よしずみの旅日記

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2009.11.07
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カテゴリ: 岡山・北木島の旅
~北木島の水~



車のすれ違いもしづらい海岸道をくねくねと右回りに進み、楠集落を経てしばらくすると、湾を取り囲む緩斜面に家並みが続く集落、大浦に入った。
大浦港は、笠岡からの船が1日8便(うち5便は高速船)が入港する、北木島の東の玄関口であり、豊浦と同じく郵便局や商店がある集落である。

宿のマスターと同宿者に別れの挨拶をして、集落をぶらぶらした。

大浦の家並み

表通りから中へ入ると、山へ向かって軽自動車が通れそうな道が何本かあるほかは、自転車やバイクがすれ違える程度の「路地」が縦横に巡っている。その狭い路地の両側に家がびっしりと並んでいる。しかもその路地は、正確な碁盤目状に作られているわけではなく、くねくね曲がっていたり、次の路地と交差したところで途切れてしまったり、と自然発生的に作られた印象を受ける。大浦というあまり広くはない島の住宅適地に、なるべく多くの人が住めるよう個々の住民が最低限の交通路を残して家を建ててきた結果のようにも思える。

では多くの人が住めるよう小さな家屋ばかりかというとそうでもない。敷地は狭いが立派な建物が建っていたり、瓦を載せた木塀で敷地を囲んだ家もあったりで、北木島の過去の財力がこのような家並みを生んだのかと想像する。

大浦の家並み2

時間があったらもっと路地を散策して楽しむのだが、帰りの船の時間もあるため、山に向かって歩き始めた。今日は金風呂まで島の西側を歩いていく予定でコースを組んだのだが、宿の奥さんからは「その道は藪をこいでいくような道ですよ」と言われていたし、離島巡りが好きな同宿者からは「人しか歩けないような離島の道って、道が悪かったり蜘蛛の巣が張っていたりで、思いのほか歩くのに時間がかかったりしますよ。」と言われていたので、距離は3km程度なのだが、かかる時間が読めなかったのである。

道端にいた島の方々に道を尋ねながら、島の脊梁を越え、水道の配水池を横目に道を下り、丸岩方面への道と分かれて右へ降り、さらに下浦方面への道を左に分けて歩いていく。道幅は自転車やバイクが通れる程度。蜘蛛の巣対策に枯れ木を前方で上下させながら歩いていたが、路面はコンクリート舗装で歩きやすい。こんな良い道はいずれ終わり、歩きにくい山道が始まるのだろうと覚悟していたが、周囲の藪が道に覆いかぶさろうとしていても、路面はコンクリート舗装のまま続いていた。

大浦から金風呂へ

蜘蛛の巣も結構あり、到底多くの人が通行しているようには思えない。それでもなぜコンクリート舗装なのか? 昔の主要街道だったのか、などと答えをあれこれ思案していたところ、路面に直径20cm程度の鉄蓋を見つけ、謎が解けた。
びっくり

昨夜、離島巡りをする同宿者が「この島は水に不安がないんですか?」とマスターに聞いた。離島では水を自由に使えるほどの水源がないため、水圧が低かったり水が十分使えないところもあるという。ところが、マスターの答えは意外だった。「この島は本土から海底送水管で水が配られているんだよ」。
後で白石島との瀬戸に行ったとき、海岸に次のような三角の標識と看板が掲げてあった。

海底送水管

瀬戸の向かい側の白石島の海岸にも、同じ三角の標識が立っている。きっと、このそれぞれの標識を結ぶように海底送水管が布設されているのだろう。
あとで笠岡市のHPで知ったが、この海底送水管は昭和57年度に完成したもので、本土から高島、白石島と布設されてきた管が北木島に渡ったところで分岐し、隣の真鍋島や小飛島、さらにその先の島までつながっている。水源は遠く倉敷市の近くの高梁川から取水してきているようだ。

金風呂地区の配水池でフェンスに絡んだ蔦を取り払っている地元の人からこんな話を聞いた。
「本土から水が来る前は地下水だったけれど、石の工場でもよく水を使うから、水を巡ってしょっちゅう喧嘩してたよね。」

本土から水が来たときの、島のみなさんの笑顔が目に浮かぶようだった。
そして、都会では蛇口から出るのが当たり前の水、その水が存在することのありがたさを、この島で感じた。

<つづく>





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Last updated  2009.11.08 16:37:20
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