被いかぶさった。しばらくして二体の生物は二人の死体から離れて起きあがった。始めはぼんやりした形だったが、人間の形をとり始める。数分のも、そこにはタリスとヘルムそっくりの男が出現した。彼らは死体を始末し、船をナーダ77へ向けたのだ。それからコッタピット内で彼らは眠りに着いた。人間のパーソナリティを学習するのには時間がかかるのだ。 船が爆発したのは、医療チューブでタリスの体が入間でないと感知されたからだ。自動的に自爆装置か働いたのだ。スキャッグはビックに言った。「これでスリーパーとしてのあなたの役目は終了しましたね」「そりだ・今までの協力を感謝するよ」ビックはヘルムとタリスのすぐ後で地球を出発したのだ。ビックの事はガーディアンの内部でもあまり知られてい々い。彼はタイム・ジャンプを行ない過去へ瀕り、赤ん功の姿に変身して地獄船にわざとつかまった・昭対聯がらナーダ77K来ていたのだ・今のビックの姿は十才の子供なのだが、すでにもう数百歳になっている。ビックは「長命族」で「最上級ガーディアン」に属している。いつまで、俺は戦い続けることができるだろう。新生人類は果たしてROWに打ち勝つことができるだろうか。ビッタは自問自答する。俺はしかし、新生人類のため、自らの生存のためにもどうしても戦い続けなければならぬ。ナーダ77の薄紫色の空を見上げながら、最上級ガーディアン、ビッグは思った。(ガーディアンルポ02完)■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第6回(最終回)■(1985年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.17
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ガーディアンルポ02「人間樹の星」第5回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yama-kikaku.com/ ■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第5回■ ■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年 地獄船の船員は、歴戦の兵(つわもの)だ。次々と入れかわり立ちかわり鋭いつきをかけてくる。最初人間樹の間を逃げまわっていたガーディアンのヘルムは、ようやく船員の一人を倒し、レイーサーベルを手にした。 互角に戦い始める。さらに樹園上空に飛来したフライング・キャッスルヘテレパシーを先程から送っていたが、どうやらタリスに通じたようだ。いい兆候だ。 しかし、有翼人も戦列に加わってきた。彼らはハープに似た楽器をかき鳴らし始める。その音に同調し人間樹がざわめく。楽器にあやつられ、近接する入間樹が、ヘルムに向かってきた。見ただけで気か遠くなる数だ。片手でレイーサーベルを使い船員達を相手にする。さらに片手でレイ・ガンを構え、盲撃ちを始める。次にはテレパシーで手近かの人間樹をあやつり、他の入間樹に対立させる。 人間樹が動き出したので、動きがとれなくなった船員達は、有翼人の助けを借りて、空へのがれた。「うわっ、助けてくれ」 メモリーマン、シータは数体の人間樹に踏みつけられた。有翼人が急いで助けあげたが、虫の息だった。 番人小屋の中で休んでいた人間樹の番人ビックは、時ならぬ楽器の音に驚いた。しかもこの音は、、。ビックは、自分の任務を果たす時がきたと思った。これから演技力を要求されるぞ。ビッグは身をひきしめた。小屋の側の入間樹に袋をかける。昨日、有翼人からISSSN-一丸○九、すなわちグレイを植えかえるように命令された時から用意してあった袋だ。袋をかける前に入間樹の顔にふれる。完璧だ。これなら見やぶれまい。ビックは小屋へもどり、床下から箱を引きずむ出す。スイッチを入れて、言った。「よし、行動をおこせ」 一方、上空のフライング・キャッスルの中でも異変か起こっていた。心理分析室に監禁されていたガーデイアン、タリスが目ざめた。タリスも自らの力を発揮する時がきたのだ。 『タリJ、起きろ、起きてくれ。助けか必要なんか』 ヘルムのテレパシーか届く範囲にうまくフライング・キャッスルが入ってきた。ヘルムのテレパシーが、タリスに通じた。ヘルムの精神力がクリスの筋力系に大きく作用する。大いなる力がクリスの体中にみなぎる。 タリスは部屋のドアを体当たりで開け、側にいた有翼入の腕をへし折り、レイ・ガンを奪った。回廊にいた有翼入をレイ・ガンでなぎたかしながら、操縦室へ向かう。ヘルムのテレパシーがその位置を教えてくれるのだ。 操縦室へ突入し、有真人に反撃の機会を与えずK数秒で全員をかたずけてしまった。部屋のドアを内側からロックした。 ヘルムを助けるためにフライング・キャッスルを降下させようとした。「伺をするつもりだ」 声が部屋全体から聞こえてくる。タリでほある事に気がついた。部屋のあちこちを見渡す。どこかに弱点があるはずだ。タリスは盲めっぽぅにパネルを破壊し始めた。「やめろ、やめてくれ」 声は哀願した。「頼む、やめてくれ。体を破壊するのはやめてぐれ。それは私の神経システムの中枢々のだ」「お前は誰なのだ」 タリスは手を止めて尋ねた。「私はナーダ77の領主だ」 このフライング・キャッスルがそれ自体一つの生命体だったのだ。