ひこじいさんのブログ

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2014年10月10日
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毛吹…。と訊くと咄嗟にこの漫才を思い浮かべてしまうが、その出典は古く紀元前400年も前の中国戦国時代に既に使われていた言葉である。

毛吹草(けふきぐさ)という江戸時代(1645)松江重頼によって刊行された俳諧の作法書がある。
発句・付句の作例などのほか季語・俚諺・付合語彙・諸国名物などが収載され7巻5冊より構成されている。

この毛吹草という題名は極めてユニークだが、出典は韓非子に出てくる「不吹毛而求小疵、不洗垢而察難知」(毛を吹きて小疵を求めず、垢を洗ひて知り難きを察せず)である。

その意は、「毛を吹き分けて隠れた小さな疵を探すようなこともせず、垢を洗い落として分かりづらかった本来の皮膚の色を知ろうとするようなこともしない。」と言うことだが、「毛を吹いて疵を求む」は慣用句となっていて毛を吹き分けて隠れた疵を探すように殊更に他人の欠点を見付けようとして、かえって己の欠点を露呈してしまう意味でも使われる。

毛吹草の序文に「今年は寛永十五年、戊寅の毛を吹きて疵を求めん事、疑ひなし。」と書かれていることから、「毛を吹いて疵を求めず」を引用して自嘲を込めて著作物の題名に使ったものであろう。

この中に、「夜目遠目笠の内」なる言葉が見える。

ここに出てくる笠は傘と同語源で藺(い)・菅(すげ)・竹・檜板などで浅い円錐形に作って日光・雨・雪などが当たらないように頭にかぶるもので「かぶりがさ」ともいう。笠には多くの種類があるが女性用としては、綾藺笠・塗笠・菅笠・花笠・市女笠・鳥追笠などがある。



この諺では笠だが傘でも同じように通用するので、傘の字を用いることは誤用だとしてことさら目くじらを立てるほどのことでは無い。

むしろ笠ではなく雨中に蛇の目傘や、強い日射しの中で日傘を差している和服姿の女性の方がこの諺にはぴったりである。

この諺は婦女子の美しく見える場合を挙げたもので、「夜の暗がりや遠目、或いは笠に隠された女性の姿は実体が良く見えないので想像によって実際より美しく見えてしまうものである。」というほどの意味である。


「いろはかるた」の「よ」の札は江戸かるたでは「葦の髄から天井覗く」だが、京かるたでは「夜目遠目笠の内」となり大阪(名古屋)かるたでは「よこ槌で庭はく」となる。

ここに出てくる京いろはかるたの「夜目遠目笠の内」は、冒頭の「毛吹き草」が出典となっている。





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最終更新日  2014年10月11日 07時28分14秒


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