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2004年08月31日
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カテゴリ: 読書
 「約束」の三番目に入っている物語。

 父親の突然の事故死のあと、子供二人を抱えて、
人に頼らず母は懸命に働いている家庭。

 10歳だがいざという時頼りになる息子が、ある日突然突発性難聴になる。
 耳鼻科でなく心療内科を勧められ、母子でのカウンセリングが始まる。
 そこで、失語症の女の子とその母親と仲良くなり、お互いのことを打ち明ける。
 失語症の女の子の父と母の関係は崩壊寸前だった。


身近に突然目が見えなくなった人を知っている。
 心の中に抑えきれなくなった悲しみや苦しみを
盛大に吐き出す術を知っていれば、こんなことにはならない。
 しかし、真面目な人や、特に子供だったりすると、
自分がストレスに押しつぶされそうなだということがわからない。
 家庭内暴力や引きこもりなどで出せる子はまだいいのかもしれない。
 それさえ出来ぬ子供は、病気のような症状をだすことによって、
大人たちにシグナルを出しているのだ。
 このような子供の心には、親、特に母親の感情が、
大きく影響する気がする。

 「天国のベル」では、誰も聞こえない電話の音を少年が聞き、

 ひとつ間違えると夏にぴったりのオカルト話だが、
耳で聞こえないからこそ、心の耳で聞くことが出来たのだ。
 父からのビデオメッセージによって、少年の聴力だけでなく、
母子の家族の暖かい立ち直りを予感させる結末となる。


 しかし、何か今までとは違った思いや見方を、
夫も妻も見つけられたのではないかと思わせてくれる。

 多分、現実にはもっともっと耐えられない結末も多いのだろうが、
読後毎回、救いや安心を感じさせてくれる石田衣良。好きだなあ。 






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最終更新日  2004年08月31日 01時11分25秒
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