そして領主だった。「しばらくの間、言うことをきいてもらえるかね。そうすれば私も乱暴は働かないよ、あんたの体にはね」「わかった。お前の思う通りにする。しばらくはお前の勝ちだ」 声はとぎれた。 タリスは、フライングーキャッスルをヘルムの頭上に停止させた。地上すれすれた。スキャヅグ達、地虫は、ある入物の指令により攻撃を開始していた。地下トンネルのもちらこちらから勢いよく飛び出した。樹園の方々から火災放射罫による火が燃えあがってくる。有算入は地虫を見つけ、反撃を始める。ヘルムは、思いきり跳躍し、フライング・キャッスルの底部にとりついた、タリスに合図をテレパシーでかくる。タリスは急速にキャッスルを上昇させた。この任務は失敗に終わりそうだ。グレイをどうしても県つけなければとヘルムはあせった。ヘルムは、フライング・キャッスルの底部にいるのが自分だけでないことに気がついた。小さな子供だった。ビックだった。ビックは何とかヘルムに助けられ、フライングキャッスルの下部ハッチから内へ人った。ハッチはタリスが開けてくれた。有翼入はあらわれなかった。タリスがフライング・キャッスルの中枢、操縦室を押さえているので、うかつに手を出せないのだ。ヘルムは少年に尋ねた。「お前は誰だ?」「僕はピッタだ。人間樹の番人さ。おじさん、グレイさんを捜しにきたんだろう」[そうだ、なぜ、それを知っている』ヘルムはテレパシーでビックに尋ねた。「昨日、有翼入からグレイさんを植えかえるように言われたからさ。あんなことは初めてだからね。何かあると思ったんだ」「それじゃ、お前はグレイが今植えられている所を知っているんだな」「そうだよヽ僕が植えたんだからね」「すまんか、さっそくそこへ連れて行ってもら分うか」「その前に、一つ頼みがあるんだよ」「何だ、言ってみろ」 ビックはポケットから小型の箱をとりだす。「おっと、無理やり、僕の頭からその場所をテレパシーで探ろうとしてもダメだよ。そんなことをすればグレイさんは死んでしまうよ。グレイさんの足もとに爆弾を埋めてあるんだ。このスイッを押せば総て終わりさ」「悪賢いガキだ。わかった早く言え」「僕も地球に連れていっておくれよ」「何、お前をか」ヘルムはピックの姿を見まわす。「そうだ。僕はナーダ77で小さい時から育った。たから一度も地球を昆た事が々い。地球の事はグレイさんから色々聞いた。行ってみたいんだ。お願い、連れて行って分くれよ」「わかった。連れていってやる。早く、グレイの居場所を教えてくれ。火がまわってくるぞ」「本当に、地球に連れていってくれるんだね。まちがいないね」「ああ、たから早く教えてくれ」フライング・キャッスルの窓からピッタは指さした。「あすこだよ。あそこにみえるあの番人小屋の近くだよ。早く、このフーライング・キャッスルを偏に降ろしてよ」フライン″キャッスルは番人小屋の真上で静止した。タリスも操縦室から出てきて、三人でフライング・キャッスルから飛び降りた。小屋の横に袋に包まれている人間樹があった。ビックはそれを示した。「これた。これがグレイさんだ」ヘルムは袋を破き、グレイの顔を確かめる。テレパシーで呼びかけるか、返事はない。「どうやら、グレイのようだな。しかし心は閉じられている」「よし、さっそく、フライング・キャッスルヘもどろう」フラインダ・キャッスルはもう彼らの自由にはならなかった。領主が蘇ったのだ。それは三人を押しつぶそうとして急速に落下してきた。大地が震える。フラインキャッスルのために小屋は粉々にたたきつぶされた。さらに有翼人も飛来してきた。『スキャッグ、助けてくれ。ここまで地下トンネルを掘ってくれ』 ヘルムは必死でテレパシーによりスキャッグを呼ぶ。 なんとか、スキャッグには通じた。 フライング・キャッスルは再び大空へ舞い上り、また急激に三人の方へ落下してきた。地面がゆれる。どうにか三人は走りつづけ逃れる。グレイの体を抱えて走るのはかなり危険だ。[早く、スキャッグ、俺達はフライング・キャッスルに押しつぶされてしまう』 空からは有翼人がレイ・ガンを撃ってきた。その時突然走っている前の地面が割れた。地虫の、スキャッグが顔を出した。「早くしろ!」■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第5回■(1985年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.17
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ガーディアンルポ02「人間樹の星」第4回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yama-kikaku.com/ ■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第4回■ ■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年 地虫の、スキャッグは、ようやく地上にたどりついた。スクリーンの男から頼まれた物を捜すために、危険を犯し、クリスとヘルムのログットの残骸の所へやってきたのだ。 船の残滓はあたり一面K吹き飛んでいる。 小一時間(コスモクロノ)捜し、ようやくか目当ての小さなポックスを見つけだした。