

もっと手前の天井近くには鹿狩り図が、青・緑・赤茶の鮮やかな色彩でよく見える。狩人は鹿から虎に目移りして虎に向かって行っている。牛や子連れの豚もおり、脇の方は未完成で色がついていない。9または13の頭を持つカイメイ(やはり法を守る役目の獣だそうだ)が、竜の姿で描かれ、色は空色と黒。かわいい形なので描く(左画像)が、細長い頭一つに見える部分は、9または13個の丸い頭が並んだものだという。後年、 佐藤史生『打天楽』
を読んだら 開明獣
というのが出てきて、あっこれだ! と思った(ただし、形は全然違う)。




にもかかわらず、驚いたのは、これから帰るはずの行く手が何やら青く海のように見えたことだ(右写真、地平線の青黒い筋)。ガイドのMさんは、これも蜃気楼だと言って大騒ぎ。しかし本当に青い。これが目の錯覚だとはとても信じられない。だが、バスに乗りこみどんどん行くと、いつしか海は消え失せて、ポプラの固まって生えている我らが敦煌のオアシスに着いたのである。