ひこじいさんのブログ

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2013年01月24日
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信州伊那谷には、昔から各家に柿の木が植えられていて、砂糖が貴重品であった頃は干し柿が唯一の甘い「おやつ」であった。

10月の初霜が下りる頃になると、夕方柿取りをして夜なべにナイフで柿の皮を剥き、翌朝に縄に吊るして軒下に干す。
渋かった柿が、十日ほどで飴色に変わってトロリとした甘さを持つようになる。一か月もすると、乾燥した柿の表面にグルコースなどの白色の結晶が白い粉となって析出し、甘美な味の干し柿となる。

昔は自家消費するだけであったのだが、50年ほど前から「市田柿」のブランドで店頭に並ぶようになった。市田柿が他に類を見ない甘美な干し柿となるのは、一説には天竜川の朝霧が干し柿を育てるとも言われ、今では気軽に口に入らない高級食品になってしまった。

全国各地に「コロ柿」などの名前で干し柿があるが、それらの中では市田柿が最も上品で美味ではないかと思っている。しかし、砂糖を目一杯使った甘いカラフルな色彩の生菓子に慣れた現代の子供や孫たちは、干し柿には見向きもしない。

干し柿は長寿祈願の歯固めのための食べ物で、正月の縁起物として欠かせない食品の一つであり、干し柿が貴重であったことから柿の豊作祈願のための儀礼が古くから行われてきた。

小正月15日には、「モグラ打ち」、「鳥追い」に合わせて「成り木責め」の行事が行われていたと、60年も前に明治生まれの父親に教えて貰ったことがある。

成り木責めは、親子や兄弟、祖父と孫などの二人が一組になって行い、一人が「今年は成るか、成らぬか、成らぬならお前をチョン切るぞ」と言いながら鉈で幹を叩く。もう一人が「成ります、成ります」と答えると言う行事だ。




成り木責めの対象として柿の木が選ばれたのは、柿の実が豊作の年は他の果実も豊作になるためだとされる。

これらの行事は戦前までは普通に行われていたのだが、いつの頃からか実施する家もなくなり今ではすっかり途絶えてしまった。

伊那谷のある市では、市の農業課の肝入りで行事の復活に取り組んでおり今年も15日に実施された。

リンゴ、ミカン、柿などの果樹は、「隔年結果」の習性があって成り年、不作年(陰の年)を一年おきに繰り返す。果樹の隔年結果の原因として、不成り年には花の数が極端に少ないのだという。

成り年は沢山の果実に栄養が回らないので実が小さく品質も低下するが、陰の年は実が少ない分大きく品質は良い。
その対策として晩秋の施肥、枝の剪定、摘果などの栽培管理をすることで隔年結果を回避できると言われている。

50年ほど前に我が家の庭に植えた富有柿は、一昨年の不成りの反動で昨年は枝が折れるほどに実が着いた。しかし、この5年ほどヘタ虫被害により青い実のまま落下したり、甘くなって食べられるようになる前にグジュグジュになって落ちてしまうようになった。

その上、果実の身に糸状菌が原因と思われる白く硬い部位が発生するようになった。物の本によれば、季節ごとの殺虫剤と殺菌剤散布が必要だとしている。とても、大きな木の全てに消毒を施すことは不可能なので、成り木責めではないが思い切って強剪定をし、さらに病害虫が潜むと思われる樹皮を削り取った。

枝が全くなったので今年の収穫は望むべくも無いが、剪定と害虫や菌の潜む樹皮を削ったことで来年以降病害虫を減らすことが出来ればと思っている。








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最終更新日  2013年01月24日 12時56分43秒


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