合金でできた黒い箱。なぜこんなものが必要なのか、スキャッグにはわからない。 遠くから翼の音が聞えてきた。有翼人達が船を調べにきたのだろう。スキャッグは地下トンネルにすばやく潜りこむ。一群の有翼人か降りて来て、あたりを必死で調へている。トンネルの出入口に時限爆弾を仕掛け、スキャッグはすばやく地下ステーションに向かう。 あとはヘルムの働きを待つだけだ。それに俺達は入間樹園の攻撃を準備しなければ。そうスキャッグは思った。 遠くから、爆発音が響いてきた。何人の有翼人を殺っただろうか。 ヘルムの乗ったロケットは古い代物だ。ナーダ77の引力圏を出てすぐにエンジンがストップした。恐らく地獄船もこれが罠だとは思うまい。本当にひどいロケットなのだ。 「地獄船」のバル船長は、生命体の存在に気づき、拾っていくつもりになった。マニュピュレーターを操作し、ひどく老朽化した船を船内ドッグに収容Lだ。 メディカル・システムで、ヘルムの体を調へたバル船長はほくそえんだ。「こいつは拾いものだ。種入間にぴったりた。これでまた儲けが増えるってもんさ」ヘルムはまったくロがきけない。あの薬のおかげた。センサーで体の各部を詳細にチェプタされ加工室へと運ぱれた。加工室には種入聞が一体ずつ生体チューフに入れられ保存されている。ヘルムも詰めこまれる。大昔の、地球の奴隷船よりひどい扱いた。彼は商品にすぎない。バル船長は往時の海賊船長の姿をしている。顎ひげをはやし、眼帯をつけている。宇宙パトロールと交戦した時の傷らしい。他の船員も似たりよったりの格好だ。腰には、接近戦に大きな力を持つレイ・サーベルを装着している。何年か前は、彼らも正規の貿易商船員だったろう。しかし多発する恒星間戦争か、人生の何かを打ちこわした。一攫千金を夢みる者にとって入間の休の売買ほど、儲かるものはないのだ。戦争はサイボーグを数多く生み、また体の各部の需要も増大ざせた。特にナーダ77の人間樹から生みだされる亜人類は戦士として星からの多望が強い。「地獄船は種入間を売り、亜人類を買って帰るのだ。地獄船がナーダ77に着陸した。そこは空港と呼ぶにはいささか寂しい感じたが、必要最最小限の設備はそろっている。メモリー・マンのシータがバル船長を迎えに来ていた。「バル船長、ひさしぶりだね」 「3ヵ月(コスモクロノ)ぶりだね」「どうだい、景気の方は? モーダ地区でかなり大きな戦争があるって聞いているよ。戦士がかなり入り用だろうね」「いや、いや。俺はあそこまで行っていない。この船じゃ無理さ」「そうかな。しこたま儲けたという話を聞いている」「その話は聞き違いじゃないか。おっと、失礼、あんたはメモリー・マンだな。嘘はつけないな」やがて船長達はエアカーで人間樹園での収穫の様子を見に行く事になった。シータの方は残って地獄船が運んできた種人間を一体ずつチェックすることになった。ランク区分をし、それをすべて自身のデータバンタに記憶するためだ。ヘルムは、三脚の補助足に支えられた入間が近づいてくるのを見た。どうやらチューブの種人間を端から一つ一つ調べているようだ。彼が、地虫のスキャッグJキャツグの言っていたメモリー・マンらしい。ようやく、シータがヘルムの前にやってきた。地獄船のマニュピュレーターにつかまえられた折、ヘルムは奥歯にしこんでいた強化剤を飲みこんだ。この薬がきき始めている。チューブが持ち上げられ、シータの手が近づいてくる。一瞬、シータが何か起こったのかわからなかった。気がつくと、シータは種人間に首をがっちりとつかまえられていた。恐るべき膂力だ。かまけにすばやく彼の腰から抜き取られたレイ・ガンが頭部に当てられている。シータをガードしていた有翼人も手のだしようか々い。「お前は何者だ」 苦しい息の下からシータが反逆者に尋ねた。『誰でもいい、お前に聞きたい事がある』 ヘルムはテレパシーで直接、シータの心へ呼びかけた。「お前はエスパーだな。くそっ、わかったぞ。ガーデイアンのヘルムだな」『なぜ、それを知っている」 強力な精神波が、シータの頭の中で荒れくるっていた。爆発的々精神エネルギーだ。シータはあらがいようがない。心理技術者であるシータにとって初めての経験だった。このような恐るべきエスパーと対峙したのは。正直に答えざるを得ない。『クリスは我々の手にある。彼の心から君の事を胱みとったのだ』『クリスはどこだ』『フライング・キャッスルの中だ」『よし、あとて、案内してもらかう。先にグレイの所へ連れていってもらかうか。もちろんグレイを知っているだろう』『グレイの居場所は知らん。私が植えかえるように命令したのだ。どこに植えかえたかは知らん」「くそっ、しかたがない。初めに植えてあった所まで、案内してもらおう』ヘルムは、シータの後から船の外へ出た。有翼人達はこちらを見ているが、手を出せない。二人はよりやくエアカーまでたどりつく。突如、シータの補助足をヘルムはレイガンで焼き切った。「うわっ、何をするんだ。足がないと私は歩けないんだ」『逃げるないようにしたんだ。これからはこの車が、お前の足だ」 エアカーは人間樹園へ向けて走り出す。空には有翼人が、遠まきにつけて来ている。おまけにフライング・キャッスル本体が徐々にエアカーの上空へ近づいてくる。 眼前にスキャッグの地下ステーションで改がめた入間樹園が広がっていた。恐ろしい数だ。見渡す限り、白色の、あるいは黄色の、各々の時期の入間奏がどこまで続くかわから改い程連改っている。この中からグレイを見つけださねぱ改らたい。 エアカーは人間樹園の中に人ってから、かなりの時間走り続けた。ヘルムの前を人間の体が、次々と通りすぎていった。数千、いや何万体の入間……。地平線のむこうまで。 それが等間隔で整然と並べられている姿は何にも例えようがないのた。二度とこんな経験はしたくないとヘルムは思った。 急に、シータかエアカーを止めた。『どうした?」「ここだ。ここか、グレイを檜えてあったところだ」 その場所ISSSN-1909区画部分だけぽつんと除いていた。「さて、どうするね」 シータはにやりと笑い、ヘルムの方を見た。シータの眼はバル船長遠のエアカーを遠くとらえている。エアカーには誰もいない。 ヘルムはISSSN-一九〇九の近くの入間樹にグレイの行方を心で尋ねてみた。心をまったく開か々い者もいる。ほとんどが心は空白状態に近い。誰もダレイがどこに植えかえられたか知らないようだ。 人間樹との対話に夢中になっているヘルムの背後から、突然、レイ・サーベルが襲ってきた。バル船長と、地獄船の船員遠だった。エアカーの無線で有真人からこの異変を聞き、待ちぶせていたのだ。 間一髪、ヘルムはレイ・サーベルをかわしたが、片腕に激痛が走った。数インチのところをレイ・サーベルがかすったのだ。 彼らは人間樹に隠れて、近づいてきたのだ。シータはその瞬間エアカーから勢いよく外へ飛びだしたが、無様にも地面を這っている。歩けないのだ。補助足をヘルムに壊されている。■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第4回■(1985年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.16
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ガーディアンルポ02「人間樹の星」第3回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yama-kikaku.com/ ■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第3回■ ■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年 ガーディアンのクリスが目ざめた時、体は小刻みに震えている。今、新しく生まわたような気分がする。なぜだ。体調が悪いのか。大地が震えている。 段々と、まわりの光景が眼に々じんでくる。どうやら宇宙船にいるのではないらしい。鉄格子が視界のじゃまになっている。通路らしきものが前にあり、窓から向こうの空か見渡せた。うす紫色の空だが、驚いたことにそれは恐ろしい速度で動いている。ここは目的地の星「ナーダ77」なのだろうか。側を見た。ガーディアンの同僚、ヘルムがいない。死んたか。近くにいるならば、クリスは、ヘルムのテレパシーを感じるはずだ。くそっ、どうしたんだ。 思わず足を踏みつけた。今まで気がつかなかったが、そこは金属でなく、岩でできてい外の通路も岩盤でできている。ここは一体全体どこなんだ。クリスが考えあぐねている時、通路に機械人間が現われた。そいつは機械人間としか呼 びようがない。ヒューマノイドだが、華奢な体で、巨大な頭部がその上にのっている。補助機器が全身に附加されている。自分の力だけでは歩けないようだ。円形の機械が腰をとりまいて接続されていて、三脚の補助足がでている。それでようやく体を支え、体の移動を可能Kしている。「君、どこの星から来たんだね。有翼人達はどうやら手荒く扱ったらしいが、私はもっと紳士的だからね。あ、そうそう。これは失礼、自己紹介してかこう。私はシータ。御覧の通り、メモリー・マンだ。そしてナーダ77の情報網を手にしている。いわばこの星のだった一人の情報省さ」「ナーダ77」か。やはりたどり着いていたのか。どうやら俺クリスはこの星の奴らにつかまったらないな。さて、どう話したらいいものか。クリスは黙っている。「ほう、返事が々いね。答えるつもりかないのかね。まあ、いい、どうせ答えざるを得なくなるからね。私はこうみえても心理技術者だ。君の心の扉を開いてみせよう。楽しみに少し待っていたまえ」メモリー・マンのシータは通路の彼方へ消えた。しばらく様子をみてクリスは鉄格子をさわってみる。柔らかなものだ。クリスが力を加えると、簡単に曲がる。何しろクリスは荒事が得意々のだ。通路へ出て百房くらい歩くと扉がある。外へ出た。 そこには、地面がない。空に浮かんでいた。いやナーダ77の大地に向かい落下しているのだ。もうためかと思った瞬間、鋭い爪で上からつかみとられた。見上げると、翼を持つヒューマノイドがクリスをつかまえ、上昇していく。クリスは始めて、今まで自分か閉じ込められていた建物を見た。巨大々岩が空に浮かんでいた。そいつは恐るべきスヒードで空間を自在に移動しているのだ。冷汗がにじんでくる。 フライング・キャッスルの入口に連れもどされた。扉の所にシータが待っていた。「フライング・キャッスルへ、再びようこそ。どうだね。空を泳いだ気分は、ショックのあとの無力感。すばらしい実験なのさ。さあ、これで私メモリー・マンのシータの、君に対する心理技術、いわば拷問ってやつに、君には使い易くなっているさ」■人間樹の番人、少年ピッタの目の前に広がる風景はいつも同じなのだ。ビッタのナーダ77での生活が何の変化もないのと同一だ。ビッタは幼い頃、地獄船でこのナーダ77へ連れてこられた。しかしまだ入間樹の種入間となる程、成人していなかったので、領主は、彼を入間樹園の番人の一入としたのだ。ビッタは十才くらい。まだあどけない少年なのだ。ビッタ達、番人が住む小屋のまわりといえば、もちろん入間樹が果てしなく広がっているだけだ。その果てがどこなのかビッタ達も知らない。また番人が何人いて、このような番人小屋がいくつあるのか知らない。 入間樹には肥料は不必要だ。有翼入がかなでる楽器のメロディが彼らを徐々に変貌させていく。ビッタ達は特に、移植初期の種人間が動かないよりに見はり、実か熟しきらないうちに摘与収っていく。また天敵である地虫が人間樹を盗みにくるのを防がなければならない。それらが、彼ら番人の仕事なのだ。種人間とは話をしてはいけない。が、やはり友遠のいないビッタは話をしたくなる。こちらが話しかけても答えがかえってこない種人間がほとんどだが、最近植えられたグレイはちょっと違っていた。だから、いつも巡回の折に、グレイの前で立ち止まってしまう。グレイは灰色の髪をして、いつも苦しそうな顔をしている。眉間のしわが深い。「グレイ、グレイ」種入間は眠りにつこうとしていた。グレイはピッタの再度の呼びかけでやっと眼を開けた。「やあ、ビッタか」「お願い。地球の話をしてかくれよ」「困ったね。ビッタ。私はできるだけ地球の事を忘れたいのさ。私にとってはもう意味のない星だからね。今はこの安らかなナーダ77が私にとって故郷の星たんだ。地球は余りに騒々しい」「ねえ、グレイ。頼むから話をしてかくれよ。僕はナーダ77しか知らないんたよ。ど人々風に騒々しいのさ。1度行ってみたい。地球ってどんな所」「地球かね。私はそこで傷つき、逃れてきたんだよ。何度も話しているようにね。でも君には面白いかもしれ々いね。私の子供が生きていればちょうど君くらいだろう」「グレイ、あなたの家族は」「いない。皆死んでしまったんだ。あるつまらない争いごとのためにね」「………」「ところでビッタ、地球には、動物ってのがいるんたよ。猫や犬やその他一杯ね。とても可愛いのさ。私の子供も可愛かっていた」 グレイはわずかつつ、心を開き、ビッタに地球の話をし始めていた。自分の子供に語るように。そんな時のグレイの顔はとても安らかにたる。彼グレイには、やさしさが、心を安んじてくれる者が必要だった。 グレイはROWの攻撃により、気がつかないりちに、生活の張りをなくされていた。グレイとビッグの話はいつまでも続きそうだった。■ クリスはメモリー・マンのシータの心理分析を受けて、顔は苦痛にゆがんでいる。 シータは分析機によって、ガーディアン、タリスとヘルムがナーダ77に来た理由をすでに読みとっていた。「グレイ。この男をガーディアンは捜しているのか」 メモリー・マンであるシータは自分のデーターバンタから必要なデータをアウトプットしていた。「グレイ。彼はそんなに地球にとって必要な男なのか」 シータは、タリスを連れて来た有翼人のチーフを呼びたした。「か前は、この男の連れが、地面に飲みこまれたと言っていたな。もう1度、調べてこい。できれば、地下を捜し、死体を見つけてくるんだ。わかっているだろうが、地虫には充分気をつけろ」 地下は「地虫」達の世界だ。有翼人は地虫の地下トンネルを非常に怖れている。有翼人はしぶしぶ命令に従い、手勢を引き連れ、出かけて行く。 もし、まだ「ヘルム」という男が生きていて、地虫に助けられているとしたら。そう考えてシーメはもう一つ手を打っておくことにした。 今度は人間樹園を管理する有翼人を呼び出し、指示を与える。「ISSSN-19099の入間樹の種人間を植かえろ」「しかし、シータ。この男はすぐに第2期成長に入るのですが」「この処置は私にとってとても必要なのだ。わかるかね」 シータは有翼人をにらみつける。「わかりました。かかせに従います」「それから、植え変えた地点を私に言う必要はない。いや言ってはならぬ」 最後の言葉に不審の表情をあらわしたが、有翼人は、命令を実行するために、人間樹園へ降りて行った。「さて、このクリスの処理だが」 シータは独りごちた。 心理分析機はタリスの深層意識を探り始めた。驚くべきデータがシータに示される。「この男の深層意識は伺だ。こいつは人間じゃないぞ」 シータはタリスの調査を明日、もう一度やりな釦すこと毘した。彼の疲労は著しい。長い睡眠時間が必要となっている。それにそろそろ「地獄船」が来る時期だ。その準備もしなければならない。シータは自室へもどり休んだ。■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第3回■(1985年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.15
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ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回 ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回 ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yama-kikaku.com/ ■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回■ ■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年 ヘルムとクリスは、やっとのことです船から離れ、かろうじて、安全圏にのかれた。同時に船体は大きな爆発をおこし、ふきとんだ。 爆風がヘルムと、彼の背中のタリスを痙ぎた訟した。ナーダー竹の大気はほとんど地球と変わらない。 彼らは完全にROWにしてやられた。船がなくなった。つまり、グレイを助けだしたところで、地球へ帰る足がないのだ。おまけに助けを呼ほうにも、連絡手段もない。 領主の忠実な防衛隊がすぐさまやってきた。有翼人だ。サイボーク技術で加工されたキメラ人間だ。彼らは背に翼を持ち、自在に空を飛びまわることができる。さらに彼らはレイ・ガンを手にしている。 あたりはナーダ77の砂漠地域だ。隠れようがない。 ロケットの爆発が、有翼人達の注意をひいたのだろう。さらに有翼入の上には、あのフライング・キャッスルがヘルムの視界いっぱいに姿をあらわしていた。有翼人の守護神のごとく、絶対的々存在感をナーダ77のうすぐらい空の上に与えている。 わずかな可能性にすらヘルムは賭けなければならない。 絶望的毘、ヘルムはそれらを青い瞳を通してなかめていた。 力強い羽ばたきと共に、ヘルムの目の前に一入の有翼人が舞い降りてきた。 「何者だ。何用でこのナーダ77にやってきた」 いささか不明瞭だったが、その有翼人は銀河共通語を話しta 。 「私はマット。貿易商人です。けっしてあやしい者ではありません。ごらんの通り、船が故障して、不時着したんです」ヘルムが話した。 「ほう、貿易商人だと、、」 他の有翼人達は、上空でヘルムとクリスを油断なくねらっている。 「ここはナーダ77だぞ。ここには『地獄船」しか立寄れない。一般の貿易船はこの星に足を踏み入れようとし忿いし、むしろ恐れている。知っての通り、あの輸出品の分かげで窟ニヤリと笑い、地平線の彼方にある森林らしきものを指さした。顔のうろこが不気味だ。 「さあ、はっきりしろ、お前達は密猟者か、それともあの汚らわしい地虫族と取り引きに来たのだろう。素直に言った方が身のためだそ」 「違います」 「まだ、しらばくれるのか。よし、とらえる前に少し痛い目に会わしてやろう。俺遠の力をみせてやる」 その有翼人は、上空で輸になっている有翼人達の群にまじる。彼らはヘルムを見下し々がら、力強くはばたき始めた。翼はナーダ77の大気をふるわせ、振動波が二人のガーディアンに襲いかかってきた。ヘルムは地面に這いつくぱる。まるで巨人の足に踏みつけられている。体がきしむ。耳の鼓膜か破れそうだ。ヘルムの目の前がくらむ。 その時、ヘルムは自分の体が地中にひきずりこまれていくのを感じた。 気がつくと、ヘルムはスポンジ状のものの上に寝かされている。あたりはひどく暗い。 「客人、目ざめたかね」 声がした。ひどく聞きとりにくい発音たが、銀河共通語には遠いない。そいつは三対の節足を持ち、薄褐色の粘性の肌をしている。身長は一斑くらいだろうか。かまけに胴まわりも】斑くらいある。昆虫を思わせる生物遠がヘルムを囲んでいた。その中の一入がヘルムに話しかけている。 「驚くことはない。ナーダ77に棲んでいるのは奴ら有真人だけじゃないことは、分前さんだって知っているだろう」 彼ら地虫はナーダー]‥の地中に住む種族なのだ。ナーダ77の歴史をふりかえると地虫遠の方が古くからこの星に生息していたのだ。有翼人達は遅れてこの星に出現した。他の星から渡ってきたらしい。 「それじゃ、ここはナーダ77の地下トンネルってわけか」 ヘルムはあたりを見渡した。わずかな光を出す発光体が地下トンネルの壁面に点在している。 「タリスはどこだ」 「お前さんの連れかい。すまない。助けるひまがtかった。地面に脱出口を開け、分前さんを地下トンネルヘ引きずりこんだが、あいにく連れの方は、奴らに空へ引きずりあげられたんだ」 タリスが奴らに連れ去られたと聞き、ヘルムはなぜか体の半分を切り離されたような気がした。 ヘルムは急に弱気になった。 「なぜ、俺を助けてくれた」 「おやおや、聞いていないのかい。そいつはおかしな話だな。あんた方のか偉方から助けるようにだのまれたんだ」 ヘルムはそんな話はガーディアン本部では聞かされていない。 「命令はどこから」 〔地球からガーディアンのクーリエが来たのさ」 乙この星には地獄船しか着陸できないはずだが」 「そこはそれ、色んなやり方があるってもんさ」 とうやら、今はこの地虫を信用するしかないなとヘルムは思った。しかし本部でこの協力者のことを聞いた覚えの々いことか気にかかった。記憶欠落をかこしているのだろうか。 千思議だ。それに地虫達はこの件についてどの程度まで知っているのだろうとヘルムは考える。 「我々の目標のことたが」 「グレイのことか。それがちょっとむつかしいんたよ。とにかく、俺について来てくれ。 入間梅園の現状をみせよう」 ヘルムは、地下トンネルを地虫の主価格の男のあとについて歩きだした。 「まだ、あんたの名前を聞いていなかった」 薄暗い地下トンネルを歩きなから、ヘルムは尋ねた。 「俺はスキャツグだ」 「そうか、俺は」 「わかってるよ。ヘルムだろう」 どうやら、地球本部からの連絡は確かにきているようだ。 トンネルは大きな構造物に通じていた。 「我々のステーションだ。ナーダ77の地下のあちこちにこんなのを作ってあるのさ」 中へ入る。かなり広い。一部屋は地球のガーディアン支部とみまちかう程、設備がゆきとどいていた。大きなモニター・スタリーンが装備されている, 「こいつが問題の人間樹だ」 スキャプグがスイツチをいれた。 樹海が目の前に拡がる。 しかしこの木々は、恐ろしく正確に等間隔に並んでいた。さら に地球の樹林のよりに緑色をしていない。うす紫色の空をバプタK、そいつは肌色をしてナーダ77の大地にはりついているのだ。 それは人間の体なのだ。入間の体にある種の処理をほどこし、ナーダ77の樹園の地の植えると、それは漸次、人間の姿形を残しつつ変化していく。体の内部は解体され、異なる生物形態へと改変されていくのだ。 入間に見えなから、入間ではなくなってしまう。 このナーダ77に人間樹とたるべき種人間を連れてくるのかむ軋暇々のだ。彼らは例えば難破船の入間を拾いあげたり、是々を襲って人間をさらってくるのだ。とびきり上等の肉体はサイボーグ手術用として他の是に売られる。がそれ以外の肉体はナーダ77の養殖大地の入間樹園で種人間にされる。 入間樹は段々と大きく成長していき、胴体からはえた肢から果実ができる。その実の中には人間の姿はしたから人間でない新しい生物ができあがっている。主人の言う事を厳守する生物遠の利用価値はそれこそ無限だ。 あらかじめ聞いていたとはいえ、ヘルムはショッタを受けた。はき気がした。 怖気立ち、モニター・スクリーンから目をそらせ、ヘルムはスキャッグに尋ねた。 「グレイはもう檜えられて久しいのか。どうたんだ」 「わからない。在庫品のリストはあのフライング・キャッシスルに住む砂憧入間の頭の中にあるんだ。何しろこの数だ。調べようがない」 「グレイがどうなったか調べる方法はまったくないわけか」 「いや、一つある」 スキャッグは無表情な複眼をヘルムヘ向けた。 「新しく、地獄船から入荷した品物、つまり入間は、必ず、このメモリー・マンのチェッタを受ける。だからメモリー・マンに近づき、探りだせばいいんだ」 「なんだって! それじゃ俺も入間樹の種入間になれというんだな」 「そう。他に方法はない」 「地獄船か」 「ちょうど、地獄船が来る時期なのだ。ナーダ77に着陸する前に乗りこまなければならない。準備はしてある」 「手まわしのいいことだ」 「いや、本部の指示だぜ。それじゃ、詳しい事は、俺の部下から聞いてくれ」 弱々しくヘルムが部屋から出ていくのを確かめて、Jキャッグは別のスタリーンを写した。そのスクリーンの入物に話しかける。 「あれでよかったかね」 スタリーンの中の人物は答えた。 「けっこうだ。スキャッグ。すまないが、もう一つ頼まれてくれないか」 「何でもするさ。あんたKは世話になっているからね。この地下ステーションの建築にも 協力してもらっていることだし。このチャンスに俺達も立ちあがるさ。有翼入とでフライング・キャッスルをこの星から追い出してやる。あの汚々らしい入間樹の栽培を俺達はたまってみているわけにはいかないからな。ここが潮時だ。俺達にも計画があるんだ。助けてくれるだろり」 「わかった。すまんが、その計画を聞く前にやってほしい事がある。ヘルムとタリスのロケットの残骸からこのブラッタ・ボッタスを捜してきてくれ」 スタリーンに小さな箱が写った。 「頼む、絶対に見つけてくれ。非常に大切なものだ」 「わかった。すぐに行ってこよう」 ヘルムは、スキャッグの部下に旧式のロケット発射場へと連れてこられた。 かなり老朽化した個人用タルーザーだ。地球でなら博物館でしかか目にかかれない代物だ。 スキャッグの部下はあまりうまく銀河共通語を話せない。 「あなた、これ乗る。空へあがる。上へあがり壊れる。宇宙に浮かぶ。地獄船くる。袷う。」 「ひどい話だ。本当に地獄船が来るんだろうな」 「本当の話」 スキャッグの部下は、急にヘルムの右腕に何かを剌した。 「何を」 言葉か出てこない。体力が急に消耗したように感じた。 ヘルムは地虫の節足にしっかりとつかまえられ、コックピットに無理やり押しこまれた。 スキャッグの部下は旧式クルーザーの発射ボタンを押し、ロケットは火山口から上空ヘ飛びあがっていった。 ■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回■(1985年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.02
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ガーディアンルポ02「人間樹の星」第1回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yama-kikaku.com/ ■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第1回■■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年 下級ガーディアン、ヘルムはようやく頭をあげ、コンソール・パネルを見た。眼がかす人でいた。まるで体じゅうを、鉛が満たしているようた。モニター・スタリーンに惑星ナーダ77の姿が近づいているのがみえる。ヘルムは意識をはっきりさせるために、強化剤を医療携帯パックから取り出し腕にあてる。 頭をふる。か々り長い間意識を失っていたような気がする。コックピット内部を初めて目にするような錯覚さえあるのだ。 かたわらのクリスを見た。また彼は意識を回復していない。ヘルムのテレパシーによる呼びかけにも応じない。外傷はたいしたことがないように見えるが、コンソール・パネルの上にうつぶしている。 ヘルムは、思わず悪態をついた。「くそっ、ROW奴らめ」 ガーディアン内部組織にかなりのROWがまぎれこみ、破壊活動を行産っている。ガーディアンの活動に重大な影響を与えているのだ。 地球出発時に仕掛けられた小型爆弾が、ガーディアン、ヘルムとタリスの宇宙船のコンパス・システムを狂わせ、困難な旅を彼らに強いた。 もとはと言えば、地球時代の上級ガーディアンの失態が原因なのた。 グレイは、ガーディアン区分による地球1時代の重要なファタター。MEの父の父系統に属する人間である。その彼がROWの精神的攻撃を受け、地球での生活に嫌悪感を持った。いや、そう思わされたのだ。彼は秘に地球を脱出した。が時代担当の上級ガーディアンは全くその行動に気がつか痙かった。そのために、ヘルムとクリスの下級ガーディアン2人が、この銀河辺境の「ナーダ77」まではるばるや.でくる事となった。 至世歴125年、地球にあの偉大々MEが誕生した。MEは絶滅の縁にあった人類を新たな道、栄光の道へと導いた。 この新生地球人類の前に立ちふさがったのがROWだった。彼らは新生人類に戦いを挑み、戦闘は果てしなく統くように思われた。 ROWは、一つの作戦を発動した。地球の歴史への挑戦、あるいは干渉である。過去の地球ヘタイム・ジャンプを行ない、MEを生みだした祖先の人々を地球史上から抹殺する作戦である。さらに関連入物や、その環境唾でにも魔手をのばした。一入の人物の精神的変貌、そしてMEの先祖に対する環境因子の変革はMEの生誕をあやうくするものだった。 このROWの作戦を察知した人類は、MEの家系を守るため、すなわち自分達、新生人類を守護するため、地球の過去へ瀕った。 人類の発生より、MEが誕生するまでのMEにつらなる人々をROWの攻撃よりガードするため、あらゆる時代へと自ら志願した戦士を派遣した。この人類戦士達を「ガーディアン」と呼ぶ。銀河辺境惑星ナーダ77は一風変わった惑星だ。地球の中世が、まだこの星に息づいている。星すべてを領主一人が支配している。領主の城が凝っているのだ。 シュクセイキ以前、20世紀ベルギーの画家マグリットの『ピレネーの城』の絵。波の上空に浮ぶ不思議な岩、その上の城。 まさにその通りだ。空間に浮かぶ岩、その岩の内部に城が構築されていた。この岩はーー小惑星といってもいいだろう-ナーダ77の上空を自由に往来できた。「飛ぶ城フライング・キヤッスル」。それはそう呼ばれていた。 2人の宇宙船は「ナーダ77」の引力圏へ人った。船の外観は隕石そっくりだ。彼らガーディアンが飛来したことを領主にかぎつけられ々いように処置してあるのだ。 激しい衝撃が二人を襲う。船はナーダ77の地面に激突し、大地にのめり込んだ。この船の機能はどうやらROWの爆弾のおかかげて、ずたずたにされているらしい。 ガーデーアン内部にROWのスパイが多数潜入している事実が本部で周知の事となってすでに久しい。ROWの擬態技術は超一流なのだ。人間そっくりに変化できるのだ。 ヘルムとタリスの乗った船も工作されていた。もちろん、これからの行動も妨害される可能性がある。しかし、彼らは、グレイを助け出し、地球に連れもどさねぱならない。そうし々けれぱ未来にMEが存在し々くなる。地球史が変わり、ヘルムもクリスも存在しなくなるだろう。金髪長身のクリスはいまだに意識を回復していない。ヘルムは彼の体をコンソールミハネルから引きずりかこす。念のため体を調べることKした。ロケット後部に装備されている医療チュープヘと運ぶ。この中で自動的にクリスの休は隅々まで調べられ、適切な処置を受けることかできるはずだ。唐突に、船内のシグナルが点滅し、コンピューターから警報がはせられた。「コノ船ハROWニ汚染サレテイルー危険ダ・乗員ハタダチニ脱出セョ」ヘルムは医療チューブごとタリスを引きずりだそうとした。しかしチューブは徽動だにしない。船内に警告がくりかえされる。ブザーが鳴り始める。 「週船セヨ、退船セヨ」クリスをチューブから出そうとする。今度はチューブの開閉機構が作動しない。急いで船外へ説出し痙ければ々らない。どこにROWがいるのたろうか。明滅するランプはフネの自爆時間が迫っていることを示している。ヘルムはレイ・ガンを使い、やっとのことでタリスをチューブから引きずりたす。宇宙服を着る間ももどかしく、タリスを背負い、ハッチヘと向かった。■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第1回■(1985年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook
2006.03.01
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